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建設技能労働者の確保に向けた諸方策

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2.3 主要建設会社決算分析( 2015 年度第 2 四半期)

2.1.2 建設技能労働者の確保に向けた諸方策

~「週休 2 日」 「若手技能労働者の確保・育成」

「女性の技能労働者の更なる活躍の促進」について~

本項では、技能労働者の確保に向けた諸方策として、「週休 2 日」、「若手技能労働者の確 保・育成」、「女性の技能労働者の更なる活躍の促進」を取り上げる。

まず、国土交通省、業界団体により講じられている最近の諸施策を紹介する((1))。次に、

各地域における具体的な取り組み事例を紹介する((2))。さらに、専門工事業者へのインタ ビュー結果からうかがえる現状を整理する((3))。最後に、インタビュー結果から抽出され る今後の課題を提示する((4))。

(1) 最近の諸施策

【週休2日】1

国土交通省では、週休2日が他の業界で普及し始めた時期から、建設業における週休2日 導入に向けた取り組みが進められている。1997 年 3 月には、建設省(現 国土交通省)に より、「建設産業における労働時間短縮要綱(推進要綱)」が策定されている。

推進要綱の内容は、①週 40 時間労働制に対応した工期と積算の実施、②建設現場におけ る生産性向上のための取り組み、③工事の平準化の実施、④公共工事週休2日・現場閉庁モ デル工事の実施、⑤他の公共工事発注者への要請などである。

これを踏まえて、1997年5月、「平成9年度以降の直轄土木工事の工期設定及び作業不能 日の条件明示について」が通達され、工期設定は、4週8休(完全週休2日)対応とし、週 所定労働時間40時間労働制に対応した適切な積算を実施することとされた。

その後、担い手の確保・育成が急務となる中、一般社団法人日本建設業連合会(以下、「日 建連」という)は、2013年11月から2014年10月の間に竣工した3億円以上の公共工事を 対象に、施工現場における休日取得実態調査を行った。日建連公共積算委員会の委員会社40 社に対してアンケート調査を実施し、598件の回答を得た。この結果、全体の65%が「4週 4 休」 と回答した。道路関係会社では 74%、 機構・事業団の工事で 72%という高い割合 で4週4休だったほか、国交省と地方自治体でも4週4休が6割を超えた(図表2-1-2参照)。

厚生労働省の「建設業における雇用管理現状把握実態調査(平成26年度調査)」によると、

「平成26年9月の勤務日数」は、「25日」が18.6%と最も高く、「24日」が18.5%、「26日 以上」では15.6%という結果になり、週休2日が普及していないことも明らかになった。

1 「現場の週休2日を発注者が保証?」日経コンストラクション第599号(201498日)、「建設 人ハンドブック2016年版―建築・土木界の時事解説」(日刊建設通信新聞社2015年)を参考に記述し た。

このように、「建設産業における労働時間短縮要綱(推進要綱)」の策定から 15 年以上が 経過した現在も、建設業における全面的な週休2日は実現していないと言える。

図表2-1-2 施工現場におけるおおよその休日取得状況

(出典)一般社団法人日本建設業連合会

このような中、建設産業活性化会議の「建設業の総合的な人材確保・育成対策工程表」で「週 休2日」が取り上げられるなど関心が高まっている。以下、週休2日の実現に向けた具体的 な取り組みを紹介する。

<国土交通省の取り組み>

(品確法に基づく「発注関係事務の運用に関する指針」への明記)

公共工事の品質確保の促進に関する法律(以下、品確法)の一部改正法案が2014年5月 29日に成立した。同改正法と一体で審議された「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に 関する法律」(入札契約適正化法)と「建設業法」の改正法も同日成立となった。

また、2015年1月30日、運用上の留意事項等について「発注関係事務の運用に関する指 針」が国土交通省から公表された。

その中で、実施に努める事項として、週休2日の確保等による不稼働日等を踏まえた適切 な工期を設定の上、発注・施工時期等の平準化を図ることを挙げ、週休2日の確保等による 不稼働日等を踏まえた適切な工期設定を推進し、各公共発注者への周知徹底による適切な運 用の促進を行うこととしている。

(直轄工事での週休2日モデル工事の実施)

国土交通省直轄工事では、現状の建設現場で「週休2日」を確保した場合における課題や 問題点を把握するため、週休2日モデル工事を実施している。

国土交通省中部地方整備局では、全国に先駆けてモデル工事を実施した。天候や地域住民 への対応で土曜日や日曜日に施工する場合には、振替休日を設定し、平日に工事を止めるな どして週休2日を確保するという動きである。

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体 国土交通省 道路関係会社 機構・事業団体 地方公共団体

44 45 46 47 48

2015年度は、全国で約60件が試行される見通しと報道されている。国土交通省は、実施 に向けた課題を把握し、適正な工期設定のあり方など解決策の検討に生かす予定である2

<建設業団体等の取り組み>3

(日建連の「建設業の長期ビジョン」への記載)

日建連が2015年3月に発表した「建設業の長期ビジョン」においては、処遇改善の一環 として、「休日の拡大」を挙げている。「休日の拡大、なかんずく4週8休の実施は、処遇改 善と若者の確保に不可欠」、「従来の思い込みを捨て、週休2日をはじめとする休日の拡大に 取り組んでいかなければならない」などとしている。

また、日建連は、完全週休2日の導入に向けた取り組みを、国土交通省にあらためて申し 入れた。「完全週休 2 日現場閉所モデル工事」の試行・全国展開、契約条件での義務化、休 日を確保できる工期設定、積算の見直しを要望した。また、発注者・設計者・施工者による 3者会議の定期開催、工事関係書類の簡素化、施工の合理化も求めている。

(一般社団法人全国建設業協会によるアンケート調査)4

全国建設業協会では、2015 年の 5月から、47 都道府県建設業協会及び会員企業に対し、

アンケート調査を実施した。その中で、工期設定について、「地域の実情や週休 2 日などを 考慮した、施工に必要な工期が設定されるようになりましたか?」という質問もなされてい る。都道府県、市区町村では多少改善傾向があるものの、特に市区町村では「以前から考慮 されている」「考慮されるようになった」の合計が少ないという回答が多くなっている(図表 2-1-3参照)。

図表2-1-3 施工に必要な工期の設定について

(出典)一般社団法人全国建設業協会 品確法等の効果検証 に係るアンケート報告書を基に当研究所にて作成

2 2016119日付 建設通信新聞記事を基に記載した。

3 一般社団法人日本建設業連合会編集・発行「再生と進化に向けて-建設業の長期ビジョン」を基に記載 した。

4 一般社団法人全国建設業協会「品確法等の効果検証に関わるアンケート」(20159月)を基に記述 した。

0% 20% 40% 60% 80% 100%

国土交通省 都道府県 市区

以前から考慮されている 考慮されるようになった 考慮されていない 不明・未回答

【若手技能労働者の確保・育成】

「社会保険等未加入対策」をはじめとする処遇改善や、若手の早期活躍等や若手技能労働 者確保、建設技能労働者の技能の見える化に向けた「建設キャリアシステム」など、若手技 能労働者確保に資する多様な施策が実施・検討されているが、ここでは、特に、「若手の確保・

育成」に直接的に対応している取り組みについて紹介する。

<担い手確保・育成コンソーシアム>5

国土交通省では「建設産業活性化会議」において、2020年以降を見据え、今後懸念される 中長期的な担い手不足に対し、官民一体となって総合的な人材確保・育成策を講じる施策を 2014 年 6 月に取りまとめた。その中で、教育訓練の充実強化として、地域のネットワーク で人材確保育成を支える仕組みの構築を打ち出した。

一般財団法人建設業振興基金(以下「振興基金」という)においても、2013年12月に「建 設産業の人材確保・育成方針」を取りまとめ、担い手確保・育成に取り組む基本的姿勢を示 すとともに、連携強化による効果的な教育訓練体系の構築について提言した。

これらの施策を具体化させるため、振興基金が事務局となり、建設産業の担い手確保・育 成について、実績、知見、能力を有し、今後の担い手確保・育成を推進していく意志を有す る者が一体となって行動する体制をつくるための「建設産業担い手確保・育成コンソーシア ム」が立ち上げられた。同コンソーシアムでは、設立から概ね5年間を目途に活動すること とし、2014年度下半期〜2015年度末までに取り組む事業を「建設産業担い手確保・育成ア クションプログラム(第1版)」として取りまとめた。

アクションプログラムの主な内容は以下のとおりである。

①地域連携ネットワーク等担い手確保・育成のためのネットワーク構築

個社を超えて、地域の関係者が一体となって教育訓練体系を構築することを目指し、地域 連携ネットワーク等の形成に有益な情報を調査・取りまとめ提供するとともに、先進的な取 り組みを支援。

②教育訓練等基盤の充実・強化

充実した教育訓練の実践、教育訓練をはじめとした担い手確保・育成に資する提案、担い 手確保・育成のための広報等について、教育訓練の実践的な役割を担う富士教育訓練センタ ーと連携を図りつつ、教育訓練体系の構築に向け中核的な役割を果たすため事業を実施。

③職業訓練校ネットワークの構築

富士教育訓練センターと連携した職業訓練校のネットワークを構築するため、本コンソー

5 国土交通省土地・建設産業局建設市場整備課専門工事業・建設関連業振興室長 長福知宏『「建設産業 担い手確保・育成コンソーシアム」への期待』(建設業しんこう 201411月号)を基に記述した。

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