第4章 完全混合槽内の浮遊微生物中の
同様に、 プロピオン酸を基質とした集積培養微生物を用いてパイアル回分実験 を行い、 その微生物中に存在する水素生成酢酸生成細菌および酢酸利用メタン生 成細菌の活性微生物量および増殖速度定数の推定を行う。 この結果をもとに、 混 合培養系においても、 本推定手法が妥当であることを実験的に検証する。
第2節 嫌気性微生物の活性測定のためのバイアルを用いた 回分実験手法に関する検討
2-1 実験装置および方法
2・1・1 供試培養微生物
供試集積微生物の培養のための基質組成を表4-1に示す。 培養基質として、 酢 酸利用メタン生成細菌について検討する場合には酢酸(HAc)を、 水素生成酢酸生 成細菌について検討する場合には、 酢酸およびプロピオン酸(HPr)、 n-酪酸(n
HBu)を混合した基質(Mix、 HAc:HPr:n-HBu=2:1: 1)を用いた。 培養には、 図4・1と 写真4・1に示すような有効体積850mlの完全混合槽を用いたO気相のガスをエアー ポンプで循環させ、 混合液を曝気することにより完全混合状態を維持した。 下水
表4-1 培養基質組成
処理場の嫌気性中温消化 酢酸(HAc)あるいは混合酸*(Mix) (mg-COD/I) 10000 槽汚泥を植種汚泥とし て(NH4)2HP04 700 MgCI2 6H20 810 用い、 60mlの基質を1日1
KCI 750 MgS04・7出O 250
NH4CI 850 COCI2・6H20 18 回投入するfill&draw方式
FeCb.6H20 420 CaC12.2H20 150
NaHCOa 4000 K2HP04 4000 で長期間培養した。 培養
Yeast extract 100 (mg/I)
温度は35+ lOCである。
合:酢酸とプ口ピオン酸と酪酸のCOD濃度比が、 2:1 :10
図4-1 培養装置概要
写真4喧1 培養装置
2・1-2 パイアル実験条件
完全混合槽で長期間(600日間)培養を行 なって集積した培養微生物を用いて、 3S0Cの 恒温振とう培養槽内で、 パイアル(容量約 70ml)回分実験を行なった。 図4-2にパイアル 実験の概要図を、 そして写真4-2に実験状況 の写真を、 写真4-3にパイアルびんの写真を 示す。
四分実験に用いた基質は培養に用いたもの (表4-1)と同様である。 パイアル回分実験の条
Butyl Rubber Cap Aluminium Cap
Vial(120ml)
-・ ・ .,.・ .' . 今 一 ・ ー 一 ー
.・. . ・ ・ ・ ・ .一 一 一
- ー ・ー ・
・ ・ ー.一 一. .
. ・ ・ ・ ・. . .
一 .・・. . ・一 一
・ ・ マ・ . 一 ..
.・ . ・・一、 ・・ .
' .. ・ー ・
. .一 • • 守..O _ •一 .• .一....--.
.. .. .. 宇
. .. .ー .・ ・, 0 . .. . . ....・..
Reciprocal Shaker ( 35 :t 1 ()C ,
480 X 280 X 1 7 Omm , 2 7L. ,
Reciprocation:
35mm X 125strokes/min)
図4-2 バイアル実験概要
写真4ぞ バイアル実験の状況
写真4-3 実験に用いたバイアルびん
件を表4・2に示すo HAc、 Mix培養微生物についてシステイン(塩酸塩、 250�/l)お よび硫化ナトリウム(9水塩、 250rr恵凡)をそれぞれ添加したもの、 硫化ナトリウムの み添加したもの、 いずれも添加しないものの3条件下で、 1条件当り2本のパイア ルを用いて実験を行なった。
基質量5凶、 植種液量20凶、 後述する希釈水量25凶の合計50mlの懸濁液で実験 を行なった。 初期設定基質濃度を1 OOO�-COD/lとし(以下全て、 "COD"表記は、
表4-2 バイアル回分実験の条件
Vial No. 培養 回分実験 cystein Nél2S -9H2Ü resazurin 基質 基質 (250 mg/I) (250 mg/I) (1 mg/I)
A1 HAc HAc + + +
A2 HAc HAc + +
A3 HAc HAc +
M1 Mix Mix + + +
M2 Mix Mix +
M3 Mix Mix +
(注) 1条件当たり2本のパイアルを用いて実験を行った。
有機物を完全に酸化するために必要な理論的な化学的酸素要求量を表すものとす る)、 経時的に揮発'削旨肪酸(VFA、 Volatile Fatty Acid)濃度、 pH、 ガス生成量、 ガ ス組成、 タンパク質濃度を測定した。 サンプリングおよびガス量の測定にはシリ ンジを用いた。
2・1・3 実験手順および分析方法
バイアル実験のための反応懸濁液の調整方法を図4-3に示す。 まず、 70mlと 35m!のパイアルびんの気相を窒素ガスで置換し、 ブチルゴム栓及びアルミニウム キャップで密栓した(図4-2、 写真4-3)。 完全混合槽から採取した培養液を、 嫌気 雰囲気下で、35mlのバ
イア ル中で遠心分離
し(2100X g、 5分間)、
その上澄水を希釈液 として、 70mlのノてイ アル中で培養液を希 釈した 。 これは、 本 章第3、 4節での活性 微生物量推定 におい て、 初期微生物濃 度
Chemostat
reactor (35ml)Vial
Substrate