第3章 共通の災害応急対策計画
第2節 災害状況等の収集・伝達計画 (総務対策部・消防対 策部)
災害状況等の収集・伝達、報告は以下による。
第1 実施責任者
1 市長
市長は、市域内に発生した被害の状況を迅速かつ的確に調査収集し、県に報告する。
県に報告できない場合においては、国(総務省消防庁:03-5574-0119)に報告する。
なお、市長は被害が甚大なため被害の調査が困難なときは、関係機関に応援を求めて 行う。
2 消防機関
消防機関は、火災等が同時多発あるいは多くの死傷者が発生し消防機関への通報が殺 到した場合は、直ちに国(総務省消防庁)、県に報告する。総務省消防庁に対しては、
県を経由することなく直接報告する。
第2 災害状況の収集
1 災害情報の把握
市は、被害規模を早期に把握するため、以下の情報等の収集を行う。
なお、情報の収集に当たっては、地理空間情報の活用や、他の機関と情報を共有し連 携に努める。
(1) 人的被害、住家被害、火災に関する情報 (2) 避難の勧告、指示の状況、警戒区域の指定状況 (3) 避難者数、避難所の場所等に関する情報 (4) 医療機関の被災状況、稼働状況に関する情報
(5) 道路の被害、応急対策の状況及び道路交通状況に関する情報 (6) ヘリポートの被害及び応急対策の状況に関する情報
(7) 電気、水道、電話の被害及び応急対策の状況に関する情報 (8) 漁港の被害及び応急対策の状況及び海上交通状況に関する情報 (9) 大規模災害時における消防機関への 119 番通報の殺到状況 2 推定による被害情報の把握
大規模災害時には、通信や交通の途絶等により効果的な情報収集作業が行えないこと から、このような情報の空白期間においては、被害の大まかな様子を推定し、これに基 づいて、初動対応を実施する。
また、119 番通報の殺到状況や周囲の状況等から被害情報を推定する。
第3章 共通の災害応急対策計画 第2節 災害状況等の収集・伝達計画
応-45
さらに、倒壊家屋数、火災発生現場数等の人命損失に係る情報については、早期に把 握する必要があるため、市、消防対策部、消防団、警察本部等から「推定情報」につい ても報告してもらう。
3 職員の参集途上による被害状況の把握
夜間、休日等の勤務時間外に災害が発生した場合において、各職員は、事前に設定し た自宅から職場までの参集ルートの途上で情報を収集する。
参考資料 7-4 災害概況調査票 4 非常災害に係る情報の収集
市は、自らの対応力のみでは十分な災害対策を講じることができないような災害が発 生したときは、速やかにその規模を把握するための情報を収集するよう特に留意し、被 害の詳細が把握できない状況においても、迅速に当該情報の報告に努める。
5 各部による調査収集
市災害対策本部における各部は、所管にかかる災害情報、被害状況を調査収集し、総 務対策部長に報告する。
第3 災害報告
市長は、災害対策基本法第 53 条第1項及び消防組織法第 22 条の規定に基づき、被害の 具体的な状況を県に報告する。
なお、報告の種別は、災害発生時の時間的経過に従って区分し、その種類及び要領は以 下のとおりとする。
1 報告の種類 (1) 災害概況即報 (2) 被害状況即報 (3) 災害確定報告 (4) 災害年報 2 報告要領
(1) 災害概況即報
災害の具体的な状況、個別の災害現場の概況等を報告する場合、災害の当初の段階 で被害状況が十分把握できていない場合(例えば、地震時の第一報で、死傷者の有無、
火災、津波の発生の有無等を報告する場合)に、災害即報様式第1号に基づく内容を 県に沖縄県総合行政情報通信ネットワーク等で報告する。
県に報告できない場合においては、総務省消防庁に報告する。
参考資料 7-6 災害即報様式
第3章 共通の災害応急対策計画 第2節 災害状況等の収集・伝達計画
応-46
■災害即報様式第1号の記入要領
災害の概況
発生場所 発生日時
当該災害が発生した具体的地名(地域名)及び日時を記入する。
災害種別 概況
風 水 害 降雨の状況及び河川のはん濫、溢水、がけ崩れ、地すべ り、土石流等の概況
地 震 地震に起因して生ずる火災、津波、液状化、がけ崩れ等の 概況
火山噴火 噴火の状況及び溶岩流、泥流、火山弾、火山灰等の概況 その他これらに類する災害の概況
被害の状況 当該災害により生じた被害の状況について、判明している事項を具体 的に記入する。その際、特に人的被害及び住家の被害に重点を置く。
応急対策の 状況
当該災害にたいして、市(消防機関を含む。)及び県が講じた措置につ いて具体的に記入する。特に、住民に対して避難の勧告・指示を行っ た場合には、その日時、範囲、避難者の数等について記入する。
(2) 被害状況即報
被害状況が判明次第遂次報告するもので、災害即報様式第2号に基づく内容を、県 災害対策地方本部等を経て、県災害対策本部総括情報班(防災危機管理課)に、沖縄 県総合行政情報通信ネットワーク等で報告する。
県に報告できない場合においては、総務省消防庁に報告する。県と連絡がとれるよ うになった後の報告については、県に対して行う。
なお、報告に当たっては、被害状況判定基準によるとともに、地元警察(署、駐在 所、交番)と密接な連絡を保つ。
参考資料 7-5 被害状況判定基準 参考資料 7-6 災害即報様式
■災害即報様式第2号の記入要領
各被害欄
原則として、報告の時点で判明している最新の数値を記入す る。ただし、被害額については、省略することができる。
なお、「水道」、「電話」、「電気」及び「ガス」については、ピ ーク時の断水戸数、通信不能回線数、停電戸数及び供給停止 戸数を記入する。
災害対策本部設置の 状況
本部設置の有無及び設置の場合においては設置及び廃止の日 時を報告する。
避難の状況
避難の勧告又は指示をした者、対象となった区域及び人員、
避難避難場所等、避難の勧告指示をした日時、避難完了日時、
避難の方法その他必要な事項について報告する。
応援要請 応援を要請した市町村、人員、作業内容の概要、期間その他 必要な事項について報告する。
応急措置の概要 消防、水防その他の応急措置について概要を報告する。
救助活動の概要 被災者に対する救助活動について概要を報告する。
備考 欄
災害の発生場所 被害を生じた地域名 災害の発生日時 被害を生じた日時又は期間
災害の種類概況 台風、豪雨、洪水、高潮、地震、津波等の種別、災害の経過 消防機関の活動状況 消防、水防、救急・救助、避難誘導等の活動状況
第3章 共通の災害応急対策計画 第2節 災害状況等の収集・伝達計画
応-47 (3) 災害確定報告
被害状況の最終報告として、同一の災害に対する応急対策が終了した後 20 日以内 に災害報告様式第1号に基づく内容を、県災害対策地方本部等を経て、県災害対策本 部総括情報班(防災危機管理課)に報告する。
なお、報告に当たっては、地元警察(署、駐在所、交番)と密接な連絡を保つ。
参考資料 7-7 災害報告様式 (4) 災害年報
毎年1月1日から 12 月 31 日までの災害による被害の状況について、翌年4月1日 現在で明らかになったものを、災害報告様式第2号に基づき4月 l5 日までに県へ報 告する。
参考資料 7-7 災害報告様式 (5) 災害に対してとられた措置の報告
災害に対してとられた措置についての報告は、以下のとおり報告する。
ア 市災害対策本部設置の状況
災害対策本部設置の有無及び設置の場合において、設置及び閉鎖の日時を報告 する。
イ 避難勧告又は指示の状況
避難の勧告又は指示をしたもの、対象となった区域及び人員、緊急避難場所等、
避難の勧告又は指示した日時、避難完了日時、避難の方法その他必要な事項につい て報告する。
ウ 消防機関の活動状況
出動消防職員数及び消防団員数(延人員)消防機関の出動機械器具の数及び活 動内容の概要その他必要な事項について報告する。
エ 応援要求状況、職員派遣状況
応援を要求した場合、氏名、人員、作業内容の概要、期間その他必要な事項に ついて報告する。
オ 応援措置の概要
消防、水防その他の応援措置について概要を報告する。
カ 救助活動の概要
被災者に対する救助活動について概要を報告する。
参考資料 3-1 災害情報連絡系統図
第3章 共通の災害応急対策計画 第2節 災害状況等の収集・伝達計画
応-48
第4 地震発生直後の第1次情報の報告
地震発生時においては、本章本節第3「災害報告」に掲げた災害報告に加え、以下のと おり、第1次情報を報告する。
1 報告すべき災害の発生を覚知したときは、覚知後 30 分以内で可能な限り早く、わかる 範囲で、国(消防庁)へその一報を報告するものとし、以後、即報様式に定める事項につ いて判明したもののうちから逐次報告するものとする。
2 被害の有無に関わらず、地震が発生し、市域内で震度5強以上を記録した場合、又は 津波により死者又は行方不明者が生じた場合は直ちに消防庁及び県に対し報告する。
3 行方不明者の数については捜索・救助体制の検討等に必要な情報であるため、住民登 録や外国人登録の有無に関わらず、市域(海上を含む。)内で行方不明となった者につい て警察等関係機関の協力に基づき正確な情報の収集に努める。
4 行方不明者として把握した者が、他の市町村に住民登録や外国人登録を行っているこ とが判明した場合には、当該登録地の市町村(外国人のうち、旅行者など外国人登録の 対象外の者は外務省)又は県に連絡する。
第5 安否情報の提供
市は、被災者の安否について住民等から照会があったときは、被災者等の権利利益を侵 害することのないように配慮しつつ、消防、救助等の人命に関わる緊急性の高い応急措置 に支障を及ぼさない範囲で、可能な限り安否情報を回答するよう努める。
また、安否情報を適切に提供するために必要なときは、関係市町村、消防機関、県警察 等と協力して、被災者に関する情報の収集に努める。
なお、被災者の中に、配偶者からの暴力等を受け加害者から追跡されて危害を受ける恐 れがある者等が含まれる場合は、その加害者等に居所が知られることのないよう当該被災 者の個人情報の管理を徹底するよう努める。