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定年以降の 雇用機会提供(%) 咽.余剰人員対策
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(50歳以上)
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「平成2年度雇用管理調査j (出所)
(イ)出向者の中心は、非役職者である。したがって、出向者の労働条件に関する間 題は、労働組合の重要な課題となり得る。
(効若年層の出向は人材育成を目的とするものが多く、中堅から高年層にかけての 出向は企業グループの経営基盤強化を目的とすることが多い。
( 3 )
出向による労働条件の変化出向によって労働条件はどの程度変わるのだろうか。「出向調査」をもとに、こ の点を確かめておきたい。すでに述べたように、この調査は、出向にともなって 生じると考えられるあらゆる問題を対象としている。賃金の最終的な負担者は誰 なのか、退職金算定の際に出向期間をどう計算するのか、出向者に対する懲戒処 分の主体は誰なのかなど、実務担当者が直面するであろう問題がていねいに調べ られている。ここではそれらの中から、特に出向期間と労働時間、休日に関係し た部分だけを取り出して検討する。
出向期間
出向を命ぜられた者が最も気にするのは、本体にいつ戻れるのかという点であ る。期間が定かでない片道切符のような出向は、行く者を不安にさせる。出向期 間をどの程度明示しているのか、期間が延ぴる可能性はあるのかという 2つの点 について、まず見ておきたい。
出向期聞が就業規則や労働協約であらかじめ決められている企業は、全体の
3
割程度である。では、残りの7割は期間を決めずに出向させているかというとそうでもない。「期聞は出向の都度、出向契約で決める」という企業が全体の
26.5%
あり、これらの企業が「あらかじめ定められていない」部分に含まれているから である。したがって、従業員にまったく期間を知らせずに出向させる企業の割合 だけ取り出すと
38.8%
になる。大企業になるほど、期間をあらかじめ定めている割合が高くなる。しかし、「期 間を定めず出向させ、随時出向を終了きせる」企業は、小規模企業と同じくらい ある。大企業だからといって、出向期聞がきっちり決まっているわけではないよ うである。この点は、出向期聞の延長についてたずねた質問でより顕著になる。
すべての大企業が、「就業規則や労働協約、出向契約で出向期間を定めてあったと
しても、事情によって延長もあり得る」と答えている。
以上のことからわかるように、どのような形にせよ、出向期聞を明示する企業 は
6
割弱存在する。しかし、最初に明示した期間の変更があり得ることをほとん どの会社が認めている。明示された期聞が守られない限り、期間をあらかじめ定 めておくことの意味はあまりないかもしれない9)。所定労働時間
出向によって
1
日の所定労働時聞が長くなる企業の割合は82.9%
である。この 数値は、出向元の規模が大きくなればなるほど高くなっている。 1,0 0 0
人以上の大 企業の場合、94.0%
の会社で所定労働時聞が長くなるのに対して、3 0 0
人未満の企 業では73.3%
になっている。では、所定労働時聞が長くなった場合、どのような 措置を講じているのだろうか。表2‑3
は、措置の有無とその内容をまとめたも のである。全体では約4割の企業、大企業でも 4分の1が、所定労働時間が長く なることに対して何の措置もしていないことがわかる。この調査に回答した大企 業6 7
杜のうち、6 5
杜に労働組合がある。この回答をみる限り、労働時聞の延長に 対して、大企業の4分のlの組合は何も発言していないようである。表2‑3 所定労働時間延長への対応 (%) 計 300人未満300‑999人 1,000人以上 特別な措置はない 37.6 45.5 50.0 25.4 何らかの措置をする 62.4 54.5 50.0 74.6 計 100.0 100.0 100.0 100.0 延長分の時給支給 61.4 58.3 64.7 61. 7 定額の手当 27.3 37.5 23.5 23.4 その他 11.4 4.2 11.8 14.9 計 100.0 100.0 100.0 100.0
次に、措置の内容に注目しよう。ここには、規模による差がほとんどないこと がわかる。どの規模でも、だいたい
6
割の企業が長くなった時間に相応する時間 給を支給しており、3
割の会社が時間数にかかわらず定額の手当を支給している。その他に分類されている措置は、「職種により異なる」、「著しい差がある場合のみ 調整する」、「年間所定労働時間で調整する」などである。
休日数
出向することによって、年聞の休日数が少なくなることがある。全体では
8
割、 大企業では91%が、出向によって休日数が減ると答えているo では、減った休日 数をどう補償しているのだろうか。休日数減少への対応方法を示した表2‑4
を みよう。休日数が減少することに対して、何らかの措置をする企業は、全体で約 6割、大企業は 4分の 3になっている。この比率は、所定労働時聞が長くなるこ とへの対応とよく似ている。所定労働時聞の調整をしない企業は、休日数の調整 もしないと考えるのが一般的だろう。措置の内容は、労働時間に対するよりも多様で、ある。減少した休日の時間に相 応した賃金を払う企業が約
5
割、減少した休日数にかかわりなく定額の手当を支 給する企業が約25%となっている。その他の項目に含まれるのは、「少なくなる休 日数に応じて手当を支給する」、「著しい差がある場合のみ調整する」、「出向者の 資格により異なる j などである。表2‑4 休日数の減少への対応 (%) 計 300人未満300‑999人 1,000人以上 特別な措置はない 40.4 52.4 54.5 24.6 何らかの措置をする 59.6 47.6 45.5 75.4 計 100.0 100.0 100.0 100.0 減少分の時給支給 53.1 55.0 66.7 47.8 定額の手当 25.9 40.0 13.3 23.9 その他 21.0 5.0 20.0 28.3 計 100.0 100.0 100.0 100.0
簡単にまとめると
出向にともなう労働条件の変化について、基本的なところだけ見てきたが、こ こで簡単にまとめておこう。
(対出向期間は、約6割の企業で何らかの形で決められている。しかし、出向期間 が変更される可能性をほとんどの企業が認めており、あらかじめ定められてい ることの意味はそれほど大きくないかもしれない。
(イ)出向によって、所定労働時聞が長くなったり、年間休日数が減少したりするの
が一般的である。そういった労働条件の悪化に対して、何らかの措置をしてい る会社は
6
割程度にすぎない。(場労働組合のある大企業においても、労働条件の悪化に対して何等の措置を勝ち とっていないところが
4
社に1
社の割合である。以上の考察から、労働条件の悪化をそのままにしている企業が少なくないこと が明らかになった。確かに、労働組合のないような小規模企業では、さまざまな 制約があって仕方がないかもしれない。しかし、労働組合がちゃんと組織されて いる会社においても、少なからぬ割合で労働条件悪化を認めている点は深刻で、あ る。次の節では、ある大企業労働組合の出向に対する取り組みを紹介する。
4 . A
労 働 組 合 の 取 り 組 み (1)グループ経営の実際A
社は、わが国でも有数の電機メーカーである。その労働組合をたずね、中央 執行委員2人から話を聞いた。ききとりの時期は、 1992年1月である。A社は、今井 [1989Jが言うところの「独立型企業ク。ループ
J
にあたる。「親会 社の事業部のいくつかが別会社となり、さらにそれが孫会社を持つというかたち で一つの傘の下に、同じ製品分野で拡大していくグループ」であるlへ A
社を中核 とするグループは、いわゆる水平分業をおこなっている12社 (A社も含む)と垂 直分業をしている28社の2つの部分から成っている。水平分業をおこなっている12社のうち
8
社は、その設立の経緯から相互のつな がりが密接で、、ほとんど一つの会社と変わらないような運営をおこなっている。たとえば、労働組合は一つであり、
A
労働組合が8
社の労働者を組織している。また、大卒社員の場合、
A
社が一括採用し、他の7
社に「出向」という形で配属 している。同ーの労働組合に所属し、当然のこととして労働協約も同じなので、8
社については労働条件は変わらない。この 8社に準ずる扱いを受けているのが、残りの 4社である。この 4社との人 事交流は、管理職クラスに限定きれている。労働組合は、それぞれの企業にある が、労働条件はほとんど同じである。
以上述べた水平分業12社の聞で異動が起こる場合は、労働条件に変わりがない
ために、通常の企業内異動と同じような感覚で労働組合は対処している。問題に なるのは、垂直分業をしている会社への出向である。通常、そういった会社では、
労働時聞が長〈、休日日数は少ない。悪化する労働条件に対する措置が必要になっ てくる。
興味深い点は、
A
労働組合が「出向者」という場合、労働条件の異なる会社に 出向している組合員を指し、A
社から水平分業グループ企業に「出向」している 人たちは含まないことである。労働条件の異なる会社への出向者は、組合員ベースで
7 0 0
名、管理職で3 0 0
名程度である。( 2 )
出向に関する協定、覚書 出向に際して本人の意思確認A
労組は、労働協約とは別に、「出向に関する覚書」を経営との間で取り交わし、組合員の労働条件を守ろうとしている。この覚書には、ごく一般的なことしか書 かれていないが、中央執行委員によると、次の
2
点をきっちり確認するという。(乃出向期間は
3
年をめどとし、出向に際しては本人の意思を確認する。(イ)出向期間が長くなる場合や出向途中で条件が大きく変わる場合、会社は必ず組 合に通知し、本人の同意を得る。
出向期聞は
3
年をめどとしており、組合員を出向させる場合、必ず事前に組合 に通知があり、組合は本人の意思を確認するようにしている。組合員が出向を拒 否することはまずないので、本人が同意しなかった場合の具体的対応については、明確な説明がなかった。
出向期間は長くとも
5
年を越えないように、組合は会社側に働きかけている。また、出向先での仕事内容が変わったり、出向先の都合で勤務地が変わったりす る場合は、必ず事前に組合に通知し、本人の同意を得なければならない。
以上の
2
点は、文書として正式に書かれてはいないが、経営側と組合の聞の慣 行として確立しているという。単に「通知する」といっても、会社や組合の取り 組み姿勢によって、内容は大きく異なる。個々の事例を観察する意味がここにある。