本論文で述べた改善策は,対象女性労働者の年齢層が25〜44歳に絞られ,若年層や50歳代以降につ いて言及できていない。若年層や高齢の親を持つ年齢層の女性が介護をする必要に迫られた時,仕事 との両立支援をどうするかを考える必要がある。少子高齢化が進行するなか,これらの年齢層への対 応が今後重要性を増していくだろう。
また,提言した改善策は既存の労働者の救済措置のみに留まっている。少子高齢化の影響で労働力 人口の減少が懸念され,労働力人口全体の底上げを図ることも望まれる。既存の労働力の救済に加え,
雇用の創出も女性労働問題の改善として求められると考える。そのため,労働力人口減少の対策も今 後の課題である。労働力人口が増えなければ,一人あたりの負担が増え,過重労働になりかねず,離 職者が増えるだろう。既存の労働者の離職防止,新たな労働力確保のため対処が求められる。ただ,
労働力人口減少の対策は,業種や企業戦略により,求める人材が異なり,問題改善は多様な対策が望 まれるだろう。
本論文では,男性の育児休業取得率の向上が,女性の継続就労の重要な手立てとなることを述べた。
しかし,男性の育児休業の取得率は低い。子育て期間中の働き方を見直し,仕事を続けやすい仕組み づくりと父親も子育てができる働き方の実現を目指し,2010年6月30日に改正育児・介護休業法が施 行され,2012年7月1日から適用範囲が拡大する。ただ,制度の対象労働者は,非正規雇用者の場合,
同一事業主での継続雇用期間が1年以上という基準がある。非正規雇用者が男女とも増加傾向にある ため,先に述べた基準は,取得促進の問題点となり,男性の育児取得率が急上昇するとは考えにくい。
それを踏まえ,男性の育児休業取得率の低さは改善されるか,女性の働き方がどのように変わってい くかの研究も今後の課題である。また,同法による男性の働き方への影響も見ていきたい。
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