読みや多読を取り入れた。第2章で提示した指導計画の類型を柔軟に組 み込み、さまざまなジャンルの文章を読み、常に読み取りの観点を意識
した読解や読書を行った。その結果、次の成果を得ることができた。
・読み取りの着目点を与えて、複数の文章を比べ読むことによっ て、その文章の内容や、構造、表現などの異同や特徴が単一教材
の学習よりも理解できるようになった。・読み取りに課題がある児童にとって、複数の文章を比べて読む
ことで、叙述に即した読解ができるようになった。・文章全体を捉えてよむことに課題のある児童にとって、全文を
通読することや速読を行うとし、つた「効果的な読み方」の方法を指導することによって、文章の内容を把握するカがついてきた。
・読み取りの観点をもって、他の関連教材に読み広げることで、
読書に抵抗感がある子どもでも、意欲的に読書を行うことができ
るようになった。
・読み取ったことを活用するために、意見文を書く活動を取り入 れた。そあ結果、叙述に即した読み取りができ読みが深まったこ
とで、自分の意見を広げたり深めたりすることに効果的であった。今後は、年間指導計画の中で、子どもの読みがどのように発達し、ど の時期に、どのような読解指導と読書指導の連携が効果的であるのかを 探っていくことや、比べ読みや多読の学年の系統性を考察することが課 題である。また「書くこと」から広がる読み、「話すこと・聞くこと」
から広がる読みについても視野に入れる必要がある。今回は文学教材を 扱った実践を行った。子どもの実態をみると、理科や社会に関する本を
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日常の読書ではあまり読まない傾向がある。こうした課題に対応するた めに、説明的文章を扱った実践や多教科との連携を視野に入れるなど、
特定のジャンルに偏重した子どもの読みを、より広げていく研究、実践 を行っていきたいと考える。
1行32字、1頁33行、1頁あたり1056字、400字換算195枚。
換算式 32字×33行×74頁÷400字=195枚
〈資料〉
子どもの「読むこと」に関する実態
比べ読み・多読を取り入れた実践を行うに当たって、子どもの「読む こと」に関する事前の意識調査を実施した。低学年、中学年、高学年の それぞれの傾向を探り、子どもの実態に応じた指導計画を立てることと、
学年進行に伴う子どもの意識の変容を把握することを目的としている。
調査は大阪市の公立小学校7校で実施した。調査実施時期は平成19年
10,月である。有効回答数は、低学年213、中学年156、高学年291である。
①読書への関心・意欲
「あなたは本を読むことが好きですか」の質問には、どの学年の子ど もも「すき」「どちらかといえばすき」という肯定的な回答が・8割以上を
占めた。
「あなたは本をよく読むほうだと思いますか」については、「そう思う」
「どちらかといえばそう思う」と肯定的な回答をしている子どもが、低
学年で80%、中学年で58%、高学年で61%となっている。本を読むこ
.とは好きであるが、実際に読書をしているかどうかとなると、中・高学 年では意識と行動の間に差が見 られた。中・高学年では読書活動へ導く 手立てが必要であると考えられる
② 読書傾向
「あなたはどのような本をよく読みますか」という設問については、
どの学年も「まんが」が最も多く、ついで「物語」となっている。また
「理科や社会に関係する本」はどの学年でも読む子どもが少ない。「調べ 学習」等で「理科や社会に関する本」は比較的よく手にするはずである が、日常的には読まれていないことが分かる。説明的文章を扱う授業で は、日頃読み慣れていない「理科や社会に関する本」に接することへの 抵抗感を弱め、読書紹介を行うなどの工夫が必要である。
③ 読書時間
よく読んでいると回答があった「まんが」、「物語」について「一日に どのくらいの時間読書をしますか」という質問を行った。
「まんが」では「30分以上1時間より少ない」「1時間以上」読むと
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回答した子どもが、低学年では20%、中学年では34%、高学年では39%
と学年が進行するにつれて多くなっている。
「物語」では、「ほとんど読まない」「10分より少ない」一と回答する子 どもが低学年で59%、中学年で51%、高学年で47%と約半数であった。
一方で「30分以上1時間より少ない」「1時間以上」と回答する子ども も、低学年18%、中学年27%、高学年28%となっており、よく読む子
どもと、あまり読まない子どもに分かれる。国語科の授業においても、このような読書習慣の差が読解や読書活動に影響を及ぼしていると考え
られる。
④読書する場所
「本を読むときどこで読むことが多いですか」という質問では、どの 学年も「自分の家」と回答した子どもが一番多い5調査した学校・学級 では「朝の読書」を取り入れたり、地域の図書館と連携したりしている ところが多くあった。にもかかわらず学校の教室や図書館、地域の図書 館での読書より、家での読書が多いということは、自主的に本を読むの は「家庭」であるという意識があるからかもしれない。
⑤読み聞かせについての意識
「先生や家の人に本を読んでもらうのは好きですか」の質問では、低・
中学年では「すき」「どちらか,といえばすき」が68%であるが、高学年 では23%に減少する。・これは、高学年になると読み聞かせてもらう機会 が減ること、自分のペースで読み進めたいという意思が出てくるためと 思われる。しかし、担任への聞き取りによると、読み聞かせをよく行っ ている学級の子どもは、高学年でも本を読んでもらうのが「すき」「どち
らかといえばすき〕と回答する割合が高くなっている。国語科の授業で 本の紹介を行う際には、ブックトークやアニマシオン、読み聞かせなど その学級の実態に応じた方法を探る必要がある。
⑥国語の授業を契機とした読書
国語の授業と読書活動との関連を問うため「国語の授業がきっかけで ほかの本を読んでみようと思ったことはありましたか」という質問を行 った。「よくある」「ときどきある」が低学年では57%、中学年では55%、
高学年では43%であった。しかし、「まったくない」と回答した子ども も各学年で約2割いる。高学年では「あまりない」「まったくない」が 57%となり国語の授業と読書へのつながりが薄くなってきている。比べ
読みや多読の実践を行うに際しては、そうした子どもへの働きかけが必 要であると考えられる。
⑦本を選んだ理由
「本を選んだ理由は何ですか」という質問に10の選択肢から複数回答 した結果が表1である。「⑩そのほか」という回答以外を集計している。
どの学年も「題名や表紙を見て興味をもったから」が上位に来ている。
また「テレビや映画などの原作だから」という回答も上位にあり、メデ ィアからの情報や影響が大きいことが分かる。その一方で、「学校の学習 で興味をもったから」や「学級などではやっているから」、「先生にすす められたから」という回答
は下位に位置しており、学 校生活での影響が小さいこ と、授業との関連が薄いこ とが挙げられる。また、「作 者やそのシリーズがすきだ から」という回答は上位に きており、好きな作家やシ リーズが低学年から存在し、
子どもの読書生活の中で同 じ作家の本を比べて読んだ り、シリーズの本に読み広 げたりしている経験が多い ことが分かる。
以上の意識調査の結果、
比べ読みや多読を取り入れ た授業を行う際の方向性と
して、以下の点に留意する 必要があることが分かった。
・ 子ども達は読書す ることが好きだと
いう意識が強い。そ の肯定的な意識を、「好きだ」から「読みたい」へっなげるような学習活動を取り入 1 んだ理
順位 低学年 中学年 高学年
1 題名や表紙 見て興味 もったか
題名や表紙 見て興味 もったか
作者やその Vリーズが キきだから 2 作者やその
Vリーズが キきだから
テレビや映 謔ネどの原
?セから
題名や表紙 見て興味 もったか 3 テレビや映
謔ネどの原
?セから
友だちにす キめられた ゥら
テレビや映 謔ネどの原
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4 家の人にす キめられた ゥら
家の人にす キめられた ゥら
家の人にす キめられた ゥら 5 友だちにす
キめられた ゥら
作者やその Vリーズが キきだから
友だちにす キめられた ゥら 6 勉強などに
に立っか
学校の学習 ナ興味をも チたから
勉強などに に立っか 7 学校の学習
ナ興味をも チたから
勉強などに に立っか
学級などで ヘやってい 驍ゥら 8 先生にすす
゚られたか
先生にすす ゚られたか
学校の学習 ナ興味をも チたから 9 学級などで
ヘやってい 驍ゥら
学級などで ヘやってい 驍ゥら
先生にすす ゚られたか
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