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・PEC系ポリマー電解質作製方法

Poly(ethylene carbonate)[PEC] (Mw 50,000, PAC Polymers Inc.)、poly(ethylene oxide)[PEO] (Mw 100,000, Aldrich Inc.) および Lithium bis(trifluoromethane sulfonimide) [LiTFSI, LiN(CF3SO2)2] (Aldrich, Inc.)は、使用前に減圧下 80°C にて乾燥した。Dimethylcarbonate [DMC], diethyl carbonate [DEC] and diethyl ether [DEE] (Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) はリチウムイオ ン電池用に含水率および不純物含有度が制御された電池グレードのものを用いた。PEC 中 の [CH2CH2O(C=O)O] および PEO 中の [CH2CH2O]を各ポリマーのモノマー繰り返し単位 とし、LiTFSI含有度を以下に定義した。

LiTFSI含有度: 各ポリマー中のモノマー繰り返し単位に対するLiTFSIモル比 LiTFSIのDECまたはDFE溶液は、LiTFSIをDECまたはDFEに対し、モル比で0.4にな

るよう調整し溶解させることで得た。

LiTFSI 含有ポリマー電解質作製法を以下に記す。いずれもアルゴン雰囲気のグローブボ

ックス内で調整した。まず、LiTFSI、PECおよび PEOをそれぞれ DMC に溶解させ DMC 溶液を作成した。PECおよびPEOのDMC溶液は40°Cで24時間保持した。次に、所定の

LiTFSIモル比になるようLiTFSI溶液およびPEC溶液、またはPEO溶液を混合した。室温

下で継続的に混合したのち、テフロンシート上にキャストした。室温下24時間放置後、真 空下80°Cで24時間放置し、20°Cに急冷することで約0.1 mm厚みのLiTFSI含有ポリマー 電解質を得た。

・PC添加型PEC系ポリマー電解質作製方法

ポリマーとして、数平均分子量50000のPEC(PAC Polymer)を用いた。また、電解質塩とし ては、LiTFSI(Aldrich、純度>99.95%)を用いた。ポリマーは、予め80°Cで12時間の真空乾 燥を行った。ポリマーを所定量秤量し、ジメチルカーボネート(DMC、和光純薬、純度>98%) に溶解させ、40°Cで 12時間保持した。その後、12 時間撹拌し、透明なポリマー溶液を得 た。また、LiTFSIも所定量秤量し、DMCに溶解させ、40°Cで12時間保持することで透明

なLiTFSI溶液を得た。これらポリマー溶液とLiTFSI 溶液を、LiTFSI とポリマーの繰り返

し単位のモル比が0.2の値になるよう配合し、配合溶液A を作製した。以降、LiTFSIとポ リマーの繰り返し単位に対するLiTFSIのモル比をLiTFSI濃度と定義する。さらにPC添加 型PEC系ポリマー電解質作製のため、LiTFSI濃度0.2の配合溶液Aに対し、PC(和光純薬、

純度>98%)をPECと等モル配合し、配合溶液Bを得た。

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これら配合溶液AおよびBをテフロンボート上にキャストし、DMC残留物除去のため、

Ar雰囲気下(露点-60°C以下)のグローブボックス内で室温下12時間放置した。その後、

DMC残留物のさらなる除去のため、Ar雰囲気下(露点-60°C以下)のグローブボックス内

で80°C12時間放置し、引き続きグローブボックス隣接のサイドボックスで 80°C12時間の

真空乾燥を行った。後述するラマン散乱スペクトル評価により、ポリマー電解質中のDMC 由来のピーク、すなわち518cm-1のOCO 変角振動ピーク[32]の有無を確認した。また、PC 添加型 PEC系ポリマー電解質に関し、ポリマー電解質中の PC含有度は、乾燥後のポリマ ー電解質重量と仕込みのPECおよびLiTFSIの合計重量との差分から計算すると共に、ラマ ン散乱スペクトル評価でDMC由来のピークの有無を確認した。

・リチウムイオン輸率評価方法

本評価は既報[33,34]に準拠した。本研究ではソーラトロン製周波数アナライザー1260 とポ テンシオスタット1287を用いた。測定は、アルゴン雰囲気下のグローブボックスで、両電 極ともリチウム金属箔からなる対称セルを用いた。リチウム金属間にLiTFSI含有ポリマー 電解質を挟み込み10 mVの直流電圧を印加し、初期電流 (I0) と定常電流 (Iss) を測定した。

測定の前後で交流抵抗を測定し、測定前後での界面抵抗変化を評価した。リチウムイオン 輸率は以下の式を用いて算出した。

) (

) (

0

0 0

ss ss ss

Li

I V I R

R I V t I

 

(4-1)

ここで、tLi+ はリチウムイオン輸率、Iss は定常電流、

V

は印加電圧、I0 は初期電流、R0 は 電流測定前の界面抵抗、そして Rss は電流測定後の界面抵抗である。

7Li核磁気共鳴評価方法

1mol/dm3 LiCl 重水素溶 液を外 部標 準とし て、155.37 MHz の 条件下 にて JEOL 製

JNM-GSX400を用いて測定した。サンプルとしては、アルゴンボックス中で、5 μLのクオ

ーツセルに封入した溶媒に対し0.4 mol LiTFSI を混合した溶液を用いた。溶媒としては、

DEC, DFE, またはDEC-DFE混合物(混合モル比1:1)を用いた。

・リニアースイープボルタメトリー

作用極にステンレス箔、対極および参照極にリチウム箔からなる 3 極セルを用い、アル ゴン雰囲気下グローブボックス中で評価した。ソーラトロン製ポテンシオスタット1287を

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用い、走査速度は10 mV/sec とし、電位範囲3-10 V vs. Li/Li+下で評価した。

・粘弾性評価方法

アイティー計測制御社製 DVA-220 を用い動的粘弾性評価を行った。温度範囲は-80°C~

80°Cで、昇温速度が5 °C/minの条件で、測定周波数10 Hzの正弦波振動を印加し、貯蔵弾 性率と損失弾性率を測定した。さらに、弾性率の実数部と虚数部の比(tanδ)の温度変化を測 定した。

・ラマン分光評価方法

日本分光製RFT-400を用い、励起波長1024 nm、800 mWの出力にて積算回数100回の条 件下、検出器としてInGaAsを用い室温中にて評価した。サンプルから180°C後方にラマン 散乱された光を分光器で測定した。全てのスペクトルは分解能1 cm-1で積算数100回スキャ ンした。なお、サンプルは、大気中の水分との接触を避けるため、Ar雰囲気下(露点-60°C 以下)のグローブボックス内で石英板間に挟み、封止することにより作製した。

・イオン伝導度評価方法

アルゴン雰囲気のグローブボックスにて、リチウム箔間にポリマー電解質を挟み込み、

銅製の締め板で圧着した。銅製の締め板とLiは絶縁処理を行った。リチウム箔間には、ポ リマー電解質の厚み規定のためのポリイミドシートを挟みこんだ。次に、このセルを、ア ルゴン雰囲気のガラスセルに入れシールし恒温槽に入れた。このセルに、ソーラトロン社 製インピーダンスアナライザ1260型を用いて、恒温槽外部から10 mVの交流電圧を測定周

波数1 Hz~1 MHzの範囲で印加し、交流抵抗を測定した。ポリマー電解質サンプルは20°C

から80°Cまで加熱し、80°Cで30分間保持し、所定の温度まで低下させ測定した。ゲル電 解質サンプルは20°Cから80°Cまで加熱し、所定の温度まで低下させ測定した。Cole-Cole プロットよりバルク抵抗Rl(Ωcm2)を測定し、下式(4-2)からイオン伝導度を算出した。式(4-2) 中、σはイオン伝導度(S/cm)、Sはポリマー電解質面積(cm2)、dはポリマー電解質の厚み(cm) である。

dRl

S

 (4-2)

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