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溶存水素拡散試験の方法 (a) 水素の拡散係数の算出方法

43 3.1.4 試験方法とその結果

(1) 溶存水素拡散試験

1) 溶存水素拡散試験の方法

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図 3.6 拡散時間を短縮した際のカラムの構造

(1)カラム内部充填部 (2)カラム内部フィルター 図 3.7 カラムの内部構造

使用したカラムの内部構造を図 3.7に示す。

高濃度、低濃度溶液槽ともに蒸留水を充填した後、試料中に空気が貯留するのを防ぎ、完全 に水で飽和させるために、真空デシケーター内で吸引を行った。真空度が10-5Pa以下になって から20分以上連続的吸引を行った。

高濃度溶液槽には12分間、圧力0.1 MPaでガスボンベから水素ガスをバブリングさせること で、高濃度側に溶存水素水が、低濃度側に蒸留水が充填されている状態とした。

サンプリングは低濃度側への溶存水素の拡散状況に従い、1 日~7日ごとに 2 連で行った。

サンプリングポートからガスタイトなガラス製シリンジで容器内の溶液を 1 mL採取し、ブチ ルゴム栓であらかじめ密封した10 mLガラス製バイアル瓶に注入した。サンプリングと同時に、

同量の蒸留水を注入し、容器内部の圧力変動を極力抑えた。

溶存水素の濃度は、バイアル瓶の気相水素濃度をガスクロマトグラフ(GC-8A SHIMADZU)

で測定し、水素の気相と液相の分配係数を用いることで算出した。

土壌試料を充填

溶存水素水 または 蒸留水を充填

高濃度側 (溶存水素水)

低濃度側

(蒸留水)

45 2) 溶存水素拡散試験の結果

拡散による濃度変化は濃度勾配に依存するため、その変化は指数関数的である。

今回の実験でも、人工的に作製されたガラスビーズと天然の砂である豊浦標準砂で、ともに 指数関数で近似できる濃度変化を示した。

この高濃度側溶液槽内の溶存水素濃度の変化を図 3.8に示す。

なお、低濃度側溶液槽では開放したことにより溶存水素はほとんど検出されず、水素の揮発 が生じていることが確認された。これらのことから、本実験に用いた容器で、試料中の溶存水 素の拡散現象を測定することが可能であると判断した。

溶存水素濃度の減少速度は、ガラスビーズを用いた時の方が、豊浦標準砂を用いた時よりも 大きな値を示したが、オーダー的には近い値を示した。

(a) ガラスビーズの場合 (b) 豊浦標準砂の場合

図 3.8 上流側溶液槽内の溶存水素濃度変化

拡散係数を(3.3)式により算出したところ、ガラスビーズは 4.6×10-10 m2/s、豊浦標準砂は 1.8×10-10 m2/sであった。

なお、水中での水素の拡散係数は、5.1×10-9 m2/s (25°C)と算出7)されている。

また、溶存水素のベントナイト、ケイ砂混合系(重量割合70%:30%、乾燥密度1.6 Mg/m3) の拡散係数は10-11 ~10-10 m2/sと報告されている4)

今回の実験で得られた拡散係数は、これらのデータと比較して妥当な値であり、溶存水素の 拡散を評価するための試験が可能な拡散試験技術を開発することができた。

(2) 透水試験 1) 透水試験の方法

拡散試験終了後、同じ試料を用いて透水試験を行えるよう、拡散試験容器を使用した透水試 験のシステムを構築した。

今回実験に使用したガラスビーズと豊浦標準砂は、その粒径の大きさや均一性また空隙率な

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どから、透水係数が比較的高いと予測されことから、定水位透水試験の方式とした。

この定水位透水試験は、図 3.9 に示すように、上流溶液槽のサンプリングポートに一定の水 頭で給水できるチューブを接続し、下流溶液槽のサンプリングポートに水位を一定に保つため のオーバーフロー容器を接続して行った。