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公開 講座

2012 年の県民公開講座は防府市公会堂で行わ れた。プログラムはまず、山口県立防府西高等 学校吹奏楽部の演奏で始まった。同校の吹奏楽部 は全日本吹奏楽コンクール中国大会や全日本アン サンブルコンテスト中国大会で金賞を受賞するな ど、山口県内ではトップレベルの実力を誇ってい るそうで、高校生の元気、パワーを感じさせる演 奏を披露していただいた。

「いのち きずな やさしさ」をテーマに、3 回 目の開催となったフォトコンテストは、応募され た 162 作品が会場内に展示され、多くの来場者が 熱心に作品を鑑賞する姿が見られた。ステージの 上では受賞者の表彰が行われ、続いて下瀬信雄審 査委員長が受賞作品を示しながら講評を行われた。

特別講演の講師は外科医、病理医を経て、現 在は独立行政法人放射線医学総合研究所重粒子医 科学センター病院 Ai 情報研究推進室室長を務め、

「チーム・バチスタの栄光」の著者として知られる、

海堂 尊氏であった。以下、講演の要旨を記す。

医療を守ること

「医療を守ること、社会を守ること」と題して 行われた講演は、現在の出版不況の話題から始

まった。文化の飾り窓のようなものである書店が 多くの地方都市で減少しており、大げさに言えば 文化が廃れる危険性がある。文化を廃れさせない ためには、それなりの消費(投資?)が必要であ るという。そして同様のことが医療の世界でも起 こりうるし、実際に霞が関の官僚は医療費の削減 を行っている、あるいは行おうとしていること、

官僚は日本全体のことを考えているとは思えない こと、医療費を削減すれば医療が崩壊に向かうこ と、などを聴衆に訴えた。

死亡時画像診断 (Autopsy Imaging; Ai) について 医学の発展には死因の究明が重要であり、こ れまでは解剖が死因の究明について大きな役割を 果たしてきた。ところが、日本での解剖率は 2.4 

%であり、死者の 3 〜 4 割は死亡原因が不明 という現状である。そ こで、敷居の高い解剖 を行う代わりに、死亡 後 に 画 像 診 断 (Ai) を 行 っ て、 死 因 を 究 明 しようという試みであ る。死因が判明するの は体表検案で約 1 割、

県民公開講座 いのちを守る、医療を守る

と き  

 平成 24 年 11 月 11 日(日)

    13:00 〜 15:50 ところ 防府市公会堂大ホール [ 報告:広報委員 川野 豊一 ]

海堂 尊先生

CT 検査で 3 割、MRI で 6 割、解剖で約 8 割との ことである(もちろん、死因が不明な場合にすべ て解剖を行うのであれば Ai を行う必要はなくな るであろうが、現在の解剖率をみればそれが非現 実的であることは明らかである)。いわゆる死因 究明関連法案で死因の究明にあたって Ai を活用 することが盛り込まれたことは前進であるが、Ai を行う費用の措置が明記されなかったこと、情報 の開示が明記されていないことが問題であると指 摘した。

しかしながら、日本医師会などの働きかけに より、「遺族などの不安の緩和又は解消に資する よう警察及び海上保安庁は、死体を引き渡した遺 族に対し、死因その他参考になるべき事項の説明 を行うとともに、当該遺族から調査等に係る記録 等資料を提供するよう求めがあった場合にはその 要請に応えること」という附帯決議がなされたこ とは評価されるとした。

日本医師会は「日本の医療」の利益団体

日本医師会は開業医の利益団体であるという のは、官僚(財務省)がメディアを操作して作り 上げた虚像である。医療費を削減したい側にとっ ては医療費の削減に反対する日本医師会が市民か ら支持されることは都合が悪い。医療を守ること

は社会を守ることにつながり、医療費の削減は医 療崩壊につながる。医療と介護の分離、在宅介護 の推進により家族の負担が増加し、疲弊しつつあ る。自分たちの市民社会を守るために、市民自身 が医療について考え、医療をサポートすることが 必要であると指摘した。

作家活動と Ai 学会

病理医の仕事を通じて、重粒子線治療の効果判 定として死後の画像診断が有効と考えたが、受け 入れられなかったことが Ai 学会設立の動機となっ た。Ai 学会では Ai を制度として導入するために 活動を行ったが、その活動の停滞が小さな頃から の夢であった作家活動を始めるきっかけとなった。

作家として活動を行ったことが、結果的には Ai 推 進のための活動にもなったとのことであった。

最後に、90 分間の講演の中で筆者が最も印象 に残った言葉は、「権力者は、いいものを作ろう としているのではない、自分たちに都合の良いも のを作ろうとしている」であった。(これを医療 費削減について勝手に言い換えれば、「官僚(権 力者)は、医療を守り社会を守ることよりも、医 療費を削減することでお金の配分を自分たちの都 合がいいようにしようとしている」となる?)

県民公開講座

演奏後、指揮者の野上教諭と河野部長に、部のモットーである「Family」について語っていただき ました ( 左下写真 ) 。また、ホワイエにて応募いただいた全作品の展示をいたしました ( 右写真 ) 。

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県民公開講座

県内トップレベルを誇る山口県立防府西高等学校吹奏楽部による演奏

フォトコンテスト表彰式と、

写真家 下瀬信雄先生による 受賞作品の講評

 今回で第 9 回目となる、日本医師会 指導医の ための教育ワークショップ ( 山口県医師会主催 ) に参加させていただきました。本ワークショップ の目標として、「臨床研修指導医は研修の質を高 めるために望ましい研修プログラムを立案し、推 進する能力及び基本的な臨床能力を備えた研修医 を育成する能力を身につける」とあります。大変 内容の濃く充実した研修で、指導医が到達すべき 目標を理解することができました。

 県内一流の医療機関の最前線でご活躍の先生方 に混じり、若いエネルギーを十分吸収させていた だき、大変良い刺激を受けました。

 私自身、岩国市内で内科医として、外来診療、

訪問診療を行っており、プライマリーケアの重要 性を認識し、地域医療に携わる者として研修医の 先生方に少しでも興味をもっていただき、志を同 じくする先生が増えればと、積極的に研修依頼を お受けし、指導させていただいております。今回 の研修も、そういう意味で、少しでも研修医の先 生方の気持ちに近づきたい!という思いで参加さ せていただきました。

 今回は県内各地から計 18 名の参加があり、デ

ィレクターとして県医師会の役員の先生方が 6 名、タスクフォースとして 5 名の先生方がいら っしゃいました。まず、参加者紹介でお互いを紹 介する機会がありました。参加された先生方がそ れぞれの趣味などを紹介することで場が和み、大 変フレンドリーな雰囲気で研修が進行していった と思います。

 2 日間でテーマごとに 6 回のグループワークが あり、それぞれグループワーク開始前に用語説明 があった後、グループごとに一定時間内討議し、

その内容を模造紙でまとめ、全体セッションで発 表、その後全体で討議するというものでした。ま ず 1 回目は、グループワークのテーマの 「 社会が 求める医師の基本的臨床能力とは 」 を KJ 法によっ てまとめました。2 回目からは 「 緩和終末期ケア 」 、

「 患者医師関係 」 、「 チーム医療 」 、「 医療安全管 理 」 のテーマの中から各グループが一つ選択し、

GW2「 研修目標 」 、GW3「 研修方略 」 、GW4「 教 育評価 」 と、グループワークを重ねることにより 研修カリキュラムを作成しました。その後、GW5

「問題ある研修医への対応 」 、GW6「 臨床研修の現 場の問題点と対応策 」 と進んでいきました。グル