1. バイオ由来素材・製品及びバイオプロセスの利用促進に係る最新の欧州(EU、EU各国)規制動向、製
1.2 我が国及び欧州におけるバイオ素材に関連した規制、利用促進策、認証制度、規格等に関する調査結果
1.2.7 日本・米国・欧州連合(EU)の調達制度の比較
我が国、および欧州ではないが参考となる制度を運用する米国における公共調達制度の概要を 以下に整理した。また、欧州連合においては、公共調達に限らず組織による調達時にバイオベー スド製品の購入を促進するためのガイダンスが発表されているため、参考として以下に紹介する。
グリーン購入法(日本)
(1)
2001
年より施行されている「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」(以下「グ リーン購入法」)162は、「環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を図り、もって現 在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与すること」を目的としており、国・独立行 政法人に対して環境物品(環境負荷低減に資する製品・サービス)の購入の義務付け、地方公共 団体、事業者、国民に対しては環境物品の購入に努めることを求めるものである。特に重点的に調達を推進する品目(特定調達品目)及び品目ごとの判断基準は、毎年、国が「基 本方針」として閣議決定することになっており、
2018
年2
月現在では、下記の分野において植物 を原料とするプラスチック及び 生分解性に関する記載がされている。①植物を原料とするプラスチックに関する記載
文具類(メディアケース、OAフィルター、OHPフィルム、ファイル、窓つき封筒 等)
自動車等 制服・作業服等 作業手袋等
電子計算機等(電子計算機、記録用メディア)
オフィス家具等(コートハンガーや傘たて等)
インテリア・寝装寝具等
その他繊維製品(集会用テント、防球ネット等)
② 生分解性に関する記載
食堂(生ゴミ処理袋または水切りネット)
エンジン油(2サイクルエンジン油)
なお、植物を原料とするプラスチックの判断基準及び生分解性生ゴミ処理袋または水切りネット の判断基準は「いずれかの要件を満たすこと」もしくは「配慮事項」となっており、バイオベース ドプラスチック製品及び生分解性製品(生ゴミ処理袋、水切りネット、2サイクルエンジン油)の 購入は義務付けられていない。
バイオプリファードプログラム(米国)
(2)
米国のバイオプリファードプログラム(BioPreferred program163
)は、バイオ製品の購入及び使用
の増加を目的として2002
年の農業法(Farm Bill
)により導入され、2014
年の農業法(Agricultural Act of 2014)の改正の一部として拡張された。米国農務省(United States Department of Agriculture:
USDA
)が主導しており、以下の2
つのイニシアチブがある。邦政府機関の必須購買要件(
Mandatory Federal Purchasing
)1
)本取り組みでは、連邦政府及び連邦政府契約業者に対して、
USDA
が定めた97
品目において、USDA
が定めたベイオベース度の最低基準を満たすバイオ製品を購入することを義務付けてい る。自主的なラベリング制度(Voluntary Labelling Initiative)
2)
本仕組みは、企業が任意で
USDA Certified Biobased Product label
の申請を行い、認定検査機関 によりバイオベース度の基準を満たすことが認められた場合、ラベルを商品に使用することを認 めるものである。バイオプリファードプログラムの製品カテゴリーは以下の通り。
ベビー・子供用品 清掃用品
包装資材
食品・カフェテリア 農業・園芸用品 日用品
化学品・繊維・プラスチック樹脂等の中間体 日曜大工用品
その他 オフィス用品 メンテナンス用品 衛生用品
安全装具
車両・機器メンテナンス用品
- 42 -
バイオプリファードプログラムの認証ラベルには、以下の
3
種類がある。i) USDA
指定の97
品目の製品カテゴリーに該当する製品USDA
指定の97
品目の製品カテゴリーに該当する製品で、認定検査機関によりバイオベー ス度の基準を満たすことが認められた場合、以下のラベルの使用が認められる。図
8 USDA Certified Biobased Product label
164上記ラベルの中央下に表記されている「
FP
」の文字は「連邦政府により好まれる」(Federally
Preferred)
の意味を示し、連邦政府による調達基準に適合していることを示す。製品に使用するラベルには、バイオベース度を明記しなくてはならないことになっており、上記ラベルでは、
製品のバイオベース度は
57%
であり、製品の容器包装のバイオベース度は32%
であることを示 す。2018年3
月現在、i)のラベルを使用している製品は1700
程度である。ii) USDA
指定の97
品目の製品カテゴリーに該当しない製品USDA
が指定している97
の品目に適合しない製品で、最低25%
のバイオベース度を満たす ことが認定検査機関により認められた場合、「FP」の表記を含まないUSDA Certified Biobased
Product label
の使用が認められている。2018
年3
月現在、ii)のラベルを使用している製品は 900
程度である。なお、
USDA
は、最低基準である25%
のバイオ含有率を将来見直す予定であると している165。図 9 「FP」の表記を含まない
USDA Certified Biobased Product label
166i)及び ii)で記載した USDA Certified Biobased Product label
を使用したい企業は、バイオベース 度の測定規格であるASTM D6866
の認定検査機関にサンプルを送付する。結果は依頼企業及びASTM
に通知されたのち、ASTMからUSDA
に通知され、USDAがUSDA Certified Biobased
Product label
の使用可否を依頼企業に通知する仕組みとなっている167。iii) 97
品目の製品カテゴリーに該当するが、認証手続きを経ていない製品USDA
が定めた製品カテゴリーごとの調達基準を満たすことを示すFP label
を製造メーカー は認証手続きを経ずに自主的に使用することができることになっている168。2018
年3
月現在、iii)のラベルを使用している製品は 12,400
程度である。図 10
FP label
169- 44 -
バイオベースド製品に関するガイダンス(欧州連合)
(3)
欧州委員会は、公共調達時のバイオベースド製品の購入・使用の増加を目的として、
2017
年に 公共調達におけるバイオベースド製品に関するガイダンス(Guidance for bio-based products in
procurement)
170を発表している171。本ガイダンスは、公共調達に限らず、組織が調達を行う際にバイオベースド製品の購入を検討するにあたり参考となる情報を記載している。具体的には、バ イオベースド製品を使用する理由や対象となる製品カテゴリー、製品カテゴリーごとの参考基準、
バ イ オ ベ ー ス ド 製 品 の使 用 例 等 を 紹 介 し て いる 。 ま た ガ イ ダ ン ス とは 別 に 「
Biobased In
Procurement
」172というウェブサイトにおいてバイオ製品に関する情報を公開している。現状ではウェブサイト上の情報は、ガイダンスで記載のある品目に関するもののみである。
本取り組みの対象品目は、EU のグリーン公共調達、バイオプリファードプログラム等の既存 の仕組みで使用されている製品カテゴリーに基づき、欧州におけるバイオベースド製品のリスト で対象製品の適用可能性と完全性を確認したうえで定められている。対象となる製品カテゴリー は以下の通り。
表
9
対象製品カテゴリー本ガイダンスは、公共調達の際に参考となる製品カテゴリーごとの基準を紹介するものとなって いる。例えば、植物用のポットもしくはプランターに関しては、温室効果ガス排出量、コンポスタ ビリティ(堆肥化可能性)、土壌中での生分解性が例示されている。
- 46 -
以下に、日本のグリーン購入法、米国のバイオプリファードプログラム、欧州連合のバイオベースド製品に関するガイダンスの比較表を記載する。
表 10 調達制度の比較表