総括
本申請品の機械的安全性の特性を判定するために、Zilverステントおよびデリバリーシステム*) に実施した機械的安全性試験の結果を、表4.2.1.5-1に要約する。本申請品は設定した各判定基 準に従い、すべての試験に合格した。
表4.2.1.5-1 機械的安全性試験
試験名称 方法 判定基準 資料番号 結果 試験施設 1. 引張強度
-Zilver デ リ バ リーシステム
各サブアセンブリは引 張試験機に取り付けら れ、所定の伸長速度で 不具合が生ずるか、試 験機グリップの保持能 を超えるまで引っ張ら れた。不具合発生時の 最大負荷と各サブアセ ンブリの故障モードを 記録した。
引張を受けない接合部の 引張強度は≥** Nであ り、引張を受ける接合部 の引張強度は留置に要す る力(**:* N)以上でな ければならない。
ホ-1-65 ホ-1-66 ホ-1-67
合格 @**
***:::::*:
*:*:
2. 後処理した Zilver ス テ ン ト*ス ト ラ ッ トの機械的特 性
5個のZilverステント からストラットを3本 ずつ、合計15本のス トラットに対し引張強 度試験を行った。結果 を記録した。
特性判断のみ ホ-1-68 ホ-1-69
該当なし @**
***:::::*:
*:*:
3. ラディアル フォース
ステントが拡張する際 にステントが及ぼすラ ディアルフォースを、
直径の関数として測定 した。これは、検体を 公称径に等しい初期直 径から圧縮(装填)
し、拡張(抜出)させ てその公称径にもどす ことによって得られ る。
ステントは、操作時の直 径(ステントの公称径よ りも* mm小さい)でラ ディアルフォースが、
**** N/mmから
**** N/mmの間でなけれ
ばならない。
ホ-1-70 ホ-1-71
合格 @**
***:::::*:
*:*:
*:Zilverステントは、薬剤をコーティングしていない本申請品と同一のステントであり、Zilverス
テントデリバリーシステムは、本申請品と同一の製品である。
結論:
本申請品の使用目的を考慮した上、適切な機械的安全性試験を選択した。本申請品は設定した 判定基準に従い、すべての試験に合格した。したがって、許容可能な機械的安全特性を有する と判断する。以下にそれぞれの機械的安全性試験の結果を要約する。
1. 引張強度 - Zilverデリバリーシステム (TS000070, TS040145, TS070106)
添付資料ホ-1-65、ホ-1-66、ホ-1-67 試験の目的
本試験の目的は、本申請品の引張特性を判定することである。
評価 検体
表4.2.1.5-2. デリバリーシステム引張試験検体
品目 検体数
7 FrのZilverデリバリーシステム* 15
7 FrのZilverデリバリーシステムイ
ンナーカテーテルチップ 10
6 FrのZilverデリバリーシステム* 29
* 本試験検体の「Zilverデリバリーシステム」は、本申請品と同一である。
検体選択の妥当性
7 FrのZilverデリバリーシステムの検体数は、過去の血管内ステントおよびデリバリーシステムの
製品試験に基づき、選定された。
また、6 FrのZilverデリバリーシステムの検体数29個は、95%の信頼度をもって、90%の接合部 が引張荷重に耐えることを示すために設定された(引張荷重:チップとインナーカテーテルの接 合部の引張強度が** N以上、キャップ内のストレインリリーフおよびハブアセンブリとカニュー レの接合部の引張強度が**** N以上)。
試験方法
検体として、「Zilverデリバリーシステム」のサブアセンブリの引張強度を測定した。 各サブア センブリは引張試験機に取り付けられ、所定の伸長速度で不具合が生ずるまで引っ張られた。 不 具合発生時の最大負荷と各サブアセンブリの故障モードが記録された。
判定基準
引張を受けない接合部の引張強度は≥** Nであり、引張を受ける接合部の引張強度は留置に要する 力(**** N)以上でなければならない。
判定基準の妥当性
判定基準は、機器を留置する際にデリバリーシステムのどの部位が引張を受けるかによる。引張 を受けない接合部の引張強度基準(≥** N)に関しては、歴史的に良好な臨床成績を有するZilver のデリバリーシステムにおける、過去の試験経験に基づく。引張を受ける接合部の引張強度基準
(≥**** N)に関しては、140 mm長ステントの留置に要する最大力の95%の信頼度と99%の信頼 区間に基づく。
結果および考察
図4.2.1.5-1に、本試験で評価したZilverデリバリーシステムの各構成部品、およびサブアセンブ
リを示す。
1. ルアーロックアダプタ(ルアーロックハブ)
2. ハブ(成形ホールディングブッシング)
3. カニューレ(金属カニューレ内のインナーカテーテル)
4. 成形ハンドル
5. チェックフローボディ
6. コネクターキャップ(ストレインリリーフを含む)
7. イントロデューサーシース(フレクサーシース)
8. マーカーバンド(プッシャーバンド、7 Frデリバリーシステム上のプラチナリング)
9. カテーテルチップ(先端部)
図4.2.1.5-1. Zilverデリバリーシステムの構成部品およびサブアセンブリ
表4.2.1.5-3. 7 Frのデリバリーシステムにおける試験用サブアセンブリ
サブセンブリ 構成部品 張力の有無 接合部の詳細
A
ルアーロックハ ブ、成形ホルディ ングブッシング、
金属カニューレ、
インナーカテーテ ル
張力はかからない が、張力がかかる場 合の判定基準を保守 的に適用した。
***********
***********
***********
***********
***********
***
B
ルアーロックハ ブ、成形ホルディ ングブッシング、
金属カニューレ
張力はかからない が、張力がかかる場 合の判定基準を保守 的に適用した。
***********
***********
**********
C
金属カニューレ、
成形ハンドル、チ ェックフローボデ ィ、コネクターキ ャップ、フレクサ ーシース
張力がかかる
***********
***********
***
D
インナーカテーテ ル、インナーカテ ーテルチップ
張力がかからない
***********
***********
***
E
インナーカテーテ ルおよびプラチナ リング(7 Frデバ イスのみ)
張力がかからない ***********
*********
表4.2.1.5-4. 6 Fr のデリバリーシステムにおける試験用サブアセンブリ
サブセンブリ 構成部品 張力の有無 接合部の詳細 F
コネクターキャップ 内のストレインリリ ーフ
張力がかかる
************
************
********
G
ルアーロックハブ、
成形ホルディングブ ッシング、金属カニ ューレ
張力はかからないが、
張力がかかる場合の判 定基準を保守的に適用 した。
************
************
********
H
インナーカテーテ ル、インナーカテー テルチップ
張力がかからない
************
************
*
表4.2.1.5-5. デリバリーシステム引張試験の結果
Zilverデリバ リーシステム
サブアセ
ンブリ n 極限引張強度
平均値±標準偏差(N)(範囲) 判定基準(N)
7 Fr
A 14* **:*:±:*:*(**:*
~
**:*) **:*B 15 ***:*:±:**:*(***:*
~
***:*) **:*C 15 **:*:±:*:*(**:*
~
**:*) **:*D 10 **:*:±:*:*(**:*
~
**:*) **:*E 15 **:*:±:*:*(**:*
~
**:*) **:*6 Fr
F 29 **:*:±:*:*(**:*
~
**:*) **:*G 29 ***:*:±:**:*(***:*
~
***:*) **:*H 29 **:*:±:*:*(**:*
~
**:*) **:** 1つの検体がグリップから外れ、統計学的分析から除外された。
結論
検体はすべて、適用する判定基準に従い、最小破断強度の要求事項を満たした。