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年 1 月から平成 25 年 2 月までに入院した 13 例の脳梗塞で,

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年齢は 60 歳 -92 歳,男性 7 例,女性 6 例,CT/MRI で橋梗塞 4 例,皮質 梗塞 1 例,内頚動脈閉塞 2 例,中大脳動脈閉塞 1 例,皮質梗塞 2 例,基 底核梗塞 1 例,その他 2 例と診断された.病変は主に穿通枝領域または 小さな皮質の梗塞で,運動障害(MMT:0-1/5)や運動性失語などを呈した.

発症後 4 日までに DSA を施行,主幹動脈に閉塞がないのを確認後,IC 遠位,M1,VA,basilar 近位で urokinase 6-12 万 U/ 生食 5ml を約 5-10 分 で動注した.直後,数日後の神経症状の変化を検討した.【結果】動注直 後 -2 時間で運動麻痺改善(上肢または下肢の MMT;3/5 以上)が 5/13 例,

運動性失語の改善が 2/3 例で認め,運動機能の改善は維持された.神経 症状や翌日の CT では,神経症状の悪化や脳出血等の合併症はなかった.

【結論】高齢者の穿通枝梗塞や皮質梗塞の亜急性期に 6-12 万 U/urokinase を動注し,直後ないし 2 時間で症状改善が 13 例中 7 例にみられた.脳梗 塞巣近傍で血栓溶解によりフェナンブラ部分が,機能回復に関与すると 推察された.

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内頚動脈狭窄症における狭窄度・血流速度・脳血流と脳梗塞の大き さの検討

山口大学大学院 医学系研究科 脳神経外科1)

貞廣浩和1) 石原秀行1) 岡 史朗1) 奥 高行1) 稲村彰紀1)

Sadahiro Hirokazu

五島久陽1) 鈴木倫保1)

【背景】頚部内頚動脈狭窄を原因とするアテローム血栓性脳梗塞では,

watershed 領域に散在する小梗塞が特徴的だが,皮質領域に中等度の脳梗 塞を起こす症例もある.狭窄度・血流速度・脳血流と脳梗塞の大きさが どのように関係するか検討した.【方法】2009 年 4 月より 2013 年 6 月ま でで,頚部内頚動脈狭窄を原因とするアテローム血栓性脳梗塞の患者さ んを対象とした.狭窄度と最高血流速度を測定し,病側の中大脳動脈領 域の脳血流を stage 0,I 群と stage II 群に分類した.脳梗塞の最大径を MRI にて測定した.【結果】55 症例が該当した.男性 50 人,女性 5 人で 平均年齢は 72.8 歳であった.最高血流速度> 400cm/s と最高血流速度<

400cm/s に分類すると,< 400cm/s 群で梗塞径が大きかった(17.3mm vs.

8.4mm,p < 0.05).stage 0,I 群では stage II 群に比し梗塞径が大きかった

(19.4mm vs.7.8mm,p < 0.01).【考察】狭窄度が高く血流速度が上昇すれ ば微少な血小板血栓が塞栓し,一方で狭窄度が低ければ plaque rupture 主 体の比較的大きな血栓が塞栓する可能性が示唆された.wash-out theory か ら考えれば,血流がより低下している方が小さな塞栓でも症候性となる 可能性が示唆された.

ポスターセッション 2日目

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新たなハイブリッド型脳動脈瘤塞栓支援ステントの開発の試み 藤田保健衛生大学 医学部 脳神経外科1)

名古屋大学 工学部マイクロナノシステム2)

一宮西病院 脳神経外科血管内治療センター3)

藤田保健衛生大学 脳神経外科4)

入江恵子1) 小嶋真弘2) 根來 眞3) 福田敏男2) 廣瀬雄一4)

Irie Keiko

【目的】脳動脈瘤塞栓術に Enterprise VRD が用いられ治療困難であった広 径動脈瘤に対する有用性が期待されている.一方,欧米では脳動脈瘤血 流改変ステントである flow diverter が普及し良好な治療結果が報告されて いる.しかし,合併症のひとつとして遅発性出血も報告されており,著 しい血流改変により瘤内の血流動態が急激に変化することが出血の原因 と考えられている.我々は Enterprise よりも血流改変効果が強く,strut を 介してコイルの留置も可能な Hybrid 型の脳動脈瘤塞栓支援ステントを考 案した.【方法】脳動脈瘤モデルは患者 3D DSA から得られたデーターよ り作成した.Enterprise はマイクロ CT を用いて撮像し STL として出力 した.Hybrid 型のステントは Enterprise と flow diverter(Pipeline)の中間 の coverage rate でマイクロカテーテルが誘導可能な構造とした.これらの ステントがもたらすの血流動態変化をコンピューター数値流体力学解析

(CFD)を用いて比較検討した.【結果】Enterprise を留置後,瘤内の血流 はわずかに減少した.Hybrid 型は Enterprise に比較して血流改変効果が強 く strut を通過した部分で著明に血流が低下する傾向を認めた.一方,

Pipeline は strut 部分に比較し瘤全体に血流減少傾向を認めた.【結論】

Hybrid 型ステントは Enterprise に比較して血流改変効果が強くコイルの留 置も可能なステントデザインを有することより,今後,急性期において も効果的な塞栓が期待できる.

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当院における鈍的頭頚部血管損傷に対する治療戦略―血管内治療の 有効性について―

三重大学 医学部 救命救急部1)

三重大学大学院 医学系研究科 脳神経外科学2)

山本章貴1) 佐野貴則2) 梅田靖之2) 阪井田博司2) 鈴木秀謙2)

Yamamoto Akitaka

【背景】鈍的外傷による頭頚部血管損傷は比較的稀な病態であるが,重篤 な脳卒中をきたすことがあり,早期発見,治療が重要である.我々は急 性期に整復を要する頚椎損傷,および重度の外傷性くも膜下出血が認め られる症例に対して 3D-CT angiography にて頭頚部血管の評価を行い,血 管損傷を伴っている症例に対しては積極的に血管内治療を行っている.

今回鈍的頭頚部血管損傷に対する血管内治療の有効性について検討した.

【対象と方法】2011 年 4 月から 2013 年 3 月の期間に当院へ搬送された鈍 的外傷患者 322 例を対象とし,損傷血管,損傷形態,治療方法について 検討した.【結果】7 例,8 血管の鈍的頭頚部血管損傷が認められた.損 傷血管は,椎骨動脈 5,内頚動脈 3,後交通動脈 1 であった.損傷形態では,

Denver Grade 2 が 1,Grade 3 が 1,grade 4 が 4,Grade 5 が 1,Carotid Cavernous Fistula が 1 であった.全例に対し血管内治療を行い,生存した 症例においては経過中に脳卒中の発生は認められなかった.【考察】鈍的 頭頚部血管損傷に対し,多発外傷などにより抗血栓療法ができない症例や,

急性期に頚椎整復固定が必要な症例においては,血管内治療が有効な治 療方法と考えられる.

脳血管内治療における 3D-Xe-CT 脳血流測定の有用性 美原記念病院 神経内科1)

美原記念病院 脳神経外科2)

美原記念病院 脳卒中部門3)

木村浩晃1) 赤路和則2) 鈴木健太郎3) 高橋里史2) 狩野忠滋2)

Kimura Hiroaki

谷崎義生2) 美原 盤1)

【目的】320 列 area detector CT を用いて Xe-CT を撮影し,従来の軸位断 のみの画像だけでなく全脳のボリュームデータや任意の断面像で脳血流 を評価することが可能となった.この画像評価法を用いた,脳血管内治 療を計画する症例における脳血流評価の有用性について検討した.【方法】

CT 装置は東芝メディカルシステムズ社製 Aquilion ONE を用いた.Xe ガ ス吸入は当院で従来採用している Xe ガス濃度 27%,3 分吸入 -4 分排出法 のプロトコールで行った.その間 8 回の撮影を行い,脳血流量マップ,

脳組織・血液分配係数(λ)マップ,信頼性マップを作成した.得られ た脳血流量マップデータを,SPECT で用いられている局所脳血流量測定 ソフトウェアである 3DSRT で解析した.従来の軸位断 2 ~ 6 スライスで の評価法との比較を行った.【結果】頚動脈狭窄症に対する頚動脈ステン ト留置術前の症例でダイアモックス負荷 Xe-CT を撮影した.従来法では 定性的評価にとどまるか,さらに定量的評価を行おうとすると手動で関 心領域を設定してから,各スライスでの関心領域内の局所脳血流値の加 重平均を求めるために 45 分を要していたが,新しい解析法では 10 分で 負荷前患側・健側比,脳循環予備能率が評価可能となった.【結論】320 列 area detector CT を用いて Xe-CT を撮影し局所脳血流量測定ソフトウェ アで解析を行うことで頚動脈ステント留置術前症例の脳血流評価を短時 間で行うことが可能となった.実際の臨床例を含めて提示を行う.

Pre-vertebroplasty embolization versus pre-embolization vertebroplasty

Departments of Neurology, Alexandria University School of Medicine, Alexandria, Egypt1)

Departments of Neurosurgery,Alexandria University School of Medicine, Alexandria, Egypt2)

Abdel Hady Mohammed1) Abdeen Khaled2) Aziz Waseem2)

Abdel Hady Mohammed

Vertebral hemangiomas have a rare incidence among causes of spinal cord compression. They can be divided according to histopathology, symptomatology, clinical course, mechanism of spinal cord damage and radiologic constitution.

Surgical decompression used to be the gold standard with its complications, so we present a case series of six patients with vertebral hemangiomas of different management strategies-together with literature review- aiming at addressing two issues: first the merits and disadvantages of pre-vertebroplasty embolization versus pre-embolization vertebroplasty. The second is the sole reliance on successive embolization as a safer substitute to usual surgical choice.

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Enoxaparin, a low-molecular-weight heparin therapy for prevention of thromboembolic complications associated with coil embolization of cerebral aneurysms

Departments of Neurosurgery, Faculty of Medicine, Alexandria University1)

Aziz Waseem1)

Aziz Waseem

【BACKGROUND AND OBJECTIVES】Despite its limitations, unfractionated heparin is the traditionally used anticoagulant during endovascular treatment of cerebral aneurysms to prevent thromboembolic complications; it produces a highly variable anticoagulation response. The aim of this study was to compare the efficacy of enoxaparin to that of unfractionated heparin for the prevention of thromboembolic complications during coil embolization of cerebral aneurysms.【PATIENTS AND METHODS】In a prospective manner, twenty two patients received intravenous enoxaparin. Clinical performance of enoxaparin was assessed by the peri-interventional rate of thromboembolic complications. Radiological performance was assessed by detection of any angiographic thromboembolia in the approached vessels during the procedure and by using a 24 hours post-coiling MRI with diffusion weighted imaging (MRI-DWI) to detect high intensity areas.【RESULTS】

Clinical assessment showed a better performance of enoxaparin than that of unfractionated heparin (1/22 [4.5%] vs. 5/52 [9.6%] ; P = 0.47). Radiological assessment showed significantly less events in enoxaparin treated patients (2/22 [9.1%] vs 10/52 [19.2%] ; p = 0.28).【CONCLUSION】Intravenous enoxaparin is an effective and safe alternative to unfractionated heparin for the prevention of thromboembolic complications during coil embolization of cerebral aneurysms.

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Feasibility of Short TE and contrast-enhanced magnetic resonance angiography for the follow-up of cerebral aneurysm cases treated by SILK stent

Departments of Neurosurgery, Alexandria University School of Medicine1)

Departments of Radiodiagnosis, Alexandria University School of Medicine2)

Aziz Waseem1) Elserafy Mohamed2) Elnekiedy Abd2)

Aziz Waseem

【OBJECTIVE】Magnetic resonance angiography is sometimes used as an alternative to conventional angiography for the assessment of aneurysms after endovascular treatment as it is noninvasive imaging technique. Short TE and contrast enhanced MRA techniques can be applied to optimize image quality. The aim of this study was to determine the feasibility and usefulness of Short TE and contrast-enhanced magnetic resonance angiography for follow-up of intracranial aneurysms treated using the Silk stent.【METHODS】Three aneurysm cases treated using SILK stent were followed-up with contrast-enhanced magnetic resonance angiography, and digital subtraction angiography (DSA). Visualization of parent artery lumen, branch vessel patency, and the degree of aneurysm occlusion were analyzed prospectively.【RESULTS】Contrast-enhanced MRA sufficiently demonstrated parent artery lumen, branch vessel patency and aneurysm progress of occlusion distinctly and clear enough as DSA did in all cases.【CONCLUSIONS】

For the follow-up of cases after endovascular treatment of giant and large aneurysms using SILK stent, Contrast-enhanced MRA may provide a higher visualization of the parent arteries when compared with TOF, because it avoids susceptibility artifacts caused by the stent. Also it provides less invasive follow-up option for the evaluation of the progress of aneurysm occlusion.

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脳動脈瘤塞栓術における GDC 3D Shape Detachable Coils の 有用性

名古屋大学 脳神経外科1)

福島県立医科大学 脳神経外科学講座2)

田島隼人1) 宮地 茂1) 泉 孝嗣1) 松原功明1) 浅井琢美1)

Tajima Hayato

山之内高志1) 太田圭祐1) 織田恵子2) 若林俊彦1)

【目的】広柄動脈瘤においては frame coil が逸脱する傾向が強くアシストテ クニックを要することが多いが,分枝が瘤ネックから出ている場合には 温存するためにネックを意図的に残す framing が必要である.コイリング 困難な上記動脈瘤に対する GDC 3D Shape Detachable Coils(GDC 3D)の 有用性について検討した.【方法】対象は 2011 年 5 月から 2013 年 5 月ま でに GDC 3D を用いて動脈瘤塞栓術を施行した 32 人 33 例の動脈瘤(男 10 人,女 22 人,破裂瘤:2 例)である.部位別内訳は前交通動脈瘤:5 例,

鞍上部内頚動脈瘤:9 例,傍鞍部内頚動脈瘤:9 例,中大脳動脈瘤:4 例,

後方循環:6 例であった.サイズは 25mm 以上:1 例,5-10mm:25 例,

3-5mm:5 例であった.dome/neck ratio は平均 1.33 であった.アシストテ クニックは balloon assist:9 例,double catheter:11 例,stent assist:3 例,

combination:2 例であった.【結果】GDC 3D を第一選択としたのが 17 例,

他のコイルで frame をつくれず GDC 3D に変更した症例が 16 例であった.

全例で良好な frame が形成され有効な packing が行えた.GDC 3D 留置に 起因する有害事象は認めなかった.【結論】ネックがない超広柄瘤やネッ クから分枝が出ている瘤に対して,その温存を目的とする場合に GDC 3D は initial coil として極めて有用な三次元コイルであり,アシストテクニッ クの併用で安定した frame を形成することができる.

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ステント支援下コイリングの有効性―特にコイリングの適応拡大の 視点から―

悦伝会 目白病院 脳神経外科1)

前川正義1) 福田清輔1) 粟屋 栄1)

Maekawa Masayoshi

コイリングが困難な動脈瘤は,瘤までのアクセスルートの問題を除けば,

その大きさと形に大きく依存する.具体的には,1 本目のコイル径が 2.5mm 以下の場合,中大脳動脈 M1M2 分岐部瘤などの分岐血管の開存確 保が困難な場合,内頚動脈の広頚部動脈瘤のような親血管の開存確保が 困難な場合,である.ただし,内頚動脈の広頚部大型動脈瘤は敢えて頚 部を残すような戦略で臨めば,比較的容易に思惑通りのコイル塞栓が行 うことができる.コイリングに残された宿題は,小さい動脈瘤と分岐血 管の開存確保への対応の 2 点と言っても過言ではなかった.そこにコイ リング支援道具として頭蓋内ステントが登場,繁用可能な環境が整いつ つある.個人的には,頭蓋内ステントはこれらの宿題に対する答案例と なる印象を強く持っている.実際の頭蓋内ステントの使用症例を提示し,

特にコイルの瘤外逸脱防止と分岐または親血管の開存確保の観点から,

その有効性を強調したい.

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