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住民懇談会  〜小国町防災まちづくり懇談会〜

(1)住民懇談会の概要 

平成 28 年熊本地震を経て、避難の課題、改善すべき点などを踏まえ、今後の防 災まちづくり計画に関して、各地区の住民の皆様と意見交換を行いました。 

表  小国町防災まちづくり住民懇談会の概要 

対象地区  開催日時  開催場所  参加者数

北里地区  11 月 7 日(火)19 時  旧北里小学校  体育館  約 55 名  上田地区  11 月 10 日(金)19 時  旧万成小学校  体育館  約 40 名 宮原地区  11 月 13 日(月)19 時  小国小学校  体育館  約 84 名 西里地区  11 月 14 日(火)19 時  西里多目的集会場  約 35 名 下城地区  11 月 15 日(水)19 時  旧下城小学校  体育館  約 23 名 杖立地区  11 月 17 日(金)19 時  杖立温泉会館  約 25 名 黒渕地区  11 月 24 日(金)19 時  旧蓬莱小学校  体育館  約 48 名

7地区   計 約 310 名

※  住民懇談会の参加人数の合計 

(2)住民懇談会の意見交換 

1)主な意見内容(分類別) 

住民懇談会の意見交換で要望が多かった主な意見を以下に示します。 

表  住民懇談会の状況主な意見(分類別) 

  項目  主な意見 

1  復興計画の重点内容 

・熊本県「創造的な復興」と小国町復興計画との連携、考え方 

・ソフト面の充実内容 

2  気象観測所の体制  ・震度計、雨量計の配備状況、情報提供の周知 

3  避難施設・設備等の改善

・避難所の雨漏り、照明の改善 

・避難所維持保全(公民館の耐震化、施設・設備の改修) 

・小国ドームの坂道、バリアフリー化、照明の改善 

3  避難所の運営 

・避難所開設後の管理運営(管理者不在) 

・避難所の見直し(高齢者が多く、避難距離が遠い) 

・自主避難所の運営方法、支援物資の充実 

・高齢者の方は「地域の集会所が良い」 

4  河川氾濫・洪水対策 

・河川橋脚の閉塞(流木等への対応) 

・ライブカメラの設置と水位情報の提供(迅速な情報提供) 

・どれくらいの時間に何ミリの雨が降れば、氾濫するのか不明 

治山・砂防対策 

(土砂災害) 

・崖上の転石除去、追跡調査、どこに危険性があるか確認を必要 

・保安林の伐採、管理者・所有者との協議 

・斜面の維持管理(防護柵では竹林の繁茂・飛出) 

6  防災情報の伝達  ・防災行政無線による情報提供の強化 

7  空家対策  ・空家の状況の把握、分析(宮原の火災延焼) 

8  物資の調達 

・コンテナハウスの活用(まき調理、暖房設備、発電) 

・機動力のある災害対策(バイクによる医薬品・食料の配送) 

9  耐震化対策 

・建物の耐震化 

・わかりやすい説明と啓発強化による耐震化率の向上 

10  通信手段の確保 

・光ケーブルのバイパス化による遮断防止 

・有事の際の通信の確保(SNS)など通信の補完 

11  輸送手段の確保 

・災害時のう回路と地域連携(広域農道、生活道路) 

・防災ヘリのヘリポートの指定 

12  要支援者の支援  ・障害者の方の避難所利用スペースの確保・介助体制の充実 

13 

孤立化対策  避難経路の確保 

・道路が閉塞した時の孤立化対策 

・第三の避難道路の整備 

14  文化の継承・復興  「小国セレナーデ」良い歌があり、BGMを軽く流すなどの伝承 

15  地区の災害対策 

・長年にわたる難題である洪水対策が急務 

(トンネルバイパス、調整池の整備など) 

・毎年の水害が少しでも軽減されるような改善策 

2)主な意見内容(地区別) 

各地区の住民懇談会の意見交換で要望が多かった主な意見を以下に示しま す。 

表  住民懇談会の状況主な意見(地区別) 

地区  主な質問内容 

北里地区 

熊本県が推進する「創造的な復興」と小国町の復興計画と連携、考え方は、

また、復興計画は、何年計画で、財源はどのように考えますか。 

小国町には震度計、雨量計はどこに、どれくらいありますか。 

旧北里小学校体育館の避難所は雨漏りを修理していただきたい。 

橋の欄干に障害があった場合、川の水がスムーズに流れるようにして欲しい。

避難所を開設し、誰も管理者がいない状況での見回り体制について 

上田地区 

上田地区は 65 歳以上の高齢者も多く、避難所から非常に距離が遠い、地震 と大雨の際も、非常に集まりが少ない状況でした。 

上田1部へも避難所を設ける必要があるかと思います。 

宮原地区 

折角、立派な防災無線があり、情報があまり流れないと思います。町の情報 は「小さなことでも、びゃんびゃん流していただきたい」 

小国ドームの照明(電球)が点いてないところが沢山あります。 

空き家のデータは、地震時に大規模火災で避難経路の状況と関係してくると 思います。特に町内は空き家が多くなっています。 

どう言った点を重点に復興し、また、小国町は自主防災組織の組織率も高い ですが、ソフト面の充実はどういうところに出てきますか。 

西里地区 

西里地区1〜3部が避難するというのは無理があります。自主避難所として 運用、町の指定避難所にはできないのですか。 

集会所に避難している人には、支援物資が回って来ないことがあった。 

近くの断層はどこにあり、有史以来大きな地震にあっているのでしょうか。 

地震計はどこにあるのですか。前震は震度3以上あったような気がする。 

下城地区 

・ライブカメラの設置の状況や河川水位情報など住民で現状把握ができます。

・有事の際、コンテナハウスを活用、まき等で調理、暖房設備、発電でき、地 域に移動し、貸し出すことも可能です。 

・衣料品・医薬品、食料の配送にバイクを活用し、機動力の強化ができます。

・建物の耐震化は、わかりやすい説明と啓発強化による耐震化率の向上 

・避難所スペースの障害者の退避場所の確保とスタッフの介助体制の確保 

・有事の際の通信の確保(SNS)など通信の補完  以上、計画検討に付け加えてもらいたい。 

・公民館の改修の補助申請も却下され、どうやって避難所として公民館を守っ ていくか問題です。 

・地震で光ケーブルが切断され、バイパス形式で繋げられないでしょうか。 

・広域農道は、災害時のう回路として沢山の車が通過する現状です。農業用及

地区  主な質問内容 

び地域住民の生活道路であるため、周知看板の改善依頼をしていました。 

・広域農道の事故多発に伴い災害時の防災ヘリのヘリポート場所の指定

杖立地区 

・下城小学校やドームの方へも避難し、坂道で、真っ暗で人が多く、登ってい くのがやっとでした。 

・避難所の毛布は、洗濯などはどうなっていますか。台風の時は、「風が吹い て窓ガラスが壊れると大変」という声も聞きました。 

心配は、転石、崖の追跡調査、どこに、どう危険性があるのか確認が必要と 思います。 

道路がふさがれた時、第三の避難道路として確保ができないでしょうか。 

100 年に一度、150 年に一度の水害ではなく、毎年起こる水害が少しでもな いように、対策としては何もできていないというのが現状です。 

「上流にトンネル、遊水池を造って流す」とか、いろんな方法で提案がない と、まちづくりの計画にはならないのではないでしょうか。 

防護柵から竹木が飛出し、家の横に沢山の電線があって火災が心配です。 

保安林は、切り倒すこともできなく「自分達の家に倒れそうで困る」状況  別府-万年山断層は、今後の活動の可能性はないのでしょうか。 

開発センター建替え後には、「小国セレナーデ」をBGMで流して欲しい。 

黒渕地区 

大雨時、集会所の横の谷川が2回位氾濫して公民館に水が浸入します。 

高齢者の方は「地域の集会所が良い」という意見です。 

公民館は 1995 年建築ですが、耐震構造になっていますか。 

別府-万年山断層帯のもう少し情報があれば教えていただきたいです。 

河川氾濫は、どれくらいの時間に何ミリの雨が降れば、氾濫するという想定 をされていますか。 

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1.平成 28 年熊本地震の教訓 

(1)平成 28 年熊本地震の教訓 

1)被害状況による課題 

①平成28年熊本地震では町内のほぼ全域で震度5強観測し、居住年数30年以上の世帯 が多く、5日前後で自宅外生活(避難所・車中泊等)を余儀なくされた。 

②公共施設の山村開発センターが被災、公営住宅で 21 件などの被害に見舞われた。 

③町道の損壊、落石・陥没 39 箇所、国道 212 号のほか、上下水道等のインフラ施設の被 害により日常生活に支障をきたした。 

○被災建物の状況、住宅の老朽化から大規模地震に備えた住宅の耐震不足が課題です。 

○小国町役場庁舎をはじめ、一部の公共施設では施設の老朽化による耐震改修・調査点 検を含めた施設の耐震化が課題です。 

○幹線道路の規制が発生、集落の孤立化、交通の途絶が課題です。 

○被災者への災害弔慰金の支給、被災者生活再建支援などを措置 

○早期災害復旧の対応 

・山村開発センターは解体後、庁舎コミュニティー棟を建替え中です。 

・被災状況から早期復旧と各種災害復旧事業、生活支援策の充実など

2)避難収容・避難所運営等の課題 

①避難所は、自治公民館・集会所「指定緊急避難所」と旧小学校の体育館・多目的集会 所「指定避難所(広域避難)」などで被災・避難状況に応じた開設(移動)となった。 

②避難所の老朽化や体育館の天井照明落下の危険性から二次避難を余儀なくされた。 

③近隣の避難所が利用できないなど、安全な避難所の利用(避難者の集中、プライバシ ー、階段や坂道の利便性、介助など) 

④自宅避難・車中泊を余儀なくされた方も多く見られた。 

○避難所の耐震化や天井照明等の設備機能を含めた改善が課題です。 

○備蓄物資の調達・配給、感染症等の蔓延防止等、衛生管理や円滑な避難所運営方法が 課題です。 

○災害種別に応じた適切な避難所の要件や避難所開設の基準、施設安全性の確保・見直 し検討が必要です。 

○大規模地震に備えた公共施設、避難所の老朽化、耐震不足が課題です。