第 4 章 提案手法の評価
4.1 実験 1 ポケットに装着したセンサにおける認証性能の評価
4.3.1 歩行信号の測定
歩行信号は左脚大腿部に装着したセンサにより計測した.図4-1に示す多機能センサユニ ット(TSND121,ATR-Promotion社製)を使用して,歩行時の信号を計測する.このセンサ ユニットの基本仕様を表4-1に示す.本研究では加速度センサと角速度センサを計測に使用 する.各センサは互いに直交する3 軸を持つことから,一定時刻ごとに合計6 軸の時系列 信号が計測される.
センサを被験者に装着した様子を図4-2に示す.異なる被験者間であっても歩行信号の類 似性が非常に高く,提案手法では人物の識別が困難であると仮定した場合,ポケットにセ ンサを所持することにより,身につけたズボンの違いが信号に変化をもたらし,人物の識 別が容易になる可能性が考えられる.衣服による影響を排除した本人固有の歩行信号によ る認証精度を評価するために,本実験ではセンサをポケットに収めず,ポケットの上にセ ンサ装着用のベルトを使用して保持させることとした.
センサの各軸の向きは,X軸は直立時に鉛直下向きに,Y軸は胴体側方外側に,Z軸は大 腿部後方とした.測定条件及び表4-2,測定コースを図4-3に示す.測定コースは,一ヶ所 左方向へのカーブが存在する.ただし,緩やかな進行方向の変更により通行することがで きるカーブであり,ほぼ直線の屋内廊下であると見なすことができる.
日常における歩行信号を計測するため,被験者自身が普段歩いている普通と思われる速 度で歩く様に指示をしてから計測を行った.計測開始から約5秒間その場で直立した状態 で静止した後,定められた距離を歩行し,目的の距離を歩き終わったら計測を終了した.
被験者にはメトロノームなどで,歩行のタイミングや速度を通知することは行っていない.
測定回数は各被験者1回である.
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図4-1 多機能センサユニットTSND121外観
表4-1 TSND121基本仕様[26]
外形
サイズ(幅×高さ×厚さ) 37mm×46mm×12mm 搭載センサ
加速度センサ・角速度センサ
・サンプリング周波数
・加速度レンジ
・角速度レンジ
最大1000Hz 最大±16G 最大±2000dps 地磁気センサ
・サンプリング周波数
・検出範囲
最大100Hz
±1200μT 気圧センサ
・サンプリング周波数
・検出範囲
最大25Hz 500~1100hPa
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図4-2 被験者へのセンサ装着図
図4-3 測定コース
X
Y
Z
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表4-2 測定条件
条件 設定値
センサ保持位置 計測時間 被験者数
年齢 使用センサ サンプリング周波数
測定コース
左脚大腿上部(ポケット上部)に固定 約70秒
50人 19~21歳
TSND 121(加速度・ジャイロセンサ)
1000Hz
函館工業高等専門学校2F廊下