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政治・経済(経営情報・国際関係・人文・現代教育学部)

( 解答番号 1 ~ 50 )

〔Ⅰ〕

次の文章を読み,下の問い(問1~3)に答えよ。

国の行政組織や事務及び事業の運営は,国内外の社会経済情勢の変化をふまえ,国が本来果た すべき役割を重点的に担う必要がある一方で,それは簡素かつ効率的なものでなければならない。

こうした基本理念の下で,1998年に中央省庁等改革基本法が公布,施行された。同法に基づき,

2001年1月より,中央省庁は 1 体制に再編された。

この再編により,政府内の政策の企画立案,総合調整を補助することを目的として新設された 行政機関が 2 であり,総理府,沖縄開発庁,経済企画庁の3府庁を統合した。インフラを担 う 3 は,4省庁を統合した機関である。文部科学省は,文部省と科学技術庁を統合した。そ の他,環境庁は環境省に格上げされ,大蔵省は財務省と改称されている。また,⒜国務大臣のサ ポート役として国会議員の中から 4 により認証される 5 と, 6 が任命する 7 の 役職なども新設された。

しかし,こうした改編によってあらゆる問題に対応できるようになったわけではなく,2000年 代以降も,日本の行政組織は,国内外の社会経済情勢の変化をふまえて新設,改編されていく。

2007年に,防衛庁は防衛省に格上げされた。2008年には 3 の外局として 8 が設置された。

2009年には 2 の外局として 9 が設置された。2011年の東日本大震災を受けて 10 が設 置され,2015年には文部科学省の外局としてスポーツ庁が設置されている。なお,1885年に発足 した⒝わが国の内閣制度の歴史において,今日まで一度も名称が変更されたことのない省が

11 である。

問1 文中の空欄 1 ~ 11 に入れるのに最も適当なものを,次のそれぞれのア~エのうち から一つずつ選べ。

1 ア 9省 イ 1府22省庁 ウ 1府12省庁 エ 2官6省

政治・経済(経営情報・国際関係・人文・現代教育学部)

修正日:2016年12月28日 午前8時11分 A3-No.3

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3 ア 内閣府 イ 総務省 ウ 農林水産省 エ 国土交通省 4 ア 天皇 イ 国民 ウ 人事院 エ 内閣総理大臣 5 ア 官房長官 イ 副大臣 ウ 特命担当大臣 エ 内閣官房参与 6 ア 衆議院 イ 参議院 ウ 内閣 エ 国民

7 ア 大臣政務官 イ 大臣補佐官 ウ 政務次官 エ 内閣情報官 8 ア 防衛装備庁 イ 消費者庁 ウ 復興庁 エ 観光庁 9 ア 防衛装備庁 イ 消費者庁 ウ 復興庁 エ 観光庁 10 ア 防衛装備庁 イ 消費者庁 ウ 復興庁 エ 観光庁 11 ア 経済産業省 イ 郵政省 ウ 外務省 エ 厚生労働省

問2 下線部⒜「国務大臣」についての説明として最も適当なものを,次のア~エのうちから一 つ選べ。

12 ア 国務大臣は国会議員から選ばれ,かつ文民でなければならない。

イ 内閣法によれば,国務大臣の数は14人以内であり,特別に必要がある場合には3人 を限度に数を増やすことができる。

ウ 内閣総理大臣は国務大臣を任意に罷免できない。

エ 内閣総理大臣の同意なく国務大臣を訴追することができる。

問3 下線部⒝「わが国の内閣制度」についての説明として最も適当なものを,次のア~エのう ちから一つ選べ。

13 ア 日本の内閣制度は,米国型の議院内閣制を採用している。

イ 大日本帝国憲法の下では,天皇が行政行為を行い,内閣は最終的な責任を負わな い。

ウ 日本国憲法の下では,内閣の権限には予算の作成は含まれない。

エ 大日本帝国憲法には,内閣それ自体についての規定がない。

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〔Ⅱ〕

次の文章を読み,下の問い(問1~2)に答えよ。

ヨーロッパにおける近代国家は,王の権力は神によって与えられたものであるとする 14 説 などに基づく絶対王政から,市民革命を経て民主制へと移行した。その移行期に現れたのが社会 契約説である。イギリスの思想家ホッブズは,国家ができる前の自然状態を「万人の万人に対す る 15 」と表現し,人々は社会契約を結んで主権者による秩序を確立し,生存の保障を得ると する社会契約説を展開した。また,イギリスの思想家ロックは,社会契約説でも, 16 権を認 めた点でホッブズとは異なっているとされる。さらに,フランスの思想家ルソーは,個人の利害 からくる特殊意思やその総和である全体意思と対比し, 17 に基づく政治を主張し,代議制と も呼ばれる 18 民主制を否定した。

一方,近代国家が成熟していく中で,近代民主政治の基本原理を憲法に明記し,憲法に従って 政治を行なうべきだとする 19 主義が根付いていった。

民主政治を確立するためには,国民が政治に参加する権利である 20 の保障も不可欠である。

日本では, 21 年の衆議院議員総選挙で初めて女性を含めた普通選挙が実施され,女性議員も 誕生した。最近では,2015年6月,改正公職選挙法が成立し,選挙権年齢が 22 歳以上に引き 下げられた。

なお,民主政治に関し,日本国憲法では,その前文で,「日本国民は,正当に選挙された国会 における代表者を通じて行動し,われらとわれらの子孫のために,諸国民との協和による成果と,

わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し,政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起る ことのないやうにすることを決意し,ここに 23 が国民に存することを宣言し,この憲法を確 定する。そもそも国政は,国民の厳粛な信託によるものであつて,その権威は国民に由来し,そ の権力は国民の代表者がこれを行使し,その福利は国民がこれを 24 する」としている。

問1 文中の空欄 14 ~ 24 に入れるのに最も適当なものを,次のそれぞれのア~エのうち から一つずつ選べ。

14 ア 王権統治 イ 王権神授 ウ 王権信仰 エ 王権君臨 15 ア 競合 イ 融和 ウ 闘争 エ 友好 16 ア 抵抗 イ 説得 ウ 要求 エ 承認 17 ア 普遍意思 イ 一般意思 ウ 超越意思 エ 神的意思

修正日:2016年12月28日 午前8時11分 A3-No.3

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19 ア 合法 イ 立法 ウ 立憲 エ 従憲

20 ア 争議権 イ 請求権 ウ 参政権 エ 自衛権 21 ア 1890 イ 1928 ウ 1946 エ 1952

22 ア 16 イ 18 ウ 20 エ 22

23 ア 主権 イ 自然権 ウ 統治権 エ 自治権

24 ア 保障 イ 増進 ウ 負担 エ 享受

問2 下線部「ホッブズ」の著書として最も適当なものを,次のア~エのうちから一つ選べ。

25 ア 『リヴァイアサン』 イ 『法の精神』 ウ 『自由論』

エ 『資本論』

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〔Ⅲ〕

次の文章を読み,下の問い(問1~6)に答えよ。

国や地方自治体がある目的に沿って必要とされる資金を徴収し,これを様々な財やサービスに 支出する経済行動のことを財政という。この財政政策の機能は,⒜公共財の供給など市場の失敗 を是正する 26 ,個人の経済格差を改善する 27 ,そして景気の落ち込みや過熱を防ぐ 28 の3つに大別される。さらに, 28 を目的とした財政政策に関して,不況時に減税・公 共事業による需要の創出,景気過熱時には増税を行うなど,その経済状況に応じて人為的に取ら れる財政政策を 29 という。一方で,⒝あらかじめ法制度に組み込まれている景気の自動安定 化装置( 30 )もこれに寄与する。

実際に政府が財政政策を打ち出すにあたり,その財源の中心となるのが租税である。現代の我 が国における税制は,いわゆる⒞税の三原則に基いて構築されており,戦後GHQの要請により 結成された日本税制使節団がまとめ上げた報告書,通称 31 に大きな影響を受けている。

租税収入のなかでも,特に大きな割合を占めているのが⒟法人税・所得税・消費税の3つの税 目である。⒠消費税は導入以降,初期の3%から5%,8%と段階的に増税された経緯もあり,

税目別の税収を大きく伸ばしている。しかしながら,消費税は負担する個人の所得水準に関わら ず消費額に対して一律に課されるため,低所得者ほど所得に占める税負担額の割合が大きい,と いう 32 の問題がある。この点は,昨今議論されている10%へのさらなる増税においても重要 な論点となっている。

問1 文中の空欄 26 ~ 32 に入れるのに最も適当なものを,次のそれぞれのア~エのうち から一つずつ選べ。

26 ア 公的配分機能 イ 資源配分機能 ウ 財の適正配分機能 エ 市場修正機能

27 ア 所得再分配機能 イ セイフティ・ネット機能 ウ 所得均等化機能 エ リスク・ヘッジ機能

28 ア 景気定常化機能 イ 景気健全化機能 ウ 景気安定化機能 エ 景気均整化機能

29 ア 随意的財政政策またはマネタリー・ポリシー イ 随意的財政政策またはフィスカル・ポリシー

修正日:2016年12月28日 午前8時11分 A3-No.3

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30 ア セット・イン・スタビライザー イ ソーシャル・スタビライザー ウ ビルト・イン・スタビライザー エ エコノミー・スタビライザー

31 ア シャウプ勧告 イ ウォレン勧告 ウ ヴィックリー勧告 エ コーエン勧告

32 ア 累進性 イ 逆進性 ウ 垂直性 エ 水平性

問2 下線部⒜「公共財」についての説明として最も適当なものを,次のア~エのうちから一つ 選べ。

33 ア 各家庭で用いられる電気・一般ガス・水道水は公共財だが,公園・一般道路・国防 は公共財ではない。

イ 公園・一般道路・国防は公共財だが,各家庭で用いられる電気・一般ガス・水道水 は公共財ではない。

ウ 各家庭で用いられる電気・一般ガス・水道水,および公園・一般道路・国防はいず れも公共財である。

エ 各家庭で用いられる電気・一般ガス・水道水,および公園・一般道路・国防はいず れも公共財ではない。

問3 下線部⒝「あらかじめ法制度に組み込まれている景気の自動安定化装置」についての説明 として最も適当なものを,次のア~エのうちから一つ選べ。

34 ア 累進課税制度はこれに当てはまるが,失業保険制度はこれに当てはまらない。

イ 失業保険制度はこれに当てはまるが,累進課税制度はこれに当てはまらない。

ウ 累進課税制度と失業保険制度はともにこれに当てはまる。

エ 累進課税制度と失業保険制度はいずれもこれに当てはまらない。

問4 下線部⒞「税の三原則」についての説明として最も適当なものを,次のア~エのうちから 一つ選べ。

35 ア 税の三原則とは,公平・中立・簡素である。

イ 税の三原則とは,低負担・公平・簡素である。

ウ 税の三原則とは,低負担・公正・簡素である。

エ 税の三原則とは,公平・公正・平等である。

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