第5章 段階的に熱源更新を行う既築建物に導入したSHGによる建物間熱融通の有
5.2 段階的に熱源更新を行う既築建物に導入したSHGの導入効果
5.2.1 対象既築モデルビル配置の設定
既成市街地内の近接する既築ビル 4 棟を対象に、A ビルが熱源更新する時に SHG を構築、その 後、他のビルが熱源更新する毎に熱の供給・受入の役割を変更するSHGによる建物間双方向熱融通 ネットワークシステム・モデルの建物配置・熱融通配管延長を設定した(図5.2.1)。
図5.2.1 既築モデルビル配置
50m
( 1 年度)
Aビル設備更新+
SHG構築
( 6 年度)
Bビル設備更新
( 11 年度)
Cビル設備更新
( 16 年度)
Dビル設備更新
( 26 年度)
Aビル建替え
( 31 年度)
Bビル建替え 60m
20m
35m
40m
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5.2.2 4つの既築モデルビルを対象とした双方向熱融通シミュレーションの考え方
4ビルの全熱源年間平均COPが高くなる様に稼働優先順位定め、熱融通に伴う放熱ロス及び搬送 動力のエネルギーロスを考慮して双方向熱融通を行なうケースと熱融通を行わず各ビル自己熱源が 稼動し需要対応するケースのエネルギー消費量をそれぞれ算出、時刻別に比較し少ないエネルギー 消費量を抽出・合成し算出した。(図5.2.2)
図5.2.2 双方向熱融通シミュレーション・フロー 建物負荷設定※
熱源設備仕様設定 熱融通量設定
(熱ルータ・熱交換量設定)
熱融通配管設定 (配管圧損計算を含む)
熱ルータ・ポンプ設定 熱融通ロス(搬送動 力・放熱ロス)の計算
設定した優先順に 基づく熱源起動と 熱融通シミュレーション
月別・時刻別データ※
時刻別エネルギー 消費量計算(Ⅰ)
時刻別エネル ギー消費量比較
Ⅰ<Ⅱ
合成出力
開始
建物負荷設定※ 熱源設備仕様設定
時刻別エネルギー 消費量計算(Ⅱ)
熱融通実施の 時刻別データ抽出
YES
NO
自己熱源稼動の 時刻別データ抽出
終了 開始
【双方向熱融通ケース】
【熱融通無しケース】
月別・時刻別データ※
各建物別シミュレーション
※空衛学会データを使用
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⚫ Aビルが熱源更新する際に、熱融通配管及び各建物に熱ルータを設置し、SHGを構築し双方 向熱融通を行う設定とした。その後、熱源の稼動順は、双方向熱融通を行う事を前提に、4ビ ル全熱源の年間製造熱量を一次エネルギー換算したエネルギー使用量で除した値を「全熱源
年間平均COP」と称し、同COPが高くなる熱源稼働順を採用した。具体的には、一番に稼動
を優先させる熱源を設置する供給役割を担う建物で製造した熱を自家消費に利用、供給能力 に余裕がある場合に定格稼動させ、他の建物の受入要求に対して余剰分を供給させる。更に、
受入側の要求量に対して不足する場合には、一番目と同様に、二番目の稼働優先順位の熱源 機を保有する建物が自家消費し、まだ製造能力に余裕がある場合、熱融通する設定とし、従 前、受入モードであった二番目の稼働優先順位の建物が供給モードに切り替える、時刻別に 熱融通の流れが変化するシミュレーションを行った。三番目に稼働優先の建物・熱源も同様 の設定とした。なお、熱受入側建物が熱融通のみでは不足する場合には、その分は自己熱源 で補完し需要対応させる。但し、エネルギーロスを加えた熱融通への投入エネルギー量が自 己熱源で賄うそれよりも多い場合、融通は行わず自己熱源で賄うとした。なお、熱融通に伴 う放熱ロス分は供給側が融通分を含めて製造し、搬送動力は供給・受入双方の熱ルータで賄 う設定とした。以上のシミュレーションは熱源更新の設定をした35年間を対象に行った。
⚫ 各建物の電力・冷暖房・給湯負荷はそれぞれの延床面積に、空気調和・衛生工学会の用途別エ ネルギー原単位を用いて設定した。
⚫ 設備更新する各機器については、メーカヒヤリングを行い、今後の技術開発を見込んだ高効 率化を考慮したCOPの設定した(表5.2.1)。なお、本シミュレーションでは、3 度目の設備 更新時の26年度目にAビル、31年度目にBビルを建替と設定したが、建物規模、同負荷は 同じとした。
表5.2.1 各既築モデル建物の熱源の構成と効率等設定仕様
能力 台数 能力 台数 能力 台数 能力 台数
[kW] [台] [kW] [台] [kW] [台] [kW] [台]
GE 370 2 37% AR 527 2 1.00 0.80 HPC 118 10 3.20 3.20 HPC 118 5 3.50 3.50
GL 738 2 1.30 0.86 B 500 2 0.80
HPC 150 10 4.50 4.50
AR 527 2 1.40 0.86
B 500 2 - 0.86
HPC 118 10 5.00 5.00
HPC 118 5 5.25 5.25
GE 370 2 37%
GL 738 2 1.70 0.86
HPC 150 10 5.75 5.75
HPC 150 7 6.00 6.00
B 500 2 - 0.86
補記)
・GE:ガスエンジン、GL:廃熱投入型冷温水機、HPC:空冷ヒートポンプチラー、AR:ガス吸収冷温水機、B:ボイラー を示す。なお、ガスエンジンのCOP欄は発電効率(LHV)を記す。
・表中の色付セル記載の熱源は更新対象、色の付いていないセル記載の熱源は従前から設置熱源 暖房
COP 熱源 機器
冷房 COP
暖房 COP 冷房
COP 暖房 COP
熱源 機器
冷房 COP
暖房 COP
熱源 機器
C事務所(延床面積:10千㎡) D事務所(延床面積:5千㎡)
冷熱負荷 温熱負荷
冷熱負荷 1,040kW
580kW
520kW 290kW 温熱負荷
冷熱負荷 温熱負荷
冷熱負荷 温熱負荷
Aビル建替え
Bビル建替え ↓
↓
↓
Dビル
熱源更新 ↓
↓
↓
Aビル熱源更新 SHG構築
↓
↓
↓
↓
↓
↓ 熱源更新計画
対象年度
↓
↓ ↓
Bビル 熱源更新
Cビル 熱源更新 1~5年度
2,600kW 1,450kW
870kW 1,940kW A事務所(延床面積:25千㎡) Bホテル(延床面積:10千㎡)
熱源 機器
冷房 COP
6~10年度
11~15年度
16~25年度
26~30年度
31~35年度
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