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展開後のステントの完全性(TS010038, TS080107)

判定基準の妥当性

** μmの亀裂はステントの破断に至らないと亀裂傾向評価によって結論されたため、この判定基

準は臨床的意義に基づいている。

結果および考察

亀裂の発生またはひびは認められなかった。

結論

すべての本品ステントは、展開後にナイチノールに亀裂やひびが認められず、ステントの完全性 に関する判定基準に合格した。

7.曲げ/キンクの評価 (TS100085, TS070107)

添付資料ホ-1-76、ホ-1-77 試験の目的

本試験の目的は、本品ステントおよびデリバリーシステムの曲げ/キンク性能を評価することであ る。

評価 検体

表4.2.2-16. 検体

品目 サイズ(mm) ステントの個数 7 FrのZilverステント* およびデ

リバリーシステム

6 x 20 10

6 x 80 10

10 x 20 10

10 x 80 10

6 FrのZilverステント* およびデ リバリーシステム

5 x 20 5

5 x 140 10

6 x 20 5

6 x 140 5

7 x 20 5

7 x 140 5

8 x 20 5

8 x 140 5

9 x 20 5

9 x 140 5

10 x 20 5

10 x 140 10

検体選択の妥当性

* 検体として「Zilverステント」を用いた。このステントは金属ベアメタルステントであるが、パ

クリタキセルコーティングが無い点を除き、本品ステントと同一である。パクリタキセルコーテ ィングはパクリタキセルのみで構成され、非常に薄い(***************μm****、

*********@ μm**)。したがって、コーティングがなくても、このステントの曲げ/

キンク特性は変化しないものと考えられる。

試験方法

曲げ/キンク評価を、6 Frおよび7 Frの「Zilverステント」、Zilverステントデリバリーシステム

(ステント装填時および未装填時)、ならびにZilverステントデリバリーシステムチップに対し て行った。評価は、キンクが生じるまで較正済み半径型テンプレート上で検体を曲げて実施した。

キンクは、検体が半径型テンプレートの円形パターンから離れてしまうような顕著な狭窄として 定義される。検体にキンクが生じなかった最小半径、またはキンクが生じた半径を記録した。

判定基準

デリバリーシステムは19 mmの最小キンク半径を示すこと。ステントは、8.5 mmの最小キンク半 径を示すこと。

判定基準の妥当性

ステントおよびデリバリーシステムが通過しなくてはならない最悪条件の屈曲は、大動脈・腸骨 動脈分岐部で、これは通常19 mmである。ステントにおいては、予想される分岐部半径の半分よ

結果および考察

表4.2.2-17に、6 Frおよび7 FrのZilverステントおよびデリバリーシステムで実施された曲げ/キ

ンク評価の結果を示す。デリバリーシステムの最小キンク半径は≤ 19 mmであり、ステントの最 小キンク半径は≤ 8.5 mmであった。

表4.2.2-17. 曲げ/キンク評価結果

品目 検体数 最小キンク半径

(mm) 判定

7 FrのZilverステント 40 ***:±:*** 合格

7 FrのZilverデリバリーシステム(ステ

ント未装填時) 40 ***:±:*** 合格

7 FrのZilverデリバリーシステムチップ 40 ***:±:*** 合格

7 FrのZilverデリバリーシステム(ステ

ント装填時) 40 ***:±:*** 合格

6 FrのZilverステント 60 ***:±:*** 合格

6 FrのZilverデリバリーシステム(ステ

ント未装填時) 60 *** ±:*** 合格

6 FrのZilverデリバリーシステムチップ 60 ****:±:*** 合格

6 FrのZilverデリバリーシステム(ステ

ント装填時) 10 ***:±:*** 合格 結論

曲げ/キンクの評価によって、本申請品は大動脈・腸骨動脈分岐部によって代表される最悪条件の 屈曲部を、キンクなしに通過することが示された。デリバリーシステムのキンク半径は19 mmの 判定基準を満たした。ステントのキンク半径は、予想される分岐部の半径の半分より小さい判定 基準である8.5 mmを満たした。

動物試験の要約

本申請品(本品ステントおよびデリバリーシステム)の安全性を裏付ける動物試験を以下に記す。

0 µg/mm2、3 µg/mm2(臨床用量密度)または9 µg/mm2(臨床用量密度の3倍)のそれぞれ異なる

用量密度のパクリタキセルでコーティングしたステントを、重複なしで被験動物に留置し、1、3、

6ヶ月目の主要フォローアップ時に、ステント留置血管、ステント留置部位から下流、および全身 への作用を検査した結果がこれに含まれる。また、2、4、12 µg/mm2(臨床用量密度の最大4倍)

の用量でコーティングしたステントにおける留置血管、留置部位から下流方向、および全身への 作用についても、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月時に評価した。本品ステントの安全性は、臨床用量(3

µg/mm2)でコーティングした重複ステントに対する留置血管の反応を検討した1ヶ月、3ヶ月、6

ヶ月の動物試験によって、さらに裏付けた。公称臨床用量密度の3倍および4倍までのパクリタ キセル用量を用いた試験により、特にステント留置血管への作用に関して、薬剤の安全域を確立 するのに役立てた。ステント留置部位から下流、および全身への作用の安全域をさらに確立する ため、1ヶ月の試験を実施した。ここでは、IDE臨床試験で許容される最大数のステントを重複さ せて留置した場合に、患者(および肢)が受ける総パクリタキセル用量の、約3倍の用量が及ぼ す留置部位から下流方向および全身への作用について評価した(具体的には、個体1匹当たり

10,500 µg、肢1本当たり5,250 µgのパクリタキセルについて評価される)。また長期(2ヶ月)

および急性(24時間)試験において、臨床用量での本品ステントのIn vivo薬物動態を評価した。

さらに、長型Zilverステント(140 mm)およびデリバリーシステムの急性期性能を評価する確認 試験も実施した。この試験は、トラッキングおよび留置後に起こり得るステント破損または血管 損傷、あるいはその両方の詳細な評価を含む。「15. 家畜ブタにおける長型ステントおよびデリバ リーシステムの急性期性能」試験以外は、全て7 Frのステントおよびデリバリーシステムを検体 として使用した。

留置した非重複ステントの1ヶ月および3ヶ月時のフォローアップでは、ステントの破断は認め られなかった。一方、6ヶ月時フォローアップでは、高解像度X線検査により、タイプIのステン ト破断が2個、タイプIIのステント破断が4個判明したが、タイプIIIまたはIVの破断はなかっ た。確認されたこれらのステント破断は、6ヶ月間で家畜ブタおよびその血管が過度に成長したこ とと関連していることが明らかであり、ブタの6ヶ月試験で生じたアーチファクト(人工産物)

の一つとみなされ、臨床的安全性への懸念を提起するものではないと考えられた。また、ミニブ タに留置した重複ステントの6ヶ月時フォローアップでは、ステント破断は認められなかった

(重複ステント36個中0個)。このため、6ヶ月家畜ブタモデルでいくつか生じたステント破断 は、このモデルにおける動物成長によるアーチファクトであり、臨床的安全性への懸念を提起す るものではないことが裏付けられた。

以上要約すると、動物180匹を用いて臨床用量密度の最大4倍までの用量および総用量で413個 のステントを検証したこれらの試験からは、安全性に関する問題は見られず、血管壁は好ましく ない続発症を伴うことなく完全に修復され、本品ステントと関連した留置部位から下流方向への 作用、および全身への作用は見られなかった。なお、薬物動態試験では、パクリタキセルはステ ントから血管壁へ迅速に送達される(24時間で約95%)こと、約2ヶ月間血管壁内で持続するこ と、全身に送達されるのはごく微量であること、さらには、ステント留置の10時間後には血漿中 からパクリタキセルが消失することなどが明らかになった。最長のZilverステント(140 mm)お よびデリバリーシステムの確認試験では、困難や不具合を伴うことなく、またステント破損や血 管損傷を起こさずに、トラッキングならびに、ステントの留置が成功し、困難や不具合に遭遇す ることなく、デリバリーシステムを抜去できることが証明された。結論として、添付した動物試 験は、本申請品の安全性を保証するものと考えられた。

9.家畜ブタにおける、非コーティング、パクリタキセル3 µg/mm2(臨床用量)およびパクリタ

キセル9 µg/mm2(臨床用量の3倍)の1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月主要動物試験

(RPZ1, RPZ3, RPZ6 – Part A; TS030040)

添付資料ホ-2-1、ホ-2-2、ホ-2-3 試験の目的

本試験の目的は、健康な家畜ブタの腹部大動脈を用い、0 µg/mm2、3 µg/mm2、9 µg/mm2(各々対 照、臨床用量密度、臨床用量密度の3倍をあらわす)のパクリタキセルでコーティングした、本品 ステント(7 Frのステントおよびデリバリーシステム)の安全性を評価することである。定量的血 管造影、定量的組織形態計測、準定量的および定性的な組織病理学検査、剖検、血清化学検査/血 液学検査によって安全性を評価した。デリバリーシステムの性能も評価された(挿入、位置決め、

抜去、アクセサリーデバイスとの相互作用、X線不透過性)。

評価 検体

表4.2.2-18. 1ヶ月の主要試験の検体

コーティング ステントのサイズ(mm) 検体数 被験動物数

0 µg/mm2 (対照) 10 x 80 7 7

3 µg/mm2パクリタキセル

(臨床用量密度) 10 x 80 7 7 9 µg/mm2パクリタキセル

(臨床用量密度の3倍)

10 x 60 7

10 x 20 7 7

評価した合計数 28 21

注:10 x 60 mmおよび10 x 20 mmのステントは、合計80 mmの長さになるよう同じ動脈内に直列に 留置された。

表4.2.2-19. 3ヶ月の主要試験の検体

コーティング ステントのサイズ(mm) 検体数 被験動物数

0 µg/mm2 (対照) 10 x 80 7 7

3 µg/mm2パクリタキセル

(臨床用量密度) 10 x 80 7* 7*

9 µg/mm2パクリタキセル

(臨床用量密度の3倍)

10 x 60 7

10 x 20 7 7

評価した合計数 27 20

注:10 x 60 mmおよび10 x 20 mmのステントは、合計80 mmの長さになるよう同じ動脈内に直列 に留置された。

* 3 µg/mm2群の1匹の被験動物(ID#221)において、ステントやステントにコーティングした薬

剤とは関係のない、ブドウ球菌性敗血症に関連した事象のため早期に安楽死させた。

表4.2.2-20. 6ヶ月の主要試験の検体

コーティング ステントのサイズ(mm) 検体数 被験動物数

0 µg/mm2 (対照) 10 x 80 7 7

3 µg/mm2パクリタキセル

(臨床用量密度) 10 x 80 8** 8**

9 µg/mm2パクリタキセル

(臨床用量密度の3倍)

10 x 60 7

10 x 20 7 7

評価した合計数 28 21

注:10 x 60 mmおよび10 x 20 mmのステントは、合計80 mmの長さになるよう同じ動脈内に直列 に留置された。

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