5.4 内外リング補強が全体座屈強度におよぼす影響調査
5.4.2 曲り梁効果による中性軸位置変化が補強リングの曲げ剛性におよぼす影響
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Fig. 5-8 Radius to neutral axis of curved beam bending moment acts.
Fig. 5-8中の𝑏𝑒は胴板有効幅,𝜂 は中心から微小部分までの距離である.𝜂 = 𝒓 − 𝒚より(5-26)式
を変形すると(5-27)式になる.
∫ 𝑟 − 𝜂 𝜂 𝑑𝐴
𝐴 = 0
(5-27)
(5-27)式をFig. 5-8のそれぞれの断面について解くと(5-28)式になる.
𝒓 = 𝑨
𝒃𝒆𝐥𝐨𝐠𝒂 + 𝒕𝟎
𝒂 + 𝒕𝟏𝐥𝐨𝐠𝒄 − 𝒕𝟐
𝒂 + 𝒕𝟎+ 𝒃 𝐥𝐨𝐠 𝒄 𝒄 − 𝒕𝟎
(5-28) したがって,(5-28)式が理論における曲り梁の中性軸位置までの半径である.
5.4.1項で用いた1リングの内外フレームの断面寸法に対する曲り梁効果を確認するため,FEM
解析を用いて,内外フレームに曲げモーメントのみが作用するときの剛性を数値計算を用いて評 価する.まず,評価する際に必要となる曲げモーメントのみが 1 リングに作用するときの等価断 面2次モーメントを算出する.
Fig. 5-9 に示す半円の両端部にモーメント𝑀0を作用させたときのひずみエネルギーは(5-29)式
で表される.
𝑈 = 1
2𝐸𝐼∫ 𝑀02𝑟𝐶𝐵′ 𝑑𝜑
𝜋2
0
(5-29) ここで,𝑟𝐶𝐵′ は曲り梁効果を考慮した中性軸位置までの半径であり,FEM解析においては曲げ応力
90 が0となる位置までの中心からの距離としている.
Fig. 5-9 Semicircle bending moment acts.
(5-29)式をモーメント𝑀0で微分することで端部における回転角𝜃が式のように導出される.
𝜕𝑈
𝜕𝑀0= 𝜃 =𝜋𝑀0𝑟𝐶𝐵′
2𝐸𝐼
(5-30)
(5-30)式を変形することで曲り梁の等価断面2次モーメントを表す(5-31)式が導き出される.
𝐼𝐶𝐵′ =𝜋𝑀0𝑟𝐶𝐵′ 2𝐸𝜃
(5-31) 1リング内外フレームの半円をモデル化し,端部に強制回転1(rad)を付与した解析を実施するこ とで,端部に発生するモーメント𝑀0を得ることができ,それらの値を(5-31)式に代入すると曲り 梁の等価断面2次モーメントを直接的に得ることができる.
次に曲り梁効果を考慮して理論的に等価断面2次モーメント(理論等価断面2次モーメント)
を求める.中性軸位置は変化しており曲げ応力分布は双曲線的になっていることを考慮し,(5-28) 式を用いて変化した中性軸位置までの半径𝑟𝐶𝐵′′を求める.その半径を用いて断面の幅を双曲線的な 応力分布に合うように修正した以下の(5-32)式を用いて等価断面2次モーメント𝐼𝐶𝐵′′ を求める.
𝑰𝑪𝑩′′ = ∫ 𝒓𝑪𝑩′′
𝒓𝑪𝑩′′ + 𝒚
𝑨 𝒚𝟐𝒅𝑨
(5-32) 汎用有限要素法プログラムMSC.Marc2016にて解析を実施した.4節点24自由度の薄肉シェル 要素(要素No.139)を用いて,5.4.1項におけるTable 5-1の断面寸法の1リング内外フレームの 半円をモデル化した.外半径は490(mm)である.要素分割はフランジ2要素,ウェブ4要素,板 10要素としている.
境界条件は半円のFig. 5-10における両端部2の中性軸位置(通常の断面形状)の周方向変位を拘
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束し,剛体拘束 RBE2 を使用することで断面形状を維持している.またその節点において強制回
転1(rad)を与えた.板の一端においてz方向変位,頂点1の断面において周方向変位,全節点の周
方向軸周りの回転を拘束している.
Fig. 5-10 Restraint condition.
また,今回の1 リングの全体座屈強度解析において板とフランジが垂れないように断面の全節 点の周方向軸周りの回転を拘束しているが,実際には板とフランジは垂れようとするためその拘 束の影響により剛性は大きくなっていると考えられる.したがって,本研究では板とフランジの 幅を1 (1 − 𝜈⁄ 2)倍に修正することでその影響を考慮している.
Fig. 5-11に解析結果の一例を,Table 5-2にFEM解析結果から求めた等価断面2次モーメント
𝐼𝐶𝐵′ と(5-32)式より求めた理論等価断面2次モーメント𝐼𝐶𝐵′′ を,Table 5-3にFEM解析および(5-28) 式それぞれから得た中性軸位置までの半径を示す.
Table 5-2より,FEM解析から得られた等価断面2次モーメント𝐼𝐶𝐵′ と,(5-32)式より求めた理
論等価断面 2次モーメント𝐼𝐶𝐵′′ との誤差は,内フレームに関しては約 2%,外フレームに関しては
約5%となる結果が得られた.さらに,Table 5-3より,中性軸位置までの半径はほぼ同じ値とな
っていることも確認した.
Fig. 5-11 Bending stress and deformation (outside ring).
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Table 5-2 Equivalent moment of inertia.
𝐼0 1) (mm4)
𝐼𝐶𝐵′ (FEM) (mm4)
𝐼𝐶𝐵′′ (Theory)
(mm4) 𝐼𝐶𝐵′′ ⁄𝐼𝐶𝐵′ 𝐼𝐶𝐵′′ ⁄𝐼0
Inside ring frame 2.43× 105 2.75× 105 2.81× 105 1.02 1.16
Outside ring frame 2.43× 105 2.36× 105 2.49× 105 1.06 1.02 1) I0:Moment of inertia of straight beam
Table 5-3 Radius to neutral axis.
𝑟0 2) (mm)
𝑟𝐶𝐵′ (FEM) (mm)
𝑟𝐶𝐵′′ (Theory) (mm)
𝑟𝐶𝐵′′ ⁄𝑟𝐶𝐵′ 𝑟𝐶𝐵′′⁄𝑟0
Inside ring frame 481.3 481.3 480.9 1.00 1.00
Outside ring frame 489.7 490.5 489.5 1.00 1.00
2) r0:Radius to neutral axis obtained by moment of inertia of straight beam