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第9部 補償等の支給事務等

3 審査手続

支部長が行う補償に関する決定に対して不服がある者が支部審査会に対してする審査請求 及び審査会に対してする再審査請求の手続等については、行服法が適用される。

なお、審査請求をしている者は、審査請求をした日の翌日から起算して3か月を経過して も支部審査会による裁決がないときは、支部審査会が審査請求を棄却したものとみなして、

審査会に対して再審査請求をすることができる。

以下、審査請求について説明する。なお、再審査請求についても基本的には審査請求と同 様の手続により行われる。

(1) 審査請求

ア 審査請求の対象

審査請求をすることができる処分は、支部長が行う補償に関する決定であり、主なも のは、次のとおりである。

・公務上外、通勤災害該当・非該当の認定 ・療養の方法についての決定

・補償金額の支給決定

・遺族補償の受給権者の決定等

なお、行政処分でない福祉事業の決定及び治ゆ認定については、補償に関する決定に は当たらず審査請求をすることができない。

イ 審査請求ができる者

審査請求ができる者は、当事者適格を有する者、すなわち、支部長の行った補償に関 する決定が違法又は不当であるため直接に自己の権利又は利益を侵害された者である。

ウ 代理人

審査請求は代理人によってもでき、代理人は審査請求人のために審査請求の取下げを 除く審査請求に関する一切の行為をすることができる。なお、特定行為だけしかなし得 ない代理人を選任することはできない。

代理人の資格は、書面(委任状)での証明を要する。また、代理人の数の制限について は、特に制限規定はないが、審理の円滑迅速な進行等の観点から、社会通念上妥当な数 が望まれる。代理人が選任された場合の支部審査会からの文書の送達等は、すべて代理 人に対して行うことによって足りるものである。なお、この場合において、代理人が複 数いる場合には、そのいずれかの代理人に対して行うことによって足りる。

エ 審査請求期間

審査請求は、支部長の処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、

再審査請求は、支部審査会の裁決があったことを知った日の翌日から起算して30日以内 に、それぞれ行わなければならない。

※5 法第51条第5項

※6 法第51条第3項

※7 法第51条第2項

※8 行服法第12条

※9 行服法第14条、第53条

※5

※6

※7

※8

※9

審査請求を郵送で行ったときは、郵送に要した日数は期間に算入されない。すなわち、

発信主義が採用されている。

オ 審査請求の方式

審査請求は、書面(審査請求書)でなされることが必要であり、正副2通が支部審査会 に提出されるものであるが、処分庁である支部長を経由して提出することもできる。

カ 共同不服申立て(総代)

多数人が共同して審査請求をしようとするときは、3人を超えない総代を互選するこ とができる。

キ 参加人の許可

支部長が行った補償に関する決定及び審査請求に対する裁決によって直接に自己の権 利又は利益を侵害される者から参加の申請があった場合には、支部審査会の裁量によっ て参加を許可するか否かを決定できる。

ク 審査請求の効果

支部長の処分を不服として、審査請求がされても、その処分の効力・執行又は手続の 続行は妨げられるものではないが、時効は中断する。

ケ 審査請求の取下げ

審査請求人は、支部審査会の裁決があるまでは、いつでも審査請求を取り下げること ができるものであるが、取下げは書面でしなければならない。

(2) 審理の方式

審査請求の審理は、書面による。ただし、支部審査会は、審査請求人又は参加人の申立 てがあったときは、口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。

一般的に審査請求は、簡易迅速な救済を図り、また、行政の内部的監督の一環としての 要素を持つものであるために、書面審理主義を原則とし、更に審査手続においても、職権 審理主義を基本としている。したがって、対審構造を採り口頭審理主義による裁判とは根 本的に異なるものである。

ア 形式要件の審査

審査請求書が郵送又は持参によって、支部審査会に届くと、次の形式要件についての 審査がされる。

(要件)

(ア) 審査請求人に当事者適格はあるか。

(イ) 請求の対象は、審査請求をすることのできる処分であるか。

(ウ) 請求は、法定の期間内にされているか。

(エ) 法定の事項が記載されているか。

・審査請求人の氏名、年齢及び住所 ・審査請求に係る処分

※10 行服法第9条、第17条

※11 行服法第11条

※12 行服法第24条

※13 行服法第34条 法第51条第4項

※14 行服法第39条

※15 行服法第25条

※16 行服法第14条、第15条

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※16

第11部 不服審査制度等

・審査請求に係る処分があったことを知った年月日 ・審査請求の趣旨及び理由

・支部長の教示の有無及びその内容 ・審査請求の年月日

・代理人によって審査請求をする場合は、代理人の氏名及び住所

(オ) 審査請求書に審査請求人(代理人がする場合は代理人)の押印があるか。

(カ) 審査請求書は、正副2通提出されているか。

(キ) 代理人による審査請求の場合は、代理人であることを証明する書面(委任状)が添 付されているか。

イ 補正命令

形式要件を欠く審査請求のうち、不適法であっても補正することができるもの(前記ア の(ア)、(イ)及び(ウ)以外の要件を欠いているもの)であるときは、相当の期間(補正に 要する期間は、おおむね2週間の期間をみれば妥当と思われる。)を定めて会長名の文書 で補正を命ずる。

なお、指定した期間内に補正がなされれば、審査請求は請求の日にさかのぼって適法 となる。

ウ 却下の処理

審査請求書が前記アの(ア)、(イ)又は(ウ)の要件を欠くため不適法と認められる場合 又は補正命令をしたにもかかわらず、これに応じない場合には、審査請求を受理せず、

裁決をもって却下することとなる。

エ 受理

審査請求が形式的な要件を具備し、適法と認められるときは、これを受理し、審査請 求人(代理人)、支部長、支部審査会委員及び参与に対して、受理の通知を行う。

オ 本案の審理

本案の審理は、通常の場合、次のような過程を経る。

審査関係資料の収集及び検討 ↓

支部審査会による調査(証拠調) ↓

口頭による意見陳述の聴取

↓ 支部審査会の開催 支部審査会による合議等

※17 行服法第9条

※18 行服法第21条

※19 行服法第40条第1項

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(ア) 審査関係資料の収集及び検討

審査請求人の主張及びこれに対する支部長の主張を明らかにするため、書記が、

提出された審査請求書、弁明書、反論書等のほか、会長の指示を受けて、必要に応 じて関係資料の収集を行う。

○弁明書、反論書の提出

支部審査会は、審査請求を受理したときは、審査請求書の副本を支部長に送付 し、相当の期間を定めて、弁明書の提出を求めることになる。弁明書は、正副2 通を提出させなければならず、また、支部長から弁明書の提出があったときは、

支部審査会は、その副本を審査請求人に送付しなければならない。

弁明書の提出は、争点を審査請求人及び支部審査会に明らかにする意味がある。

審査請求人は、弁明書の副本の送付を受けたときは、これに対する反論書を提 出することができる。

なお、再審査請求の場合には弁明書、反論書の提出は行われず、支部長及び支 部審査会から関係資料が提出される。

○審査資料の作成、配布

審査請求事案の内容及び争点が一通り明確になったときは、書記は、審査請求 人及び支部長から提出された書類並びに支部審査会が収集した書類を整理し、審 査資料を作成して、支部審査会委員及び参与に配布する。

(イ) 支部審査会による調査

支部審査会には、審査請求事案の審理のために各種の調査権を与えられているが、

その調査権の根拠規定及び内容は、次のとおりである。

○法第60条の調査権

支部審査会は、審査のため必要があると認めるときは、支部長から補償を受け 若しくは受けようとする者又はその他の関係人に対して報告、物件の提出等をさ せることができる。

なお、「その他の関係人」とは、審査請求事案と直接又は間接を問わず関係のあ る者をいい、一般にこれに該当すると考えられる者を例示すると、次のとおりで ある。

・災害を受けた職員と同じ勤務箇所に勤務していた職員 ・医師(主治医など)

・事故等を目撃した者(現認者) ・災害を受けた職員の同居の親族 ○参考人による陳述又は鑑定

支部審査会は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、適当と 認める者に、参考人としてその知っている事実を陳述させ又は鑑定を求めること ができる。

参考人は、当事者その他の直接の利害関係人以外の者で、争点である事実関係

※20 行服法第22条

※21 行服法第23条

※22 法第60条

※23 行服法第27条

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第11部 不服審査制度等

について陳述できる者又は鑑定事項の鑑定に必要な専門的知識を有する者が参考 人として予想される。

なお、支部長及び支部職員は、補償に関する決定に関与した者であることから、

参考人とすることはできない。

○物件の提出要求

支部審査会は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、書類そ の他の物件の所持人に対し、その物件の提出を求め、かつ、その物件を留め置く ことができる。

○検証

支部審査会は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、必要な 場所につき、検証をすることができる。

○審査請求人、参加人の審尋

支部審査会は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、審査請 求人又は参加人を審尋することができる。

審尋とは、審査請求人又は参加人が主張し、立証した事項について、さらに分 析を加え又は補充させるための方法として、審査請求人に問いただすことをいう とされている。

○証拠書類等の提出、閲覧

行服法上は、審査請求人又は参加人が、証拠書類又は証拠物を提出することと、

支部長が提出した書類その他の物件の閲覧を保障している。

なお、閲覧請求があった場合、支部審査会は、第三者の利益を害するおそれが あるとき、その他正当な理由があるときでなければ、閲覧を拒むことはできない。

また、支部長は、当該処分の理由となった事実を証する書類その他の物件を支 部審査会に提出することができる。

(ウ) 口頭による意見陳述の聴取

支部審査会は、審査請求人又は参加人の申立てがあったときは、口頭で意見を述 べる機会を与えなければならず、支部審査会が口頭意見陳述の機会付与の申立てを 拒否することはできない。

書面審理主義の例外として口頭意見陳述の制度を設けた理由は、審査請求書及び 反論書では、十分に意を尽くせなかった点につき補完することができるからである。

また、口頭意見陳述が審査請求人側だけに認められ、処分庁側に認められていな いのは、審査請求人を実質的に処分庁と対等な地位に立たせて審理を進行すること ができるように配慮されていることに基づくものである。

(エ) 参与による意見陳述

参与による意見陳述は、審査請求人等の退出後又は別に日を定めて行い、当日出 席できない参与は、口頭による意見陳述に代わる意見書を提出することができる。

※24 行服法第28条

※25 行服法第29条

※26 行服法第30条

※27 行服法第26条、第33条

※28 行服法第33条第2項

※29 行服法第33条第1項

※30 行服法第25条ただし書

※31 業規第54条、第55条第2項

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