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市場獲得シナリオを踏まえた具体的な支援策の検証

ドキュメント内 Microsoft Word - 報告書_公開版 (ページ 88-93)

本章では、第

1

章の内容を踏まえ、市場獲得シナリオを踏まえた具体的な支援策の検証を行う。

2.1 我が国におけるバイオ素材普及戦略の調査及び市場獲得シナリオを踏まえた具体的

な支援策の検証

2.1.1

効果的な市場獲得シナリオの想定 公共調達制度の創設

(1)

我が国において、バイオ由来・生分解性製品の導入を促進していくため、広範なバイオ由来・

生分解性製品を対象とした公共調達制度を創設することが考えられる。現状我が国で運用されて いる公共調達制度にグリーン購入法があるが、地方公共団体に対する調達の義務付けはされてお らず、また植物を原料とするプラスチックの調達は、「いずれかの要件を満たすこと」もしくは

「配慮事項」となっており、バイオ由来・生分解性製品の購入を義務付けるものとはなっていな い。

新たな制度では、国及び独立行政法人に加え、都道府県、市町村に対して、公共調達時に、本 制度で指定する品目ごとの基準を満たすバイオ由来・生分解性製品の購入を義務付けることによ り、バイオ由来・生分解性製品の導入の促進を進めることが考えられる。本制度が対象とする製 品は、欧州のバイオ調達ガイダンスに記載の製品カテゴリ及び米国のバイオプリファードプログ ラムの

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品目を参考にする。

具体的な取組の例

(2)

<地方自治体のバイオ由来指定ごみ袋の調達義務化>

ある程度の製品導入ポテンシャルと

CO

2削減効果が見込まれ、かつ、公共調達による政策的な 利用推進が可能な製品として、地方自治体が調達する「自治体指定ごみ袋」を対象に、一定割合 以上のバイオベース度を義務付け、国内におけるバイオ由来製品の普及拡大を図る。

図 20 我が国におけるごみ袋市場の

2016

年度予測

現在、わが国において指定ごみ袋を導入している自治体の大半は、バイオベースド割合が

10%

の袋を導入であることから、現時点で指定ごみ袋を用いている地方自治体において、指定ごみ袋

のバイオベース度割合を

10%

とした場合、必要なバイオ

PE

量は

0.6

万トン、

CO

2削減効果は

1.6

万トン

CO

2と試算された。また、将来ポテンシャルケースにおいて、バイオベース度を

30%とし

た場合、バイオ

PE

需要量は

5.2

万トン、

CO

2削減効果は

14.4

万トン

CO

2と試算された。

現在、バイオ

PE

を供給できる樹脂メーカーはブラジルの

Braskem

社に限られており(生産能 力:

20

万トン

/

年)、今後、わが国でバイオ由来指定ごみ袋の調達義務化を進めれば、将来、バイ オ

PE

供給量が不足する見込みとなる。

12

地方自治体のバイオ由来指定ごみ袋の調達を義務化した場合の効果(

2016

年度)

新規調達制度の運用に向けた認証制度の創設

(3)

新規公共調達制度の運用および民間事業者や一般消費者向けにバイオ由来・生分解製品の普及 を図るために、日本バイオプラスチック協会等の表示制度等を参考にして、広範なバイオ由来・

生分解性製品の確実な識別が可能な制度を創設することが考えられる。

以下に日欧のバイオベースド認証を示す。

EU

とのハーモナイズの上でのポイントとなるのは、

バイオベース度の測定方法である。

JBPA

はバイオマスプラスチック度、

JORA

はバイオマス質量 含有率が用いられているが、欧州では

C14

法で測定されるバイオマス炭素含有率が用いられてい る。

表 13 我が国及び

EU

のバイオベースド製品の認証制度262 日本がEUと異なる項目のうちポイントとなる点を色つきで示す。

続いて、日欧の生分解性認証を示す。

EU

とのハーモナイズの上でのポイントは、認証対象およ ケース 指定ごみ袋量

(万トン)

バイオ ベース度

バイオPE 需要量

(万トン)

CO2削減効果

(万トンCO2 現状ケース 5.8

10% 0.6 1.6

30% 1.7 4.8

100% 5.8 16.0

将来

ポテンシャル 17.5

10% 1.7 4.8

30% 5.2 14.4

100% 17.5 48.1

- 86 -

び、生分解性や崩壊性の認証項目である。認証対象は、

JBPA

では樹脂のみが対象となるポジティ ブリスト方式であるのに対し、欧州では樹脂、フィルム、最終製品の全てが認証の対象となって いる。また、生分解性の認証項目については、日本では絶対値で

60%

分解であるのに対して、欧 州では絶対値で

90%もしくは対照となるセルロースの分解度に対する相対値で 90%となっている。

崩壊性については、

JBPA

では、

ISO

条件を満たすプラント規模での実装置試験を求める内容となっ ている。

14

我が国及び

EU

の生分解性製品の認証制度263 日本がEUと異なる項目のうちポイントとなる点を色つきで示す。

我が国で新たな認証制度を運用する際の要求事項は

ISO

等の国際規格に準拠するが、我が国で は追加要求事項を設定し、ランキングによる評価を行うことが考えられる。例えば、米国では、

ランク付け評価の実例として、EPEAT制度が存在し普及している。米国で連邦官庁による調達基 準として運用されている

EPEAT

制度は、パソコン、モニターなどの電子機器製品やコピー機等の 画像製品が環境に配慮した製品に

3

種類のランキングを行う仕組みである。以下に、

EPEAT

制度 のランキングを紹介する。

15 EPEAT

制度のランクキング3

ランク 銅 銀 金

要求事項 要求事項を満たし ている。

要求事項と追加要求事 項を

50%

以上満たして いる。

要求事項と追加要求事 項を

75%

以上満たして いる。

3 Green Electronics Council(EPEAT制度の運用機関)ウェブサイト http://greenelectronicscouncil.org/epeat/epeat-overview/

EPEAT

制度と同様、国内バイオマスの利用等を追加要求事項にすることで、国内バイオマスの利用 を推進につなげられると考えられる。具体的な追加要求事項の例として、以下のような項目を含む ことが考えられる。

バイオ由来・生分解性の双方の機能を有するもの バイオベース度の高いもの

国内バイオマス由来のもの

生産過程における

CO

2削減に寄与するもの(

LCCO

2に優れるもの)

その他の社会的価値に貢献するもの(化粧品中の動物由来製品の代替等)

要求事項と追加要求事項の

2

つの評価軸を踏まえた認証制度における製品の評価方法の案として、

加点方式による認証マークの付与が考えられる。例えば、以下のような方法で評価を行い、製品の 合計点数に応じて、金・銀・銅のようなランキングによる認証ラベルを付与することが考えられる。

表 16 製品の評価方法(案)

要求事項 加点数

バイオ由来製品:バイオベース度

1

生分解性製品:生分解性の認証

1

追加要求事項 加点数

バイオ由来・生分解性の双方の機能を有するもの

1

バイオベース度の高いもの

1

国内バイオマス由来のもの

1

生産過程における

CO

2削減に寄与するもの(LCCO2に優れるもの)

1

点 その他の社会的価値に貢献するもの(化粧品中の動物由来製品の代替等)

1

なお、要求事項及び追加要求事項の点数は、上記の表では全て同等に設定したが、例えば国産バイ オマス由来であれば

2

点にする等、特定の特性を持つ製品の普及を促進していくことも考えられる。

- 88 - 2.1.2

具体的な支援策及び検証結果

我が国においてバイオ由来製品のうち特に汎用樹脂の普及を推進するためには、出口となる市 場形成の取組と同時に、入口となる国産バイオマスの確保も進める必要があると考えられる。汎 用樹脂は市場規模が大きく、PE と

PP

で世界の樹脂生産の約

5

割を占める量になる。また、先に 示したように、我が国において、自治体指定ゴミ袋の積極的なバイオマス化を行うにも、新たな バイオマス原料を確保する必要が示唆されている。

現在、林地残材や農作物の非可食部(農産物残渣)等の未利用バイオマスの検討が検討されて いるところであるが、併せて、資源作物の作付けも検討することが考えられる。例えば、バイオ プロダクションの利用に特化させた工業米の生産は、林地残材や農産物残渣に比べて、運搬・流 通システムが既に整備されており、かつデンプン作物でありバイオエタノールや

PE、 PP

の生産が 容易である特長を有する。林地残材、農作物非可食部(農産物残渣)はそれぞれ炭素換算で年間

400

万トン、年間

448

万トン(すき込みを除く)が発生する264。これに対して、資源作物として、

休耕田を活用して工業米を生産することを考えると、再利用可能な荒廃農地は

13.2

ha(2014

年)265であり、収量が

800 kg/10a

の多収量米の生産として概算すると、米の生産量は約

1,050

トン

/年、糖質換算すると約 630

トン/年、炭素換算すると約

250

トン/年の生産量となる266。これは林

地残材や農作物の非可食部と比べても遜色ない規模であり、全量をバイオベースドプラスチック 製造に使用すると、約

360

万トン/年に相当し、国内で消費される

PE、PP

の約

6

割に匹敵する規 模となる。

図 21 生産体制確保(入口)と市場形成(出口)の両面からの支援267, 268

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