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例に,胆管用 covered stent と Penumbra Coil 400(PC400)を用いたので,その pitfall も

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含め報告する.【症例】64 歳男性.食道癌への咽頭喉頭頚部食道切除術お よび放射線治療後に,中咽頭での創離開から外頚・総頚動脈周囲に膿瘍 を形成した.炎症波及による頚動脈破裂が危惧され,その予防目的で紹 介された.最も破裂の可能性が高い,膿瘍に近接した外頚動脈は PC400 で塞栓し,内頚動脈には中等度狭窄があったが,その遠位から covered stent を留置することとした.まず 8Fr Shuttle を右橈骨動脈からの Snare を用いて,type3 大動脈弓の右総頚動脈低位に引き上げ把持した.PX catheter 2 本から交互に PC400 を留置して外頚動脈を塞栓した.次いで Niti-S 8mm/8cm を留置したが頚動脈分岐部で endoleak を生じ,後拡張で圧 着を試みた.その間に stent 内に slow flow が生じ,最狭窄部位で flow が停 滞していると判断し PTA を追加したところ,解除された.Niti-S 6mm/8cm を総頚動脈低位にまで留置すると endoleak も消失した.症候性 合併症はなかった.【考察・結語】Covered stent の構造上,通常許容範囲 と思われる狭窄でも slow flow をきたす可能性があり,十分な拡張が必要 と考えられた.

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緊急血管内治療にて救命し得た Carotid blow-out syndrome の 2 症例

久留米大学 医学部 脳神経外科1)

竹内靖治1) 中村普彦1) 折戸公彦1) 広畑 優1) 森岡基浩1)

Takeuchi Yasuharu

【はじめに】Carotid blow-out Syndrome(CBS)は頭頚部手術後の放射線治 療後や創部感染によって頚部頚動脈が破裂する致死的な病態であり,発 生頻度は 3-5%,術後神経学的合併症が 60%,致死率は 40% と報告されて いる.今回われわれは緊急血管内治療を行い救命し得た CBS の 2 症例を 経験したため報告する.【症例 1】59 歳,男性.食道癌術後再発に対する 救済手術(喉頭食道摘出術,遊離空腸再建術,縦隔気管孔造設術)後に,

創部感染による左総頚動脈偽性動脈瘤を認めていた.動脈瘤破裂による 出血性ショックにて当科紹介.Balloon occlusion test(BOT)を施行後,頚 動脈温存のため covered Stent を留置.術後経過良好であったが感染創か らの出血が持続し,術 12 日目に死亡退院となった.【症例 2】31 歳,男性.

急性頚部腫脹による気道閉塞に対して緊急気管切開術を施行.精査にて 右頚部内頚動脈偽性動脈瘤を認め,当科紹介となった.術前 BOT では神 経学的には tolerable の状態であったが stump pressure 低値であったため,

頚動脈温存を目的として telescopic stenting を施行した.しかしながら術後 6 病日にて再出血を認め,Parent artery occlusion + STA-MCA bypass の追 加治療を施行した.術後明らかな神経症状の出現なく,自宅退院となった.

【結語】CBS に対する血管内治療は,全身状態により BOT が施行できな い場合や再出血などの問題点はあるものの,可及的な救命を目的とした 場合,低侵襲かつ有効な治療と考えられた.

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Covered Stent を用いた大型頚部頚動脈瘤に対する血管内治療 富山大学 医学部 脳神経外科1)

柏崎大奈1) 桑山直也1) 秋岡直樹1) 黒田 敏1)

Kashiwazaki Daina

【背景】頚部頚動脈瘤は稀であり,確立された治療法がない.過去の報告 では,動脈瘤を切除し内頚動脈を端端吻合し再建するものや,high flow バ イパスにより動脈瘤を ligation するなどの治療法が散見された.一方で,

血管内治療は瘤内塞栓が困難なため報告が少ないが,Covered stent を用い た治療が症例報告されている.当院にて 2 例の大型頚部頚動脈瘤に対す る血管内治療を行った.過去の文献とあわせて報告する.【対象】2010 年 ト 2013 年に治療した 2 例を対象とした.【症例 1】54 歳男性糖尿病の既 往があり 39℃の高熱の後に頚部腫瘤が出現した.血管撮影では約 30mm の動脈瘤を認め,病態は感染性動脈瘤と考えた.治療は Covered stent を 挿入し動脈瘤内への造影が消失した.術後は急速に動脈瘤の縮小が見ら れた.【症例 2】23 歳男性 先天性心疾患で開胸手術の既往がある.小学 生のころから頚部の腫脹を訴えていたが経過観察していたが徐々に増大 し,当科に紹介となった.血管撮影では約 60mm の動脈瘤であった.病態 は不明だが解離の可能性を最も高いと考えた.Covered stent を挿入したと ころ動脈瘤への造影が消失し術後は血栓化が観察された.【考察】頚部頚 動脈瘤は,罹患率が低い疾患であり一定の確立された治療法が無い.病 態としては感染,解離,結合組織疾患が背景に存在する場合など多種多 様であるため治療法の確立を困難にしている.我々が経験した 2 症例は いずれも経過が良好であり動脈瘤の縮小,血栓化が確認できた.外科手 術が困難な場合では Covered stent で治療できる可能性がある.

ポスターセッション 2日目

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Image fusion を活用した海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻の病態把握と 治療の検討

浜の町病院 脳神経外科1)

新古賀病院 脳卒中脳神経センター脳神経外科2)

浜の町病院 放射線科3)

山口慎也1) 伊藤 理2) 高岸 創1) 田中厚生3) 松角宏一郎1)

Yamaguchi Shinya

【はじめに】硬膜動静脈瘻の治療を行う場合,feeding artery の集約状況や シャント部 sinus の構築,draining vein の流出部位等の正確な把握が必要だ が,それには時間と熟練を要する.今回我々は,海綿静脈洞部動静脈瘻 に対し Image fusion を活用してその病態把握と加療の検討を行った.その 有用性を報告する.【対象】対象は当院に Ziostation を導入した 2011 年 3 月~ 2013 年 7 月に加療を行った動静脈瘻 21 例のうち海綿静脈洞部動静 脈瘻の 5 症例.男性 2 女性 3,平均年齢 65.2y (48y-77y).【方法】症例ご とに DSA,3DRA,3DCT,TOF MRI を可能な限り施行した.得られた data を Ziostation 転送し fusion 画像を作成し解析した.行った Image fusion は 1)3DRA-3DRA fusion,2)3DCT-3DRA fusion,3)TOF MRI-3DRA Source Image fusion の 3 通りで,1)は feeding artery の集約状況や罹患 sinus の構築状況の確認.2)は頭蓋骨とシャントの位置関係の把握による シャント部へのマイクロカテの挿入点の予測.3)は RLVD の分岐部,走 行状況を確認に用いた.【結果】3DRA-3DRA fusion は feeding artery の集約 状況やシャント部 sinus の構築の把握に,3DCT-3DRA fusion マイクロカテ ーテルのシャントへの挿入点予測に,TOF MRI- 3DRA source image fusion は RLVD の状況確認にそれぞれ有用であった.その情報をもとにシャン ト部の正確な病態を把握し治療計画をたて良好な治療結果が得られた.【結 論】海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻に対する Image fusion を用いた治療計画検 討は,個別の image のみでの検討に比してより正確な状態の把握を行い得

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血栓化下錐体静脈洞を伴った海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻の TVE に おける造影 3-D MR venography の有用性についての検討 秋田大学 医学部 放射線科1)

秋田大学 医学部 脳神経外科2)

高橋 聡1) 大谷隆浩1) 古賀 誠1) 菅原真人1) 浅野友之1)

Takahashi Satoshi

高木倫子1) 橋本 学1) 柳澤俊晴2) 溝井和夫2)

【目的】海綿静脈洞 dAVF(CSdAVF)の TVE に際し,血栓化 IPS 例で の造影 3D MRvenography の検討を行った.【方法】対象は,閉塞 IPS 経由 の TVE が試みられた CSdAVF18 例の 22 閉塞 IPS と海綿静脈洞採血を行 った Cushing 病 9 例 18IPS の合計 40IPS.IPS 閉塞は脳動脈造影での閉塞 とした.全例手技前に造影 3D MRV が行われた.CSdAVF15 例 16IPS と Cushing 病全例の 18IPS にカテによる IPS venography も行われた.元画像 を含む MRV と IPSveno 各々を 2 名の神経放射線科医の合意のもと,

4grade に分類した.Grade1:IPS は全く描出されず.Grade2:IPS は一部 のみ描出.Grade3:IPS 全体が造影されるが一部に狭窄あり.Grade4:

IPS 全体が造影され狭窄なし.【結果】静脈採血 group では,MRV と IPSveno 各々で 18IPS 全例が grade4 に分類された.CSdAVFgroup で IPSveno が 行 わ れ た 16IPS が Grade1:3(18.7%),Grade2:8(50%),

Grade3:5(31.3%),Grade4:0(0%) に 分 類 さ れ,MRV の 22IPS が Grade1:0(0%),Grade2:3(13.6%),Grade3:5(22.7%),Grade4:14(63.6%)

だった.CSdAVFでは1例を除く全例でTVEが完遂されAVFが消失した.

【結論】造影 3D MRV では血栓化閉塞 IPS でも描出され,TVE の際の angio map として有用である.

椎骨動脈起始部近傍のステント留置術における IVUS の役割 横浜新都市脳神経外科病院1)

疋田ちよ恵1) 服部伊太郎1) 尾崎 聡1) 根本哲宏1) 岩崎充宏1)

Hikita Chiyoe

桑原孝之1) 猪原正史1) 森本将史1)

【はじめに】鎖骨下動脈狭窄症に対してステント留置術を行なう際,DSA では対象血管と母血管の分岐角度によって適切な位置決めが困難な場合 がある.当院にて術中の IVUS 使用がステント留置の適切な位置決めに 有用だった症例を経験したので報告する.【材料,方法】症例 1)66 歳,

男性.意識消失発作を繰り返し,右鎖骨下動脈高度狭窄に伴う subclavian steel syndorome の診断でステント留置術を施行.ステント留置直前に IVUS,Eagle eye platinaum(VOLCANO Japan)を用いて血管内腔より,大 動脈弓からの鎖骨下動脈分岐部の位置を確認.血管撮影上,IVUS 上での 分岐部の場所は大動脈弓内に見えたが,マーキングを行い,鎖骨下動脈 分岐部にステントを留置した.症例 2)46 歳,女性.大動脈炎症候群に てフォロー中に左上肢脱力としびれを自覚.左椎骨動脈分岐直後の遠位 に鎖骨下動脈高度狭窄を認めステント留置を施行.先と同様にして椎骨 動脈の分岐部を同定し,椎骨動脈起始部を温存し,ステントを留置した.【考 察・結論】IVUS を用いたマーキングによって,DSA だけでは判別しに くい鎖骨下動脈や椎骨動脈の起始部の位置がより正確に把握できた.こ の方法は鎖骨下動脈ステントを適切な位置に留置するのに有用と考える.

進行性脳梗塞を呈した Persistent primitive proatlantal artery の狭窄病変に対してステント留置術を施行した 1 例

福岡大学筑紫病院 脳神経外科1)

江藤 歩1) 中井完治1) 尤 郁偉1) 坂本王哉1) 相川 博1)

Eto Ayumu

伊香 稔1) 堤 正則1) 溝上泰一朗1) 光武尚史1) 花田迅貫1)

風川 清1)

【目的】頚動脈系と椎骨脳底動脈系とを結ぶ血管破格として,persistent primitive proatlantal artery(PPPA)が知られているが,PPPA 自体に対し て血管内治療を行った報告は過去に 1 例しかない.今回,進行性脳梗塞 を呈した PPPA の起始部狭窄病変に対して頚動脈ステントを用いた血管 内治療を行い,良好な経過を得た症例を経験したため報告する.【症例】

71 歳男性.一過性左片麻痺出現し,頭部 MRI にて右視床に新鮮脳梗塞像 を認めた.内科的加療中,右小脳に新鮮脳梗塞出現を認めた.脳血管造 影検査にて高度狭窄を伴った PPPA を認め,PPPA 自体による artery to artery embolism が病態の原因と考えられた.内科的治療に抵抗性であり,

血管内治療の適応であると考え,ステント留置術を施行し,良好な拡張 を得た.【結語】PPPA を合併した内頚動脈狭窄に対するステント留置の 報告は過去に散見されるが,PPPA 自体に対する血管内治療は渉猟し得 た限りでは,狭窄部のみを冠動脈用ステントを用いて治療し得た 1 例報 告しかなく,頚動脈ステントを用いた治療報告例はなかった.非常に稀 な治療例であると考えられ,治療戦略について考察する.

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