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従来の 2 次元フィルタバンク

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図7.10 設計されたファンフィルタの周波数応答(左:H0(z1, z2),右:F0(z1, z2))

Quadrantフィルタバンク,Parallelogramフィルタバンクに関してもフィルタバンクの帯域分

割形状に対応するサンプリング行列Dとインパルス応答の条件m(k1, k2)を変えるだけで容易に 設計することができる.Quadrantフィルタバンクの場合

D= [2 0

0 1 ]

, m(k1, k2) =m1(k1)m1(k2) cos [(k1+k2)π/2] (7.23) であり,Parallelogramフィルタバンクの場合

D=

[2 0

1 1

]

, m(k1, k2) =m1(k1)m1(k1+ 2k2) (7.24) となる.

2

1 7

8

4

3 5

6

R0 R0

R0

R0

R1

R1

R1

R1

Q0

Q0

Q0

Q0

Q0

Q0

2

1 7

8

4

3 5

6

図7.11 8分割DFBのツリー構造

図7.12 8分割DFBの周波数帯域分割形状

8分割のDFBを用いて変換したときの出力画像をそれぞれ図7.14(a)と図7.14(b)に示す.図が 示すように,DFBの出力画像のエネルギーはDWTに比べ分散していることが分かる.画像圧縮 符号化ではエネルギーの低い(原画像において重要でない)係数を削除することにより,情報量を 低減することが基本となるが,DFBはエネルギーが分散しているため,エネルギーの大きな(原 画像において重要な)係数までもが削除されてしまう.

実際に,DWTとDFBによって得られた出力信号にEZW-IP符号化を用いて1[bpp]のビット レートで画像圧縮符号化を行った結果画像を図7.15に示す.図7.15を見てわかるように,DWT に比べ,DFBでは変換によって画像のエネルギー集中が実現されないため,圧縮の際,復元画像 の滑らかな領域で著しく画質が損失している.この問題を解決するためには,低周波領域と高周波 領域を分割し,高周波領域に関しては放射状に分割するような帯域分割形状(図7.16)を持つ変換 を設計する必要がある.

図7.13 DWTによる周波数帯域分割形状

(a)原画像(Yogi) (b)出力画像(DWT) (c)出力画像(DFB) 図7.14 DWT(a)と8分割DFB(b)の出力画像(Yogi

7.3.2 最大間引き Contourlet 変換

本項では,文献[76]で提案されている最大間引きContourlet変換(CRISP-CT)を説明する.

CRISP-CTは,DFB (Directional Filter Bank)(図7.17(左上)),SCBFB(Sheared-CheckerBoard Filter Bank)(図7.17(右上)),PARFB (PARallelogram Filter Bank)(図7.17(左下)),SPRFB

(Sheared-PaRallelogram)(図7.17(右下)))のツリー構造(図7.18)によって構成される.結果

としてCRISP-CTは図7.19のような帯域分割を構成する. この帯域分割形状はDFBの帯域分

割形状(図7.12)での問題を解決することができる.つまり低周波成分と高周波成分を分割して出 力することが可能となり,自然画像において多く含まれる低周波成分のエネルギーを効率よく集中 させることができる.

よって画像圧縮符号化に適したフィルタバンクであると期待できるが,この手法には2次元フィ ルタの実現に関して問題点がある.より具体的には,CRISP-CTを構成する4種類の2次元フィ ルタバンクのうち,DFB,PARFBに関しては前章で述べた方法によって設計することができる

が,SCBFB及びSPRFBは実現不可能であるということである.

SCBFB と SPRFB に お い て ,式(7.15)の m(n1, n2) に 対 応 す る 係 数 mSCB(n1, n2),

(a)DWT   (b)DFB 図7.15 DWTとDFBの画像圧縮符号化性能の比較(1 bit/pixel)

図7.16 理想的な帯域分割形状.(L:低周波成分,H1〜H8高周波成分)

mSP R(n1, n2)は,次式で与えられる.

mSCB(n1, n2) =m1

(n2 2

) (2

3(1)n1m1

(n1 3

) cos

((n1 3 +n2

2 )

π )

+1 3m1

(n1 3 −n2

3 )) mSP R(n1, n2) =m1

(n1

2 )

m1

( n2−n1

6 )

(7.26) ただし,m1(n1, n2)は式(7.19)である.SPRフィルタの設計例を図7.20に示す.図7.20が示 すように,フィルタ長13×13,61×61,のどちらの場合においても,所望の周波数特性が得 られていないことが分かる.この原因としては,2次元フィルタを生成する式(7.19)における m1(n1, n2)は自然数で定義されているのに対し,SPRフィルタのmSP R(n1, n2)(式(7.26))に 含まれるm1(n1

2

)では有理数を必要とするので,設計ができないと考えられる.SCBフィルタに 関しても同様である.

D1

D1 L

A

B

SCB

Q0 Q0

Q1 D1

D1 Q1

Q1

Q1

0

L

A

B 1

2

3 Q1

DFB

SCB

P

P H

R A

L

B

PAR

D0

B

B

A

SPR

D0

図7.17 CRISP-CTに用いられる2次元フィルタバンク((左上):DFB,(右上):SCBFB, (左下):PARFB,(右下):SPRFB)

7.4 提案法:ボトムアップ方式に基づく最大間引き Contourlet 変換