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3-2-2 初期微生物濃度について

表3-1に示す2つの条件のもとで、 式(9)を用いて計算した理論的な基質消費カー ブを図3-3に示す。 この2つの例では、 最大比増殖速度μmと初期微生物濃度X。の 値はこれらの積が一定となるように変化させ、 その他は全て同じ値とした。

この例のように初期微生物濃度X。が高い場合、 ほとんど同ーの基質消費カーブ を描く。 x。が高い場合、 初期微生物濃度Xo(500あるいは20∞mg/l)に対して微生物 増殖ムX(50mg/l)が無視で、き、 基質消費速度は以下のように表わされる。

表3-1 理論的な基質消費カーブの計算条件(1 )

例- 1 (Ex.1) 例-2 (Ex.2) 初期基質濃度80[mg-COD/I] 1000

e.・�...--_.--.---・・・・・・・・・・・・・・・・・・

_.-.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・---増殖収率Yx[mg/mg-COD] 0.05

-ーーーーーーーーーーーーーーー・- --ーーーーー・・ーーーーーーー・,ーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー・・ー・-- ーーーーーーー・ーーーー・・ーー・,ー

初期微生物濃度Xo[mg/I] 500 2000

ーーーーーーーーーーーーーー・・ーー・・ー岨,申ー・・・・ーーーーーーーー・・,ーーーーーーーーーーーーーーーーーー'ーーーーー ーーーーー圃ーーーーーーーーーー 最大比増殖速度μm[打1] 0.02 0.005 初期基質消費速度

μmXO/Yx [mg-COD/I/h] 200 最終増加微生物濃度

b. X=80Yx [mg/I) 50

1000

200

�I

Ex.1 Ex.2

益- -上μX =ー上h三X ::::::: -上μm(XO+企X)=÷μmXo. .(2") dt Y x Y x Ks+S Y x . --- - y

すなわち、 最大比増殖速度μmと初期微生物濃度X。の積が同じであれば、 その 基質消費カープはほぼ一定となり、 μmとX。を別々に求めることはできない。

また、 実験から図3-3に示すような基質消費カーブが得られ、 実際に求められ た総括的微生物濃度が2∞O[mg/l]であったと仮定すれば、 この実験結果から得ら れる最大比増殖速度μmはO.005[h-1]となる。 しかし、 実際には活性のある微生物 濃度が500[mg/l]であったとすれば、 μmはO.02[h-1]となり、 求められるμmの値に 非常に大きな差が出てくる。 つまり、 どのように微生物濃度を評価するかによ り、 μmのイ直は大きく変わる。

次に、 初期微生物濃度X。が低い場合の例を図3-4に示す。 本図には基質消費カ ーブと同時に、 微生物増殖カーブも図示している。計算条件は表3・2に示すとお りである。 ここでは、 最大比増殖速度μmを前述の例(表3・2)と同じ値とし、 初期 微生物濃度X。のみを低い値に設定した。 ただし、 μmとX。の積は一定で、ある。

初期微生物濃度X。が低い場合、 最大比増殖速度μmと初期微生物濃度X。の積が 一定であっても、 それぞれ特異的な基質消費'カーブが得られる。 これは、 初期微 生物濃度XoC5あるいは20mg!l)に対して微生物増殖ムX(50mg!l)が無視できず、 微 生物濃度の増加に伴って、 基質消費速度が時間とともに増加するためである。 し たがって、 実験条件として初期微生物濃度を微生物増殖ムXに比べ十分に低く設 表3-2 理論的な基質消費カーブの計算条件(2) 定できれば、 実験

初期基質濃度50 [mg-COD/I]

ーーーーーーーーーーーーーーーーー'ーーーーーー・・ー曹司ーーー串圃ー岨骨・・ーーーーーーー

増殖収率Yx[mg/mg-COD]

ーーーーーーー'ー-ー-ーーーーー-ー・・・・ーーーー圃ーーー・・ーーーーーーーーーーーーーー

初期微生物濃度Xo[mg/I]

-ーーーーーーーーーーー骨ー喧ーーーーー・ーーー・・ーーー・ーー,ーーーーーーーーーーーーーー

最大比増殖速度μm [h-1]

初期基質消費速度

μmXO/Yx [mg-COD/lIh]

最終増加微生物濃度

fl.X=SJYx [mg/I]

何ιl' (Ex. 1') 例-2・(Ex.2') 1000

ーーーーーー・・ーーーー・・ー- -ー---ーーー---ーーー・・----ーーー

0.05

ー・・ーーーー--ーーーーーーー--ー ー司・ーー- -ー・・ーーーーーーーーー

5 20

ーーー・・・・ーーーーー・・ーー・・圃圃ーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

0.02 0.005

2 50

から得られる基質 消費カーブから最 大比増殖速度μm と初期微生物濃度 X。を別々に推定す ることが可能であ る。

EX.1' Ex.2・

ミに \[Ë

400

200

{一\OOO'mE}ω制酬明組欄

0 80

.J戸

60

1...1...l〆//

/ ! 〆 1

1

---

- - - - �::�・EX.2'

i/

{一\切E}X制側四容川相誕

200 300 反応時間t[h]

初期微生物濃度が低い場合の基質消費カーブ

動力学的活性微生物量推定式の特徴

図3-4

3-3

式(9)によって推定される初期微生物濃度X。は、 動力学的に求められた微生物濃 度であり、 工学的に求められたいわばモデル上での微生物濃度である。 これを

"活性微生物濃度"と定義する。 この活性微生物濃度評価法の特徴は、

1)バイオマス中には活性のある微生物群の他、 細胞外ポリマ-・不活性な 微生物群・死滅微生物群・金属イオン等の不活性物質が含まれている。 ま た、 そこには多種多様な微生物群が存在している。 そこで、 ss.vss.タ ンパク質濃度のような総括的微生物量指標でなく、 利用基質ごとの微生

物量を評価することができる。 この評価方法は、 不活性物質の蓄積が予 想される生物膜反応器において特に重要であろう。

2)コロニーの計数・酵素活性・アイソト-プ等を利用した微生物量の評価よ りも簡便で、 嫌気性微生物のような増殖速度の遅い微生物群に対して も、 比較的短時間に評価可能である。

3)speciesあるいはstrainのレベルでの評価ではなく、 利用基質の種類にし たがってグループ化し、 それぞれの微生物群の濃度を評価する。

この推定手法は利用基質に着目し、 その種類にしたがって各微生物群の濃度を 推定するものであるため、 利用基質が明確な微生物群であれば、 この手法を適用 可能である。 したがって、酢酸利用メタン生成細菌などの嫌気性細菌の他に、 ア

ンモニアや亜硝酸を酸化し増殖する硝化細菌などにも適用可能である。

活性微生物量推定法の検討 第4節

反復回分実験結果に基づく推定 4-1

本節では、 式(9)を基礎とした活性微生物濃度推定の具体的な方法について述べ る。

図3・5に示すような反復回分実験結果から活性微生物濃度を推定することがで きる。反復回分実験とは、 最初の基質が一旦消費された後、 再度同一基質を添加 する実験である。基質消費速度は1回目と2回目とで異なり、 2回目の消費速度が 速くなる。これは、 1回目の基質消費により微生物が増殖して、 2回目においては 消費活性が増大するためである。

2回目基質添加

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S02l2

1回目基質添加

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