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政治・経済(経営情報・国際関係・人文・現代教育学部)

( 解答番号 1 ~ 50 )

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〔Ⅰ〕

次の文章を読み,下の問い(問1~4)に答えよ。

日本国憲法第25条1項では,「すべて国民は, 1 で文化的な最低限度の生活を営む権利を 有する」と定めている。こうした権利は, 2 と呼ばれている。 2 を実現するため,第25 条2項では,「国は,すべての生活部面について,社会福祉,社会保障及び 3 の向上及び増 進に努めなければならない」と定めている。

ただし,憲法第25条の規定は,国のとるべき政策上の方針を定めたものであって,個人に対し て裁判上の救済が受けられる権利を定めたものではないとする考え方があり, 4 と呼ばれる。

最高裁判所は,1967年の 5 訴訟判決や1982年の堀木訴訟判決などでこのような見解を取って いる。

教育権については,憲法第26条で,「すべて国民は,法律の定めるところにより,その能力に 応じて,ひとしく教育を受ける権利を有する」としており,特に,「 6 教育は,これを無償 とする」と定めている。

また,勤労に関しては,憲法第27条で,「すべて国民は, 7 」と定めている。なお,憲法 第28条では,労働者に対して,団結権, 8 ,団体行動権の労働三権を認めている。こうした 権利をより具体的に保障するために,⒜労働基準法,⒝労働組合法,⒞労働関係調整法の労働三 法がある。

上で見たような 2 や教育権,労働に関する権利などは社会権と呼ばれるが,世界的に見て,

このような社会権を初めて認めた憲法として,1919年に制定された 9 憲法が知られている。

問1 文中の空欄 1 ~ 9 に入れるのに最も適当なものを,次のそれぞれのア~エのうち から一つずつ選べ。

1 ア 安全 イ 幸福 ウ 快適 エ 健康 2 ア 幸福権 イ 生活権 ウ 生存権 エ 福祉権

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政治・経済(経営情報・国際関係・人文・現代教育学部)

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BM- BM-No.3

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3 ア 公衆衛生 イ 生活環境 ウ 所得水準 エ 社会関係 4 ア 自己決定説 イ 法的権利説 ウ プログラム規定説

エ 個別的効力説

5 ア 朝日 イ 家永 ウ 大津 エ 三菱樹脂 6 ア 就学前 イ 初等 ウ 公的 エ 義務 7 ア 勤労の権利を有する イ 勤労の自由を有する

ウ 勤労の権利を有し,義務を負ふ エ 勤労の義務を負ふ

8 ア 勤労権 イ 団体交渉権 ウ 争議権 エ 労働権 9 ア スイス イ スウェーデン ウ イギリス エ ワイマール 問2 下線部⒜「労働基準法」についての説明として最も適当なものを,次のア~エのうちから

一つ選べ。

10 ア 労働者の団結権,団体交渉権を保障して労使間の集団交渉を認めた法律。

イ 労働条件の最低基準を示して労働者を保護するための法律。

ウ 労使の自主的な解決が困難な場合に備え,労働争議の調整と予防を目的とする法 律。

エ 労働条件の決定など,労働契約に関する基本的事項を定めた法律。

問3 下線部⒝「労働組合法」についての説明として最も適当なものを,次のア~エのうちから 一つ選べ。

11 ア 労働者の団結権,団体交渉権を保障して労使間の集団交渉を認めた法律。

イ 労働条件の最低基準を示して労働者を保護するための法律。

ウ 労使の自主的な解決が困難な場合に備え,労働争議の調整と予防を目的とする法 律。

エ 労働条件の決定など,労働契約に関する基本的事項を定めた法律。

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BM-No.3 BM-

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問4 下線部⒞「労働関係調整法」についての説明として最も適当なものを,次のア~エのうち から一つ選べ。

12 ア 労働者の団結権,団体交渉権を保障して労使間の集団交渉を認めた法律。

イ 労働条件の最低基準を示して労働者を保護するための法律。

ウ 労使の自主的な解決が困難な場合に備え,労働争議の調整と予防を目的とする法 律。

エ 労働条件の決定など,労働契約に関する基本的事項を定めた法律。

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BM- BM-No.3

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〔Ⅱ〕

次の文章を読み,下の問い(問1~3)に答えよ。

第二次世界大戦後の国際政治の特徴は,アメリカを中心とし,資本主義体制を採用する諸国

(西側)と,ソヴィエト連邦(ソ連)を中心とし,⒜社会主義体制を採用する諸国(東側)とが 激しく対立し,世界を大きく二分した点にある。この2つの体制間の様々な分野での対立は,冷 戦と言われ,ヨーロッパからアジア,さらに全世界にひろがっていった。特に1949年にアメリカ と西ヨーロッパ諸国によって結成された 13 と,1955年にソ連・東欧諸国によって結成された 14 が,それぞれ東西両陣営内での軍事同盟の役割を果たした。この冷戦は1989年に,アメリ カのブッシュ大統領と,ソ連の 15 書記長との間で行われた 16 にて終結が宣言された。し かし,社会主義体制を採用する東欧諸国では,同年, 17 が崩壊し,民主化が進展した。さら に,1991年には東側陣営の中心である⒝ソ連自身が解体した。ソ連崩壊の一因としては,1979年 からの 18 侵攻に伴う軍事予算の拡大が国家財政を圧迫したとの見方がある。ソ連の 18 侵 攻は失敗に終わったばかりか,タリバンなどイスラーム原理主義勢力の台頭を招くことになる。

ポスト冷戦と言われる1990年代の国際情勢は,東欧と中東,そしてアフリカで紛争が続発した ことが特徴の一つである。東欧では多民族によって構成されていたユーゴスラヴィア連邦の解体 と,それに伴う民族・宗教対立による内戦が1991年から始まった。特に旧ユーゴスラヴィア内で のコソヴォでの紛争には,1999年に 13 が介入を行った。中東では1990年に, 19 大統領を 指導者とする 20 が,隣国クウェートに侵攻した。これに対して, 21 を中心とした多国籍 軍が編成され, 20 を攻撃した。これを 22 と呼ぶ。またアフリカでは,ツチ族とフツ族間 の民族問題に端を発した 23 での紛争・虐殺事件や,ソマリアの内戦などが生じた。

問1 文中の空欄 13 ~ 23 に入れるのに最も適当なものを,次のそれぞれのア~エのうち から一つずつ選べ。

13 ア 北大西洋条約機構 イ 米州機構 ウ 欧州安全保障協力機構 エ 欧州経済共同体

14 ア 上海条約機構 イ コミンテルン ウ コミンフォルム エ ワルシャワ条約機構

15 ア フルシチョフ イ アンドロポフ ウ ゴルバチョフ エ スターリン 16 ア ヤルタ会談 イ マルタ会談 ウ リスボン会議 エ バンドン会議

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17 ア ブダペストの壁 イ ワルシャワの壁 ウ ベルリンの壁 エ プラハの壁

18 ア アフガニスタン イ イラン ウ パキスタン エ カザフスタン

19 ア アサド イ カダフィ ウ フセイン エ ホメイニ 20 ア トルコ イ イラク ウ イラン エ チュニジア 21 ア ドイツ イ アメリカ ウ フランス エ イスラエル 22 ア アラブの春 イ ジャスミン革命 ウ インティファーダ

エ 湾岸戦争

23 ア ルワンダ イ アンゴラ ウ リベリア エ コートジボワール

問2 下線部⒜「社会主義」にかかわる著作の説明として正しいものを,次のア~エのうちから 一つ選べ。

24 ア エンゲルスは『帝国主義論』を著して,金融資本の構成を解明し,革命を正当化し た。

イ エンゲルスは『隷属への道』を著して,従属理論を展開,資本主義から社会主義へ の移行は必然であると主張した。

ウ マルクスは『資本論』を著して,資本主義を批判的に分析,資本主義から社会主義 への移行は必然であると主張した。

エ マルクスは『人口論』を著して,人口ボーナスによる社会主義経済の発展効果を解 明し,資本主義から社会主義への移行は必然であると主張した。

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問3 下線部⒝「ソ連自身が解体」について,その後に起こったことの説明として最も適当なも のを,次のア~エのうちから一つ選べ。

25 ア 権力の空白から,チェルノブイリ原発事故が発生した。

イ ユーリヤ・ティモシェンコが大統領となって,ロシア民主共和国が成立した。

ウ ロマノフ朝ロシア帝国が復活した。

エ 旧ソ連構成国が中心となって,CIS(独立国家共同体)が組織された。

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BM-No.3 BM-

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〔Ⅲ〕

次の文章を読み,下の問い(問1~7)に答えよ。

日本は,資本主義経済のもとで,基本的には市場メカニズムに信頼をおいた経済体制となって いる。市場経済においては,売り手はつねに 26 を追求し,買い手は自己の満足を高めるよう に行動している。こうした利己心による自由な競争を通じて社会全体の利益となる望ましい状況 が達成されることになる。

この市場メカニズムを通じて 27 の効率的な配分が達成されるのであるが,このとき重要な 役割を果たしているのが価格である。 A と B が一致しなければ,価格が上下することで 両者を一致させるように調整される。⒜下の図は,ある商品の右下がりの A 曲線と右上がり の B 曲線を図示したものである。たとえば,価格が 28 円のときには,200個の売れ残り が生じ,市場内部で価格を引き下げようとする力が発生する。売れ残りも品不足も生じないのは 価格が 29 円の時だけである。

曲線

0 20 40 60 80 100 120 P(円)

200 400 600 800 1000 Q(個)

A B 曲線

優れた性質を持つ市場メカニズムであるが,万能ではない。少数の大企業に市場が支配されて いる 30 市場などの場合には,⒝自由な競争は行われない。 31 などの外部不経済のケース や公共財の供給,景気の安定などの問題は,市場メカニズムのみではうまく解決されず,政府の 市場への介入が必要となる。例えば,⒞非排除性という性質を持つ⒟一般道路は政府により供給 されている。また,市場メカニズムは効率性をもたらすとしても,⒠公平な所得分配を実現でき

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