基部側の副梢を 1 節当たり5枚で管理した場合、開花期における果房より基部側の副 梢枚数が少ないと、果粒重が小さくなることが多い(図2)。
2 技術のポイント
(1) 二本主枝垣根仕立ては、二本主枝仕立てを基本に棚下の主幹部分から左右合計6本の 側枝(棚下側枝)を配した樹形である(図1、写真1) 。遮根シートの上に堆肥等で土壌 改良した用土 600 リットルの高うねに2年生の大苗を定植する。
(2) 新栽培法は定植2年目(4年生樹)から棚下側枝が結実し始め、定植4年目(6年生 樹)には成園並みの3t/10a 以上の収量が得られる。初期収量(4~6年生樹)は同じ 樹齢の慣行栽培に比べ2倍以上の収量で、また成園並みの収量に達する樹齢は慣行栽培 に比べ3年早い(図2) 。
概 要
・植栽本数は 80 本(列間 5m×樹間2.5m)
・高うねの大きさは1樹当たり幅80cm、長さ 2.5m、高さ 30cm
・棚下側枝を配置するため、棚下に3本の補助線を高さ70cm、100cm、
130cm に設置する
・養液は高うねに設置した点滴灌水チューブにより供給。窒素濃度 50~100ppm で日給液量は15~40L/樹を時期に応じて供給 図1 二本主枝垣根仕立て (左側主枝の側枝は省略)
0 1 2 3 4 5
2 3 4 5 6 7 8 9 10
収
量
新栽培法 慣行栽培法
(t/10a)
機関名 石川県農林総合研究センター
部署名 育種栽培研究部能登特産物栽培グループ 記入者氏名 中村 史也
電話番号 0768-67-2104
e-mail 農業試験場代表<[email protected]>
品目 技術名
特徴
活用が想定される場面
(または、当該技術の活用によって 解決が期待される課題)
特許権、実用新案権の有無 登録年月日
※特許権、実用新案権が有の場合 登録番号
※特許権、実用新案権が有の場合 普及状況
(普及している地域、面積、その他参考 情報※を記載願います。)
開発機関名 備考
果樹
クリの大果生産のための徒長枝の摘心処理時期の解明
石川県農林総合研究センター農業試験場
・8月下旬に未展開葉部分を摘心処理することで、二次伸長を防ぐことができ、翌 年の徒長枝1本当たりの着毬数および収量が増加し、大果率も高まる。
・摘心処理により徒長枝長が短くなり、風害による折損被害が軽減できる。
・クリの剪定において、徒長枝を利用した大果生産を行っているが、新梢伸長が 続く徒長枝では着毬不良や小果が発生するため、安定して結実を促すために実 施するものである。
無し
普及していない。
高齢者が多いことから、徒長枝の先端を摘心するまで作業の手が回らないため。
農業総合研究センター
クリの大果生産のための徒長枝の摘心処理時期の解明
1 背景・目的
クリでは大果生産のために徒長枝を利用した栽培が行われている。しかし、遅 くまで新梢伸長が続く徒長枝では、着毬不良や小果が発生する。そこで、安定し て結実する徒長枝を育成するため、摘心処理の時期を検討する。
2 技術のポイント
(1) 摘心処理は、伸長中の徒長枝先端の未展開葉を指先で切除する方法で行う (図1)。
(2) 8月下旬に摘心処理を行うと、二次伸長(再発芽)しない(図2)。
(3) 8月下旬の摘心処理では、翌年の徒長枝1本当たりの着毬数および収量が最 も多く、大果率も高い(図3、4)。
無摘心
・9月中旬頃まで伸長
・徒長枝長160cm以上
摘心処理
・8月下旬で摘心
・徒長枝長120cm程度
図1 徒長枝の摘心処理イメージ図
0 100 200 300 400 500 600 700
無摘心 8月下旬 8月中旬 8月上旬 7月下旬
摘心時期 着
毬 数
0 1 2 3 4 5 6 7
10 a 当 た り 収 量 (kg) 徒長枝1本当たり着毬数
10a当たり収量
図3 摘心時期が着毬数および収量に及ぼす影響(H21)
0 20 40 60 80 100
7月下旬 8月上旬 8月中旬 8月下旬 摘心時期
二 次 伸 長 発 生 率 (%)
図2 摘心時期が二次伸長発生率に及ぼす影響(H20)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
7月下旬 8月上旬 8月中旬 8月下旬 無摘芯 摘心時期
果 実 階 級 別 割 合
(%) 15.0
17.0 19.0 21.0 23.0 25.0
平 均 1 果 重 (g)
3L 2L L M S 平均1果重
果実階級別割合
図4 摘心時期が果実階級別割合と平均1果重 100
80 60 40 20 0
機関名 大阪府立環境農林水産総合研究所 部署名 食の安全研究部
記入者氏名 細見彰洋 電話番号 072-979-7063
e-mail [email protected] 品目
技術名
特徴
活用が想定される場面
(または、当該技術の活用によって 解決が期待される課題)
特許権、実用新案権の有無 登録年月日
※特許権、実用新案権が有の場合 登録番号
※特許権、実用新案権が有の場合 普及状況
(普及している地域、面積、その他参考 情報※を記載願います。)
開発機関名 備考
開発して間もない(平成23年発表)ことや、知財化(特開2012-125213)の経緯か ら、現時点では広く普及していない。しかし、本発明は当所として審査請求しない 方針を固めており、栽培者による自由な実施を可能とする見込みである。本技術 は生産者の注目を集め、各地の視察も増えていることから、今後の普及が期待で きる。
(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所
参考URL:http://www.kannousuiken-osaka.or.jp/_files/00023160/h24-31ichijiku.pdf
果樹
イチジクにおける主枝更新剪定(リフレッシュ剪定)
樹の骨格となる主枝を毎年新しく入れ替え、イチジクの樹を常に若い状態に保つ ことができる新しい剪定法を開発した。
具体的には、4 本程度の1年枝(前年の結果枝)と、これを支える枝だけを残し、
他の枝を全て切除する。残した1年枝は適度な角度に曲げ、翌年の結果母枝と主 枝を兼ねた枝として活用する。この作業を毎冬行うことによって、通常は半永久的 に残る主枝を毎年更新することができる。
○イチジク樹は、凍害やカミキリムシの食害で主枝が損傷し易いが、主枝を毎年 更新する本剪定により、その被害を回避できる。
○結果枝の発芽が10日ほど早くなり、果実の成熟開始が早まる。
○果実の肥大が促進される。また、当所ら開発の「棚栽培」と組み合わせるとさら に高い果実肥大効果が得られる。
○剪定法の習得には、一定の講習が必要なものの、技術の導入に追加の栽培コ ストが発生せず、従来法からの移行に伴う一時的な減収もないため、一般の栽培 農家が容易に実施できる。
無
機関名 奈良県農業総合センター 部署名 企画調整課
記入者氏名 鷹野晋三 電話番号 0744-22-6201
e-mail [email protected] 品目
技術名
特徴
活用が想定される場面
(または、当該技術の活用によって 解決が期待される課題)
特許権、実用新案権の有無 登録年月日
※特許権、実用新案権が有の場合 登録番号
※特許権、実用新案権が有の場合 普及状況
(普及している地域、面積、その他参考情 報※を記載願います。)
開発機関名 備考
特許4858693
奈良県農業総合センター 果樹
柿苗の周年生産方法および苗
ポット等や施設を利用し、従来2年かかっていたカキ苗を1年以内で生産できる技 術
2011年11月11日 有
機関名 和歌山県果樹試験場 部署名 栽培部
記入者氏名 鯨 幸和 電話番号 0737-52-4320
e-mail [email protected] 品目
技術名
特徴
活用が想定される場面
(または、当該技術の活用によって 解決が期待される課題)
特許権、実用新案権の有無 登録年月日
※特許権、実用新案権が有の場合 登録番号
※特許権、実用新案権が有の場合
普及状況
(普及している地域、面積、その他参考
[普及に至った背景] 傾斜地ウンシュウミカン園で昭和40年代に整備された灌水 施設は大ブロック単位での灌水が前提であったことから、頻発する異常気象や多 様化する消費者ニーズにきめ細かく対応するために、ハード(設備改修)・ソフト
(新灌水指標)両面で改善が求められるようになった。本成果はソフト面について 果樹
早生ウンシュウミカンの新しい灌水指標にもとづくWeb灌水情報
①5カ年の現地調査結果から高品質M級果実理想生育モデルと生育ステージ区 分を導き出し、各ステージ毎のLWP適範囲(日没直後)を設定した。
②基準園(3園)の土壌体積含水率をTDRセンサーで連続的に計測し、前述の LWP適範囲に対応する土壌体積含水率域をステージ別に導くとともに、適水分域 の下限に達した際、上限に復帰させる為に必要な灌水量を算出した。
③気象台観測値をパラメータとして算出できる蒸発散位と、TDRセンサーで計測 する土壌体積含水率現況値をもとに、現況値測定日以降の土壌水分消費ペース を予測した。
④Web上(※)には土壌体積含水率の現況、および望ましい水分域を基準園別に 示すとともに、適水分域の下限に到達すると予測される日を「次の灌水日」、適水 分域の上限に復帰させるのに必要な灌水量を「1回当たり灌水量」、その後も晴 天が続くという仮定で再び下限に到達し、再灌水が必要となるまでの日数を「間断 日数」として明示した。なお、閲覧者は各々の条件に近い基準園の情報を参考に できる仕組みとした。
※和歌山県果樹試験場ホームページ
(http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/070109/gaiyou/002/002.htm)あるいは、
有田みかんデータベース(http://www.mikan.gr.jp/)からアクセス。
①これまで、生産者が土壌水分状態の現況・予測を把握する術はなかったが、本 情報を閲覧することで降雨・灌水後の推移や灌水の目安を客観的に知ることがで きるようになった。
②土壌によって水分特性に違いがあることや、生育ステージによって適水分域や 灌水法が変わるといった基本的な知識について、生産者への啓蒙が進んだ。
③すでに共同灌水(有田川土地改良区)の判断基準とされているが、本情報を契 機に、小ブロック単位での灌水が可能な灌水設備への更新に向けた議論が加速 すると期待される。
なし