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第 5 章 省電力通信方式の提案

5.8 提案方式の評価結果

提案する符号構成法と復号方法の組み合わせに対して、周波数帯域毎にビット誤り率特性で 評価した。

各グラフにはBPSKのビット誤り率特性も示してある。2値の変調方式に対して情報ビット をフレーム単位で反復させる符号構成を提案していることと 2 値の変調方式の信号点距離が 最も大きく誤り率が低いことから、提案する各方式が周波数利用効率が同等であるBPSKに対 して、どの程度の効果があるかを比較することにした。

5.8.1 電波暗室におけるビット誤り率特性

図5.11から図5.14に電波暗室におけるビット誤り率特性のグラフを示す。

横軸をEb/N0(ビットあたりのエネルギー対雑音電力密度比)、縦軸をビット誤り率で示す。

0 5 10 15 20 25 30 35

10

-5

10

-4

10

-3

10

-2

10

-1

10

0

図5.11 400MHz帯のビット誤り率特性(電波暗室)

ビット誤り率

Eb/No [dB]

―:BPSK

―×:A

―■:B

―▲:C

―●:D

71

0 5 10 15 20 25 30 35

10

-5

10

-4

10

-3

10

-2

10

-1

10

0

0 5 10 15 20 25 30 35

10

-5

10

-4

10

-3

10

-2

10

-1

10

0

図5.13 900MHz帯のビット誤り率特性(電波暗室)

図5.12 600MHz帯のビット誤り率特性(電波暗室)

Eb/No [dB]

Eb/No [dB]

ビット誤り率ビット誤り率

―:BPSK

―×:A

―■:B

―▲:C

―●:D

―:BPSK

―×:A

―■:B

―▲:C

―●:D

72

0 5 10 15 20 25 30 35

10

-5

10

-4

10

-3

10

-2

10

-1

10

0

図5.14 2400MHz帯のビット誤り率特性(電波暗室)

Eb/No [dB]

ビット誤り率

―:BPSK

―×:A

―■:B

―▲:C

―●:D

73

5.8.2 模擬病室のおけるビット誤り率特性

図5.15から図.5.18に模擬病室環境におけるビット誤り率特性のグラフを示す。

横軸をEb/N0(ビットあたりのエネルギー対雑音電力密度比)、縦軸をビット誤り率で示す。

0 5 10 15 20 25 30 35

10

-5

10

-4

10

-3

10

-2

10

-1

10

0

Eb/No [dB]

図5.15 400MHz帯のビット誤り率特性(模擬病室)

ビット誤り率

―:BPSK

―×:A

―■:B

―▲:C

―●:D

74

0 5 10 15 20 25 30 35

10

-5

10

-4

10

-3

10

-2

10

-1

10

0

0 5 10 15 20 25 30 35

10

-5

10

-4

10

-3

10

-2

10

-1

10

0

Eb/No [dB]

図5.16 600MHz帯のビット誤り率特性(模擬病室)

図5.17 900MHz帯のビット誤り率特性(模擬病室)

Eb/No [dB]

ビット誤り率ビット誤り率

―:BPSK

―×:A

―■:B

―▲:C

―●:D

―:BPSK

―×:A

―■:B

―▲:C

―●:D

75

5.8.3 提案方式の考察

検討した4つの方式について評価を行う。測定環境と周波数帯によって下記の考察が変わら ないことに注意されたい。

方式Aと方式Bはともにほぼ同じビット誤り率特性を示し、符号構成法1に対して多数決 復号とビタビ復号が同等の判定能力であることを確認した。Eb/N0が大きくなるにつれて訂正 能力が上がり、BPSKに近づく傾向にあった。この原因としては連続発生するバースト誤りに 対しては訂正能力が低いため、Eb/N0が低い時にはビット誤り率が悪くなったと考える。

方式 C はセット分割反復ブロック符号を用いて多数決復号を行ったが、セット分割によっ て信号間距離を大きくすることはできたが、2回反復させた情報で多数決を行っても効果は得 られなかった。多数決復号では2回の反復情報で判定を行うため[0,1]と[1,0]の組み合せができ てしまい、50%の判定が発生することから正しい判定ができないと考える。

方式 D はセット分割反復ブロック符号を用いて多数決復号とビタビ復号を組み合わせた連 結復号を行った。全ての環境、周波数帯域において、BPSKと比較した結果、約1から3dB程 度の符号化利得が得られ、省電力化に向けた提案に値する方式と言える。多数決復号では方式 C で考察したように 50%の判定しかできない状況がある。まずその部分に誤りがあると判断 し、それ以外の100%の判定ができる部分は誤りがないと判断する。同時にビタビ復号方法を 用いて最尤推定による判定を行う。セット分割反復ブロック符号でビタビ復号を行った時、

0 5 10 15 20 25 30 35

10

-5

10

-4

10

-3

10

-2

10

-1

10

0

図5.18 2400MHz帯のビット誤り率特性(模擬病室)

ビット誤り率

Eb/No [dB]

―:BPSK

―×:A

―■:B

―▲:C

―●:D

76

5.5.2 節の図 5.8 で示したようにトレリス線図より終了操作が無いことから複数の判定候補が

上がってくる。この2つの復号による判定結果を用いて5.5.3節の図5.9で示した最終判定を 行うことで誤り訂正が効果的に行われ誤り率が低下させることができたと考える。さらにセッ ト分割により、扱うシンボルが限定され信号点間距離を大きくした効果もあると考えられる。

多数決復号とビタビ復号を合わせて用いたことにより、それぞれ異なるアプローチから判定 を行い、訂正できない点をお互いの方法で補っており、単純に2度復号を行ったことによる効 果ではなく、2つの復号方法の特徴が融合してできた効果であると考える。

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