5 類似の他産業におけるリスクマネジメントの実施状況との比較・分析
6.2 栃木
6.2.1 開催概要
表 6.2.1に栃木県地域でのワークショップの開催概要を示す。
表 6.2.1 ワークショップ開催概要(栃木)
項目 内容
イベント名 栃木県地域 鉱山保安懇談会
日時 平成30年2月28日(火)14時30分~17時00分 場所 栃木県石灰石工業会館内会議室
プログラム
(敬称略)
(1) 開会挨拶
白井 基晴 経済産業省 鉱山・火薬類監理官 (2) 話題提供
小林 敬幸 みずほ情報総研株式会社 サイエンスソリューション部 次長 テーマ:鉱山保安マネジメントシステムの実施状況に関する調査報告 (3) 企業経営者による会談
セッション:(1) リスクマネジメントについて (2) 参加者による意見交換 メンバー(順不同):
中央労働災害防止協会
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項目 内容
【司会】
山本 晃 経済産業省 鉱山・火薬類監理官付 課長補佐
小林 敬幸 みずほ情報総研株式会社 サイエンスソリューション部 次長 (4) 経済産業省の取組みについて
白井 基晴 経済産業省 鉱山・火薬類監理官 (5) 閉会挨拶
栃木県鉱山保安研究会
6.2.2 栃木県鉱山保安研究会について
開催にあたっては、準備から開催当日まで、栃木県鉱山保安研究会の全面的な協力をいただい た。
栃木県鉱山保安研究会は、昭和24年に鉱山保安法、昭和26年に新鉱業法が施行される中、新 鉱業法施行の翌年の昭和27年に、啓蒙指導や監督官庁との連携による会員鉱山の保安確保・資質 の向上を目的とし、「葛生地区鉱山保安研究会」として発足した。現在、会員鉱山は21鉱山(20 社)であり、鉱山労働者数は約780人である。
主な活動として以下のようなものがあり、会員鉱山の保安確保・資質の向上に努めている。
・ 保安表彰:無災害鉱山、保安優良者、保安功労者を対象とした表彰。
・ 一般保安教育:リスク低減対策と作業手順書作成、危険予知(KYT)、災害事例(会員鉱山 の災害報告等)等の研究会・講習会。
・ 見学会:会員鉱山の鉱山・工場を相互に見学する見学会。
6.2.3 開催結果
当日は、栃木県鉱山保安研究会から研究会長及び副会長を含む11社21人、経済産業省 産業保 安グループ 鉱山・火薬類監理官付から4人、経済産業省 関東東北産業保安監督部から2人、外 部有識者として中労働災害防止協会から1人、事務局としてみずほ情報総研から3人、合計31人 が参加した。
図 6.2.1 ワークショップ(栃木県)の様子
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当日、話題提供後の質疑応答・意見交換では、終始、立場にとらわれず自由闊達に意見が交わ された。以下に、当日寄せられた主な意見を示す。
① 栃木県鉱山保安研究会の取り組みについて
・ 来年度以降、第13次鉱業労働災害防止計画に基づく「鉱山保安地域連携モデル」の先行 事例として、栃木県鉱山保安研究会の取り組みが大いに参考になると考えられる。その理 由として、以下が考えられる。
組織が長年にわたり継続して存在し、有益な活動を展開できていることから、地域に 企業とっては参加することが当たり前となり定着している。
専従の事務局組織が存在する。
研究会内には、管理者・監督者ではない現場のメンバーの集まりも存在し、横のつな がり・人脈づくりの場となっている。
② 鉱山保安MS、チェックリストを使った評価について
・ 自己評価では低い評価点で回答したが、ヒアリングによってOKとなった設問等があり、
各設問の意図が不明瞭と感じることが多い。一方、分かりにくい設問の主旨や目的は、監 督部の方がやってきて初めて明確になった。
・ 鉱山ごとに抱えている課題が異なるので、チェックリストではベースとなる課題のみチェ ックすればいいのではないか。
・ 鉱山保安MSを画一的に実施していくのは難しいのではないか。それよりも、チェックリ ストは教科書という位置付けとし、鉱山はチェックリストの回答結果ではなく鉱山の取り 組みを監督部に報告し、監督部で評価してもらう方が実態に沿った評価が可能になるので はないか。その上で、具体的なアドバイス等を受ける方がより良いと考える。
・ 今後、鉱山保安法をベースにした検査と鉱山保安MSをベースにした監査のどちらを進め ていきたいのかが不明確であると考える。鉱山保安MS導入の方向性を明確にしてほしい。
・ 鉱山保安MSの目的は、労働災害を減らすことではずであるが、マネジメントを実施する ことが目的化してしまう懸念がある。
・ 監督部からの災害事例の情報提供・災害通報あるいは研究会で即時に展開される災害情報 が最も有益と現場は感じている。事例があると自鉱山でも同じ災害・事故が発生しないか、
取り組みをしやすい。
・ 取組みやイベント等の名称に片仮名を使用すると馴染みにくいように思える。このため今 回「ワークショップ」あるいは「MSサークル」ではなく、「鉱山保安懇談会」という名称 で実施した。
③ 保安教育について
・ 初級者や中級者に対する浸透の方法が課題となる場合があるが、初級者は必ず成長してい くので、低いレベルから底上げしていくことがよいと考える。
・ リスクマネジメントや保安活動に関する研修会では、講義よりグループ討論を主体として
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実施した方がアンケート回答内容も良好で、効果が高いと考えられる。特に、鉱山労働者 は他社の人と話す機会がほとんどないため、横のつながりを持たせる場としても機能して いる。
6.2.4 アンケートの回収・集計
ワークショップ終了時に参加者に記入いただいたアンケートでは、以下のような意見が寄せら れた。
① 新チェックリストを使った評価について
・ 自己評価そのものが不要ではないか?第三者機関による公正な判断基準での評価が望まし いと思う。
・ 必ずしも当社で取り組んでいる方法とマッチしないところもあり、選択に迷う部分が多い。
また、重複しているように感じる問が多い。
② 鉱山保安懇談会について
・ 小規模鉱山は意見が出しにくい雰囲気がある。
③ 鉱山保安MSについて
・ 各鉱山において、自分たちが行っている活動がどんな形で保安に役立っているかをもっと 自覚させる仕組みがあるとありがたい。
アンケートでは、「新チェックリスト」を用いた自己評価、プログラムの満足度、プログラムの 理解度についてそれぞれ5段階評価で回答いただいた。結果を図 6.2.2~図 6.2.4に示す。
「新チェックリスト」を使った自己評価では、中間の「3」が最も多かったが、「1」及び「2」
が4分の1以上を占めた。懇談会の満足度、理解度については概ね「3」~「5」の回答が多かっ た。
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図 6.2.2 「新チェックリスト」を用いた自己評価について(栃木)
図 6.2.3 プログラムの満足度(栃木)
6%
25%
44%
12%
13%
「新チェックリスト」を用いた自己評価について
(栃木)
1 2 3 4 5
非常に難しい 問題なくできる
0% 6%
67%
27%
0%
プログラムの満足度(栃木)
1 2 3 4 5
大変不満 大変満足
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図 6.2.4 プログラムの理解度(栃木)