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本章では擬似的な直交性に基づく新しい複素フィルタバンクのクラスである“2分割複素擬直交 フィルタバンク/線形位相擬直交フィルタバンク”を提案した.提案フィルタバンクは,擬似的な 直交性を有することから,設計が簡易であることと線形位相性を有することから画像端において対 称拡張法の使用が可能で圧縮効率が向上するというメリットを兼ね備えたものである.更に特筆す べき点は,提案フィルタバンクはハールフィルタバンクのようにフィルタ長が2に限定されるもの ではなく,十分長いフィルタ長によって設計できるので,高い周波数選択性能が得られる.

また提案複素フィルタバンクの実用例として画像圧縮符号化に適用した.ただし,一般の複素 フィルタバンクによる変換の冗長性は画像圧縮符号化において問題となるので,入力画像を複素数

化するアルゴリズムを提案した上で,提案複素フィルタバンクを適用した.このアルゴリズムを用 いて画像圧縮符号化を行った結果,良好な周波数特性と,対称拡張法の使用が可能な,複素擬直交 線形位相フィルタバンクは従来のJPEG2000における離散ウェーブレット変換よりも高い画像圧 縮符号化性能を示した.

今回の複素擬直交フィルタバンクは簡単のために2分割に限定したが,これを一般のM 分割に することによって周波数選択性能を高めることができ,更に性能の高い画像符号化法が実現できる ことが期待できる.

A

B

3.

1. 2.

4.

4.

4.

4.

4.

図4.1 提案アルゴリズム全体図.1:入力画像のサイズM×N に対して,N2 のサイズ を持つ複素数画像を作成.2:複素フィルタバンクを用いて複素数画像を変換する.複素信号か ら複素信号となるのでサンプル数の増加は発生しない.3:複素フィルタバンクで得られたLL 成分に対して実ウェーブレット変換を施す.4:すべての実部・虚部を並べ替えて最終的な出力 画像を生成する.この後に,出力画像をEZW-IPによって符号化する.

図4.2 プリフィルタのシステム.E0(z),E1(z)はプリフィルタ.2xは画像の水平方向のダ ウンサンプリング.x(n1, n2)は入力画像,x0(n1, n2)及びx1(n1, n2)はプリフィルタリング とダウンサンプリングされた出力画像,xc(n1, n2)は複素数画像.

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(a)複素LPPOFB

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(b)複素PUFB

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(c)ハールフィルタバンク

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(d)9/7タップフィルタ 図4.3 設計されたフィルタバンクの周波数応答

(a)9/7タップDWT

(b)複素PUFB (c)複素LPPOFB

(d)9/7タップDWT

(e)複素PUFB (f)複素LPPOFB

図4.4 画像圧縮符号化の結果画像.(a),(b),(c):Barbara(PSNR: 34.915 [dB]),(d),(e), (f):Baboon(PSNR: 27.592 [dB]).

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最小二乗法に基づく

Dual-tree 複素ウェーブレット変換

の設計法と画像ノイズ除去への適用