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一GJR FP t+1 一一一一一E GARCH HLCO t+1

 本節では、企業サイドと家計サイドの金融不安要因の比較を行うことにする。図2−10は企業サ イドと家計サイドの条件付分散の波形を示している。左軸のスケールは企業サイドを示しており(実 線)、右軸のスケールは家計サイドである(破線)。図を見ると、企業サイドと家計サイドの金融不安 要因に相違が生じている。

まず、第二次オイル・ショックに対する金融不安要因の高まりを家計サイドは示している。前節で も述べたが、企業サイドでは、第二次オイル・ショック時には第一次オイル・ショックの経験から、合 理化を推し進めていた。日経平均株価を見てみると、第一次オイル・ショック時には株価は大きく 下がっているが、第二次オイル・ショック時には輸出の好調に支えられ株価も上向き基調が続いて おり、第一次オイル・ショックほど経済的に打撃を受けなかった。一方、家計サイドでは、第一次オ イル・ショック時の混乱が頭を過ったのかもしれない。「エネルギー消費を抑えないと、将来、石油 は本当に枯渇してしまう」といった意識が定着し、日本中で省エネキャンベーンが展開された。そ の後、日本中に省エネを売り文句にした商品が店を飾るようになっていく。

 第2に、家計サイドではバブル崩壊直後に金融不安要因の高まりを検出している。住宅地価の 下落は家計の資産価値の大幅な減少を意味しており、相当の不安を与えていたと思われる。

 第3に、1992年から1996年における金融不安要因の表れ方が異なる。この期間においては、

住等間題が発生し、家計にとっては大きな問題である。しかし、企業にとっては家計はど問題では ない。バブル経済崩壊後の株価・地価の下落による不良債権が原因で金融機関が破綻している が、あくまでも小規模である。

 第4に、1997年の金融システムショックに対する金融不安要因の高まりの表れ方が違う。この 期間において企業サイドは金融不安要因の高まりはピークを迎えているのに対し、家計サイドは 比較的低い値を取っている。企業は、金融システムショックにより銀行の貸し渋りを予想し、銀行の 貸出し拒否のリスク等に備えて資金を厚めに確保した。その結果、企業の実物取引に回せる資金 量は不足し、資金繰りが逼迫化した。一方、家計にとっては住宅間題が重要であり、銀行の貸し 渋りとは無縁である。

V.まとめ

本章では、先行研究の問題点を指摘しながら、心理的要因である金融不安要因を企業、家計 の両サイドから定量化を行った。金融不安によって経済主体の直面する不確実性が増大するよう な事態は、1997年の金融システムショックを含め、企業サイドで過去2回、家計サイドで4回も起 きていた。また企業サイドと家計サイドの比較を行った結果、1980年の第二次オイル・ショックによ る金融不安要因の高まりは、家計サイドでは大きいが、企業サイドではほとんど検出できなかった。

1992年から1996年ごろの金融不安要因の高まりは、企業サイドでは小さく、家計サイドでは大き く表れている。また、1997年の金融システムショックに対する金融不安要因の高まりは、家計サイ ドでは小さく、企業サイドでは大きく表れている。

問題点として、2002年Q2以降、住宅金融公庫が政策的に貸出額を減少させており、したがっ て、本章でのデータの有効性は2002年Q1までに制約される。この時期以降の金融不安要因を 求めようとするなら、他の変数を考えなければならない。

本章の分析結果に基づいた金融不安要因を考慮した貨幣需要関数の推定は、次章で分析す

る。

VI.補論_金融公庫の事業計画と資金計画_

住宅金融公庫は、「住宅金融公庫法第26条」と「公庫の予算及び決算に関する法律第3条」

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に基づき事業年度ごとの予算を作成し、国土交通大臣を経由して財務大臣に提出することとされ ており、その添付資料として事業計画と資金計画を作成することとなっている。また、「住宅金融公 庫法第25条」に基づき、この事業計画、資金計画に適合するように、四半期ごとの事業計画及び 資金計画を作成し、これを主務大臣(国土交通大臣及び財務大臣)に提出し、その認可を受ける

こととされている。

このため、住宅資金需要が事業計画を上回ったとき、貸出は事業計画に適合するように制約を 受ける可能性がある。つまり、実勢を反映していないとの懸念がある。

 (億円)

180.000 160.000 140.000 120.000 10◎.000 80.000 6◎.000 4◎,000 20.000

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図川住宅資金融還業の蓼業討国及ぴ実績(金額)

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(出所)住宅金融公庫

 図2−11は、住宅金融公庫の住宅資金融通業の事業計画及び実績を金額べ一スで示したもの である。これを見ると、実績が大幅に計画を上回っている個所があり、住宅資金に対する要求が 増えれば、それに応じて柔軟に貸出を行っているように思える。つまり、国民の安心を支えるセー フティーネットとしての役割が最優先され、貸出制約は無いように思われる。

 また、事業規模は年月を重ねるごとに拡大しているが、2002年以降、急激に縮小している。こ れは、住宅金融公庫が廃止されることが決まり、2002年度から業務内容が変更されているためで

ある。

第3章平成不況における金融政策の有効性

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