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実験方法

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 50-56)

Figure 3.1に本研究の流れを示す。本研究は二部で構成される。第一部では、

刺激前の MEPの特徴量から、rTMS の刺激効果が誘発されやすいか否かを判別 するための判別関数を作成した(a)。第二部では、rTMSの刺激効果が誘発されに くい群と誘発されやすい群における近似モデルを作成した(b)。本研究において rTMS の刺激効果が誘発されにくい群を Cluster A とし、誘発されやすい群を Cluster Bとした。

Figure 3.1 Experimental diagrams.

3 限定されたrTMSの刺激効果における近似モデル

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被験者及び実験機器

第2章で計測した実験データを使用し、判別関数(Figure 3.1(a))と近似モデルを 作成した(Figure 3.1(b))。

本章では、第2 章の実験データに加え、5名の被験者が、モデルの評価の為 の実験に参加した(3 males; aged 22–26 years)。5名の内2名は2度計測を行った。

これらの被験者は第2章の実験に参加していない被験者である。実験では、MEP をrTMSの刺激前後で計測した。rTMSの刺激条件は、1 Hz 90% RMT 500 pulses、

90% RMT 1300 pulses、95% RMT 700 pulses、100% RMT 900 pulses、105% RMT 300 pulses、110% RMT 500 pulses、110% RMT 1300 pulsesであった。被験者に、rTMS の安全性、計測データの管理などを説明し、同意を得たもとで実験を行った。

本研究の実験に関しては、九州大学の倫理委員会の了承を得たもとで行った。

3.2.1 rTMS

の刺激効果の判別関数

第2章の実験で計測したデータを基に、判別関数は作成された。まず、計測 したデータにおいて、rTMSの抑制効果が容易に誘発されたか否かを符号化する ためにクラスタ分析を行った(Figure 3.1 (a))。次に、クラスタの情報と刺激前の MEP の特徴量に対し、判別分析を行うことで判別関数が作成された。この判別

限定されたrTMSの刺激効果における近似モデル

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関数により、rTMSの抑制効果が誘発されやすいか否かが判断できる。

クラスタ分析による

MEP

の振幅変化の符号化

rTMS による抑制効果が誘発されやすいか否かを符号化するために、第 2 章 の式(2.1)より算出した各刺激条件におけるrTMSを与えたときのMEPの振幅変 化に対し、クラスタ分析を行った。全被験者(20 subjects)における、全ての刺激 強度(3 condition: 85%RMT, 100%RMT, 115%RMT)、全てのパルス数(9 condition:

after 200 pulses, 400 pulses, 600 pulses, 800 pulses, 1000 pulses, 1200 pulses, 1400 pulses, 1600 pulses, 1800 pulses)を与えた時のMEPの振幅変化に対しクラスタ分 析は行われた。解析にはK-meansクラスタ分析が用いられた。

クラスタ分析の結果に対し、rTMS の刺激効果が誘発されにくい群を Cluster

A、誘発されやすい群をCluster Bとした。

判別関数の作成

クラスタの情報と刺激前のMEPの特徴量を判別分析により解析し、判別関数 を作成した。判別関数は、そのデータがCluster AまたはCluster Bのどちらかに属 するのかを判断することができる。

判別分析に関して、1) waveform (二相性か否か); 2) peak-to-peak amplitude; 3)

3 限定されたrTMSの刺激効果における近似モデル

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peak-to-peak phase; (MEPのピーク間の振幅を解析) 4) onset latency (MEPの立上り 潜時を解析); 5) variance of amplitude; 6) variance of phase; 7) variance of onset latencyの7個のMEPの特徴量を使用した(第2章、Figure 2.2)。変動値(variance)は、

刺激前のMEPの標準偏差と平均値の商により算出した変動係数を用いた。MEP の計測時、TMSを4秒おきに10回与えた。それゆえ、刺激前のMEPには、10個の データがあり、その標準偏差と平均値が計算に使用された。

刺激強度が3条件、別々の日に20名の被験者が計測されたため、判別分析は、

合計60の刺激前のMEPのデータに対し行われた (20 subjects * 3 conditions)。判別 分析には、データ間のマハラノビス距離から解析を行う非線形判別分析を使用し た。

3.2.2 rTMS

の刺激効果の近似モデル

近似モデルは、rTMS の抑制効果が誘発されにくい群と誘発されやすい群に おいて作成された(Figure 3.1 (b))。このモデルを使用することにより、rTMSによ るMEPの変化を推定することができる。

限定されたrTMSの刺激効果における近似モデル

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近似モデル

近似モデルは、rTMSの抑制効果が誘発されにくい群と誘発されやすい群のそ れぞれの刺激条件における、全被験者のデータを平均した値に対し、重回帰分 析を行うことで作成された。

重回帰分析は、独立変数により、従属変数を求めるための統計手法である。

本研究において、rTMS の刺激条件である刺激強度とパルス数が独立変数であ り、MEP の振幅変化が従属変数となる。独立変数それぞれと従属変数の関係か ら係数が求められる。解析にはJMP 11 (SAS Institute, Cary, NC, USA)を使用した。

モデルを(3.1)に示す。yはMEPの振幅変化であり、x1は刺激強度、x2 はパルス 数である。

) 1 . 3 ( ) , ( 1 2

f x x y

y: Amount of the difference of MEP amplitude,

x1: Stimulus intensity, x2: Number of pulses

rTMSの刺激条件とMEPの振幅変化の関係から、モデルとして(3.2)を作成し た。MEPの振幅変化と刺激強度、パルス数の関係は非線形であることから、x1

x2の二乗の項を、また、交互作用がある可能性も考えられることからx1x2

3 限定されたrTMSの刺激効果における近似モデル

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積を含む式とした。

) 2 . 3 (

*

*

*

*

*

* 1 2 2 3 12 4 22 5 1 2 6

1

x x x x x x y

Coefficients: 1,2,3,4,5,6

非線形回帰分析のステップワイズ法により(3.2)の係数を定めた。この手法は、

独立変数を追加したり、除いたりして、最適な式を求める手法である。また、

モデルの推定区間はそれぞれのクラスタにおける各刺激条件(9 pulses * 3 intensities)の標準偏差から作成した。

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