第5章 段階的に熱源更新を行う既築建物に導入したSHGによる建物間熱融通の有
5.3 段階的に熱源更新を行う既築建物に導入したSHGの評価
5.3.4 双方向熱融通によるエネルギー需要の統合化効果
106
温熱需要が事務所用途のACD に生ずる中間期、AのCGSが稼働している時間帯(8~21時)は 廃熱を優先的に活用、空冷HPで製造した熱と併せて供給する。結果、BCDは自己熱源を稼働せず、
熱融通のみで需要を賄う。CGSが停止している時間帯には、暖房負荷対応はA又はCの空冷HPか ら供給、給湯負荷のあるBは自己熱源のボイラーで対応する。
以上から、いずれのケースにおいても4ビルの全需要に対して優先稼働する建物の熱源で80%を 超える割合を賄える事が確認できた。設備更新に伴い熱融通の供給を新たに導入した高効率機が担 う事でエネルギー消費量の削減に繋がると共に、熱融通だけでは不足する需要に対応する補完稼働 する熱源機も、従前、供給役割を担っていた高効率機が対応する事で、更にシステムとしての高効 率化が図られ、SHGは持続的に省エネルギー化が可能な熱融通システムと考える。
107
5.3.5 熱源稼働負荷率の向上と低負荷稼働時間の低減効果
双方向熱融通受入する事で、特に冷熱需要対応において、従前、20%以上の比例制御域で稼働で きていた熱源機が、熱融通を受入、補完稼働して20%未満のON/OFF制御域の運転になる事が懸念 される。そこで、熱融通受入前後の熱源稼働負荷率について確認した。5.4.3と同じケースの各建物 熱源機の負荷率20%未満運転時間と冷熱源稼働平均負荷率を図5.4.11~12に示す。なお、図中の適 用フェーズ年度の左に記載の丸数字は同フェーズにおける熱源稼働優先順位を示す。
図5.3.11 負荷率20%未満運転時間と冷熱源平均稼働負荷率(A及びB)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
0 2000 4000 6000 8000 10000
なし 10% 20% 30% なし 10% 20% 30% なし 10% 20% 30%
平均稼動負荷率
負荷率20%未満稼働時間(h)
熱融通割合
①【1~5年度】 ②【11~15年度】 ②【31~35年度】
A
負荷率20%未満運転時間 冷熱源稼動平均負荷率
0%
20%
40%
60%
80%
100%
0 2000 4000 6000 8000 10000
なし10%20%30% なし10%20%30% なし10%20%30%
平均稼動負荷率
負荷率20%未満稼働時間(h)
熱融通割合
④【1~5年度】 ④【11~15年度】 ①【31~35年度】
B
負荷率20%未満運転時間 冷熱源稼動平均負荷率
各対象年度左に記載の丸数字は稼働優先順位を表す
各対象年度左に記載の丸数字は稼働優先順位を表す
108
図5.3.12 負荷率20%未満運転時間と冷熱源平均稼働負荷率(C及びD)
1~5年度・供給役割のAビルにおける負荷率20%未満の稼働時間は、熱融通無し:602時間に対
して10%:3,898時間、20%:3、757時間、30%:3,751時間と増加するが、平均稼働負荷率は熱融
通無し:51%に対して10%:36%、20%:38%、30%:39%と低下するが、熱の面的利用による統 合効果で高負荷率稼働時間帯が多く、負荷率は20%未満にはならない。これは、本項で設定した4 ビルが24時間を通じて冷熱・温熱需要があるホテル1棟と3棟の事務所の組合せであったため、熱 融通の供給役割を担う建物がホテルの低負荷率需要域に熱融通する供給役割となった場合、熱源稼 働負荷率が 20%未満となる運転時間が増え、一方、熱融通受入するケースのホテル B は、負荷率 20%未満の熱源稼働時間が大幅に減少した。又、熱源の稼働優先順位は全熱源年間平均COPが高い 組み合わせを確認し決定したが、全ケースで年間を通じた冷熱源稼働平均負荷率は比例制御域であ る20%超の値である事が確認でき、熱源の省エネルギー運用に繋がる事が確認できた。
0%
20%
40%
60%
80%
100%
0 2000 4000 6000 8000 10000
なし 10% 20% 30% なし 10% 20% 30% なし 10% 20% 30%
冷熱源稼動平均負荷率
負荷率20%未満稼働時間(h)
熱融通割合
③【1~5年度】 ①【11~15年度】 ④【31~35年度】
C
負荷率20%未満運転時間 冷熱源稼動平均負荷率
0%
20%
40%
60%
80%
100%
0 2000 4000 6000 8000 10000
なし 10% 20% 30% なし 10% 20% 30% なし 10% 20% 30%
冷熱源平均負荷率
負荷率20%未満稼働時間(h)
熱融通割合
②【1~5年度】 ③【11~15年度】 ③【31~35年度】
D
負荷率20%未満運転時間 冷熱源稼動平均負荷率 各対象年度左に記載の丸数字は稼働優先順位を表す
各対象年度左に記載の丸数字は稼働優先順位を表す