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高齢者数の増加を反映して、第一号被保険者の増 加(107.1%)を上回って、要支援・要介護認定 者数が増加(111.9%)するとともに、中・重度 者(要介護 2 〜 5)の増加率が軽度者(要支援及 び要介護 1)の増加率を上回る見込みである。
③高齢単身世帯・高齢夫婦のみ世帯の増加 高齢単身世帯については、平成 22 年度の 7 万 5 千世帯から平成 27 年の 8 万 3 千世帯に、高齢 夫婦のみ世帯は平成 22 年度の 8 万 3 千世帯から 平成 27 年度の 8 万 7 千世帯へ、それぞれ増加す る見込みである。一般世帯に対する割合について は、平成 22 年には高齢単身世帯では全国で 4 番 目、高齢夫婦のみ世帯では全国で最も高く、今 後も全国でも有数の状態が持続すると予測される ( 上表参照 ) 。
以上のように、山口県では高齢化の割合、特 に高齢単身や高齢のみ夫婦の割合が全国的にも高 く、即ち、面倒をみる家族がいないことが容易に 推測できる。したがって、昔の隣組制度のように、
地区の人が老人の面倒をみるか、介護保険を利用 して職業とする人たちにお世話になるかといった 選択になる。当然、後者には費用の負担が生じ、
高齢者の保険料のみでは賄えないことから、若い 人たちの保険料や税金に頼らざるを得ない。しか しながら、前述のように、毎年 5%を超える介護 費用の増加がある現在、さらなる費用の増加は看 過できない問題であり、9 月の中国四国医師会連
合分科会において、われわれは少しでも保険給付 費の軽減を図るため、介護認定期間のさらなる延 長や介護の利用のない認定更新申請の見直し、コ ンピュータ判定で前回と同一介護度の場合の自動 延長(審査会を通さない)などを提言した。また、
介護ボランティア制度での金銭の係わらないポイ ント制度の提案も行った。これらにより、わずか ではあるが 200 億円以上の節約ができると見込 んでいる。
厚労省は医療福祉において在宅を政策的に進め ようとしているが、実際にはこういった方々を一 か所に集めて医療・介護を行った方がコスト的に は安く上がると考える。事実、日医総研の試算で は寝たきりの人を在宅で診るよりは、介護療養病 床に入院している方が安いといった話もある。最 近の言葉で限界集落というものがある。都会はと もかく田舎では、人口の減少や高齢者の増加で村 そのものが自治体として存続できないというもの である。寂しいが住居を集約して集団で生活・介 護するといったことも現実性を帯びてきていると 思われる。
④認知症高齢者の増加
認 知 症 高 齢 者 数 に つ い て は、 平 成 22 年 の 38,500 人から平成 27 年には 45,700 人と 5 年 間で 7,200 人の増加が見込まれている ( 下表参 照 ) 。
認知症高齢者の増加と単身又は夫婦のみ高齢
<一般世帯に対する高齢単身世帯等の割合>
区分 平成 17 年 平成 22 年 平成 27 年 平成 32 年 平成 37 年 平成 42 年 高齢単身世帯 11.2%
全国 3 番目12.6%
全国 4 番目14.7%
全国 4 番目16.2%
全国 4 番目17.1%
全国 4 番目18.0%
全国 5 番目 高齢夫婦のみ世帯 13.1%
全国 2 番目14.0%
全国 1 番目15.4%
全国 1 番目15.7%
全国 1 番目15.1%
全国 2 番目14.3%
全国 3 番目 計 24.3% 26.5% 30.1% 31.9% 32.2% 32.3%
区分 平成 22 年 平成 27 年 平成 32 年 平成 37 年 山口県 38,500 人 45,700 人 52,100 人 57,600 人 全国 280 万人 345 万人 410 万人 470 万人 自立度Ⅱ以上の 65 歳以上
の人口比
9.5% 10.2% 11.3% 12.8%
者世帯の増加は介護のみでなく、医療にも問題を 起こす。入院時や手術時の承諾書に誰がサインを するかといった問題である。先の介護保険担当理 事協議会で質問があり、県にも調査をお願いして いたが、成年後見人制度では、判断力の低下した 場合の法定後見制度でも補助人・補佐人・成年後 見人とできることの範囲に差があるが、成年後見 人はすべての行為ができると思われている。しか し、現時点では法的には財産の管理に関しては問 題がないものの、医療に関する承諾書に関しては グレーの部分が多いように思われる。現実、承諾 書がないと入院も手術もできないと思われるし、
本人が理解できない以上、後見人以外にサインす る人はいない。この点に関してはきちんと文書で 厚労省から指針を出していただけるように、県か ら厚労省に上げていただきたく要望した。また、
日本医師会からも質問・要望として挙げたいと考 えている。
認知症施策推進 5 か年計画(オレンジプラン)
が平成 25 年度から 4 年間計画されている。この 中では認知症ケアパスの作成、認知症初期集中支 援チームの設置、早期診断を行う医療機関の充実、
認知症サポート医育成、かかりつけ医認知症対応 向上研修、地域での生活支援・家族支援の強化、
人材の育成などが盛り込まれる予定である。しか し、人材育成には費用の増加が必要であり、サポー ト医人数も山口県は全国平均の半分程度しか育成 できていない問題がある。
⑤第 4 次やまぐち高齢者プラン
平成 24 年〜 26 年度にかけて、高齢者施策を 総合的、計画的に推進するために策定されている。
基本の目標は『だれもが生涯にわたり、住み慣れ た家庭や地域で、安心していきいきと暮らせる社 会づくり』となっている。高齢者の増加は通院困 難者の増加でもあり、在宅医療まで含んだ地域包 括ケアシステムの推進が重要と考えられ、構築に は地域内での主治医・副主治医としての連携、病 状悪化の際の地域医療拠点の整備、在宅医療・看
護・介護の連携整備や情報の共有化などが必要と なり、行政と地域医師会の密接な連携が必要とな る。行政で中心となるのが地域包括支援センター で、平成 23 年度の県内 36 か所を 26 年度には 45 か所に増やす計画となっている。高齢者の能 力に応じ、自立した日常生活を営むことができる よう、医療、介護・予防、住まい、生活支援サー ビスを切れ目なく提供するために地域内のネット ワーク構築が不可欠となる。その包括的なマネー ジメントを地域包括支援センターが行うことに なっているが、現状、ケアプラン作成に追われて いるセンターのケアマネージャーに時間的・能力 的な余裕があるかが問題となる。仕事が増えれば 当然、増員を考慮しなければならないであろう。
また、サービス担当者会議での問題事例、ネット ワークの構築、ケアマネージャーの指導などを地 域包括支援センターが主催する、より上位組織の 地域ケア会議で検討するようになっているが、果 たして構成員である多職種(行政職員・センター 職員・医療関係者・介護サービス事業者・民生委 員など)の人間が、同一時刻に集まれるかといっ た問題がある。困難事例などだけに会議の所要時 間も長くなると思われ、現実的には困難が想定さ れる。そうなるとテレビ会議システムなども考慮 しなければならないであろう。
以上、山口県の現状として、高齢者特に単身 ないし夫婦のみ世帯の増加、認知症の増加など、
全国に先駆けて進行している面があり、近い将来 に住宅を集約した施設型介護でいくのか、ネット ワークを構築して在宅中心介護でいくのかの決定 を行わねばならないであろう。これらは都市部と 農村部で政策が異なってもいいのではないかと考 える。労働人口の減少からコスト削減は必要なこ とであるが、削減すれば、今でも安い介護労働賃 金の問題から介護施設経営は成り立たず、在宅で もサービスを限定しなければならないであろう。
政策的に各地区での介護のあり方を決定せねばな らない時期は近づいていると考える。
今月の 視点
今月の 視点
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堀 委員 本日は、平成 24 年 4 月より長門市医 師会長になられた天野秀雄先生にお話しを伺いま す。天野先生、会長就任おめでとうございます。
診察後の多忙時と思いますが、インタビューをよ ろしくお願いします。最初に天野先生の経歴を簡 単にお願いします。
天野会長 私は昭和 27 年、長門市に生まれまし た。愛知医科大学を昭和 53 年に卒業、すぐに山 口大学第一内科に入局いたしました。当時の教授 は竹本忠良先生で、消化器病のオーソリティで厳 しく鍛えていただきました。研修二年目は柳井市 の周東総合病院内科で勤務させていただき、現在、
宇部興産中央病院院長の福本陽平先生、元東京都 保健医療公社荏原病院副院長の榊 信廣先生をは じめ、各科のたくさんの先生方に指導を受けまし た。その後山口大学第一内科で富士 匡先生のご 指導の下、胆膵の内視鏡治療の開発に専念しまし た。また、途中 1 年間、宇部市内の尾中病院内科で、
眞宅 篤先生から検死の手ほどきを受けました。
昭和 62 年 10 月、長門総合病院内科勤務を経て、
平成 2 年 4 月から、父親の診療所を継承いたし ました。
堀 委員 ありがとうございました。それでは次 に長門市医師会の概要をお願いします。
天野会長 大津郡東部、当時は前大津と呼ばれて
いましたが、現在の旧三隅町と旧長門市に前大津 医会ができました。もう一つ、大津郡西部、当時 は先大津と呼ばれていた地域ですが、現在の旧油 谷町と旧日置町に先大津医会が、明治 20 年ごろ に発足したのが最初です。
明治 42 年ごろ、この 2 つの医会が合併し、大 津郡医師会となりました。大正 9 年に法的に大 津郡医師会が設立され、昭和 29 年に長門市医師 会と改称されました。昭和 43 年に社団法人とな り、平成 24 年 4 月から公益法人制度改革のため、
一般社団法人長門市医師会となりました。
長門市医師会の医療圏は明治発足以後、変化は ありません。
堀 委員 医師会員数はどのくらいでしょうか。
天野会長 平成 24 年 11 月現在で A 会員が 34 名、
B 会員が 27 名、C 会員が 3 名です。診療所の最 年少は 40 歳です。残念ながら現役ではありませ んが、最高齢の先生は 90 歳です。現役の最高年 齢は 84 歳、平均年齢は 56.6 歳です。
診療所開業で 70 歳以下の先生は、内科 8 名、
眼科 3 名で、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科、脳 神経外科、整形外科が各 1 名ずつです。
堀 委員 次に、病院・診療所の数を教えてください。
天野会長 岡田病院、斎木病院、長門総合病院の と き 平成 24 年 11 月 14 日(水)
ところ 長門市医師会館
[聞き手:堀 哲 二 広報委員]