第8部 平均給与額の算定
3 法第2条第7項による計算
過去3月間に全く給与を受けていない場合には、原則計算にせよ他の計算にせよ、およそ 計算すること自体ができない。もた、原則計算等は一応行えるとしても、その額を平均給与 額としたのでは著しく公正を欠くこととなる場合もある。
そこで、このような特殊な場合においては、前記1及び2の算定方法とは別に以下の方法 により算定する。
(1) 則第3条第1項による計算(採用の日の属する月に災害を受けた場合等の計算) ① 給与を受けない期間が過去3月間の全日数にわたる場合
② 法第2条第6項各号(控除事由)に掲げる日(前記2の⑦及び⑧を含む。)が過去3月間 の全日数にわたる場合
③ 採用の日の属する月に災害を受けた場合
これらの場合においては、次に掲げる期間に支払われた給与の総額をその期間の総日数 で除して算出する。
①の場合
その期間経過後初めて給与を受けるに至った日から災害発生の日までの期間 ②の場合
控除事由のやんだ日から災害発生の日までの期間 ③の場合
採用の日から災害発生の日までの期間
「その期間に支払われた給与の総額」とは、算定期間の勤務に対し給与法令上支払われる べき給与をいい、その期間に支払われた給与の総額に月額で定められている給与が含まれ
※16 法第2条第7項
※17 則第3条第1項
※18 「平均給与額特例通知」の記の第2
※16
※17
※18
その期間における則第3条第5 項に規定する通勤手当の合計額
寒冷地手当の月額×5 365
その期間に支払われた月額で支 給することとされている給与額
その期間における則第3条第5 項に規定する通勤手当の合計額
その期間に支払われた月額で支給する こととされている給与の額の合計
通勤手当の月額相当分
その月の総日数-その月の勤務を要しない日数 採用の日の属する月に災害を受けた場合等の計算
月額で支給することとされている給与の月額 その月の総日数-その月の勤務を要しない日数 ている場合には、その月額(休職等により本来の給与の月額の一定割合を支給することとさ
れている場合にあっては、その割合による額)を、また、通勤手当については、則第3条第 5項に規定する各月ごとの合計額を、それぞれその期間の属する月の総日数から勤務を要 しない日の日数を差し引いた日数で除して得た額にその期間の総日数から勤務を要しない 日の日数を差し引いた日数を乗じて得た額(その期間内の欠勤等を理由として給与が減額 された場合にあっては、その額から減額された給与の額に相当する額を差し引いた額)を当 該給与の額として計算する。
その期間に支払われた給与の総額 =
+ + その期間の時間外勤務手当等の額
+ × その期間の総日数
=
× (その期間の総日数-その期間の勤務を要しない日数)
=
× (その期間の総日数-その期間の勤務を要しない日数)
なお、平均給与額の特例的な算定方法を用いる場合においても、法第2条第4項ただし 書(最低保障計算)及び同条第6項(控除計算)の規定が準用される。
第8部 平均給与額の算定
179,200円 30日-9日
13,500円 30日-9日
19,270円 30日-9日
15,400円 30日-9日
23,061円 30日-9日
5,376円 6日
60 100
71,551.7…円 8日 時間外勤務手当の額
勤務した日数
60 100
その他の給与 その期間の総日数
算定期間 計算例
1月 2月 3月
4/1 4/8 採用の日 被災
給 与 期 間 4月1日~
4月8日
月 日~
月 日
月 日~
月 日 計
総 日 数 8日 日 日 8日
勤 務 し た 日 数 6日 日 日 6日
給 料 179,200円 円 円 179,200円
扶 養 手 当 13,500円 円 円 13,500円 地 域 手 当 19,270円 円 円 19,270円 住 居 手 当 15,400円 円 円 15,400円 通 勤 手 当 23,061円 円 円 23,061円 時 間 外 勤 務 手 当 5,376円 円 円 5,376円
円 円 円 円
給与
計 255,807円 円 円 255,807円 〔支払われた給与〕
給 料= × (8日-2日) = 51,199.99円 扶養手当= × (8日-2日) = 3,857.14…円 地域手当= × (8日-2日) = 5,505.71…円 住居手当= × (8日-2日) = 4,399.99円 通勤手当= × (8日-2日) = 6,588.85…円 小 計 71,551.68…円
時間外勤務手当 5,376円 合 計 76,927.7…円 ○則第3条第1項本文による金額
その期間に支払われた給与総額÷その期間の総日数 =76,927.7円÷8日=9,615.96…円
○則第3条第1項ただし書きによる金額(法第2条4項ただし書きの計算) × +
= × + = 9,481.56…円
注:この計算例の4月における勤務を要しない日の日数は9日であり、則第3条第1項の規定による 平均給与額の算定期間(4月1日~4月8日)における勤務を要しない日の日数は2日である。
(2) 則第3条第2項による計算(採用の日に災害を受けた場合の計算)
これまでに述べた各計算方法は、いずれも現に支払われた給与の額を基礎として行うも のであったが、この計算は、現実に支払われると否とにかかわらず、災害発生の日におい て給与法令上その被災職員について決定されている給料の月額、扶養手当の月額、給料及 び扶養手当の月額に対する地域手当の月額、特地勤務手当の月額並びにへき地手当の月額 又はこれらに相当する給与の月額の合計額(常勤的非常勤職員にあっては、当該職員の給与 の日額に25(地方自治法第4条の2の規定により、土曜日を休日としている地方公共団体等 にあっては21、第2土曜日及び第4土曜日を休日としている地方公共団体等にあっては23) を乗じて得た額。以下「基本的給与」という。)を30で除して得た額が平均給与額となる。
「扶養手当の月額」とは、被災職員の扶養親族数に応じて算出した額をいうものであるの で、例えば、月の中途で採用された場合、給与法令上は当該月に係る扶養手当は支給され ないが、この場合であっても平均給与額算定の基礎に含めることとなる。
(3) 則第3条第3項による計算(比較計算)
前記1及び2並びに(1)及び(2)の平均給与額の計算は、災害発生の時点において行うも のである。したがって、この平均給与額は、災害発生当時に行う補償の基礎としては妥当 なものということができる。しかし、例えば、数年もの長期間にわたって療養を行った後 に後遺障害を残して治ゆしたため障害補償の支給事由が生ずる場合等においても、なお当 初の平均給与額を基礎とする方法は、その間のベースアップ等による給与水準の変化等を 考慮すれば、必ずしも妥当なものとはいえず、この計算方法のみによるとすれば、他との 均衡上公正を欠くと認められる場合も生ずる。
そこで、これらの不均衡を防止するために、補償を行うべき事由を生じた日に受ける基 本的給与を30で除して得た額が前記1及び2並びに(1)及び(2)の計算によって得た額より も高額となる場合には、この額を平均給与額とすることとされている。
「補償を行うべき事由の生じた日」とは、補償の種類ごとに次に掲げる日である。
・休業補償……療養のため勤務することができず、給与を受けない日
・傷病補償年金……療養開始後1年6か月を経過した日以後において治ゆせず、かつ、
傷病による障害の程度が傷病等級に該当することとなった日
・障害補償……負傷又は疾病が治り障害等級に該当することとなった日(法第29条第9 項の規定により新たに該当するに至った等級に応ずる障害補償一時金を支給すべきこ ととなった場合及び法附則第5条の2第1項の規定により障害補償年金差額一時金を 支給すべきこととなった場合には、それぞれ当該一時金を支給すべきこととなった日) ・遺族補償、葬祭補償……死亡した日(法第36条第1項第2号に掲げる場合に該当して
新たに遺族補償一時金を支給すべきこととなった場合には、当該遺族補償一時金を支 給すべきこととなった日)
「補償を行うべき事由の生じた日に受ける基本的給与」とは、補償を行うべき事由の生じ
※19 則第3条第2項
※20 「平均給与額特例通知」の記の第5
※21 「算定通知」の記の7
※22 則第3条第3項
※23 「算定通知」の記の8
※19
※20
※21
※22
※23
第8部 平均給与額の算定
スライド率の考え方
た日において在職している場合には、同日において現に受けている基本的給与であり、職 員の離職後に補償を行うべき事由の生じた場合には、離職時に占めていた職に引き続き在 職していたとするならば同日において受けることとなる基本的給与(離職時の等級号俸を 固定し、かつ、離職後は扶養親族の異動がなかったものとする。)を用いる(以下(4)及び4 において同じ。)。また、地域手当並びに特地勤務手当に準ずる手当及びへき地手当に準ず る手当は、在職者については支払われていればそのまま対象となるが、離職者については 離職当時に支払われており、かつ、補償を行うべき事由の生じた時点で当該異動保障期間 にある場合に限り対象となる。
なお、公務上の傷病又は通勤による傷病が再発した場合及び再発した傷病が治った場合 における補償事由発生日は再発した傷病に係る補償事由発生日である。
(4) 則第3条第4項による計算(災害発生の日の属する年度の翌々年度以降に補償事由が生 じた場合の計算)
年金たる補償においては平均給与額の自動改定制度が定められている(4参照)が、これ との均衡を図るため、災害発生の日の属する年度の翌々年度以降に補償を行うべき事由が 生じた場合において、補償事由発生日における平均給与額が、災害発生の日(当該災害発生 の日が昭和60年4月1日前であるときは、昭和60年4月1日)を補償事由発生日とみなして 計算した平均給与額に総務大臣が定める率(スライド率)を乗じて得た額に満たないときは、
当該乗じて得た額を平均給与額とする。
翌 年 度 翌 々 年 度
被災 補償事由発生
(補償事由発生日における平均給与額)と(災害発生日における平均給与額×スライド率) を比較し、大きい方の額を平均給与額とする。
参考 年金たる補償の自動改定の例
補償事由発生日の翌年度 補償事由発生日の翌々年度
被災 補償事由発生 A
A以降の期間に係る分として支給する年金の額の算定の基礎として用いる平均給与 額は、補償事由発生日における確定した平均給与額×スライド率となる。
※24 「平均給与額特例通知」の記の第6
※25 「算定通知」の記の10
※26 則第3条第4項
※27 「地方公務員災害補償法第2条第9項及び地方 公務員災害補償法施行規則第3条第4項の規 定に基づき総務大臣が定める率を定める件」
(平4.3.27自治省告示57号)(以下「平4告 示57号」という。)
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