千本敬子
1998(平成10)年度卒業生/(財)建築環境・省エネルギー機構 企画・環境部 Tokyo University of Science建築学科
学生
OB
の声
Tokyo University of Science
声 06.6.1 9:39 AM ページ 070
学生OBの声
071
私
は、一度文系の大学を卒業し就 職して三年目の時、東京理科大 学の編入学制度を知りました。元々理系 分野に対して憧れていた部分や当時の経 済情勢の影響もあり、これはいい機会だ なと思い受験してみようと考えました。建築学科を選んだ理由は、我が国の建設 業従事者が全就業者の1割を超える社会・
経済基盤の核を担う非常に大きな産業で あるということ、卒業後も多く人との関 わりができる分野だと考えたからです。
当時昼間フルタイムで企業に就職して いた私にとって、初めのうちは夜6時か らの授業や多くの課題提出が心身ともに 大変な負担でしたが、次第に慣れペース を掴むことができるようになりました。
4年次の研究室配属の際、清水研究室を 選んだ理由は、その研究内容に大変惹か れたからです。工学部建築学科の研究室 は、大きく分けて構造・材料系、意匠系、
計画系、環境系がありますが、建築物の 命とも言える柱や梁などの重要な構造部 分の材料の研究や、リサイクルや環境に
配慮した材料の研究を行っている清水研 究室に大変魅力を感じました。
当時、時期を同じくして配属となった 同期生は、現役の一部生、一級建築士、
主婦、公務員等非常にバラエティーに富 んだ二部の建築学科ならではのメンバー でした。このような人達とともに実験や 卒業研究を行えることが正に清水研究室 らしさであり、私が望んでいた姿でした。
卒業後の進路を考えるにあたり、東京 工業大学大学院への進学を勧めて下さっ た恩師の清水昭之先生には大変感謝して おります。現在は、大学院での研究生活 にも慣れ修士論文の発表に向け、鉄鋼ス ラグ水和固化体という主に港湾土木材料 に適用を見出そうとしている新材料の研 究・実験を行っています。
2006(平成18)年4月からは九段 校舎に研究室も移転し、先生方・卒研生 とも心機一転といったところでしょう。
私も、時間の許す限り清水研のゼミに参 加し、より一層現役生とOBの繋がりを 深めたいと考えております。
経営工学
現研究室の
声
専門分野の研究と人との繋がりを 同時に学べる研究室
木村智成
2004(平成16)年度卒業生/東京工業大学大学院 Tokyo University of Science建築学科
学生
OB
の声
Tokyo University of Science
声 06.6.1 1:20 PM ページ 071
電気の歴史 06.6.1 9:46 AM ページ 1
第3章 電気工学科(E科)
074
1 . 創業時代
私は1976(昭和51)年4月に、「工学部第二部電気工学科という 幼鳥 を 立派な成鳥に育成すべし」という大学の命を実行するため、通産省電子 技術総合研究所(電総研)から本学に着任しました。恩師である橘高重義 先生ならびに電総研の上司である井上弥治郎所長と伊藤昭夫材料部長の ご配慮によるものであります。
当時、電総研は東京地区からつくば地区への移転を目前としており、
高温電子材料研究室長の職にあった私の転出は危ぶまれておりました。
幸い、上記の上司のお二方と、十数名の研究室員の方々のご理解とご支 援によって実現いたしました。厚く御礼申し上げる次第であります。
大学に着任してみますと、3羽の幼鳥が降りました。これらは、まも なく工学部第二学部の建築学科、電気工学科、経営工学科としてはばた く若鶏です。ところで、幼鳥の巣は冷たい床上でなく、工学部第一部と いう立派な部屋の一隅に置かれていました。我々工学部第二部電気工学 科の専任スタッフは、主任の塘教授、杉田助教授と稲坂講師の3名で、
工学部第一部の先生方の暖かい手をかりながら、この幼鳥の育成をする こととなりました。2年目には、大木先生が高電圧工学担当の教授とし て三菱電機(株)から、渡辺恒夫先生が東京大学大学院を卒業した若手 の講師として着任されました。3年目には、私が教授に昇格し、これま で塘先生が兼務されておられた主任に任じられました。そして、4年目 に完成年次を迎えました。この間、兼担教授として、教育を分担された 工学部第一部電気工学科の、沢田良嘉教授、大森俊一教授、入江泰三教 授、稲本真平助教授、佐野雅敏助教授の諸先生に心から御礼を申し上げ ます。
杉田利男東京理科大学名誉教授 電気の歴史 06.6.1 9:46 AM ページ 074
工学部第二部電気工学科30年
075
2 . 発展時代へ
2.1
電気主任技術者の認定資格の付与電気工学科卒業生が社会で活躍する場合の有用な資格に「電気主任技 術者資格」があります。この資格は国家によって認定される資格であり、
「定められた教育と教育組織にて教育された大学卒業生に与えられるも の」であります。本学では、工学部第二部電気工学科の開設を機に、工 学部第一部と第二部の卒業生にこの資格を付与するための環境を整える ことになりました。この資格の認定は通産省の管轄であることから、と もに、通産省の出身ということで、大森教授と私が、大学から指名され て準備にあたりました。認定に必要な教員組織、学生の履修するカリキ ュラム、教育設備等の調査結果を大学に報告し、整備していただきまし た。申請書類は1979(昭和54)年12月に提出されました。その後、数度に わたり、係官の現場視察が行われ、合格致しました。官報による電気主 任技術者学校認定の告示は1980(昭和55)年8月13日に行われました。これ により、工学部第一部電気工学科では同年度の卒業生から、工学部二部 電気工学科では第1回の卒業生から、この資格が与えられることになり 完成年次における教員組織
電気工学科
高電圧工学・電力系統工学 教授 大木正路
薄膜物性工学・真空工学 教授 杉田利男
講師 渡辺恒夫
電子回路工学 講師 稲坂 勤
半導体工学 * 教授 入江泰三
* 助教授 佐野雅敏 高周波計測及び制御工学 * 教授 大森俊一 電子管・電子応用・マイクロ波 * 教授 沢田良嘉
応用電子計測工学 * 助教授 稲本真平
電気通信工学・電気音響 ◎ 教授 塘 正夫
*印は兼担、◎印は非常勤嘱託 電気の歴史 06.6.1 9:46 AM ページ 075
第3章 電気工学科(E科)
076
ました。この資格が付与されたことで、卒業生の就職が有利になり、よ ろこんでおります。
2.2
卒業研究(1)「学生実験」
工二電気工学科のカリキュラムでは、「学生実験」として、1年生に
「物理実験」、2年生に「電気工学実験(1)」そして3年生に「電気工学実験
(2)」を受講してもらうことになっています。履修する実験題目数を工 一の場合と同じとすることで、実験室、使用実験器具の共有が可能とな ります。学生2人を単位とし、この2単位すなわち4人を先生が指導して、
その日の実験科目を履修させる方式です。この実行には、実験指導のた め、数人の非常勤講師の方々に参加していただくことが必要でした。
この方式で、創業後の3年間は過ごせそうですが、4年生の「卒業研究」
は大変かなと思われました。
(2)「卒業研究(卒研)」
工一で行われてきた卒研は「学生実験」型ではなくて、「研究」型でし た。
これは、例えば、A教授の率いる研究室に、用意された研究テーマに 見合う数の学生を収容し、教授の指導の下で研究させ、その成果を「卒 研」としてまとめる方式であり、理想的なものであります。しかし、工 二に用意されるのは最大で5研究室なので、この方式を そのまま 適用 するのは無理でした。
また、工二学生は、昼間は勤務先で働き、5時30分の始業に駆け付け るので、終業の9時30分まで実験しても(これは文部省の認可時間を充 たしています)、工一の学生の実験時間の半分ぐらいでしょう。そこで、
ハードをソフトで補う方式を採用し、工二学生の研究結果を英文の小論 文にまとめたらと考えました。この作業を卒研の一環として行うことは、
彼等にとり、大学で習得した外国語の身近な、具体的利用例になり、ま た、卒業後の社会で役立つと思ったからです。
このような考えを工一の神山雅英教授にご相談したところ、それは良 いアイデアと賛同され、しかも、当時、考えられる最高の指導教授の方 をご紹介くださいました。卒業生の諸君がたぶん、今でも忘れることの できない、中村幸雄先生であります。
電気の歴史 06.6.1 9:46 AM ページ 076
工学部第二部電気工学科30年
077
a.「電気英語」と「技術英作文(テクニカル・ライテング)」中村先生は東大、理、物理学科を卒業、電気試験所に入所されました が、ほどなく、フランス国費留学生試験に合格し、留学をはたされた方 で、電子・電気技術と語学の達人として著名でした。戦後、電気試験所 は進駐軍の命令で通信部門が電気通信研究所(通研)として分離され、先 生は通研に所属されていました。私は、神山先生のおはからいで通研に 中村先生を訪ね、上記の「卒研プロジェクト」をお話しました。すると、
「君、それは良いことだ」として、直ちに、協力していただけることに なりました。
この件を、大学に戻り、工一、工二の合同会議にはかり、学生には、
3年生で「電気英語」(4単位)、4年生に「技術英作文(テクニカル・ライテング)」
(2単位)を受講してもらうことにし、これらの講義を中村先生にお願いす ることになりました。
b. 卒研生の第一、第二部相互乗り入れ指導
このような合同会議で、第一部所属の先生のご好意で、第二部卒研生 を 研究型で 指導くださることになり、対して、第二部の研究室も第 一部卒研生を 研究型で 受け入れることになりました。卒研題目が多 様化し、学生諸君にも喜ばれました。
c. 第二部の卒業研究
このような経緯で最終的に決定された「卒業研究」のシステムは次の ごとくです。
(1)4年生を対象に開講される「テクニカルライテング」を受講する。
(2) 研究型 の「卒業研究」を行い、 研究結果 を集積する。
(3)この 研究結果 を「邦文4枚の論文」にまとめる。
(4)この 研究結果 を「ポスタ・セッション」形式で発表する。
(5)この 研究結果 を「英文小論文」としてまとめ、「卒業論文」として 学科に提出する。
(6)学科は、これらの「卒業論文」を収録した「卒業論文集」を作り、こ れを指導の先生、卒研生に配布し、また、学科に保存する。
このシステムは、その後に着任された先生方にも理解されて、現在も保 持されております。
電気の歴史 06.6.1 9:46 AM ページ 077