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対抗手段

ドキュメント内 「韓国模倣対策マニュアル」 (ページ 191-197)

第4章  音盤・ビデオ物及びゲーム物に関する法律

2.  対抗手段

 

2-1 法的手段 

  他者の出願及び権利が自社の権利に抵触する場合には、出願段階では情報提供をするこ とができ、登録後の場合には異議申立又は権利範囲確認審判や無効審判で対処することが できる。異議申立、権利範囲確認審判及び無効審判に関することは第Ⅰ編権利の取得及び 第Ⅱ編第1章1.特許審判制度の説明部分を参照のこと。以下では特許法を中心に情報提供 について説明する。 

 

(1)情報提供制度の意義 

  情報提供制度とは、出願された発明に対し、誰でも、拒絶理由に該当して特許がなされ 得ない旨の情報を証拠と共に特許庁長に提出できる制度をいう。2006 年 10 月以前は公開 後の出願に対してのみ情報提供が可能であったが、現在は公開前の発明であっても情報提 供することができるようになっている。 

 

(2)情報提供手続 

①申請できる者 

  公衆による審査協力制度であるので、誰でも申請できる。 

②対象 

  すべての出願に対して審査参考資料を提供することができる。 

③時期 

  出願後、審査が継続中である限り、いつでも可能である。 

④情報提供事由 

  拒絶理由のうち実体的な事項に限り、形式的な要件の違反は情報提供事由ではない。 

⑤申請方法 

  情報提供事由に該当し特許が受けられないという趣旨の情報を情報提出書に記載 し、その事実を証明する証拠と共に提出する。 

 

(3)情報提供に対する審査 

  情報提供は、審査と別途に行なわれる手続きではなく、審査官が当該出願を審査するに 当たり参考資料として活用するにすぎない。したがって、情報提供者は審査結果について 通知を受ける権利はないが、審査指針書では審査が終結するときにその結果及び提出され た情報の活用の如何を情報提供者に通報することと規定している。 

情報を提供することができると規定しており、商標法でも商標登録出願された商標に対し ていつでも情報を提供することができると規定している。 

 

(5)まとめ 

  前述したとおり、情報提供制度は単に審査過程中に審査の参考資料を提出するにすぎな いため、情報提供者に無効審判請求人のような手続保障の機会(例えば審査官の説得のた めに意見を追加で開陳する機会)は付与されないという短所はあるが、出願公開や出願人 自らの開示などにより他者の出願の存在を確認した場合、無効審判の以前の段階として考 慮してみることができる方法である。ただし、上述したように提供された情報を採択する かしないか、採択したとしてもその情報をどの程度審査に反映させるかは審査官の裁量に 専ら任されるので、万が一、情報提供が受け入れられず他者の出願が特許決定、登録決定 となった場合、後日の無効審判などで情報提供と同じ資料を用いる状況においてはやや不 利な影響を与えてしまう可能性がある。他者の出願の存在を確認したからといって闇雲に 情報提供を行うのではなく、後日の無効審判などの活用についても十分に考慮すべきであ る。

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2-2 日本の登録商標が韓国で不正に登録された場合の対処方法

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  日本の登録商標が韓国で他人に模倣出願され、商標権まで取得されてしまった場合、韓 国内でその登録商標を使用することは、模倣商標権が無効・取消とならない限り商標権侵 害となるため使用を控えざるを得ない。このような場合、状況によって様々な対処方案を 取ることができる。 

 

(1)模倣商標権者との特殊関係がある場合…代理人不当登録取消審判 

  模倣商標権者が、例えば韓国内の輸入者であるといった代理人関係にあれば、商標登録 日から5年以内に取消審判を請求することができる。 

 

(2)韓国で使用中の場合(消極的方法)…先使用権  

  日本の登録商標が、模倣商標が出願・登録される以前から既に韓国内で周知となってい る場合は、2007 年 7 月 1 日施行の改正商標法は、商標使用者に先使用権を認定しているの で、先ずは先使用権の主張が可能かどうか考慮すべきである。 

  先使用権が認められるためには、次の3つが要求される。 

①不正競争の目的なしに登録商標の商標出願以前から使用していたこと、 

②出願前に韓国内で継続して使用していたこと、 

③使用によって先使用者の出所表示として認識されていること 

  ただし、先使用権を主張できる登録商標は 2007 年 7 月 1 日以降に出願され登録された商 標に限られ、これらの登録商標が上記で規定した条件を満たす場合にのみ権利者に対して

先使用権を主張できることに留意しなくてはならない。 

 

(3)韓国で使用中の場合(積極的方法)…周知著名商標に基づく無効審判 

  また、日本の登録商標が、模倣商標が出願・登録される以前から既に韓国内で周知とな っている場合は、需要者に誤認混同を引き起したり、あるいは未登録の周知著名商標と類 似するという理由で無効審判を請求することも可能である。 

 

(4)韓国で使用していない、又は周知でない場合…不正登録に対する無効審判 

  日本の登録商標が、日本国内でのみ周知で韓国ではそれ程有名でない場合は、模倣商標 権者が商標権を奇貨として金銭的要求や独占代理店契約締結の要求をしてきたとか、ある いは非常に独創的な著作物的要素をそのまま模倣しているなど、模倣商標権者が不正な目 的を持っていたことを理由として無効審判を請求することができる。 

  2007 年 7 月 1 日施行の改正商標法では「顕著に認識されている商標」という要件が「認 識されている商標」に変更され、正当な権利者が第三者の模倣商標出願に対して法的措置 を講ずる場合に要求される周知著名性の立証負担を大きく軽減させている。 

 

(5)模倣権利者が使用していない場合…不使用取消審判 

  日本や韓国内での周知著名性や模倣商標権者の不正目的の立証が容易でない場合は、模 倣商標の登録日から3年が経過した時点以降に不使用を理由とする取消審判を考慮するこ とができる。 

  使用事実の立証責任は模倣商標権者側にあるが、審判請求人側で実際の市場調査を行っ て使用実績の有無を確認したり、模倣商標権者が法人である場合は、その法人が有効に存 続している会社であるかどうか法人登記簿を調べたり、その模倣商標の指定商品を使った 事業を継続的に行っているかどうか税務申告状況を調べるなど、予めその模倣商標の使用 状況を把握しておくことも大切である(ただし、商標権者に対するこのような情報収集行 為がともすればプライバシー侵害の素地となり得るので十分な注意が必要である)。なお、

取消審判で登録商標が取消しになった場合は、審判請求人に3ヶ月間の優先出願権が与え られる。 

 

2-3 法的手段以外の対策(警告状) 

 

(1)発送前の検討 

  韓国における他者の製品、又はその製品にかかる出願もしくは権利が、自社が韓国にお

明を比較し、権利が抵触する範囲内であるかどうかを検討しなければならない。そして、

相手側からの反撃に備えて自己の権利が打たれ強いか、すなわち新規性欠如、進歩性欠如 のような瑕疵がないのかを、改めて検討しなければならない(権利取得の過程で自らが不 利になるような意見を開陳していないか、日本・韓国以外への外国出願・権利取得の過程 で先行技術としてどのようなものが引例に引かれたのか、拒絶理由を解消するために不必 要に権利範囲を減縮していないかなど検討すべき事項は多岐にわたる)。他者がその製品に かかる出願をしていたり、権利を取得している場合には、これらに法的瑕疵があるかどう かも当然検討すべきである。 

  商標の場合には、特に自己の登録商標に法的瑕疵がないか(例えば不使用期間が 3 年を 超えていないか、過去に変形使用していないかなど)、相手側商標のロゴだけでなく使用商 品の類否の度合いなどについても綿密に検討しなければならない。 

  このような調査を経た結果、抵触する範囲内である場合には、その他者に警告状を発送 することができる。 

 

(2)警告状の形式 

  警告状は特別な形式が要求されるわけではなく、その他者をして自社の権利を侵害して いることを知らせることができるものであれば足りるといえるが、自社の権利に対する十 分な証拠と共に提示し、また、今後特許侵害訴訟等に発展することに備えて警告状を内容 証明郵便で発送することが望ましい。警告状がその他者に送達された以後からは、権利を 侵害していることを知っていたものと認められ得るので、刑事的措置を取る際に故意の主 張が容易となり得る。 

 

(3)警告状の発送方法と内容 

  警告状の発送にあたっては、自社名義で相手側に送るのか、自社の代理人として弁護士 や弁理士名義で送るのかも事前に検討すべきである。さらに、送る相手側を誰にするかに ついても、例えば製造会社にするのか、製造会社から納品を受けこれを販売する販売会社 にするのか、それとも侵害品の中間/最終ユーザーにするのか、そして、複数の侵害者が存 在する場合、全ての侵害者に一律的に送るのか、それとも業界で最大手だけにするのか、

2番手グループにするのか、財政的に窮しているところがいいのか、侵害品の売上で潤っ ているところがいいのか、さらにまた、単に今後の侵害行為を改めるという約束だけを求 めるのか、販売量・流通量の通報や在庫の廃棄を要求し、あくまで経済的弁済までも強く 求めていくのかなど、将来の侵害対策戦略を見据えて十分な検討が行われるべきである。 

  また、自社の権利がまだ確実なものでない場合や相手の侵害に確証が持てない場合など には、警告状という名目でなく、案内文といったよりソフトな表現を用いることも一考で ある。ちなみに、日本ではいきなり代表者名で相手会社の代表者宛に警告状を送ると波風 が立ちすぎるので、担当者/担当部署名で相手の担当者/担当部署宛にソフトな警告状を送

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