測地線の方程式 ⇔ mdpβ
dτ =1
2gαν,βpαpν
なので,メトリック{gαν}がxβに依らない座標系では[右辺がゼロになり],測地線に沿ってpβが保存され る.特にβ = 0の場合を考えると,メトリックがx0に依らない座標系において,測地線に沿ってその系での エネルギーp0が保存される.
−m2=⃗p·p⃗=gµνpµpν において,非相対論的極限でのメトリックが
(gµν) =
−(1 + 2ϕ) 0 0 0
0 1−2ϕ 0 0
0 0 1−2ϕ 0
0 0 0 1−2ϕ
であることから
p0≃m ← 質量エネルギー
+mϕ ← 重力ポテンシャルエネルギー +p2/2m ← 運動エネルギー
を得る(質量エネルギーを除けば,Newton理論におけるエネルギーの表式が再現されている). z軸周りの回転対称性を持つ系に対して,上式(7.29):
mdpβ
dτ = 1
2gνα,βpνpα
から得られる保存量pψ(ψはz軸周りの回転角)は,非相対論的極限で角運動量mr2ψ˙ となる.
7.4 について
■p0の式(7.32)について (p0)2に対するp.232,l.2の近似式は (p0)2=(1−2ϕ)p2+m2
1 + 2ϕ
={(1−2ϕ)p2+m2}{1−2ϕ+O(ϕ2)}
=(1−2ϕ)2p2+ (1−2ϕ)m2+O(ϕ2)
=p2+ (1−2ϕ)m2+O(p2ϕ, ϕ2)
≃m2 (
1−2ϕ+ p2 m2
)
として得られる.
p0≃ ±m(1−ϕ+p2/2m2)
の右辺において式(7.32)のように正号をとれば,ϕ= 0,p= 0のときこれは正しい関係p0≃mになる.
■回転対称性に伴うpψについて 保存量pψの式(7.35)について、非相対論的極限でのメトリックは ds2=−dt2+ dr2+r2dψ2+ dz2
によって与えられる.ここから第1の等号が
pψ=gψαpα=gψψpψ と分かり,また式(7.36):gψψ≃r2も分かる.
第2の等号では非相対論的極限で定義式が
pµ≡mdxµ
dτ ≃mdxµ dt となることに注意してpψ =mψ˙とすれば良い.
この結果,共変ベクトル(7.37):pψ=mr2ψ˙は角運動量となり,
pψ ≡∂L
∂ψ˙ = ∂
∂ψ˙ (1
2m(rψ)˙ 2 )
=mr2ψ˙ に合致する.
8 アインシュタイン方程式 8.1 重力場の方程式の目的と正当性
重力場の方程式は
(i) ∆ϕ= 4πGρと類似の方程式であり,
(ii) ρの代わりに,それを一般化したストレス-エネルギーテンソルTをとってものである (4.7節「一般相対論の重要性」参照)
と考え,
Oαβ(g) =kTαβ
と書く.これを両辺が同じ種類のテンソルから成る関係式とするために,左辺を (
2 0 )
テンソル
Oαβ=Rαβ+µgαβR+ Λgαβ
にとる.このとき場の方程式Oαβ=kTαβは,Oαβ, Tαβの独立な成分に応じた10個の方程式となる.
(iii) 等価原理
により任意の系で保存則Tαβ;β= 0が成り立つことを要求するとµ=−1/2と定まり,場の方程式はEinstein 方程式
Gαβ+ Λgαβ=kTαβ, Gαβ≡Rαβ−1 2gαβR となる.
• Einstein方程式に矛盾する現象は見つかっていない.
また,Einstein方程式以外にも(i),(ii),(iii)を満たす競合理論があるけれど,
それらは複雑で審美的観点から関心を引かない.
• Einstein方程式に対する量子補正は扱わない.
■距離化単位(p.240〜) c= 1, G= 1とする単位系のことである.
地球の質量をM⊕とすると,地球を回る衛星軌道の精密測定によりGM⊕の値を正確に測定できる.そし てこれは距離化単位での質量のc2倍だから,距離化単位での質量の値は正確に分かる.しかしGの値には 大きな不定性があるため,積GM⊕をGで割って,質量を通常の単位系での値M⊕に換算すると,精度が落 ちる.
8.1 について
■距離化単位(p.240〜)について 通常の単位系で
[G] = [F r2
m2 ]
= (M L/T2)L2
T2 =M−1L3T−2
なので,c= 1, G= 1とする距離化単位では
1 = [G] =M−1L
となり,質量と長さは同じ次元を持つ.これは自然単位系においてL= 1/M となるのとは事情が異なって いる.
通常の単位系で
[Gm] =L3T−2=L(L/T)2
なので,これが長さの次元を持つためにはc2で割れば良い.よって積GM⊕は距離化単位で測った質量のc2 倍である.