5 類似の他産業におけるリスクマネジメントの実施状況との比較・分析
5.5 調査結果
5.5.2 リスクマネジメントや制度設計などの事業背景を考慮した様式
表 5.5.3に、鉱山に対して実施した「鉱山保安MSの再構築や制度設計などの事業背景を考慮 した様式」と同様の様式によるアンケート調査の結果を、石灰石鉱山である鉱山G及びHの結 果とともに示す。
①該当 ②判定 ①該当 ②判定 ①該当 ②判定
1.取組の実施状況について決められ
た担当者が確認し反映している。 ✓ ✓ ✓
2.保安計画に定めた実施内容(例:誰 が・いつまでに・何をどの程度)が計画 どおり実施されているか確認し、反映 している。(例:計画と実績に分けて毎 月進捗状況を確認)<ガイドブックP22
~23、27、38~39 のD(年間スケ ジュール)の欄をご覧ください。>
✓ ✓ ✓
3.保安計画の実施状況等の点検及び 改善を実施する手順が定められこの 手順により実施している。
✓ ✓ -
4.保安計画の取組状況について、保 安委員会等の会議の審議事項に入 れ、確認し反映している。
✓ - ✓
5.内部監査やそれに準ずる取組で計
画状況を確認し反映している。 - - -
1.保安目標や保安計画について話し 合いで1 年を振り返り(評価・改善)を 行っている。
✓ ✓ ✓
2.振り返り(評価・改善)を行い、その 結果を記録(例:紙又は電子媒体。)
し、保存している。
✓ ✓ ✓
3.保安計画の各取組の振り返り(評 価・改善)が行われている。(パフォー マンス評価)<ガイドブックP26~27、
38~39 をご覧ください。>
✓ ✓ ✓
4.鉱山保安MS の仕組みについて保 安委員会等の会議の審議事項に入れ て振り返り(評価・改善)を行っている。
(有効性評価)<ガイドブックP28 をご 覧ください。>
✓ - -
5.内部監査やそれに準ずる取組を、事 前に定めた間隔で実施し、その結果を 踏まえたマネジメントレビューによる振 り返り(評価・改善)が行われている。
- - -
K社
質問 【判定チェック項目】
G鉱山 H鉱山
Ⅱ鉱山保安マネジメントシステムに関する質問
Q19
保安計画を実行し、その 進捗状況を定期的に確 認し、その結果を反映し ているか?
2 2 2
2 Q20
保安目標(保安計画)に ついて振り返り(評価・改 善)を行っているか?
2 2
108 (1) 保安上の課題
「ローターの製品積込み場が狭く、不安全な環境状況」「プロベスタ―で紛体吸引時、ゴーグ ルが曇り、視界が悪い」等、個別の課題が挙げられた。
(2) 労働安全衛生MSの実施状況に対する内部監査の実施
K社では、「実施できていない」という結果であった。これは、K社は土木工事のみに従事して いる点において、鉱業のみに従事している鉱山G及びHと同様の傾向であった。今後も検討する 予定はなく、保安衛生パトロール・巡視で代替しており、年に2回、約4人の班で回るものと、
年に1回、合同で実施。約40人で回るとのことであった。
(3) 請負作業のリスク
鉱山と同様、K 社でも「十分に特定」という結果であった。リスクの伝達は行っていないもの の、請負会社は同じ数社を選定しており、過去10年で労働安全衛生規則上報告が義務付けられて いる災害は発生していないとのことであった。
(4) 労働安全衛生MSの認証
K社でも鉱山と同様取得を行っていなかった。
(5) リスクアセスメントの際の環境の観点での特定の有無
K 社では「ある程度特定」という回答結果で、リスクアセスメントは保安のみならず、環境の 観点でも実施していることが分かった。
(6) 経済産業省公開のツールの利用状況
K社では全く活用していないという結果であった。
(7) ヒヤリハットの活用状況
K 社では、安全衛生委員会で報告・対策の検討を行い、各部の職場会議で周知しており、過去 のヒヤリハットは紙媒体で保存している。
109
表 5.5.3 リスクマネジメントや制度設計などの事業背景を考慮した様式の結果一覧(1/3)
※土木工事事業においては、労働安全衛生MSの認証があるため、「Q14鉱山保安MSの認証制度がで きた場合、その制度を利用し、対外的なアピールに活用したいと思いますか」は質問を行わなかっ た。
質問No 質問内容 G H K
Q1
鉱山現場作業で気になっている保安上の課題はありますか?
(不安全行動、風安全な設備、不安全な環境、教育不足、等に関して)
①熟練労働者の不足 ② 人材確保(有資格者、若 手) ③鉱山施設の老朽 化
【ご記入ください】 不安全 行動に関して。
【ご記入ください】 ロー ダーの製品積込み場が 狭く、不安全な環境状 況。 プロベスター で粉体吸引時、ゴーグル が曇り視界が悪い。
Q2
過去10年で、鉱山保安法上報告が義務付けられている災害(もしくは鉱害)が2 件以上発生している鉱山に伺います。災害(鉱害)の発生原因の共通点があると お考えでしたら具体的に記載欄にご記入ください。
①ヒューマンエラー ②基 本作業の確認不足 ③慣 れによる作業のマンネリ 化
【ご記入ください】 該当な し。
-
Q3
鉱山保安マネジメントシステム(以下MS)の実施状況に関して内部監査を実施し ていますか?(実施者は社内、社外を問いません。)
内部監査とは:経営トップが保安方針を定め、それを実現する鉱山保安MSの仕 組みが出来上がり、その通りに行われたかを確認することです。
3:実施できていない 2:ある程度実施 3:実施できていない
Q4
(Q3で「3:実施していない」を選択した鉱山に伺います)
今後実施することを検討していますか?
3:検討できない - 2:検討するかもしれない
Q5
(Q4で「3:検討できない」を選択した鉱山に伺います)
検討できない理由についてお聞かせいただけますか?
保安衛生パトロールを年 4回実施しており、指摘事 項については、その都度 対応結果を確認してい る。 また、各部門で保安
- -
Q6
計画したリスク低減措置の内容(とくに設備対策のための資金の捻出など)を事 業計画に反映させていますか?
3:反映できていない 3:反映できていない 2:ある程度検討し反映
Q7
請負が実施している作業内容について教えて下さい(具体的な作業内容のほ か、掘削段階or生産段階、定常or非定常などの作業区分)
定常作業:①鉱石・表土 類の積み込み運搬作業
②場内清掃・散水作業
③製品袋詰め・積み込み 作業
非定常作業:鉱山設備の 保守管理
【ご記入ください】 【ご記入ください】 鉱 山開発(剥土・剥岩・運 搬)ー定常
工場内清掃(汚泥処理・
落鉱処理・草刈・道路清 掃)-定常
道路工事(側溝工・舗装 工)、下水工事(土留、管 埋設)、造成工事(重機 土工)、解体工事(コンク リート取壊し、建家取り壊 し)-非定常
Q8
請負に関してのリスクを特定していますか?(例:プラントメンテナンスの際、コミュ ニケーション不足で請負業者との上下作業となり、飛来落下災害発生等)
1:十分に特定している 1:十分に特定している 1:十分に特定している
Q9
請負の選定手順はありますか? 2:ない 2:ない 1:ある
Q10
請負へのリスク伝達手順はありますか? 1:ある 1:ある 2:ない
Q11
労働安全衛生MSの認証を取得していますか(OHSAS 中小事業場労働安全衛 生評価事業(中央労働災害防止協会)等)
2:取得していない 2:取得していない 2:取得していない
Q12
(Q10で「2:取得していない」を選択した鉱山に伺います)
今後取得することを検討しますか?
3:検討しない 2:今後検討するかもしれ ない
2:今後検討するかもしれ ない
Q13
(Q11で「3:検討しない」を選択した鉱山に伺います)
その理由をお聞かせください。(負担が大きすぎる 等)
限られた要員で作業して おり、現場への負担が大 きい。品質ISO活動、環 境ISO活動共に経験して いるが、書類作成が主と なりがちで、効果が期待 できない。
- -
Q15
今後鉱山保安MSの認証結果に応じたどのようなインセンティブ制度を要望します か?(例:労働保険料率の低減 インターネットでの取り組み度合いの公表制度、
保安手続きの簡素化 等)
特に期待するものはな い。
【ご記入ください】 イン ターネットでの取組を公 表
-
110
表 5.5.3 リスクマネジメントや制度設計などの事業背景を考慮した様式の結果一覧(2/3)
※「Q18現在鉱山保安MSのチェックリスト20項目を活用して自己評価を実施していただいて いますが、使いにくい(理解しにくい)とお感じの点があればご意見をお聞かせください。」
の質問内容は、土木工事事業に対しては適用することができないため、質問を行わなかった。
質問No 質問内容 G H K
Q16 リスクアセスメントを実施する際、人に対する危害の他、鉱害の観点でもリスクを 十分に特定していますか(地域住民に対する粉じんの影響 等)
1:十分に特定している 2:ある程度特定している 2:ある程度特定している 近年経済産業省から公表されている以下のツールの内、よく活用しているツール
を以下から選択してください(インターネット接続されている場合には、以下ツール 名をクリックすると内容を参照できます)
よく活用するツールを以 下プルダウンで○を選択 してください
よく活用するツールを以 下プルダウンで○を選択 してください
□全国鉱山災害事例データベース - - -
□鉱山災害防止のためのガイドブック - - -
□(災害事例の)水平展開(詳報) ○ ○ -
□鉱山保安マネジメントシステムの構築と有効化のためのガイドブック - - -
□リスクアセスメント事例集50選 - - -
□鉱山災害を防止するためのハードとソフトの優良事例集 ○ - -
□粉じんに関する作業環境改善事例集 - - -
□その他( ) - - -
Q19
鉱山保安MS(リスクアセスメント含む)について、今後どのような支援ツールがあ れば良いとお考えですか?また、今リリースされているツールの改善要望があれ ば併せてお聞かせください。
「支援ツール」を使うとい う発想自体が、現場の実 態と乖離していると思い ます。他鉱山災害事例は 大変参考になりますが、
速報版と詳報を見比べた 時、あまりプラスになる情 報が加味されていないよ うに感じます。
- -
Q20
鉱山保安MSの目標管理について、現在目標管理を実施していますか。 1:目標管理を行っている 1:目標管理を行っている 2:目標管理を行っていな い
Q21
(Q20で「1:目標管理を行っている」を選択した鉱山に伺います)
管理方法の概要をお聞かせください。
鉱山全体の保安活動計 画を毎年定め、全体計画 に基づき、各部門でブレ イクダウンし、部門別活 動計画を策定。各部の活 動状況については、保安 員会の場で定期的に進 捗報告を実施。年間活動 結果報告を保安統括者 へ提出。
【ご記入ください】 保安 管理者が年間保安計画 に基づいて鉱山労働者に 周知及び実施をおこなっ ている。
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Q22 ヒヤリハット情報の活用を行っていますか。 1:活用を行っている 1:活用を行っている 1:活用を行っている
Q23
(Q22で「1:活用を行っている」を選択した鉱山に伺います)
ヒヤリハット情報の活用方法の概要をお聞かせください。
①部門内完結型の様式
(報告ー内容検討ー対 策ー効果確認)とし、保安 委員会へ報告。②各部門 へ書面およびデータベー スで情報を発信。③ヒヤ リハットレベルをランク付け し、高レベルのリスクにつ いては、詳細を報告させ ている。
【ご記入ください】 ヒヤリ ハットが鉱山労働者から 上げられた内容につい て、鉱山労働者に全員に 周知すると共にリスク低 減処置をおこなっていま す。(必要に応じて鉱山 労働者全員でリスクアセ スメントを実施)他に類似 時点が有るか否か調査 するためにも使用してい ます。また、月間別にヒヤ リハットをまとめてその月 特有なヒヤリハットで有る か否か検証し、そうで有 る場合は、来年の同時期 に昨年のヒヤリハットを管 理者が説明し注意、喚起 をしている。
【ご記入ください】 安全 衛生委員会で報告対策 等を検討し、各部の職場 会議で周知する。
Q17