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活性微生物量推定式の適用条件とその特徴

第3章 基質要求性を利用した活性微生物量の 評価方法に関する検討

第3節 活性微生物量推定式の適用条件とその特徴

3-1 従来の適用例

反応時間と基質濃度の関係を示す(4)式はKnowles3)によっても提示されてい る。 Yang and Okos4)は、さらに基質阻害を考慮することにより(6)式を導いてい る。

μmt = A

ln玄+

B

ln_S_+ S-So

.・(6)

Xo

so

Ki

ただし、Ki:阻害定数、A=l+K/(So+XrfY)+(So+XJY)fK..、B=-K/(So+XrfY)

(6)式において阻害定数klを無限大、即ち基質阻害がないとすれば、(4)式と等し くなる。 Yang and Okosは、 四分実験により得られた基質消費あるいは代謝産物 生成のデータをもとに(6)式を用いて、増殖速度定数の決定を試みている。 ただ し、初期微生物量X。は既知の値(微生物の乾燥質量)として与えている。

Gates and Marlar戸.5叫5

線形関係に着目した動力学定数の推定法を考えた。 そこでは、初期微生物量X。を 既知とし、試行錯誤的にa(=Y;Xo)を与えることにより、 グラフから最も良い直線 関係にあるaを得て、その値を用いて最大比増殖速度μmおよび飽和定数ks、増殖 収率YXを求めている。 さらに、Ong6)はこの図解法を最小自乗法による統計的な推 定法に改良する必要性を指摘している。

これらの研究は、本質的には微生物量が与えられることを前提に議論を進めて いるものの、Gates and Marlar自身も、初期の活性微生物量の測定のために酵素活 性を利用するなどの工夫が必要であることを示唆している。 さらに、1組の回分 実験の基質濃度変化データから3つのパラメーターを同時に推定することは、実 験条件の設定をかなり適切にしない限り、全てを精度よく推定できないと考えら れる。 以上の点を考慮して、本研究では、本来増殖動力学上最も重要である活性 のある微生物量を第一のパラメーターとして推定することを目的とし、動力学式

を(4')式のように簡略化した。

3・2 推定式の適用条件

3-2-1 飽和定数について9)

式(4)を無次元化すると、 式(4')が得られる。

μmt= 志 { -Ks ln S + (1品むln l罰 (4')

ただし、玄=s/s。、 文=X/(Yx・so)、 Ks=KjS。

後述するように(第4節)、 反復回分実験から得られる2組の任意の反応時間と基 質濃度から初期微生物量を推定することができる。反復回分実験とは、 最初の基 質が一旦消費された後、 再度同一基質を添加するものである(p.32、 図3-5)。無次 元式(4')は、 反復回分実験の1回目と2回目の基質消費において共に成立し、 その 比をとることにより式(7)が得られる。ただし、 最大比増殖速度μmは実験期間中 一定であるとする。

1 {ζhg;+(1+克+疋) ln 1+XO必j

t 2

_

1 + Xo2 j

\

二ご一� . . .(7) X02

J

t1 _ 1 I -志hg;+(1+芯;+志) ln 1+をどS1!

1+Xo1 \ X01 /

式(7)を無次元飽和定数芯について整理すると、 式(8)が得られる。

(克�+l)(ln1+至宝S2__ 包lnl+をどSL)

K s- I: =

ーよー\

X…

ど乙ーー

tl ニヨ Xγ f L � .

.

.(8)

弘1+亙blnlさ�l-SL+ln 宅乙?と

t1 1+Xo1 Xol Sl 1+Xo2-Sl

1回目と2回目の初期基 質濃度をS。とし、任意の基 質濃度S1、S2を、たとえば 初期 濃 度 の 50%と す る (年ξ=0.5)0 さらに、1回 目の全ての基質が消費さ れた後に、2回目の基質を 添加するとすれば、2回目 の無次元初期微生物濃度 は、記=(X01+ y. SO)/(y.

SO)=文;;+1となる。 これら の仮定を用いると、任意 の反応時間比t/t1に対して

無次元飽和定数Z;と無次

元初期微生物濃度え(=文01 )

0.20

0.15

lT0・10

×

0.05

0.00

Wt2=0.25

0.20

0.15

0.10

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

Ks

[-]

図3-2 無次元飽和定数と無次元初期 微生物濃度との関係

の理論的な関係は図3-2のようになる。支;によらずξの値はほぼ一定であること がわかる。

したがって、式(4)および式(5)を簡略化するために、初期基質濃度S。が飽和定数 ksよりも十分に大きいとすれば(すなわち、支;→0)、基質濃度Sおよび生産物濃度 Pと反応時間tとの関係は以下のようになる。

Jlmt = 1n ぬで )YX μmt= h Xo+(Po-P)YxlY - x

E_.. .

(

1 0

)

.1\.0

すなわち、式(9)および式(10)は、初期の基質または生産物濃度と増殖収率Yxが 与えられれば、あるそれらの濃度に達する時間は、初期微生物濃度X。のみに依存 していることを示している。 さらに、 回分培養条件での基質および生産物濃度経 時変化データをもとに、これらの式を用いて微生物量を推定することが可能なこ とを意味している。

3-2-2 初期微生物濃度について

表3-1に示す2つの条件のもとで、 式(9)を用いて計算した理論的な基質消費カー ブを図3-3に示す。 この2つの例では、 最大比増殖速度μmと初期微生物濃度X。の 値はこれらの積が一定となるように変化させ、 その他は全て同じ値とした。

この例のように初期微生物濃度X。が高い場合、 ほとんど同ーの基質消費カーブ を描く。 x。が高い場合、 初期微生物濃度Xo(500あるいは20∞mg/l)に対して微生物 増殖ムX(50mg/l)が無視で、き、 基質消費速度は以下のように表わされる。

表3-1 理論的な基質消費カーブの計算条件(1 )

例- 1 (Ex.1) 例-2 (Ex.2) 初期基質濃度80[mg-COD/I] 1000

e.・�...--_.--.---・・・・・・・・・・・・・・・・・・

_.-.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・---増殖収率Yx[mg/mg-COD] 0.05

-ーーーーーーーーーーーーーーー・- --ーーーーー・・ーーーーーーー・,ーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー・・ー・-- ーーーーーーー・ーーーー・・ーー・,ー

初期微生物濃度Xo[mg/I] 500 2000

ーーーーーーーーーーーーーー・・ーー・・ー岨,申ー・・・・ーーーーーーーー・・,ーーーーーーーーーーーーーーーーーー'ーーーーー ーーーーー圃ーーーーーーーーーー 最大比増殖速度μm[打1] 0.02 0.005 初期基質消費速度

μmXO/Yx [mg-COD/I/h] 200 最終増加微生物濃度

b. X=80Yx [mg/I) 50

1000

200

�I

Ex.1 Ex.2

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