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堀 委員 本日は、平成 24 年 4 月より長門市医 師会長になられた天野秀雄先生にお話しを伺いま す。天野先生、会長就任おめでとうございます。

診察後の多忙時と思いますが、インタビューをよ ろしくお願いします。最初に天野先生の経歴を簡 単にお願いします。

天野会長 私は昭和 27 年、長門市に生まれまし た。愛知医科大学を昭和 53 年に卒業、すぐに山 口大学第一内科に入局いたしました。当時の教授 は竹本忠良先生で、消化器病のオーソリティで厳 しく鍛えていただきました。研修二年目は柳井市 の周東総合病院内科で勤務させていただき、現在、

宇部興産中央病院院長の福本陽平先生、元東京都 保健医療公社荏原病院副院長の榊 信廣先生をは じめ、各科のたくさんの先生方に指導を受けまし た。その後山口大学第一内科で富士 匡先生のご 指導の下、胆膵の内視鏡治療の開発に専念しまし た。また、途中 1 年間、宇部市内の尾中病院内科で、

眞宅 篤先生から検死の手ほどきを受けました。

昭和 62 年 10 月、長門総合病院内科勤務を経て、

平成 2 年 4 月から、父親の診療所を継承いたし ました。

堀 委員 ありがとうございました。それでは次 に長門市医師会の概要をお願いします。

天野会長 大津郡東部、当時は前大津と呼ばれて

いましたが、現在の旧三隅町と旧長門市に前大津 医会ができました。もう一つ、大津郡西部、当時 は先大津と呼ばれていた地域ですが、現在の旧油 谷町と旧日置町に先大津医会が、明治 20 年ごろ に発足したのが最初です。

 明治 42 年ごろ、この 2 つの医会が合併し、大 津郡医師会となりました。大正 9 年に法的に大 津郡医師会が設立され、昭和 29 年に長門市医師 会と改称されました。昭和 43 年に社団法人とな り、平成 24 年 4 月から公益法人制度改革のため、

一般社団法人長門市医師会となりました。

 長門市医師会の医療圏は明治発足以後、変化は ありません。

堀 委員 医師会員数はどのくらいでしょうか。

天野会長 平成 24 年 11 月現在で A 会員が 34 名、

B 会員が 27 名、C 会員が 3 名です。診療所の最 年少は 40 歳です。残念ながら現役ではありませ んが、最高齢の先生は 90 歳です。現役の最高年 齢は 84 歳、平均年齢は 56.6 歳です。

 診療所開業で 70 歳以下の先生は、内科 8 名、

眼科 3 名で、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科、脳 神経外科、整形外科が各 1 名ずつです。

堀 委員 次に、病院・診療所の数を教えてください。

天野会長 岡田病院、斎木病院、長門総合病院の と き 平成 24 年 11 月 14 日(水) 

ところ 長門市医師会館

[聞き手:堀   哲 二   広報委員]

3 つの中核病院と、ほか 3 病院、18 の診療所が あり、計 24 の医療機関があります。

堀 委員 長門市医師会の特長を教えていただけ ますか。

天野会長 長門市医師会は先ほど述べましたよう に、会員数 64 名の小さな医師会ですが、地域の 人々の健康と生命を守ることを目的とし、他の医 師会同様、さまざまな事業に取り組んでおります。

他の医師会と違うところは、医師会立の訪問看護 ステーションを運営しています。訪問希望者は多 いですが、看護師不足で管理者の頭を悩ませてい ますが、経営的に訪問看護ステーションのスタッ フのおかげで、どうにか黒字を維持しています。

 地域の特殊性、会員数が少ないこともあります が、なぜか長門市医師会で一番大事にしているこ とは、医師会員全員が協力し、お互いの医療機関 の専門性を重んじて紹介しあう、病病連携、病診 連携、診診連携を密にしていることです。その一 環として病院に新しく来られた先生方を講師に、

専門分野のご講演をいただき、新しい医療の習得 と医師会員との連携強化を図っているところです。

堀 委員 会員や医療機関職員への研修などはど のようにされていますか。

天野会長 医師会の主催で、診療所の全職員を対 象に診療所院内感染症対策講習会を、平成 20 年 1 月から年間 2 回、実施しております。長門総合 病院の感染制御認定専門薬剤師さんを中心に講演 や実習を行い、毎回 100 名以上の参加をいただ き、回を重ねるたびに他の医療機関の職員とも顔 なじみになりつつあります。

堀 委員 薬剤師会や行政との連携はどのように されていますか。

天野会長 医療関連機関、行政とも以前より連 携を取っています。特に各種講演会を薬剤師会や 行政機関と共催しております。その中で薬剤師会 とは漢方治療を話題にした長門漢方治療懇話会を 20 年前から隔月開催し、平成 24 年 11 月で 123 回目になりました。これにより医師と薬剤師との

考えの隔たりはなく、何でも話せる状態になって きています。

 このように長門市医師会では「出来るだけ顔の見 えるネットワーク作り」を心がけ、実践しています。

堀 委員 多方面にわたる積極的な医師会活動が 目にみえるようです。ところで天野会長は会長に就 任されていろいろな仕事目標があると思いますが、

どのような目標をお考えになっておられますか。

天野会長 会長になり半年、いろいろと仕事が増 えておりますが、川上俊文前会長がなされていま したことを踏襲しておりますので、そのまま完成 に導けばよいので前会長に比べ、楽をさせていた だいています。

 まずは国の地域医療再生基金を使用した地域 連携システム「医療ネットながと」が平成 24 年 10 月 10 日から部分運用を開始いたしましたの で、このシステムの完成と安定運用に向けた最終 の調整を行っております。

堀 委員 「医療ネットながと」とはどのような システムなのか、目的や概要を教えてください。

天野会長 先ほど病診連携を話しましたが、さら に発展させたシステムで、山口県内では最初の試 みです。簡単に説明しますと、長門地域の 3 つの 中核病院と診療所をネットワークで結び、主に中 核病院の医療情報を他の病院や診療所はリアルタ イムで閲覧でき、患者の同意のもとに、患者の医 療情報を地域の医療機関が共有できるシステムで す。長門市内の 23 の医療機関が参加し、中核病院 の診療歴、処方等が閲覧でき、市民の方々に分か りやすい医療を提供することを目的としています。

堀 委員 このシステム導入により、どのような 効果があるとお考えですか。

天野会長 患者さんへのサービス・安全性・医療 の質の向上及び診療の効率化など、この機能が十 分に活用できれば、その効果は計り知れないと考 えます。将来的には三次救急病院との連携が取れ れば、より良いと考えます。

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堀 委員 ところで、長門市医師会で目下懸案と なっている問題はございますか。

天野会長 それは長門市立の休日夜間診療所の開 設問題です。平成 25 年秋に長門総合病院近くに 開設する予定ですが、小さな医師会で 70 歳以下 の開業医の先生で 8 名の内科医と 1 名の小児科 医を中心に、眼科医 3 名、皮膚科医、耳鼻咽喉科医、

脳神経外科医、整形外科医各 1 名の支援を受け、

運営をしなければなりません。このメンバーで休 日だけの診察を維持するべく努力するつもりです が、それだけでもとても高いハードルです。

 平日の夜間については、長門市が対応する予定に なっていますが、難しい現状です。大学を中心に関 係医療機関へ市長とともに再度お願いに上がる予定 です。皆様のご協力よろしくお願いいたします。

堀 委員 つづいて天野会長の個人的なことをお 聞きしたいと思います。まずはどのようなことに 趣味をお持ちですか。

天野会長 研修医のころからスキーに凝っていま した。毎冬、北海道まで出かけていました。開業後、

長期の休みが取れなくなり、自然とやめてしまい ました。特にゲレンデで飲むビールは格別です。

堀 委員 現在はどのような趣味をもっておられ ますか。

天野会長 開業後は住んでいるところが日本海の すぐ近くですので、友人に勧められて、釣りを始 めました。

堀 委員 海釣りですね。

天野会長 産業医先の会社の船で船釣りです。大 名釣りで私が到着と同時に出港してくれます。特 に疑似餌を用いたジギングで、ヒラマサやカンパ チ、ワカナを狙ってよく出かけていました。現在 は医師会の仕事が多忙になり、残念ながら休止中 です。それでも夏のイカの夜釣りに年間 2 回程度、

近くの開業医さんを誘って出かけています。

堀 委員 その他にご趣味はありますか。

天野会長 パソコンです。一番長く続いていま す。山口大学第一内科時代に、シャープのマイコ ン MZ-80 から始まりました。私が書くカルテ、

依頼原稿、論文の字が読みにくいので、先輩た ちが「ワープロがこの世に出たとき」すぐにすす めてくれました。その後、先輩にすすめられるま ま、道具として便利に使用しています。決してパ ソコンに詳しいのではなく、単に、こんな時には 誰に聞いたらいいか、だれが詳しいかだけを知っ ています。できるだけ楽をして過ごすためには私 にとって大切な道具です。

堀 委員 最後に先生が医療でいつも大切に心が けておられることがあれば、教えてください。ま た、好きな言葉はございますか。

天野会長 笑顔で接することと、できるだけお話 しを聞くことです。好きな言葉は「初心忘るべか らず」です。中学校入学時、予備校、結婚式でな ぜかずっと私に贈られた言葉です。中学校の担任 の先生が世阿弥の「花鏡」にある言葉で、「学び はじめたころの、謙虚で緊張した気持ちを失うな の意」、また、「最初の志を忘れてはならないの意 にもいう」という説明をしてくれました。

 熱しやすく、冷めやすい私の性格を見越してか らの発言と思われます。壁にぶつかった時によく 思い出す言葉です。最近、特によく思い出す言葉 になりました。

堀 委員 本日は長時間にわたるインタビュー に、貴重な時間をいただき、ありがとうございま した。今後の先生のご活躍とご健康を祈り、終わ りたいと思います。