50)柴田利男(1990):青年期の身体満足度が対人不安および自己開示行動 に及ぼす影響.心理学研究,第61巻,第2号,123−126
51)伊原千晶(1992):自己及び他者に対する関わりのあり方と身体イメー ジとの関係についての横断的研究.京都大学教育学部紀要,第38巻,
239−253
52)清水知恵(1998):コンタクト・ワーク経験によるボディイメージの変 化.福岡教育大学紀要,第5分冊,芸術・保健体育・家政科編,第47 号,85−98
53)清水知恵(1998):コンタクト・ワーク経験を通した「自尊:感情」と「ボ ディ・イメージ」の変化とその関係.舞踏教育学研究,第1巻,13−28 54)長谷川洋子・橋本宰・佐藤豪(1999):対人関係における基本的構えが 摂食障害傾向およびボディ・イメージの歪みに与える影響.健康心理学
研究,第12巻,第2号,12−23
55)Koppitz, E. M.(1968):子どもの人物画一その心理学的評価.古賀行 善監訳,三二社
62)橋本やよい(1979):人物画に表された分裂病者の身体像について一子
どもの人物画と比較して一.京都大学教育学部紀要,第25巻,268−279 63)上杉剛嗣(1986):精神分裂病者における人物描画法に関する一研究.
教育学科研究年報,第12巻,27−38
64)Witkin, H. A.(1959):The perception of the upright. Scientific America,
200, 50−56
参考文献
1) Gorman, W.(1969):Body image and the image of the brain.(村山 久美子訳,1981,心の目でみるからだと脳,誠信書房)
2) Wallon, Ph.:身体・自我・社会一子どものうけとる世界と子どもの働 きかける世界一.浜田寿美男訳,1983,ミネルヴァ書房
3) Wallon, Ph.・Cambier, A.・Engelhart, D.(1990)::Le dessin de I enfant.
(加藤義信・日下正一訳,1995,子どもの絵の心理学,名古屋大学出版)
4) 小林重雄(1988):グッドイナフ人物画知能検査の臨床的利用.二回忌 5) 小澤勲(1984):自閉症とは何か.精神医療委員会
6) 中根晃(1984):自閉症研究。金剛出版
7) 今野義孝(1990):障害児の発達を促す動作法.学苑社
8) 成瀬悟策(1995):講座・臨床動作学1 臨床動作学基礎.学苑社
9) 森敏昭・吉田寿夫(1990):心理学のためのデータ解析テクニカルブッ ク.北大路書房
10)発達科学研究センター:乳幼児発達スケール KIDS 手引き
資料
付録論文
健常児の人物画に表される身体イメージと
Koppitzの情緒指標との関連
付録論文1
健常児の人物画に表される身体イメージと:Koppitzの情緒指標との関連
第1節 目的
1(oppitzの情緒指標はMachoverやHammer, Koppitzによって抽出された 情緒指標の項目を(1)各項目が年齢や成熟度とは無関係であること.故に子
どもたちの年齢の増加につれて出現の頻度が増加しないこと,(2)それは稀に しか発現しないもので,常に起こるものではないこと.その年齢の子どもたち の全ての人物画の15%またはそれ以下の発生率を示しているものであること,
といった基準に沿うように標準化された30項目からなる指標である.Koppitz
(1966)によれば,それらの項目はよく適応した子ども達の人物画にはほとん ど表れないものであり,また,年齢や成熟度とは本質的に関係がなく,不安や 心配や態度といった」清緒上の問題や適応上の問題を反映するものであるとされ
ている.
ここでは,今回の調査での対象児の人物画をKoppitzの情緒指標を用いて,
情緒指標が出現している群と出現していない群に分類し,身体イメージ得点の 二間比較をおこない,人物画に表される身体イメージと子どもの適応との関係
を検討することを目的とする.
第2節 方法 1 分析の対象
Koppitzの情緒指標の適用年齢は5歳から12歳までであるので,今回の調
査での対象児のうち5歳0ヶ月から10歳3ヶ月までの対象児,計170名の人
物画を分析の対象とした.年齢別の人物画数をTable.1−1に示した.
Table.1−1 年齢別の対象人物画数
Age
5 6 7 8 9 10人物画(N=170) 29 37 28 36 37 3
2 方法 1)指標
(a)情緒指標
Koppitzによって導き出された30項目の指標である。この情緒指標は,よく 適応した子ども達の描画にはほとんど表れないものであり,また,年齢や成熟 度とは本質的に関係がなく,不安や心配や態度といった情緒的な問題や適応上 の問題を反映するものとされている.情緒指標の項目をTable.1−2に示す.
Table.1・2 Koppitzの情緒指標
.『
ソ堕徴擾
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
面像あ品品1が品品不全ζ少年ゲ歳, 品品6歳)…
顔の塗りつぶし
胴体や四肢の塗りつぶし(少年9歳,少女8歳)
手や頚部の塗りつぶし(少女8歳,少女7歳)
四肢の大きな非相称 傾斜像
過小像
過大像(少年・少女とも8歳)
透視像 特異形態
10.過小な頭部 11。斜視
12.歯
13.短すぎる腕 14.長すぎる腕
15.胴体に密着した腕
16.大きすぎる手,画像の顔ほどの手掌部 17.手の切断,手掌も指もない腕
18.密着した両脚 1g.生殖器
20.怪物または怪奇な像
21.自発的に描かれた3人以上の像 22・i蕪,雨・雪
欠如
23.眼の欠如
24.鼻の欠如(少年6歳,少女5歳)
25.口の欠如 26.胴体の欠如
27.腕の欠如(少年6歳,少女5歳)
28.脚の欠如
29.足の欠如(少年9歳,少女7歳)
30.頚部の欠如(少年10歳,少女9歳)
(b)身体イメージ
人物画身体像測定法(木舩,1995)を用いた.
2) 整理方法
(a)情緒指標
評価の手続きはKoppitzの情緒指標の評価基準に従い,評価基準に合致した ものを「ある」として「1」を,合致しない場合は「なし」として「0」を用 いて数量化をおこなった.」i青緒指標の評価基準をTable.1−3に示す.
Table.1・3 Koppitzの情緒指標の評価基準 1.部分統合不全(少年7歳,少女6歳):
1つあるいはそれ以上の部分が他の部分と結合していないか,部分が1本の線 で辛うじてくっついているか,または,ほとんどくっついていない
2.顔の塗りつぶし:
顔の全部またはその一部分を意図的に塗りつぶしている。「そばかす」「はしか」
の斑点を含む。顔を一様にうすく塗りつぶして皮膚の色をあらわす時には採点 しない
3.胴体の塗りつぶし(少年9歳,少女8歳)
4.手や頚部の塗りつぶし(少年8歳,少女7歳)
5.四肢の大きな非相称:
一方の腕や脚が,他方の腕や脚と著しく形が異なる。形は類似していても,大 きさにおいて腕や脚がちょっと異なる場合には採点しない
6.傾斜像:垂直よりも15度以上像の軸が傾いている 7.過小像:身長が5cm以下の像
8.過大像(少年・少女とも8歳):身長が23cm以上の像
9.透視像:胴体や四肢の主な部分が透きとおって見えること。胴体を横切って いる腕の線は採点しない
10.小さすぎる頭:全身長の1/10以下の頭の長さ
11.斜視:両眼が内側または外側に集まっている。横眼は採点しない
12.歯:1本以上の歯
13.短すぎる腕:腰の線までとどかないような短い腕
14.長すぎる腕:膝の下または膝のところまでとどくような長い腕 15.胴体に密着した腕:胴体と腕との問に空間なし
16.大きすぎる手:像の顔よりも大きい掌
17.手の切断:掌も指もない腕。像やポケットの背後に隠れた
18.密着した両脚:両脚がその間に全く隙間がないように密着している。
19.生殖器:リアルに,またどう見ても象徴的に生殖器が描かれている 20.怪物または怪奇な像:
人間以外のお化け,いやなコッケイな人間,怪奇な像が子ども達の技術不足と か未成熟ではなくて意図的に子ども達の方から描かれたもの
21.自発的に描かれた3人以上の像:
まとまった,意味のある活動をしていない無関連の数個の人間像「1人の人間」
を描くよう要求されたとき,反復的に描かれた像である 22.雲,雨,雪:雲や雨や雪や,飛んでいる鳥の画
23。眼の欠如:眼が全くないこと。閉じた眼や瞳の欠如は採点しない 24.鼻の欠如(少年6歳,少女5歳)
25.口の欠如 26.胴体の欠如
27.腕の欠如(少年6歳,少女5歳)
28.脚の欠如
29.足の欠如(少年9歳,少女7歳)
30.頚部の欠如(少年10歳,少女9歳)
(b)身体イメージ
第2章,第3章での人物画身体像測定法と同様におこなった.
3 分析方法
情緒指標の出現数に応じて「0個」,「1個」,「2個」,「3個」,「4個」,「5個」,
「6個」のグループに分類した.
次にそれぞれの群を「なし群」と「あり群」に分類し,身体イメージ得点の 平均の差を検定した.
第3節 結果
1 年齢別にみたKoppitzの情緒指標の出現数と出現率
年齢別にみた情緒指標の出現数と出現率をTable.1−4に示した.
Table.1・4 年齢別にみた情緒指標の出現数と出現率
5歳(N=29) 6歳(N=37) 7歳(N=28) 8歳(N=36) 9歳(N=37) 10歳(N=3)
情緒指標 頻度 率 頻度 率 頻度 率 頻度 率 頻度 率 頻度 率
1.各部の統合不全 0 0.0 1 2.7 2 7」 3 8.3 2 5.4 0 0.0
2.顔の塗りつぶし 0 α0 0 α0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0
3.胴体の塗りつぶし 0 0.0 0 0.0 0 α0 0 0.0 0 0.0 0 0.0
4.手や頚部の塗りつぶし 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1 2.8 0 0.0 0 0.0
5.四肢の大きな非相称 6 20.7 5 13.5 1 3.6 3 8.3 3 8.1 0 0.0
6.傾斜像 0 0.0 0 0.0 1 3.6 2 5.6 0 0.0 0 0.0
7.過小像 0 0.0 2 5.4 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0
8.過大像 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1 2.8 3 8.1 0 0.0
9.透視像 1 3.4 0 0.0 0 0.0 1 2.8 1 2.7 0 0.0
10.過小な頭部 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0
11。斜視 0 0.0 1 2.7 2 7」 1 2.8 3 8.1 9 0.0
12.歯 0 0.0 0 0.0 2 7.1 3 8.3 4 10.8 0 0.0
13.短すぎる腕 15 5t7 12 32.4 8 28.6 12 33.3 11 29.7 1 33.3
14.長すぎる腕 2 6.9 1 2.7 3 10.7 4 11」 4 10.8 0 0.0
15.胴体に密着した脚 2 6.9 0 0.0 5 17.9 0 α0 4 10.8 0 0.0
16.大きすぎる手 4 13.8 2 5.4 1 3.6 1 2.8 0 0.0 0 0.0
17.手の切断 0 0.0 5 13.5 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0
18.密着した腕 0 0.0 1 2.7 3 10.7 7 19.4 3 8.1 0 0.0
1g.生殖器 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 α0 0 0.0 0 0.0
20.怪物または怪奇な像 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0
21,自発的に描かれた3人以上の像 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0
22.雲,雨,雪 0 0.0 0 0.0 1 3.6 0 0.0 0 0.0 0 0.0
23.眼の欠如 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1 2.8 0 α0 0 0.0
24.鼻の欠如 6 20.7 20 54.1 6 21.4 12 33.3 3 8」 0 OO
25,口の欠如 0 0.0 2 5.4 1 3.6 0 0.0 0 0.0 0 0.0
26.胴体の欠如 0 0.0 1 2.7 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0
27.腕の欠如 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 α0 0 0.0
28.脚の欠如 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0
29.足の欠如 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0
2 情緒指標の出現数と身体イメージ得点との関連
(1)情緒指標の出現数と身体イメージ得点
人物画にみとめられた情緒指標の出現数別に,人数と身体イメージ得点の平 均値と標準偏差値を求めた.結果をTable.1−5に示した.
Table.1−5 情緒指標の出現数別身体イメージ得点の平均値と標準偏差値