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某大学病院外科系看護師 400 名に対し、日本版 NP に関するアンケート調査が実施された(334 名から回収、回収率 83.5%)。

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要介護状態となった場合に、介護、及び、機能訓練、並びに、看護等、療養上の管理に必 要な医療・介護に関するサービスを保障した制度である(森山,2008:187-196)。

また、現行の介護保険制度には、どれだけの医療サービスを賄いきれるのかに関する課 題が存在する。更に、医療保険でカバーすべき医行為が高齢者施設内で必要となった場合、

速やかに医療保険で対応できる体制を整えていくことも必要と言える。住み慣れた地域で 生活の継続が行えるための地域包括ケアシステムを目指すならば、在宅や高齢者施設とい う場においても医療サービスを支障なく速やかに提供できる保険制度改革が求められよう。

高齢者施設看護師は、高度実践看護師のみならず、介護職の裁量権拡大も必要である点 に言及した(前掲表 6-12)。職員配置基準(増田,2008)に示されている通り、高齢者施設は 介護職員の数の方が多い。看護師は、限られた人数で入居者の診療の補助に該当する医療 処置の全てを担っている点を理由とし、介護職員が処置の一部分をスムースに実施できる ための整備も必要と考えていた。そして、看護師の裁量権拡大という底上げを目指す以上、

介護職にもその必要はあるという見解を持っていた。高齢者施設への入居者増加が今後さ らに見込まれる上、高齢者施設スタッフの多くは介護職であるという理由から、裁量権拡 大を求めるべき職種は高度実践看護師のみだけではないことが示唆できる。

4.6 在宅や高齢者施設で必要と認識される高度実践看護師による医行為内容の傾向 1) 在宅医療の現場

著者は、在宅医療の現場において、高度実践看護師はどういった医行為がより強く求め られているのかについて考察したい。その傾向が明確にならない以上、地域包括ケアシス テムの中心的な人的要素となり得る高度実践看護師の養成カリキュラムの具現化は難しい と考える。

(ⅰ)高度実践看護師による診断及び応急対応の必要性

フィジカル・イグザミネーションや検査所見を統合した診断と応急対応を実施する必要 性に関しては、皮膚系疾患(52.9%)、呼吸器・循環器系の疾患(48.5%)、消化器系疾患 (47.1%)、骨・筋肉系疾患(42.6%)という内容が支持された。反対に、「必要性が低い」と 認識されている割合が比較的高かったものは、小児や眼科疾患に関する診断や応急対応で あった。また、どの系統別疾患においても、約 2~3 割程度の訪問看護師が「どちらともい えない」と認識していた(前掲図 6-1)。

訪問看護の主な対象は、65 歳以上の高齢者であり、身体的特徴として、骨格筋系、神経 系、呼吸・循環器系、感覚器系など多くの器官に形態的・機能的変化が生じている場合が 多い。2010 年国民生活基礎調査の概況(厚生労働省,2011c)によると、介護が必要になった 主要な原因として、脳血管疾患や認知症、高齢による衰弱、関節疾患、骨折・転倒、とい う理由が挙げられている。

上記の身体的特徴から、利用者自らの意思で日常生活動作を滞りなく行えるケースは少 ないため、一日の大半を臥床して過ごす場合もある。更に、高齢者の皮膚には、萎縮や低

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温化等が認められることが多く、失禁状態の持続によってこの脆さが増す。そして、歯の 欠損や不具合、疾病に伴う栄養摂取量の低下及びその偏りが皮膚の脆弱を悪化させ、皮膚 系疾患を合併しやすい。特に、褥瘡発生の危険率は相当に高い。高齢者は、皮膚掻痒症や 湿疹、帯状疱疹等も合併しやすい。従って、訪問看護師自身がその対応に困難さを感じる がため、高度実践看護師による皮膚系疾患への対応の必要性が支持されたと言える。

また、訪問看護利用者は、T 細胞や NK 細胞の低下に起因した免疫機能の低下、自己喀痰 の不良を要因として、細菌性・ウィルス性の呼吸器感染症を発生しやすい。更に、嚥下に 関する何らかの器質的な機能障害や分泌物の排出機能の低下によって、誤嚥性肺炎を引き 起こす可能性も高い。そのため、呼吸器系疾患に関する診断と応急対応が求められている と考えられる。

循環器系疾患への対応の必要性が多く示されている理由としては、次の点が指摘できる。

高齢者は、心筋繊維の増大によって心肥大となり、心ポンプ機能低下を来す。このため、

慢性的な循環器疾患を患っている利用者も多く存在する。糖尿病や高血圧症、脂質異常症 といった、循環器疾患を発生させやすいハイリスクな慢性疾患を抱えている場合も多い。

従って、日常的に胸部症状や随伴症状が観察されることも決して少なくない。

そして、5 割近い訪問看護師によって消化器系疾患の診断及び応急対応の必要性が示され ていた。その理由としては、便秘等の排泄障害への対応が多く求められるためと考えられ る。「動けない、食べられない、飲めない」という状況や、腸管血流の低下、腸管細胞の減 少等による腸蠕動運動の緩慢さを要因として、療養者本人の能力では排便コントロールを 行えない状況へと陥る。便秘症状の悪化が、より一層の食思低下を誘発させるといった悪 循環に繋がり、新たな病態の引き金となる。従って、訪問看護師にとっては、利用者の排 泄ケア自体が重要な位置づけになる。

その他の消化器系疾患症状への対応としては、腹痛や下痢、嘔吐等が挙げられよう。利 用者にとっては、それらの症状全てが非常に強い苦痛を伴うため、訪問看護師に対処を求 める頻度の高さが連想できる。

高齢者の場合は骨粗鬆症を合併していることが多い。更に、視力や筋力、認知力低下に よって転倒を起こしやすい。その際に危惧される点が骨折である。従って訪問看護師は、

骨・筋肉系疾患に関する診断や応急対応の必要性が高いと考えている。

(ⅱ)高度実践看護師による薬物処方の必要性

薬物処方に関する能力として最も高い割合を示したのが、グリセリン浣腸・坐剤の実施 時期決定(72.1%)であった。続いて、下剤(67.6%)、抗不安薬・睡眠薬の処方(63.2%)、

総合感冒薬処方(58.8%) の順で上位を占めていた(前掲図 6-2)。

診断・応急対応の必要性についても、便秘を含めた消化器系疾患が支持された。従って、

薬物処方でも、グリセリン浣腸・坐剤の実施時期の決定や下剤処方が支持されたと言える。

更に、抗不安薬・睡眠薬の処方の必要性が示された。認知症を合併した高齢者に多く見受 けられる症状は、昼間に眠り、夜間帯に覚醒をするといった日中逆転が挙げられる。日中

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逆転は、療養者の生活リズムを崩しながら更なる認知力低下の引き金になる。そこで、そ の予防もしくは改善を目的とした抗不安薬・睡眠薬の処方が求められていると考えられよ う。

健常者でも風邪を患うことは日常的にあるが、免疫機能が低下した高齢者や疾患を抱え る療養者にとっては、風邪を悪化させたが故に肺炎を合併し死に直結する場合もある。そ のため、風邪症状が出現した場合、早期に総合感冒薬を投与する必要性は高い。感冒薬の 処方に関連して、非ステロイド抗炎症薬・解熱・鎮痛剤や鎮咳薬・去痰薬処方の必要性も 示唆された。尚、静脈内注射による抗生物質薬剤及びこの量の決定については、2 割強とい った低い支持割合であった。しかし著者は、療養者が在宅内で呼吸器等の感染症を発症す るリスクは高いことを理由とし、内服薬以外の薬剤処方や調整に関する知識も必要と考え る。

(ⅲ)高度実践看護師による処置対応の必要性

高度実践看護師が実践することに 5 割以上の割合で支持された処置内容は、吸入の実施 判断(67.6%)、栄養補助食品の選択及び決定(60.3%)、酸素供給量の調節(55.9%)、壊死 組織のデブリードマン(55.4%)、酸素吸入の開始と中止の判断(50.0%)であった(前掲図 6-3)。

先にも述べたが、在宅での療養者、特に高齢者は咳嗽反射機能の低下によって自己喀痰 に支障を来す。また、口腔内や気管内に痰が貯留した場合、細菌性の肺炎を起こす原因と なり得る。そのため、気管内の清浄化を目的とした吸入実施の判断が高い割合で支持され たと考えられる。そして、呼吸筋や肺弾性力の低下によって、最大酸素摂取量の減少や換 気量・換気応答の低下を来す。つまり、高齢者を含んだ療養者の身体的特徴として、自ら の力では安楽で正常な呼吸が行えない状態が予測できる。現に、在宅酸素療法を強いられ ている療養者も顕在する。従って、高度実践看護師に求められるであろう処置内容として、

酸素吸入の開始または中止の判断、並びに、酸素供給量の調節が支持されたと言える。

療養者の食思低下の理由は、日常的活動量が非常に低いことの他、様々な誘因が挙げら れる。療養者の中には、口腔で咀嚼した後に嚥下するといった栄養摂取方法が行えない者 も存在する。中心静脈栄養法や経腸栄養法といった、療養者の食思に関係なく栄養を人工 的に与えられながら生命維持を行っている人も多い。高齢者の場合は、腸管運動の低下や 胃・腸管吸収面積の縮小といった要因から、十分な栄養吸収が行えない。従って、在宅療 養者の場合には、栄養補助食品による栄養状態の改善が求められるために、この選択及び 決定に関する内容がより高く支持されたと考えられる。

必要性が高いと認識される処置内容の一つとして、壊死組織(褥瘡)へのデブリードマン 実施が示された。著者は、在宅医療の現場における利用者の褥瘡に関する対応は、切実な 課題を含んでいると考える。介護保険法や医療保険の枠内でサービス提供が行われる現状 から、24 時間 365 日、看護師や介護職が付き添えるわけではない。療養者の多くは、同居 する家族の介護に頼るしか術がない。家族も、自らの生活があるため、利用者の介護のみ