外国人技能実習制度は、日本の産業・職業上の技術・技能・知 識の修得を支援し、帰国後に日本で修得した技術等を活かし、それ ぞれ母国の産業発展に寄与してもらうことを目的とした制度です。
しかし、現実には技能実習生を低賃金で働かせたり、残業代を きちんと支払わなかったり、賃金からさまざまな名目で控除した り、強制貯金をさせたり、権利主張した技能実習生をその意に反 して強制帰国させたり、保証金や違約金を定めて拘束したりする など、トラブルが多発し、人身売買ではないかとの指摘を受けて います。
2010年7月からは、在留資格「技能実習」が創設され、全面的 に労働法が適用されるようになりましたが、不正行為事例が後を 絶ちません。そこで、2015年には制度の改善を目指して「技能実 習法案」が国会に提出されましたが、継続審議となっています。
1 在留資格「技能実習」について
技能実習は、受入れ形態により、企業単独型(イ型、海外の現 地法人、合弁会社、取引先企業の社員を受け入れて行う活動)と 団体監理型(ロ型、商工会・事業協同組合等の営利を目的としな い団体の責任及び監理の下で行う活動)とに分けられます。
この資格は、技能検定の前後で1号と2号に区分されます。
1号は、「講習による知識の習得」と「雇用契約に基づく技能 等習得」(OJTなど)からなり、一定期間の講習を受けて技能習得 等の活動に移る仕組みとなっています。1号は、職種による限定 はなく、基本的に1年間が予定されています。
-128-
2号资格就是从事1号活动,掌握了技能等人员,在技能鉴定 基础2级合格以后的,才能根据雇用合同,从事于需要掌握的技能等 的业务。
2号资格只限为技能实习职务( 目前(2016年12月)包括有72 个工种、131个作业) ,基本上为2年期限。
这就意味着在留资格“技能实习”分为1号イ型、2号イ型、1 号ロ型、2号ロ型4类。
“讲习”方式学习,原则上应占1号资格活动时间的6分之1(通 常为2个月) 以上,通过课堂就座(包括参观) 学习实施。学习内容 如下。(另外,讲习期间的补贴,团体监督管理型的,应由监督管理 团体支付。)
① 日语
② 有关在日本生活的一般知识
③ 技能实习生的法律保护所需的必要信息
④ 在日本,顺利学习掌握技能所需的知识
技能实习生除了讲习期间以外,在劳动基准法上则处于“劳动者”
地位,适合于劳动相关法令规定。所以,以低于最低工资的水平迫 使劳动或劳动环境恶劣的场合,将予以处罚。
-129-
2号は、1号の活動に従事して技能等を修得した者が、技能検 定基礎2級等に合格した上で、雇用契約に基づき修得した技能等 を要する業務に従事する活動をいいます。
2号は、技能実習対象職種(平成28年12月現在、72職種131作業)
に限定され、基本的に2年間が予定されています。
技能実習という在留資格は、1号イ、2号イ、1号ロ、2号ロ の4種類に分けられることになります。
「講習」は、原則として1号の活動予定時間の6分の1(通常2 か月)以上を充てることとされており、座学(見学を含む)によ り実施しなければなりません。その内容は、以下のとおりとなっ ています。(なお、講習期間中の手当は、団体監理型では監理団 体が支給することとされています。)
① 日本語
② 日本での生活一般に関する知識 ③ 技能実習生の法的保護に必要な情報 ④ 日本での円滑な技能の修得に資する知識
技能実習生は、講習期間を除いて労働基準法上の「労働者」と 位置づけられ、労働関係法規が適用されます。したがって最低賃 金未満の低賃金で働かせたり、劣悪な労働環境下においたりする ことは法令違反となり、入管法及び労働関係法規のそれぞれから のペナルティがあります。
-130-
2 利用法律等保护技能实习生所采取的措施
-131-
2 技能実習生の法的保護等のための措置
新しい技能実習制度では、次のような措置が定められています。
(1) 不当な金品等の徴収の禁止
・送出し機関や受入れ機関等が、技能実習生から保証金等を徴 収することその他名目のいかんを問わず、金銭その他の財産 を管理すること
・送出し機関や受入れ機関等が、技能実習に関し、労働契約の 不履行に係る違約金を定める契約その他の不当に金銭その他 の財産の移転を予定する契約などを結ぶこと
(2) 監理団体の要件
団体監理型の場合、監理団体に以下のような要件を課し、技 能実習生に対する支援体制の強化を図りました。
・技能等に関する一定の経験又は知識を有する監理団体の役員 による技能実習計画を策定すること
・1か月に1回以上監理団体の役職員による実習実施機関への 訪問指導を行うこと
-132-
● 监督管理团体的干部应每3个月1次以上实施监查以及前往地方 入国管理局汇报
● 制定向技能实习生听取意见的体制
● 采取包括确保回国旅费等的技能实习生回国担保措施
● 征收监督管理费用的场合,对负担该费用的机关,应明确公布 金额和使用项目
(3) 对违法行为的处罚
如发现监督管理团体和实习实施机关有违法行为,在一定期 间内,将停止其接受技能实习生。如发现有重大违法行为的场合,
将停止接受技能实习生的期限延长至5年。
〈停止接受技能实习生期限5年〉内容∶
● 有暴力、威胁、监禁行为
● 没收护照、在留卡
● 不支付工资等
● 有明显的侵犯人权行为
● 行使、提供伪造窜改文件等
〈停止接受技能实习生期限3年〉内容∶
● 征收保证金等
● 不根据雇用合同,从事于学习期间的业务
● 签订双重合同
● 与技能实习计划不一致
● 借用名义
● 不履行无法继续实习时应提交报告
● 不履行监查、听取意见的体制机构等
● 常发生下落不明者
-133-
・3か月に1回以上監理団体の役員による監査を実施し、及び 地方入国管理局への報告をすること
・技能実習生からの相談に対応する体制をつくること
・帰国旅費の確保等技能実習生の帰国担保措置をとること
・監理に要する費用を徴収する場合は、費用を負担する機関に 対して金額及び使途を明示すること
など
(3) 不正行為を行った場合のペナルティ
監理団体や実習実施機関等が不正行為を行うと、一定の期間 技能実習生の受入れが停止されることがあります。特に重大な 不正行為を行った場合は、受入れ停止期間が5年間に延長され ました。
<受入れ停止期間5年>
・暴力、脅迫、監禁行為
・旅券、在留カードの取上げ
・賃金等の不払い
・人権を著しく侵害する行為
・偽変造文書等の行使、提供
<受入れ停止期間3年>
・保証金の徴収等
・雇用契約に基づかない講習の期間中の業務への従事
・二重契約
・技能実習計画との齟齬
・名義貸し
・実習継続不可能時の報告不履行
・監査、相談体制構築等の不履行
・行方不明者の多発
-134-
● 雇用违法就劳者
● 违反劳动相关法令
● 以营利为目的的斡旋行为
● 再次发生的违法行为
〈停止接受技能实习生期限1年〉内容∶
● 不履行纪录工作日记等
● 不履行回国时应提交报告 (4) 确保有关劳动者灾害补偿保险
技能实习生在技能学习活动开始前,实习实施机关等应采取 在劳动者灾害补偿保险法中,建立保险关系申报等的措施。
另 外 ,还 有 各 种 各 样 的 规 定 。 详 细 情 况 请 向 入 国 管 理 局 咨 询。
-135-
・不法就労者の雇用等
・労働関係法令違反
・営利目的のあっせん行為
・再度の不正行為
<受入れ停止期間1年>
・日誌等の作成等不履行
・帰国時の報告不履行
(4) 労災関係の確保
技能実習生が技能等修得活動を開始する前に,実習実施機関 等は、労働者災害補償保険法に係る保険関係の成立の届出等の 措置を講じていなければなりません。
その他にも様々な規定があります。 詳しくは入国管理局に お問い合わせください。
-136-
-137-
ⅩⅣ 税金
1 給与所得にかかる税制度
日本で働く外国人の給料にかかる税金は、国の税金である所得 税(復興特別所得税を含む)と、地方公共団体の税金である住民 税の2種類があります。所得税は税務署、住民税は区市町村が窓 口になります。
2 所得税
日本では、給与所得に対する所得税については、給与の支払者(事 業主)が支払いを受ける者(労働者)に代わって所得税を徴収し、
国に納める源泉徴収制度を採用しています。給与を支払う事業主 には、源泉徴収が原則的に義務づけられています。
さらに「居住者」と「非居住者」の区分があり、課税方法と課 税範囲が異なっています。
(1) 居住者の税金
① 居住者と非居住者
日 本 国 内 に 「 住 所 ( 生活 の 本 拠 )」 を 有 す る か、 又 は 国 内 に現在ま で引き 続い て 1年以上「居 所( 住所以 外の現実 に居 住す る場 所)」を 有す る 外国 人は 税法 上「 居住 者」 とさ れ、
日本人 と同じ税率の所得税が課税されます。ただし、給与 所 得者については、居住期間が1年未満であっても、労働契約等 で 滞 在 期 間 が あ ら か じ め 1 年 未 満 で あ る こ と が 明 ら か な 場 合を除いては、入国後直ちに「居住者」と推定されます。
-138-
“居住者”当中,有“永住者”和“非永住者”的区别。“非 永住者”指的是没有日本国籍,并且在过去的10年内,在日本 拥有“住所”或“居所”的期间累计5年以下的人。“非永住者”
以外的居住者为“永住者”。因这一区别,征税范围有所不同。
“永住者”原则上是对所有的所得征税。“非永住者”则是对 在日本国内获得的所得(国内源泉所得) 以及除此之外的所得 (国外源泉所得) 用于在日本国内支付或汇款到日本国内的部分 予以征税。
② 居住者的所得税额
居住者缴纳的所得税额的计算方法如下。
从工资等收入的金额中减去工资所得免税扣除额以后的金 额为工资所得金额。所得税额的计算为:从上述工资所得金额 中减去社会保险免税扣除额、扶养免税扣除额和基础免税扣除 额等的所得免税扣除额后算出的金额,乘上税率。税率按所得 金额的多少来决定,大约为5%~46%。
此外,为了对于住在自己国家的家属能享受扶养免税扣除,
需在每年最初工资支付日之前向用人单位提交“扶养免税扣除 等申请书”,通过年终调整享受免税扣除。但这种情况必须附上 给本国家属寄钱时的证明资料以及能证明是直系家属的资料。
③ 源泉征收和年终调整
居住者每月从用人单位领取工资时,按照预计税额交纳源 泉所得税。待每年年终在自1月至12月的1年的工资总额确定后,
通过年终调整来补足预计所得税额和实际所得税之间的差额。
年终调整由用人单位在支付这1年最后的工资时进行。