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例は通常のマイクロカテーテルとコイル の選択が可能であったが,PICA,SCA,MCA の遠位部動脈瘤は

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MARATHON と EDcoil で治療を行った.マイクロガイドワイヤーは TENROU を使用し,治療を終了することが可能であった.また 2 例で feeder occlusionとなったが明らかな神経症状の悪化は認めなかった.【考察】

遠位部動脈瘤は clipping も困難な症例が多く,血管内治療を選択したいと ころであるが,カテーテルおよびコイル選択が限られているのが現状で あり,さらなるコイルやマイクロカテーテルの開発が期待される.

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Flip turn technique:Balloon を 用 い た 急 峻 な 分 岐 血 管 へ の microcatheter の誘導手技

和歌山労災病院 脳神経外科1)

石岡循環器科脳神経外科病院2)

戸村九月1) 吉田雄一1) 田中優子1) 河野健一1) 岡田秀雄1)

Tomura Nagatsuki

吉村 良1) 新谷亜紀1) 寺田友昭1) 大島幸亮2)

【緒言】balloon catheter(BC)は血管閉塞試験やコイル塞栓術における neck remodeling など,現在の血管内治療において汎用される device の 1 つ である.今回我々は,母血管からの角度が急峻で micro catheter(MC)の 誘導が困難な分枝血管に対して,BC を利用する adjunctive technique(Flip turn technique)を紹介する.【症例】60 歳男性,脳ドックで指摘された右 IC-PC 動脈瘤の治療目的に当科紹介.血管撮影で右 Pcom は胎児型で右 VAG では右 PCA は殆ど描出されず,Pcom を確保しながらのコイル塞栓 術を予定した.右 ICA へ 7Fr Slim guide を留置.術前検討から IC と Pcom の分岐角が急峻であり,瘤壁に当てて回しても BC を Pcom へ誘導するこ とが困難であったため,IC distal へ誘導した Scepter XC を inflate して壁 を作り,microwire を Scepter XC に当てて折り返す事によって Pcom へ誘 導する事ができた.その後,Pcom は BC を適宜 inflate して温存しながら コイル塞栓を施行.周術期合併症無く経過し,独歩退院となった.当施 設では本例のように BC を利用して wire を折り返し分岐血管へ誘導する 手技を,競泳の折り返しに例えて Flip turn technique と呼んでいる.【結語】

Flip turn technique は,母血管に対し角度が急峻な分岐血管への MC の誘導 が困難な場合,特に内頚動脈瘤の分岐血管を確実に温存したい場合に考 慮されうる手技と考える.

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急性期に瘤内塞栓術を行った破裂巨大中大脳動脈瘤の 1 例

―adjunctive technique 困難例での分枝血管温存の工夫―

姫路医療センター 脳神経外科1)

池田宏之1) 山名則和1) 松井恭澄1) 廣瀬智史1) 西村真樹1)

Ikeda Hiroyuki

齊木雅章1)

【目的】動脈瘤コイル塞栓の際,分枝血管の温存が問題となる.stent や balloon を利用した adjunctive technique が用いられることが多いが,それも 困難な症例は少なくない.今回,adjunctive technique が困難な破裂巨大中 大脳動脈瘤に対して,dome から分枝する M2 血流を温存し,再出血を予 防し得た症例を経験したので報告する.【症例】75 歳,女性.突然の意識 障害が出現し,頭部 CT でくも膜下出血と最大径 26mm の右中大脳動脈瘤 を認めた.重症の高齢者であり,再出血予防処置として低侵襲の血管内 手術を行うこととした.M2 は dome から分枝しており,adjunctive technique が必要と考えられたが,M1 から M2 へのマイクロカテーテルの誘導が困 難であった.そこで意図的に M1 流入部と M2 分岐部を含めて動脈瘤全体 に広がる framing coil を挿入し,framing coil を支えにすることで bleb を含 めた dome の塞栓を密に行うことができた.抗血小板薬 2 剤を服用してい たが,第 12 病日に一過性左不全片麻痺が出現し,頭部 MRI で右中大脳動 脈領域に血栓塞栓症を認めた.【結語】破裂巨大中大脳動脈瘤に対して瘤 内塞栓術を行い,急性期の再出血を予防し得た 1 例を経験した.adjunctive technique が困難な場合でも,framing coil を支えにして分枝血管の血流を温 存し密な瘤内塞栓が可能であり,治療の選択肢の一つとなり得るのでは ないかと考えられた.

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当初はコイル塞栓困難と思われた症例に対しバルーンアシストでコ イル塞栓術がうまくいった大型脳動脈瘤

鹿児島市立病院 脳神経外科1)

鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 脳神経外科2)

西牟田洋介1) 友杉哲三1) 比嘉那優大2) 田中俊一2) 川原 団1)

Nishimuta Yosuke

石井 毅1) 山田正彦1) 平原一穂1) 有田和徳2)

【はじめに】脳動脈瘤に対するコイル塞栓術において,その大きさや形,

ネック径,アクセスなどにより向き不向きがある.当初はコイル塞栓困 難と思われた症例に対し,バルーンアシストでコイル塞栓術がうまくい った大型脳動脈瘤の 2 症例を経験した.【症例】症例 1:71 歳女性.症候 性左 ICPCAN13mm を指摘されクリッピングを行われるもラッピングで終 了した.後日コイル塞栓(simple technique)を行うも 2 回再発し,バルン アシストで 3 回目のコイル塞栓を行った.症例 2:61 歳女性.頭痛精査 で左 ICPCAN20mm を認め,クリッピングを行うもラッピングで終了とな った.後日 SAH 発症し,バルーンアシスト下でコイル塞栓を行った.い ずれもコイル塞栓術可能であり,再発なく術後経過も順調である.【考察】

コイル塞栓術に不向きであったため,クリッピング術を行うもクリッピ ング不可能であった大型動脈瘤 2 例であった.横長の大型瘤であり,は じめに意図的に 2 つのコンパートメントに分けてコイル塞栓術を行い,

ネック側のコンポーネントに対しては,ネック形成のためにバルーンア シストを行い,良好な術直後の塞栓とそれ以降の画像上良好な経過を得 ている.

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経上腕動脈アプローチで脳動脈瘤コイル塞栓術を行った 3 例 神戸市立医療センター中央市民病院 脳神経外科1)

阿河祐二1) 浅井克則1) 坂井信幸1) 谷 正一1) 足立秀光1)

Agawa Yuji

鳴海 治1) 今村博敏1) 峰晴陽平1) 佐藤慎祐1) 森本貴昭1)

別府幹也1) 菊池晴彦1)

【はじめに】当院では脳動脈瘤コイル塞栓術において経大腿動脈アプロー チを第一選択としている.今回,我々は経大腿動脈アプローチが困難で あり,経上腕動脈アプローチでコイル塞栓術を施行した 3 例を経験した ので報告する.【症例】3 例ともに女性で平均年齢は 74.7 歳.動脈瘤の部 位は右内頚動脈後交通動脈分岐部,左椎骨動脈後下小脳動脈分岐部,脳 底動脈先端部で,右内頚動脈後交通動脈分岐部の動脈瘤は切迫破裂で他 2 例は未破裂であった.経大腿動脈アプローチが困難な理由はそれぞれ,

右鎖骨下動脈の強い蛇行,大動脈狭窄症,腎動脈以下の大動脈閉塞であ った.3 例ともに 6Fr ガイディングカテーテルを使用し,2 例は simple technique,1 例は stent assist technique でコイル塞栓術を行った.全例で良 好な塞栓を得て手技を終了し,経上腕動脈アプローチに伴う合併症は認 めなかった.【考察・結語】経上腕動脈アプローチによる手技は循環器内 科領域で普及しており,近年では頚動脈ステント留置術においても多く の報告がみられるが,脳動脈瘤コイル塞栓術の報告はそれほど多くない.

経上腕動脈アプローチの問題点は上腕動脈の虚血とガイディングカテー テルの kinking や不安定性であるが,上腕動脈の虚血については 6Fr のガ イディングカテーテルの挿入では可能性が低いという報告があり自験例 でも問題はなかった.3 例中 1 例でガイディングカテーテルの kinking を 認めたが,ガイディングカテーテルを別のものに変更し治療を行うこと ができた.自験 3 症例のように大動脈弓以遠に病変がある場合など経大 腿動脈アプローチが困難な症例では,経上腕動脈アプローチは考慮すべ き手段と考えられる.

ポスターセッション 2日目

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椎骨動脈を直接穿刺して guiding catheter を留置した脳底動脈 先端部動脈瘤の 1 例

市立奈良病院 脳神経外科1)

市立奈良病院 神経内科2)

出口 潤1) 三宅 仁1) 永田 清1) 清水久央2) 鳥海勇人1)

Deguchi Jun

宮崎将行2) 丸谷明子1) 長見周平2) 高橋信行2) 二階堂雄次1)

椎骨脳底動脈系の脳動脈瘤塞栓術において椎骨動脈への guiding catheter 留 置困難例が稀ならず存在する.今回我々は頚部を切開して椎骨動脈を露 出し guiding catheter を直接椎骨動脈に挿入して破裂脳底動脈瘤に対する塞 栓術を行った 1 例について報告する.症例は 69 歳女性.昭和 61 年に右 内頚動脈閉塞と左総頚動脈閉塞に対して血行再建術の既往がある.平成 24 年 11 月 1 日にコンビニの前で倒れ当院に救急搬送された.搬入時 JCS 30,Hunt & Kosnik grade 4.脳底動脈先端部に wide neck の動脈瘤を認めた.

大腿動脈あるいは両側上腕動脈から両側椎骨動脈へ guiding catheter の留置 を試みたが両側鎖骨下動脈の蛇行,左椎骨動脈の rolling により留置でき なかった.このため SAH day 18 に全身麻酔下に右胸鎖乳突筋前縁に沿っ て約 10cm の linear skin incision を加え右椎骨動脈 V1 segment を剥離露出し た.血管撮影室に移動し右椎骨動脈に 7Fr.Shuttle sheath を挿入,stent 併 用コイル塞栓術を行った.術後の MRI 拡散強調画像では新たな脳梗塞巣 は認めなかった.直接穿刺による椎骨動脈への guiding catheter の利点と欠 点につき考察する.

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破裂脳動脈瘤コイル塞栓術中に予期せずマイクロカテーテル内で離 脱してしまったコイルの回収に工夫を要した 1 例

永冨脳神経外科病院 放射線科1)

大分大学 医学部 放射線科2)

新別府病院 放射線科3)

鶴見病院 放射線科4)

永冨脳神経外科病院 脳神経外科5)

堀 雄三1) 道津剛明1) 清末一路2) 岡原美香3) 田上秀一2)

Hori Yuzo

相良佳子4) 柏木淳之2) 島田隆一2) 井手里美3) 浅野智重5)

永冨裕文5) 森 宣2)

【症例】85 歳女性.くも膜下出血で発症した左内頚動脈 - 後交通動脈分岐 部破裂脳動脈瘤の患者である.H&K grade 4,JCS III-100.高齢であり,

全身状態も不良であることから全身麻酔下に血管内治療を行うこととし た.【血管内治療】ダブルマイクロカテーテル法で治療を行った.5Fr ガ イディングシースを左内頚動脈に留置後,2本のマイクロカテーテル(SL-10,Headway)を瘤内に誘導し,それぞれから Hydroframe 12mm/43cm を 挿入してフレーミングを試みた.良好なフレームを形成するためコイル を何回か巻き直していたら,マイクロカテーテル内でコイルが 2 本とも 離脱してしまった.コイルはマイクロカテーテル内に 20cm 以上残ってお り,回収する必要があった.しかし回収用のグースネックマイクロスネ アキットは少なくとも 1 本のマイクロカテーテルを抜去しないと 5Fr ガ イディングシース内には入らない.2 本のコイルは絡まっているので,2 本同時に抜去しなければならないといった状態であった.そこで,

Excelsior1018 の先端から 30cm 近位部に 21G 注射針でサイドホールを開け て,自作のモノレールカテーテルを作成した.マイクロカテーテルのハ ブを切断後,スネアループの中に 2 本のマイクロカテーテルを通して,

超広頚脳底動脈先端部瘤に対するコイル塞栓術の工夫―“Alpha”

horizontal stent delivery technique―

豊田会 刈谷豊田総合病院 脳神経外科1)

長倉正宗1) 大島共貴1) 西澤俊久1) 加藤恭三1)

Nagakura Masamune

【背景】大型超広頚脳底動脈先端部瘤の治療は,これまでに様々な工夫を して治療されてきたが,未だに治療困難な症例が多い.今回,ステント を 1 本使い,良好なコイル塞栓ができた症例を経験したので,その工夫 を紹介する.【症例】77 歳,女性.頭痛の精査でみつかった,最大径 15.7mm の脳底動脈先端部瘤.両側ともに後交通動脈(Pcom)はなかった.

ステント併用のイル塞栓術を行なった.4Fr. Fubuki 120cmを瘤内まで誘導.

ステントデリバリーカテーテル (Prowler SP)を動脈瘤壁に優しく沿わせ て,アルファ型のまま片方の後大脳動脈(P1)へ誘導した.ステントを P1 から水平に動脈瘤頚部へ展開した.その際,Prowler SP がアルファ型 を保つように,4Fr. Fubuki はうまく支えとなった.両側 P1 を完全に温存 して,密にコイル塞栓できた.【考察】本法は,Pcom 経由の水平ステント,

Y- ステント,ワッフルコーンステントなどに加わる治療オプションとな り得る.

隣接する 2 個の未破裂内頚動脈瘤に対して Enterprise stent を 用いた Semi-jailing technique で一期的に瘤内塞栓に成功した 1 例

医真会 八尾総合病院 脳神経外科1)

医真会 八尾総合病院 放射線科・脳血管内治療科2)

奈良県立医科大学 放射線科3)

木村僚太1) 高山勝年2) 明珍 薫2) 和田 敬3) 吉川公彦3)

Kimura Ryota

中川裕之3) 黒川紳一郎1)

【背景】Enterprise(EP)を用いた脳動脈瘤塞栓術では通常 Jailing technique

(JT)が用いられることが多いが,マイクロカテーテル(MC)がステン トで固定されているため MC の先端の位置を変更したい場合には MC 操 作性は悪く,ステントのストラットを通して MC を再挿入する(Transcell technique)ことを余儀なくされる場合が多い.一方 Semi-jailing technique

(SJT)はステントを完全に展開しない状態で手技を行うため JT に比べ MC の操作性は良い.今回隣接する 2 個の未破裂内頚動脈瘤に対して EP を用いた SJT を用いて一期的に瘤内塞栓に成功した一例を経験したので 報告する.【症例】70 歳男性.22 年前に左内頚動脈 C2 後壁未破裂脳動脈 瘤に対して被包術を施行され,以後経過観察されていた.follow-up の 3D CTA で C2 後壁動脈瘤はやや増大し(長径 3.2mm),後交通動脈分岐部に も新たに動脈瘤(長径 3.5mm)が認められため EP を用いたコイル塞栓術 を施行した.全身麻酔下で最初に MC を後交通動脈瘤に留置し,EP 4.5mm × 22mm を左中大脳動脈から内頚動脈にかけて 2 個の動脈瘤の neck を覆うように部分的に展開後にコイル塞栓術施行し完全閉塞が得られた.

次に C2 後壁瘤内に MC を入れなおして,コイル塞栓術施行し完全閉塞が 得られた.その後 EP を完全に展開し手技を終了した.術後合併症無く退 院された.【結語】隣接した 2 個の脳動脈瘤に対する EP を用いたコイル 塞栓術において SJT は考慮してもよい方法と考えられた.

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