■シュワルツシルトの密度一定の内部解 (p.347〜) 高密度の中性子性などを念頭に,[近似的に]ρ= (一定) の場合を考えると
基礎方程式(9) : dm(r)
dr = 4πr2ρ(r) → m(r) =
ρ×4
3πr3 (r≤R) ρ×4
3πR3≡M (r≥R)
となる.これを用いて残りの未知変数p,Φは
T-O-V方程式 → p=ρ(1−2M r2/R3)1/2−(1−2M/R)1/2 3(1−2M/R)1/2−(1−2M r2/R3)1/2, 式(8) : (ρ+p)dΦ
dr =−dp
dr → eΦ=3
2
√ 1−2M
R −1 2
√
1−2M r2
R3 (r≤R) と決定され,同時にM/R <4/9も見出される.
■ブハダールの内部解(p.348〜) [人為的なモデルとして]状態方程式 ρ= 12(p∗p)1/2−5p を考えると(p∗は任意定数),これは
1. 星の内部すべての点で因果律を破らないように,
局所的な音速(dp/dρ)1/2を1より小さくし得る.
2. Newton的極限でn= 1のポリトロープ
(Newton理論で厳密に解ける数少ない場合の1つ)に一致する.
この状態方程式に対する解はBuchdahlによって
e2Φ =(1−2β)(1−β−u)(1−β−u)−1,
e2Λ=(1−2β)(1−β−u)(1−β−u)−1(1−β+βcosAr′)−2, p(r) =A2(1−2β)u2[8π(1−β+u)2]−1,
ρ(r) =2A2(1−2β)u (
1−β−3 2u
)
[8π(1−β+u)2]−1 と求められた.ただしここで新たな任意定数βを導入し,
u(r′)≡βsinAr′
Ar′ , A2≡288πp∗
1−2β, r(r′) =r′1−β+u(r′) 1−2β によってu(r′)≡uおよびp∗に代わる定数A,rに代わる座標r′を定義した.
βはβ→0が非相対論的極限に対応するようなパラメーターであること,モデルは0< β <1/6で有効と なり,相対論的な領域までカバーしていることが分かる.
10.6 について
■密度一定の場合のT-O-V方程式(10.48)について T-O-V方程式(10.39)を dp
dr =−(ρ+p)(m+ 4πr3ρ)
r(r−2m) → dp
dr =−(ρ+p)(m+ 4πr3p) r(r−2m) と訂正したことに注意する.
■式(10.49)の導出 式(10.48)を変数分離すると
∫ dp
(ρ+p)(ρ+ 3p) =−4 3π
∫ rdr 1−8πρ3 r2
となる.左辺の積分は
∫ dp
(ρ+p)(ρ+ 3p)= 1 2ρ
∫ ( 1
ρ
3+p− 1 ρ+p
)
dp= 1 2ρln
(ρ 3+p ρ+p )
+ const.
と計算できる.一方,右辺の積分は
∫ rdr
1−8πρ3 r2 =− 3 16πρ
∫ d(
1−8πρ3 r2)
1−8πρ3 r2 =− 3 16πρln
1−8πρ 3 r2
+ const.
と実行できるので
ln (ρ
3+p ρ+p )
= 1 2ln
1−8πρ 3 r2
+ const, ∴
ρ 3+p
ρ+p = const× (
1−2m r
)1/2
となる.密度ρは星内部の位置に依らずに一定であり,r→0でp→pc,mr →0となることから積分定数を 定めると,式(10.49):
ρ+ 3p
ρ+p = ρ+ 3pc
ρ+pc (
1−2m r
)1/2
を得る.
■式(10.50)の導出 式(10.49)にr=Rでの値m=M, p= 0を代入すると ρ+ 3pc
ρ+pc
( 1−2M
R )1/2
=1, (11)
∴ ρ+ 3pc ρ+pc
(
1−8πρR2 3
)1/2
=1 (12)
となる.式(12)をR2について解くと式(10.50):
R2= 3 8πρ
{ 1−
(ρ+pc ρ+ 3pc
)2}
を得る.
■式(10.51)の導出 式(11)をpcについて解くと (
1−2M R
)−1/2
= ρ+ 3pc
ρ+pc
= 3− 2ρ ρ+pc
,
∴pc= 2ρ 3−(
1−2MR )−1/2 −ρ=ρ−1 +(
1−2MR )−1/2
3−(
1−2MR )−1/2 =ρ 1−(
1−2MR )1/2
3(
1−2MR )1/2
−1
: (10.51) を得る.
■式(10.52)の導出 式(10.49):
ρ+ 3p
ρ+p = ρ+ 3pc
ρ+pc (
1−2m r
)1/2
の各項を
ρ+ 3p
ρ+p =3− 2ρ ρ+p, ρ+ 3pc
ρ+pc = (
1−2M R
)−1/2
: (11), (
1−2m r
)1/2
= (
1−2M r2 R3
)1/2 (
∵m= 4
3πr3ρ=M r3 R3
)
と書き換えてpについて解くと
p=−ρ+ 2ρ
3−(
1−2MR )−1/2(
1−2M rR32
)1/2
=ρ
−1 +(
1−2MR )−1/2(
1−2M rR32
)1/2
3−(
1−2MR )−1/2(
1−2M rR32
)1/2
=ρ (
1−2M rR32
)1/2
−(
1−2MR )1/2
3(
1−2MR )1/2
−(
1−2M rR32
)1/2 : (10.52)
を得る.ここに現れる2つの根号√
1−2MR ,
√
1−2M rR32 について,MR < 49より 2M r2
R3 ≤ 2M R ≤ 8
9 なので,その中身が正となることが保証される.
■「これが……M/Rについての一般的な上限である」(p.348,l.10,11)について 少なくともρ= (一定)の 場合には式(10.51):
pc=ρ 1−(
1−2MR )1/2
3(
1−2MR )1/2
−1
が成り立つ.右辺はR > 94M のときに(分母)>0となり,またこのとき(分子)>0となるから,「半径が (9/4)M より小さい一様密度の星は存在しない」(10.7節,第1文).
■Φの式(10.54)について 「式(10.27)からΦを求めれば」(p.348,l.12)とあるけれど,T-O-V方程式の下 でこれと同等な式(10.31):
dΦ
dr = m+ 4πr3p r(r−2m) =
M r
R3 + 4πrp 1−2M rR32
を考える.pの式(10.52)より最右辺において
M r
R3 + 4πrp= M r R3
1 + 3 (
1−2M rR32
)1/2
−(
1−2MR )1/2
3(
1−2MR )1/2
−(
1−2M rR32
)1/2
=M r R3
(
1−2M rR32
)1/2
3 2
(1−2MR )1/2
−12(
1−2M rR32
)1/2
なので,これは
dΦ dr =
M r R3
(1−2M rR32
)1/2{
3 2
(1−2MR )1/2
−12(
1−2M rR32
)1/2}
図20 Buchdahlの内部解における状態方程式
と書き換えられる.また境界条件(10.53):g00(R) =−e2Φ(R)=−(
1−2MR ) は
Φ(R) = ln
√ 1−2M
R と書き換えられる.式(10.54)の
Φ(r) = ln (
3 2
√ 1−2M
R −1 2
√
1−2M r2 R3
)
は確かにこれらの微分方程式と境界条件を満たしている.
■音速が光速を超えない条件(10.57)について Buchdahlの考えた状態方程式(10.55):
ρ= 12(p∗p)1/2−5p の概形は図20のようである.圧力が密度とともに単調増加する領域
0< dρ dp= 6
√p∗
p −5 ⇔ p <
(6 5
)2
p∗ を考えると,音速(dp/dρ)1/2が1より小さくなる条件は
1< dρ dp = 6
√p∗
p −5 ⇔ p < p∗ であり,このときρ <7p∗である.
■式(10.64–67)の確認 教科書の式(10.64–67)の説明を補足しつつまとめる.
rの値をゼロから増大させたとき,したがって r′ の値をゼロから増大させたとき,はじめて u(r′) ≡ βsinArAr′ ′:(10.58)がゼロとなるr′の値はAr′ =πによって与えられる.
次にe2Φの式(10.60),e2Λの式(10.61)に星の表面r′ =π/A≡R′での値u= 0, Ar′ =πを代入すると,
式(10.64):
exp(2Φ(r′=R′)) =(1−2β)(1−β)(1−β)−1= (1−2β),
exp(2Λ(r′=R′)) =(1−2β)(1−β)(1−β)−1(1−2β)−2= (1−2β)−1
を得る.また式(10.59):r(r′) =r′1−1β+u(r−2β ′)に表面r′ =R′での値u= 0を代入すると,式(10.65):
R≡r(R′) =R′ 1−β 1−2β = π
A 1−β 1−2β を得る.
ここで式(10.43):g00(r=R) =−e2Φ(r=R)=−(
1−2MR )
と式(10.64):e2Φ(r=R)= 1−2βを等置すると β= M
R
が見出される.さらに赤方偏移の式(10.13):z =e−Φ(r=R)−1に式(10.64):e2Φ(r=R)= 1−2β を代入する と,式(10.66):
zS= (1−2β)−1/2−1
を得る.この赤方偏移は重力によってもたらされており,重力の弱い非相対論的極限ではzS= 0となる.こ れはβ = 0に対応する.
最後に星の質量の式(10.67)は M =Rβ
=πβ(1−β)
(1−2β)A (∵Rの式(10.65))
=
( π
288p∗(1−2β) )1/2
β(1−β) (∵Aの式(10.58)) として得られる.
■p/ρの最大値(10.69)について 式(10.68):
p ρ =1
2u (
1−β−3 2u
)−1
において,星の内部0≤r′≤R′ =π/Aではu(r′)≡βsinArAr′′ ≥0である.ところで左辺pρ は正なので,右辺 において1−β−32uもまた正であることが要求される.このことと0≤r′≤R′=π/Aの範囲ではu(r′)は r′の単調減少関数となることを考え合わせると,p/ρはr′の増大に伴って単調減少することが分かる.よっ てp/ρはr′= 0で最大値(10.69):β(2−5β)−1をとる(limr′→0sinAr′
Ar′ = 1).
■「この式の値が1/7より小さい」(p.350,1番下の行)について 状態方程式(10.55)の両辺をpで割り,式 (10.57):p < p∗を用いると
ρ p= 12
√p∗
p −5>7, ∴ p ρ< 1
7 となる.よってpρc
c <17 である.