液化石油ガススタンドは、液化石油ガスの貯槽(一般的に地下埋設貯槽が多い。)と、ポンプ、デ ィスペンサー(計量機)等で構成されている。
(参考)液化石油ガスを燃料として使用する脱着式容器(例えば、フォークリフトで使用する容器)
に充てんする場合は、液化石油ガス充てん所で行わなければならない。
高圧ガスのスタンドには、液化石油ガススタンド、圧縮天然ガススタンド、液化天然ガスス タンドなどがある。
近年は国において、燃料電池自動車の普及に向けて水素ステーション等の水素供給インフラ の整備等を推進している。
液化石油ガス保安規則
高圧ガス保安法(昭和26年6月7日公布)で定めている「一般高圧ガス保安規則」、「液化石油ガ ス保安規則」、「コンビナート等保安規則」、「特定設備保安規則」、「冷凍保安規則」、「容器保安規則」
のうちの規則の一つであり、経済産業省令で定めた技術上の基準を「液化石油ガス保安規則」とした ものであり、法律で定めたその細目が技術上の基準として規定されている。
(参考)液化石油ガス法(液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律)は、昭和42 年12月28日公布された。
高圧ガス保安法は、高圧ガスの製造、販売を行う者等高圧ガスを利用する者を直接規制の対 象とするいわゆる工業用とし、液化石油ガス法は「一般消費者等に対する液化石油ガスの販売」
を規制することとして二重規制を避けている。
可燃性ガス
保安法 一般高圧ガス保安規則第2条(用語の定義)
液化石油ガスは勿論のこと、高圧ガス保安法の一般高圧ガス保安規則に可燃性ガスのガス名が記載 されているほか、爆発限界(空気と混合した場合の爆発限界をいう。)の下限が10%以下のもの、又 は爆発限界の上限と下限の差が20%以上のものが可燃性ガスの定義となっている。
(参考)主たる可燃性ガス(上記の条件に該当するもの)
アセチレン、アンモニア、一酸化炭素、エタン、エチレン、水素、ブタジエン、ブタン、プ ロパン、プロピレン、ベンゼン、メタン、硫化水素等
完成検査 ⇒ 指定完成検査機関
Ⅰ 保安法 第20条 → 液石則第32条(完成検査の申請等)
高圧ガスの製造又は第一種貯蔵所の許可を受けた者、及び第一種製造者が製造のための施設又は 第一種貯蔵所の位置、構造若しくは設備の変更の工事(特定変更工事という。ただし、経済産業 省令で定めるものを除く。)を完成したときは、製造のための施設又は第一種貯蔵所につき、都道 府県知事が行う完成検査を受けこれが技術上の基準に適合していると認められ後でなければ、こ れを使用してはならない。
ただし、製造のための施設及び第一種貯蔵所の位置、構造又は設備について経済産業省令で定 める軽微な変更の工事をしようとするときは、この限りでない。
また、高圧ガス保安協会又は経済産業大臣が指定する指定完成検査機関が行う完成検査を受け、
これが技術上の基準に適合していると認められ、その旨を都道府県知事に届け出た場合は、この 限りでない。
Ⅱ 液石法 第37条の3 → 液石法規則第59条(貯蔵施設等の完成検査の申請等)
液石法 第37条の4 → 液石法規則第68条(充てん設備の完成検査の申請等)
※液石法の「完成検査」の項目を参照
ガス漏えい検知警報設備
保安法 液石則第6条関係(第一種製造設備に係る技術上の基準)等
液化石油ガス製造所、貯蔵所、特定高圧ガス消費施設等には、その施設から漏えいしたガスが滞留 するおそれのある場所に、そのガスの漏えいを検知し、かつ、警報するための設備を設けなければな らない。なお、設置場所については、その施設の周囲等に一定の間隔の距離をもって設置する。
検知方式は接触燃焼式(熱線式)、半導体式、光干渉式等があり、形態により拡散式、吸引式に分 類され、機能には、自動警報による発報、指示計の目盛の直読等の安全対策が考慮されている。
検知警報設備は、ガス検出端部、指示警報部、電源部から構成され、停電時においても機能が失わ れることのないよう直ちに保安電力に切り替えることができる方式を採用することとなっている。
危害予防規程
保安法 第26条 → 液石則第61条(危害予防規程の届出等)
第一種製造者は、経済産業省令で定める事項について記載した危害予防規程を定め、都道府県知事 に届け出(提出)しなければならない。また、この内容を変更したときも届け出が必要となる。
なお、危害予防規程に定めなければならない事項は省令に定められており、次の事項の細目となっ ている。
① 製造のための施設の位置、構造及び製造の方法に定める技術上の基準に関すること。
② 保安管理体制並びに保安統括者、保安技術管理者、保安係員、保安主任者及び保安企画推進員 の行うべき職務の範囲に関すること。
③ 製造設備の安全な運転及び操作に関すること。
④ 製造施設の保安に係る巡視及び点検に関すること。
⑤ 製造施設の新増設に係る工事及び修理作業の管理に関すること。
⑥ 製造施設が危険な状態となったときの措置及びその訓練方法に関すること。
⑦ 協力会社の作業の管理に関すること。
⑧ 従業者に対する危害予防規程の周知方法及び危害予防規程に違反した者に対する措置に関する こと。
⑨ 保安に係る記録に関すること。
⑩ 危害予防規程の作成及び変更の手続に関すること。
⑪ その他災害の発生の防止のために必要な事項に関すること。
気密試験
保安法 液石則第6条(第一種製造設備に係る技術上の基準)
高圧ガス製造設備は常用の圧力以上の圧力で、原則として空気その他の危険性のない気体の圧力
(窒素等)を用いて所定の加圧時間を保持して気密性能を確認すために気密試験を行う。
(参考)例示基準の「15. 耐圧試験及び気密試験」を参照
許可 ⇔ 第一種製造者・第一種貯蔵所(保安法)
Ⅰ 保安法 第5条 → 液石則第3条(第一種製造者に係る製造の許可の申請)
第16条 → 液石則第21条(第一種貯蔵所の設置の強化申請)
高圧ガス保安法では、圧縮、液化その他の方法で処理することができるガスの容積が一日百立方 メートル(ガスの種類により三百立方メートル)以上である設備を使用して高圧ガスの製造をしよ うとする者(第一種製造者)及び第一種貯蔵所(液化石油ガスにあっては10,000㎏以上)は、事 業所ごとに、都道府県知事の許可を受けなければならない。
(参考)一般的な液化石油ガス充てん所は第一種製造所であり、事業主は第一種製造者なる。
また、次のような場合についても許可が必要である。
① 第一種製造者の施設の位置、構造若しくは設備の変更の工事をし、又は製造をする高圧 ガスの種類若しくは製造の方法を変更しようとする場合(例外規定あり。)
② 第一種貯蔵所の位置、構造又は設備の変更の工事をしようとする場合(例外規定あり。)
Ⅱ 液石法 第37条(許可の基準)、同法第37条の2(変更の許可)、同法第37条の4(充てん設 備の許可)
※液石法の「許可」の項目を参照
緊急遮断装置(弁)
保安法 液石則第6条(第一種製造設備に係る技術上の基準)
液化石油ガス充てん所は、大型貯槽から液送ポンプを経て容器に液状の液化石油ガスを充てんする 作業を行っているが、5,000リットル以上の貯槽に取り付けた配管(液状の液化石油ガスを送り出し、
又は受け入れるために用いられるものに限り、かつ、貯槽と配管との接続部を含む。)には、液化石 油ガスが漏えいしたときに安全に、かつ、速やかに遮断するための措置(緊急遮断装置)を講ずるこ ととなっている。
緊急遮断装置は、貯槽の元弁の直近に設置されるものが主であり、作動させる原理には、液圧(油 圧)、気圧(空気)、バネ式などがあり、遠隔操作等により速やかに作動しなければならない。なお、
液状の液化石油ガスを受け入れ専用配管の緊急遮断装置には例示基準により逆止弁も認められてい る。
(参考)例示基準の「22.液化ガスが漏えいした際に速やかに遮断する措置(緊急遮断装置等)」を参照 また、緊急遮断弁は、液化石油ガスタンクローリにも用いられている。
技術上の基準
Ⅰ 保安法 第8条(許可の基準)・第14条(製造のための施設等の変更)・第16条(貯蔵所)
製造許可申請及び貯蔵所設置許可申請並びに第一種製造者及び第一種貯蔵所の製造・貯蔵のため の施設の位置、構造若しくは設備の変更の工事をし、又は製造(貯蔵)をする高圧ガスの種類若し くは製造(貯蔵)の方法を変更しようとするときは、都道府県知事の許可を受けなければならない。
その許可(変更)申請書の審査に当たっては経済産業省令で定める技術上の基準に適合するか否か の確認が行われることとなる。
また、第二種製造者の届出及び第一種製造者の軽微な変更の届け出も同様である。
(参考)製造に係る技術上の基準には、ハード面(設備の位置、構造等)とソフト面(製造の方法 等)がある。
(関連)第一種製造者の技術上の基準は、高圧ガス保安法第8条第1号及び第2号となる。
第一種貯蔵所の技術上の基準は、高圧ガス保安法第16条第2項となる。
第二種製造者の技術上の基準は、高圧ガス保安法第12条第1項及び第2項となる。
第二種貯蔵所の技術上の基準は、高圧ガス保安法第18条第2項となる。
Ⅱ 液石法 第16条(基準適合義務等)、同法第16条の2、同法第35条の5(基準適合命令)
※液石法の「技術上の基準」の項目を参照
くず化
保安法 第56条(くず化その他の処分)
容器検査又は容器再検査に合格しなかったときは、遅滞なく、これをくず化し、その他容器として 使用することができないように処分しなければならない。ただし、高圧ガスの種類又は圧力を変更す る場合を除く。
なお、附属品検査又は附属品再検査に合格しなかった附属品も同様である。
※容器保安規則の「くず化」の項目を参照
警戒標
Ⅰ 保安法 液石則第6条(第一種製造設備に係る技術上の基準)
警戒標には、高圧ガス保安法の適用を受けている事業所又は施設であることを外部の者が明瞭に 識別できる大きさの標示がなされていること。
また、事業所の警戒標は、その事業所の境界柵、塀等に設けられている出入口それぞれの付近で 外部から見やすい場所に掲げること。
(例示)LPガス充てん所 火気厳禁 無断立入禁止 :(事業所)
LPガス容器置場 ○燃 :(容器置き場)
高圧ガス :(高圧ガスを移動する車両)
(参考)例示基準の「1. 境界線・警戒標等標識」を参照
Ⅱ 液石法 液石法規則第14条(貯蔵施設の技術上の基準)、同法規則第18条(供給設備の技術上 の基準)、同法規則第53条(特定供給設備の技術上の基準)
※液石法の「警戒標」の項目を参照
軽微な変更(届)⇔ 許可
Ⅰ 保安法 第14条本文ただし書き → 液石則第16条(第一種製造者に係る軽微な変更の工事等)
第19条本文ただし書き → 液石則第29条(第一種貯蔵所に係る軽微な変更の工事等)
第一種製造者及び第一種貯蔵所の設備変更工事又は製造するガス種の変更をしようとする場合