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日後に腫瘍摘出術を行った.症例は左不全片麻痺にて発症し,

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当科受診.頭部 MRI にて傍矢状洞髄膜腫を認め,脳血管造影では両側中 硬膜動脈と右前大脳動脈・右中大脳動脈より腫瘍栄養血管を認めた.そ れら栄養血管のうち外頚動脈系に対して低濃度 NBCA にて腫瘍塞栓術を 施行,塞栓術の 3 日後に腫瘍摘出術を行った.【結果】摘出術時に腫瘍本 体は非常に柔らかく,腫瘍からの出血もほとんど認めず,吸引管のみで 吸引除去が可能であり,腫瘍摘出は容易であった.【考察】今回経験した 症例にその後の自験例を含め,文献的考察を併せて報告する.

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液体塞栓物質による栄養血管塞栓術にて腫瘍縮小が得られた右蝶形 骨内側髄膜腫の 1 例

石岡循環器科脳神経外科病院1)

和歌山労災病院 脳神経外科2)

伊藤清佳1) 大島幸亮1) 寺田友昭2) 檜山孝美1) 大久保信治1)

Ito Sayaka

池田律子1) 工藤 忠1) 小林博雄1)

【はじめに】髄膜腫治療の基本は摘出術であるが,何らかの理由で手術不 可能な時には Glue を用いた腫瘍塞栓術を行うことがある.今回,眼動脈 からの栄養血管に Glue を注入して,腫瘍縮小が得られた 1 例を報告する.

【症例】症例は 83 歳女性.右蝶形骨縁内側に髄膜腫と思われる腫瘍があり,

数年前から徐々に増大傾向を示した.年齢より摘出術の適応はないと判 断し,塞栓術により腫瘍増大をcontrol目的に治療を行った.血管撮影では,

主要栄養血管は後篩骨動脈で網膜中心動脈の末梢から前頭蓋底へ入って いた.カテが feeder に wedge すれば十分な塞栓による治療効果が得られ ると考えられた.【治療】全身麻酔下,右頚部内頚動脈に 7F Slimguide を 置き,中を 4.2F Fubuki を C4 まで留置後,3DRA にて眼動脈起始部がみ える様に working angle を設定した.そこから,Marathon を Traxcess を用 いて眼動脈から後篩骨動脈の入り口まで進め,ワイヤーを Tenrou に変更 し,栄養血管にカテを Wedge できるところまで挿入した.DSA 下に 20%NBCA をゆっくり注入した.Feeder に逆流した時点で陰圧をかけなが らカテを抜去した.直後の撮影では眼動脈,Retinal crescent の描出も良好,

腫瘍濃染は著明に減少した.術後,視力,眼球運動は問題なし.退院時 の MRI 造影では腫瘍濃染は著明に減少し,3 ヶ月後の MRI で腫瘍縮小を 認めた.【結語】開頭摘出術が適応とならない脳腫瘍に対して液体塞栓物 質を用いた腫瘍塞栓術で腫瘍増大をコントロールできる可能性があるこ とが示された.

ポスターセッション 2日目

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Balloon の使い分けが治療に有効であった外傷性 CCF の 1 例 昭和大学藤が丘病院 脳神経外科1)

昭和大学藤が丘病院 脳神経内科2)

昭和大学病院 脳神経外科3)

松本浩明1) 樫村洋二郎1) 桑島淳氏1) 河面倫有1) 国井紀彦1)

Matsumoto Hiroaki

今泉陽一1) 泉山 仁1) 神谷雄己2) 市川博雄2) 水谷 徹3)

【はじめに】重症頭部外傷の 0.2-0.3% の頻度で外傷性内頚動脈海綿静脈洞 瘻(以下 TCCFs)は発症するが,high flow shunt であることが多く,治療 法において離脱バルーンの使用ができなくなった現在では母血管を温存 することが難しいことも多い.今回,我々は非常に重度の high flow shunt の症例を経験し,micro balloon を使い分けて flow control することで ICA を温存して治療できた TCCFs の症例を経験したので,報告する.【症例】

20 歳,男性で 14 年前の交通事故にて ASDH,頭蓋底骨折,右視神経管骨 折を受傷し,開頭術を受けた.以前からのふらつきもあり,近医受診し たところ頭部 CT で下垂体腺腫を疑われ,紹介受診となった.MRI,DSA にて精査したところ TCCFs と診断した.BOT にて tolerance ありと判断 したが,年齢も考慮して ICA を温存する様に治療した.経動脈的に Magic B2 balloon で shunt を止めて sinus packing を行い,更に ICA に Hyperglide を おいて ICA を確保することで塞栓をすすめ,温存した状態で coil だけで 瘻孔閉鎖を行った.【考察】TCCFs の治療では coil が安定して留置できる ことや tight packing できることが重要で有り,本症例では区域分けした塞 栓が重要と考えられた.2 種類のバルーンを使い分けることで,flow control を意図的に行い,ICA を温存した塞栓ができ,有用な方法と考え られた

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頚動脈海綿静脈洞瘻(Barrow type A: direct CCF)に対する血 管内治療

市立敦賀病院 脳神経外科1)

福井大学 医学部 脳脊髄神経外科2)

杉田玄白記念公立小浜病院 脳神経外科3)

国立病院機構福井病院 脳神経外科4)

新井良和1) 常俊顕三1) 橋本智哉2) 松田 謙3) 石井久雅4)

Arai Yoshikazu

頚動脈海綿静脈洞瘻(CCF)は眼球結膜充血・眼球突出・血管雑音を 3 主徴とするが,なかでも direct CCF (Barrow Type A)は,致死的な頭蓋内 出血や失明を含む視力低下,多量の鼻出血を生じる頻度が高いため迅速 な治療が推奨されている.今回我々は,3 例の direct CCF(海綿静脈洞部 動脈瘤破裂:2 例,外傷性:1 例)を経験したので,治療方針,治療選択 などについて若干の文献的考察を加えて報告する.症例 1:59 歳,女性.

両側眼瞼結膜充血,左外転障害にて発症.脳血管撮影にて左海綿静脈洞 部動脈瘤破裂による direct CCF と診断した.バルーンオクルージョンテ スト(BOT)後,瘻孔部を含め左内頚動脈をコイルにて閉塞した.症例 2:

84 歳,女性.10 年前に右海綿静脈洞部の未破裂動脈瘤を指摘されていた.

右眼瞼下垂,結膜充血,眼球運動障害で発症.脳血管撮影にて動脈瘤破 裂による direct CCF と診断した.内頚動脈を温存し瘻孔部及び海綿静脈 洞をコイルにて閉塞した.症例 3:24 歳,男性.交通外傷による肝損傷,

出血性ショックにて搬送された.入院 10 日後より両側眼球突出,結膜充 血が明らかとなり,脳血管撮影にて右 direct CCF と診断した.右内頚動 脈の温存は困難で internal trapping を施行した.

ジェルパート+コイルによる hypervascular tumor に対する術 前塞栓術

静岡県立静岡がんセンター 脳神経外科1)

豊橋医療センター 脳神経外科2)

三矢幸一1) 林 央周1) 中洲庸子1) 酒井秀樹2)

Mitsuya Kouichi

【目的】多孔性ゼラチンスポンジ粒ジェルパートは肝癌に対する塞栓物質 として使用されている.われわれは,髄膜腫および血流豊富な頭頚部腫 瘍に対してジェルパートとコイルを用いた術前塞栓を施行したので,そ の有用性について報告する.【方法】2007 年 5 月から 2013 年 7 月までの 間に,頭蓋内髄膜腫または頭頚部腫瘍に対して術前腫瘍血管塞栓術を施 行した 15 例を対象とした.当院クリニカルプラクティス委員会の承認を 得,患者と家族に対しインフォームドコンセントを行い,同意を得た上 で使用した.頭蓋内髄膜腫 11(円蓋部 2,傍矢状洞 4,前頭蓋底 1,蝶形 骨縁 4),頚部グロームス腫瘍 1,鼻腔血管腫 1,腎癌側頭下窩転移 1,頭 蓋底間葉系軟骨肉腫 1 例.年齢中央値 56(32-78)歳,腫瘍最大径中央値 は 60(35-80)mm.塞栓術は,1mm 径のジェルパート 1V に非イオン性造 影剤 5ml と生理的食塩水 5ml を加え,混和後,2.5ml シリンジにて手圧で 注入.腫瘍濃染像が消失した後,再開通予防のため近位部にオクルージ ョンコイルを留置した.【結果】塞栓から手術までの期間中央値は 1(1-4)

日.操作性は問題なく,塞栓中の虚血性合併症や,塞栓後摘出術前の腫 瘍出血,新たな神経症状の出現なし.術中,塞栓された腫瘍部分は白色 変化し,壊死・軟化しており容易に摘出できた.手術時に予想された出 血量を下回った.病理学的所見では,ジェルパートで塞栓された腫瘍血 管は直径 300-500 μ m の動脈であった.【結語】ジェルパートは,使用法 が簡便で安全な塞栓物質で,hypervascular tumor の塞栓術に有用と考える.

髄膜腫に対する “Coaxial double microcatheter system” を用 いた塞栓術

豊橋市民病院 脳神経外科1)

原口健一1) 清水浩之1) 小笠原康伸1) 宇田憲司1) 佐藤雅基1)

Haraguchi Kenichi

若林健一1) 井上憲夫1)

【背景】髄膜腫に対する NBCA を用いた腫瘍内塞栓術を効果的に行うため には,マイクロカテーテルをできる限り病変近くまで挿入することが望 ましい.マイクロカテーテルを同軸に 2 本挿入する方法が有用であり,

当院での経験を報告する.【方法】主要な栄養血管をコイル,NBCA 等で 塞栓したのち,残した中硬膜動脈(MMA)の栄養枝にハイフロータイプ のマイクロカテーテル(Masters HF Kit)を誘導,この中に steam で先端 を強く曲げた MARVEL を挿入してできるだけ遠位まで誘導.7 倍希釈の NBCA をゆっくりと注入し腫瘍内塞栓を行った.【結果】この方法により 5 例に対し塞栓術を行い,特に合併症は認めなかった.特に有用であった のは MMA が強く屈曲している例で,coaxial microcatheter のバックアップ を活かしてこれを越えることができた.逆に比較的直線状で細い MMA の 場合は利点が少なく,Marathon などより先端径の細い single microcatheter の方が末梢到達性が良い可能性がある.他の利点として複数回の NBCA injection の際にマイクロカテーテル再誘導の手間が省ける,親マイクロカ テーテルから fibered coil や particle を入れることができ手技時間が短縮で きることなどが挙げられる.【結論】coaxial double microcatheter system によ り屈曲した栄養血管の遠位まで到達でき,髄膜腫に対し有効な塞栓術を 行うことができると考えられた.

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