第 8 回 (6/1) 力(1)
2. 導円 (従円) - 周転円説
・コペルニクスの登場
・ケプラーの法則
参考文献
1. S . ワインバーグ 「科学の発見」文藝春秋 (2016年)
2. 高橋憲一「コペルニクス・天球回転論」みすず書房 (1993年)
2017/6/29 入門物理学 A (旧 原子から宇宙まで I)
前回の復習
単振動 … 等速円運動を一方向から見たもの
例. バネの力による運動 (フックの法則)単振り子 (振り子の等時性、振り子時計の原理) → 重力加速度 (約 9.8 m/s2
) の測定
古代の天文学
天球の概念 → 恒星の運動は天の北極を中心とした円運動
(地球を中心とする球の上に恒星が張り付いていて回転) 天文学は、カレンダー(太陰暦・太陽暦)や
宗教的な理由 (占星術や復活祭) でも重要
地動説
アリスタルコス (B.C.310 - B.C. 230頃) 半月を利用した太陽までの距離測定
→ 太陽中心説を唱える 太陽
地球 月
87度
(実際には 89.853度)
2017/6/29 入門物理学 A (原子から宇宙まで I)
惑星の奇妙な運動
古くから知られていた天体
太陽 (Sun)、月 (Moon), その他 5 つの惑星
水星 (Marcury), 金星 (Venus), 火星 (Mars), 木星 (Jupitar), 土星 (Saturn)
→ 七曜の起源
太陽や月は常に東から出て西へと沈むが、
惑星は進行方向を変えることもある
(通常の進行(順行)と比べて逆行と呼ばれる)
当時は円運動が完全な運動とされていた
プラトンから天文学者への問い
「惑星の運動を記述するには、どのような
一様な(等速)円運動を組み合わせれば良いか?」
⇨ 以後ずっと (ニュートン力学の完成まで)
天文学者の間での主要な問題になる Nasa picture of the day (2003年 12 月 16日) http://apod.nasa.gov/apod/ap031216.html
からの引用
2003 年は火星が地球に大接近した年
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同心天球説
エウドクソス (Eudoxos, B.C. 408 - B.C. 355)により作られ アリストテレスにより発展
地球を中心とする天球を重ねることによって天体の運動を表す
一番外側: 東から西へ1日1回転 (太陽の日の出、日没 = 地球の自転を表す) 外側から 2 番目: 西から東へ 1年1回転 (地球の公転を表す)
内側二つの天球 : 逆行運動を作り出す 短所 天体の見かけの大きさが変化しない
オハイオ大Richard Pogge氏の講義ノートより引用 http://www.astronomy.ohio-state.edu/~pogge/
Ast161/Unit3/greek.html 国立天文台暦計算室トピックスより引用
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/topics/
html/topics2012̲1.html
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2017/6/29 入門物理学 A (原子から宇宙まで I)
クラウディウス・プトレマイオスによる導円・周転円説
クラウディウス・プトレマイオス
(羅: Claudius Ptolemaios, 英 Ptolemy, 83 年頃 - 168 年頃)
主著: アルマゲスト (Almagest) 天文学・幾何学(古代の三角法)の専門書 1500 年にわたり、天文学の標準的な教科書として用いられる (全13 巻)
導円 (大きな円) と周転円 (小さな円)により逆行を説明
地球
エカント
惑星
国立天文台情報センター科学文化 形成ユニットによる動画
(https://www.youtube.com/watch?v=NerlbFAYP̲0)
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エカント: 惑星の地球から見た移動速 度の変化を説明するために導入
(周点円の中心はエカントの周りを一定 の回転速度(角速度)で運動)
2017/6/29 入門物理学 A (原子から宇宙まで I)
地動説 (太陽中心説) と導円・周転円説との関係
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簡単のため、エカントを導入せず、地球を導円の 中心とする。
導円と周点円の半径の比や、回転数の比を変えな ければ、地球から見た惑星の運動は同じになる。
導円・周転円説では、地球から惑星までの距離は (観測から) 決まらない !
内惑星 (水星・金星)の運動
導円の軌道を太陽の公転軌道と一致させると、
惑星が太陽の周りを回ることができ、
地動説 (太陽中心説) と対応させることができる。
この導円・周転円を形を保ったまま 縮小して水星・金星の運動を決める。
(ティコ・ブラーエの2重中心模型 (後述) )
地球から見た運動は同じ
地球
導円: 地動説では地球の太陽の周りの公転に対応 周転円: 地動説では惑星の太陽の周りの公転に対応
地球
太陽 惑星
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地動説 (太陽中心説) と導円・周転円説との関係 (続き)
外惑星(火星・木星・土星)の運動
地球
太陽 地球の 公転
惑星の 公転
惑星
導円の半径
周転円の半径
左の図のような平行四辺形を書くと、
地動説 (太陽中心説)と導円-周転円説を 対応させることができる。
火星・木星・土星の軌道はこの導円・周転円 を形を保ったまま縮小・拡大させること
で決定。
導円・周転円説と地動説では、地球から見た惑星の運動は同じ。
周転円の数を増やすことによって、
地球から見た惑星の運動を極めてよく記述することができる (惑星・太陽・月の運動を 34 個の円を用いて表現)。
残された問題: 地球-惑星間の距離はどのようにして決めるか?
アリストテレス自然学の結論 (自然は真空を嫌う)を援用。
① 逆行の量から周転円と導円の半径の比を決定