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4ト

4.2 再構成アルゴリズム

本節では, 逆問題を考える. ここでは, 変数η1, n2, T2, X2, Y2が未知であり, 推定する ものとする. ここで, 観測散乱波と算定散乱波の平均二乗誤差Slsを次のように定義する.

。s(口1,η2, T2, X2, Y2) L lus (p, (})

-

Us (p, (};川2, T2,川2) 12ds

fc IUi(P, (}) 12ds

r l 侃s(川) 仇s(p, (}; n1, n2, T2, X2, Y2 2 1 2 ds

J C I 0ρ oρ |

十W � I" 二 -

I

(4.30)

L I悶θ仇仇州川叫u旬川州 tパω机 (ω仇p仏,(} ベ0的ベ )刊|

clθρ |

ここで, Usおよび、Usは, それぞれ観測散乱波および式(4.29)から算定した散乱波を示す.

式(4.30)より, Slsの最小点を求めることにより, 未知係数を決定する手法が考えられる.

-76-観測散乱波も式(4.29)と同様に表現する.すなわち,

λ![

us(pぅB)

L

imdmH�)(nokp) exp(imB)

m二-M

(4.31)

と表現する.ここで,観測面を円柱表面にとれば, 式(4.30)は次の簡単な形に変換できる.

M

Ds(η1,η2,r2,X2,Y2) 乞Idm -dm(η1,η2, r2, X2, Y2) 12 m=-M

x

{ IH�)(ηokR) 12

+

2IH�)' (nokR) 12 } (4.32)

ことで, 展開係数dm は,

ι二 日 s(R,伽 ( 4.33)

で 計算できる. 但し,Hg)'(ηokR)は,

H�)'(ηoほ)

=

mH

;

)

2

KRL -Hぶ1(nO日)

( 4.34)

で定義される. 式(4.32)は, 積分の必要がないので実際の計算には便利である.

次に, 未知変数 nl,η2,r2, X2, Y2に対するDs の最小点を求めるアルゴリズムを考える.

そのアルゴリズムは, 以下のようにまとめられる.

ステップ1 円柱を均質と仮定する.すなわち, nl 二n2と仮定する.

ステップ2 nl(二n2)の初期値を与える.

ステップ3 誤差Dsが減少するように, nl を更新する.

ステップ4 ムDsどε2であればステップ3へ行く.そうでなければ,ステップ5へ行く.

ステップ5 nl, η2を分離する. 上で求めたη1を以下のプロセスでの初期値とする.他 変数の初期値は, r2 = 0.5RおよびX2= Y2

=

0.0を用いる.

ステップ6 誤差Dsが減少するように, 全ての変数(nl'η2,r2, X2, Y2)を更新する.

-77

-ステッフ7 nsくε1ま たはム nsくε2であれば終了する. そうでなければ, ステップ6 へ行く .

但し, �n は一回の更新でのQの変化量を示し, 但し, ε1, ε2 はn,ムQの収束判定値で ある. この過程で, 未知変数の更新 には, 準ニュートン法を用いた.

4.3 数値結果

本節では, 自由空間中 (no = 1.0) に置かれた二種類の損失のある円柱 に対する再構成例 を示す. 二つの円柱 は共に, 自由空間中の波長を 入として, R/入=

0.5 およびr2/入=

0.125

とする. 屈折率の初期値として, n1(=η2) =η0, 収束判定値としてε1二104?ε2 = 10-10 を用いる.

図4.2に, ある非軸対称2層円柱の再構成例を示す. ここで, 変数の真値はη1二1.1+

iO.1,η2二1.2+ iO.2, X2/入= 0.25, Y2/入= 0.0, Mニ20である. 図4.3は, 別の非軸対称2 層円柱の再構成例を示す. ここで, 変数の真値はη1 = 1.4 + iO.1,η2 = 1.2 + iO.2, X2/入=

0.125, Y2/入= 0.125, M = 15である.

これらのこつの例では, 。の最終値は収束判定値引を満足し, 再構成値は真値とよく一 致している. しかしながら, この再構成には, かなりの時間を要する. 図4.2, 4.3の計算 時間 は, 九州大学のFUJITSU M-1800/20(113.1 MIPS) を用いて, CPU時間でそれぞれ 32分, 59分であった. 計算時間の大部分は方程式 (4.22), (4.23)を解くのに使われている.

これは, 変数の更新ごとに多くの内積を計算しなおさなければならないためである. 実際 の計算には, Cを 90 分割しNewton-Cotes 3/8公式を用いた. 計算時間を減らすこ とは

今後の課題の一つである.

次に, 観測データ に含まれる雑音の影響につ いて考察する. ここでは, 図4.2と同じ円柱 に対して数 値計算を行った. パラメータの初期値は, 上の例 と同じとするが, 収束判定値 は,

q=

10-6?ε2二10-8を用いる.

-78-Real Part

1.2

1.1 1.0

(a)

1.2

1.1

1.0

、、EE,J LU /,aE、、

1.2 1.1

1.0

(c)

1.2

1.1

1.0

(d)

Imaginary Par七

0.2 1.2 0.2

0.1

0.0

0.2

1.1

1.0

(

e

)

1.2

0.1

0.0

0.2

0.1 0.0

0.2

1.1

1.0

、、EE,, FTi J''EE、、

1.2

0.1

0.0

0.2 0.1

0.0

0.2

1.1

1.0

(g)

1.2

0.1

0.0

0.2

0.1

0.0

1.1 1.0

、‘EE,,, 'H 〆'EE‘、、

0.1

0.0

図4.2:非軸対称2層円柱の再構成 nlニ1.1+iO.1,η2= 1.2 + iO.2, X2/入= 0.25, Y2/入=

0.0, R/入= 0.5ぅr2/入= 0.125. (a)真値, (b)初期値, (c)-(h) 1,5, 10, 15,20およ び40回反復後の再構成像. nsの最終値は, 9.10 X 10-8.

-79-Real Part

1.4

1.2 1.0

( a)

1.4

1.2

1.0

、、,,,,, LU 〆'EE、、

1.4

1.2

1.0

(c)

1.4

1.2

1.0

(d)

Imaginary Par七

0.4 1.4 0.4

0.2 0.0

0.4

1.2

1.0

(e)

1.4

0.2

0.0

0.4 0.2

0.0

0.4

1.2

1.0

、、EE,, ri J'EE、、

1.4

0.2

0.0

0.4 0.2

0.0

0.4

1.2

1.0

(g)

1.4

0.2

0.0

0.4 0.2

0.0

1.2

1.0

、、,,,,, h ,,EE、、

0.2

0.0

図4.3:非軸対称2層円柱の再構成: nl

= 1.4

+ iO.1,η2

= 1.2

+ iO.2, X2/入=

0.125, Y2/入二 0.125, R/入二0.5, r2/入= 0.125.

(a)真値, (b)初期値,

(c)-(h) 1,5, 10,20,40お

よび77回反復後の再構成像. nsの最終値は, 6.38 X 10-8.

-80-図4.4は, 雑音の振幅の最大値ωを変えたときの屈折率分布の再構成である. 観測デー タに雑音が含まれる場合, ムn<ε2により反復を終了しており, 真の屈折率分布とは, 異

Real Part Imaginary P art

1.2 0.2

1.1 0.1

1.0 0.0

(a)ω= 0.0

1.2 0.2

ユ. 1 0.1

1.0 0.0

(b)ω= 0.01

1.2 0.2

1.1 0.1

1.0 0.0

(c)ω= 0.03

図4.4:非軸対称2層円柱の再構成(観測データに雑音が含まれる場合): nl = 1.1+iO.1,口2二 1.2 + iO.2, X2/入= 0.25, Y2/入= 0.0, R/入= 0.5,γ2/入=0.125.

-81-なっている. 特に内側の層の違いが大きいが, この理由は, 内側の層の情報は主に振幅の 微小な変化として散乱波に含まれているので 雑音の影響を受けやすいためと考えられる.

4.4 まとめ

第4章では, 非軸対称2層構造の円柱の再構成について検討した.

非軸対称2層構造の円柱についても, 各層で波動関数展開して, 境界整合の手法を用い ることで, 散乱波が算定できることを示した. 但し, その算定には, 軸対称多層円柱と場 合とは異なり, 連立一次方程式を解く必要がある. 第2章と同様に, 散乱波の平均二乗誤 差を用いることにより, 最適化問題として円柱を再構成する手法を示した.

二種類の円柱に対する再構成例をあげ, そのモデルについては, 真値とよく一致した再 構成値が得られることを示した.

観測散乱波に雑音が含まれる場合は, 内側の層の精度が悪くなることを示した.