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(1)災害危険度評価 

小国町の災害環境や平成 28 年熊本地震を踏まえ、地震、水害等の各種災害危険 性について評価を行いました。評価結果は以下の状況です。 

●地震に関する危険性評価 

●災害危険区域の建物状況に関する評価 

●道路の脆弱性に関する評価 

●避難の困難性に関する評価 

表  地域別の危険度評価 

※  道路損壊箇所の割合は、平成 28 年熊本地震の道路被害 39 箇所/道路延長(m) 

震度6強以上 の地域の人口 割合

震度6強以上 の地域面積割 合

浸水想定区域 内の建物割合

土砂災害警戒 区域内の建物 割合

% % % %

1宮原 4 1 .9 6 3 .8 1 5 .0 1 9 .8

2上田 4 1 .6 5 2 .3 4 .7 2 6 .5

3北里 8 8 .1 7 8 .8 1 3 .1 3 4 .6

4西里 9 0 .5 9 3 .6 3 .3 5 3 .6

5下城 9 6 .4 7 7 .1 2 .6 4 1 .6

6黒渕 7 .9 2 3 .0 1 .2 2 8 .5

6 1 .1 6 4 .8 6 .6 3 4 .1

平均

1 .地震に関する危険性 2 .災害危険区域の建物状況

単位

災害危険区域 内の道路割合

道路損壊箇所 の割合

幅員3m未満 道路割合

避難未収容率

避難所から1 km以遠の人 口割合

% 箇所/ 100 km % % %

1宮原 31 .7 12 .0 27.4 2 2.2 11 .2

2上田 10 .0 8 .7 30.1 5 3.1 46 .7

3北里 23 .9 9 .6 53.9 0.0 40 .8

4西里 12 .5 7 .3 21.9 2.9 19 .7

5下城 20 .1 36 .3 60.9 0.0 46 .8

6黒渕 23 .0 8 .0 37.5 5 7.5 50 .5

20 .2 13 .7 38.6 2 2.6 35 .9

平均

3.道路の脆弱性 4.避難の困難性

単位

(2)想定される地震 

小国町の将来想定される地震の規模は、町全域で震度5強以上、また管内の約 60%で震度6強以上となると想定されます。 

各地区は人口や建物分布の高い地域も見られ、想定される地震から建物倒壊や 人的被害への影響が懸念されます。 

そのため、地震対策として、住宅や倉庫を含めた建物の耐震化の促進、耐震診 断の実施や点検等による維持管理の強化が課題です。 

(3)災害危険箇所の危険性 

小国町の災害危険箇所は、土石流、急傾斜地、地すべり等の「土砂災害危険箇 所」や河川の氾濫による「洪水氾濫浸水想定区域」等が各地の集落に隣接してい ます。 

これら災害危険区域内の建物の占める割合は、土砂災害危険箇所で建物数全体 の 34%、洪水氾濫浸水想定区域で8%程度を占めています。 

住宅等の建物の他、田畑・林地への農林産物や観光施設等への被害、道路の途 絶による地域産業への影響も課題です。 

(4)道路の脆弱性 

平成 28 年熊本地震による町道の損壊(落石や陥没)が 39 箇所で発生し、道路 交通に支障が生じました。 

この他、車道部幅員が狭い路線(3m未満)や土砂災害等の災害危険区域の近 傍を通過する道路も多く、災害時の交通の確保、災害対策活動への障害の危険性 が懸念されます。 

(5)避難の困難性 

小国町の指定避難所は、平成 28 年熊本地震のケースのように建物の老朽化や収 容面積が不足することなどから、地区内の避難所に収容できない場合が生じます。 

また、1km 以遠に居住する割合が高い地区もあり、高齢者や障害のある方への 避難時の負担軽減など、近隣(地区内)の避難所の確保が課題となっています。 

各災害の災害危険度評価図を以下に示します。 

図  地震に関する危険性評価(地震  ※) 

※ 発生規模や発生確率が最も高いと評価される活断層は、万年山−崩平山断層帯で、マグニチュード 7.3規模です。 

図  災害危険区域の建物状況評価

凡例 25 0m メ ッ シュ 人口 数

30人未 満 30人以 上50人未満 50人以 上70人未満 70人以 上

想定 震度 震度4 以下 震度5 弱 震度5 強 震度6 弱 震度6 強 震度7

図  道路の脆弱性評価 

図  避難の困難性評価 

(6)地域別評価結果 

地域別の危険度を評価から各地区の特性、災害の危険性等の防災上の課題は以 下のとおりです。 

1)宮原 

特に全町で比較すると「災害危険区域内の建物・道路」が課題です。 

①災害危険区域内の浸水区域の建物割合が多い。 

②災害危険区域内の道路の割合が多い。 

●水害時の早期避難、災害危険区域の宅地化抑制などの事前措置 

●孤立集落対策、孤立化しない代替ルートの確保が必要

図  危険度評価(宮原地区) 

2)上田 

特に全町で比較すると「避難の困難性」が課題です。 

①地区の人口を収容するための避難所面積が少ない。 

②避難収容が不足し、近隣に避難所なく、遠距離(1km以上)です。 

●避難所機能の向上を含めた避難所の確保(整備) 

●近傍の1次避難所の見直し、避難誘導対策などが必要

図  危険度評価(上田地区) 

41.9 63.8

15.0 19.8 31.7

12.0 27.4

22.2 11.2 0.0

10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

1 宮原 平均

41.6 52.3

4.7 26.5

10.0 8.7

30.1 53.1

46.7 0.0

10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

2 上田 平均

3)北里 

特に全町で比較すると「地震や道路の危険性」が課題です。 

①震度6強以上の占有面積が広く、人口割合が多い。 

②幅員3m未満の道路割合が多い。 

●住宅の耐震診断・耐震化の促進 

●孤立集落対策、孤立化しない代替ルートの確保が必要 

●沿道の拡幅、新たな避難路整備の検討

図  危険度評価(北里地区) 

4)西里 

特に全町で比較すると「地震や土砂災害の危険性」が課題です。 

①震度6強以上の占有面積が広く、人口割合が多い。 

②災害危険区域内の土砂災害警戒区域の建物割合が多い。 

●住宅の耐震診断・耐震化の促進 

●水害時の早期避難、災害危険区域の宅地化抑制などの事前措置

図  危険度評価(西里地区)

88.1 78.8

13.1 34.6

23.9 9.6

53.9 0.0

40.8 0.0

10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

3 北里 平均

90.5 93.6

3.3 53.6

12.5 7.3 21.9 2.9 19.7

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

4 西里 平均

5)下城 

特に全町で比較すると「地震、道路(避難)の危険性」が課題です。 

①震度6強以上の占有面積が広く、人口割合が多い。 

②災害危険区域内で土砂 災害警戒区域の建物割合が多く、幅員3m未満の 道路割合が多い。 

③近隣に避難所なく、遠距離(1km以上)です。 

●住宅の耐震診断・耐震化の促進 

●孤立集落対策、孤立化しない代替ルートの確保が必要 

●近傍の1次避難所の見直し、避難誘導対策などが必要

図  危険度評価(下城地区) 

6)黒渕 

特に全町で比較すると「避難の困難性」が課題です。 

①地区の人口を収容するための避難所面積が少ない 

②避難収容が不足し、近隣に避難所なく、遠距離(1km以上)です。 

●避難所機能の向上を含めた避難所の確保(整備) 

●近傍の1次避難所の見直し、避難誘導対策などが必要

図  危険度評価(黒渕地区)

96.4 77.1

2.6 41.6

20.1 36.3

60.9 0.0

46.8

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

5 下城

平均

7.9 23.0 1.2

28.5 23.0

8.0 37.5

57.5 50.5 0.0

10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

6 黒渕

平均

また、それぞれの地区内の危険度割合を比較すると、以下の状況です。 

表  地区別災害危険度評価の割合 

地区 地区内の最も高い危険度評価項目 割合(%)

宮原地区 地震  震度6強以上の面積割合  26.0 

上田地区 避難  避難未収容率  19.4 

北里地区 地震  震度6強以上の地域の人口割合  25.7  西里地区 地震  震度6強以上の面積割合  30.7  下城地区 地震  震度6強以上の地域の人口割合  25.3 

黒渕地区 避難  避難未収容率  24.2 

図  地区別災害危険度評価の割合