3.2 成膜部への酸素混入の影響
3.2.1 実験
第 第 第
第 3 章 章 章 章 成膜条件がアモルファスカーボン膜組成に与える影響 成膜条件がアモルファスカーボン膜組成に与える影響 成膜条件がアモルファスカーボン膜組成に与える影響 成膜条件がアモルファスカーボン膜組成に与える影響 3.1 緒言 緒言 緒言 緒言
第2章において、大気圧低温プラズマトーチCAPPLATを用いた新しい水素化アモルファスカー ボン(a-C:H)成膜手法を確立した。またこのa-C:H膜をゴム表面に成膜することで、高摩擦材で あるゴム材料のトライボロジー特性が向上することを見出した。この技術を実用化させるために は、様々な成膜条件とa-C:H膜特性の関係を把握し、必要とするa-C:H膜特性を制御できなければ ならない。従来の真空プロセスによるアモルファスカーボン成膜において、様々な成膜装置の開 発はもとより、ガス条件や電源条件、成膜温度など成膜条件とアモルファスカーボン膜特性の関 係性について多くの研究が行われている[1-3]。このことによって様々な機能向上や生産性の向上 が実現されて、近年のアモルファスカーボン応用拡大につながっている。大気圧低温プラズマに よるアモルファスカーボン成膜技術についても、成膜条件とアモルファスカーボン膜の特性との 関係を把握することが最も重要な検討項目であることは、過去の事例からも明白である。
そこで本章の研究目的は、CAPPLATによるa-C:H成膜技術にける成膜条件とa-C:H膜組成の相関 を明らかにすることとした。具体的には、成膜雰囲気への酸素添加、ワーキングガスへの窒素添 加、前駆体供給量および前駆体種類が得られるコーティング膜の組成に与える影響を明らかにす ることを目的とする。
トーチ(CAPPLAT)と高周波パルス電源、ガス供給装置で構成されており、成膜部に酸素を任意 の流量で導入できる構造となっている。なお、酸素をアルゴンと混合してトーチ上部から導入す ると、酸素の強いクエンチ効果によりアルゴンプラズマが生成しないため、酸素をアルゴンプラ ズマ流中に直接導入する方法を採用した。Figure 3-2-2 にCAPPLATの詳細図を示す。プラズマト ーチの電極構造は2.2.2で示した構造と同じであるが、プラズマ吐出部のシリコーンカバーに2本 のガラスキャピラリーチューブを水平に挿入しており、これらを通じてアセチレンと酸素をそれ ぞれ導入した。酸素の影響を確認するために、異なる流量(0.1、0.3、0.5 L/min)で酸素を導入し た。アルゴンワーキングガスはトーチ上部から6 L/minの流量で流し、原料のアセチレンガスは、
ガラスキャピラリーチューブから 0.3 L/minの流量で導入した。そのほかの成膜条件は2.2.2に準 じた。
3.2.1.3 コーティング膜の分析 コーティング膜の分析 コーティング膜の分析 コーティング膜の分析
得られたコーティング膜の膜厚と表面粗さは,共焦点レーザー顕微鏡(CLSM)を用いて測定 した。コーティング膜の組成は、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)、ラマン散乱分光法およびX 線光電子分光法(XPS)により分析した。また、表面硬さはナノインデンテーション法により測 定した。それぞれの測定方法は2.2.3に準じた。
3.2.1.4 成膜挙動の確認 成膜挙動の確認 成膜挙動の確認 成膜挙動の確認
成膜中に生成した活性種を発光分光分析(Optical emission spectrometry, OES)により分析した。
装置は浜松ホトニクス社製マルチバンドプラズマプロセスモニターC7460を用いた。Figure 3-2-3 に示すように、プローブ位置はトーチ端面から5mm下流でプラズマ流の中心から30mmの距離に 設置した。露光時間0.1sec、アベレージング10、アンプゲイン1の条件で1回の測定につき5秒 間、波長範囲300~950 nmの発光スペクトル測定を行った。
(1) Torch
(2) Substrate (3) Silicone sheet
(4) Stage
(5)Exhaust fan (6) Mass flow meter
(7) Acetylene gas cylinder
(8) Argon gas cylinder
(9) Oxygen gas cylinder
(10) Power supply 8kV 20kHz Duty50%
Fig. 3-2-1 Equipment used for plasma-enhanced CVD; (1)torch (CAPPLAT), (2)substrate, (3)silicone sheet, (4)stage, (5)exhaust fan, (6)mass flow meter, (7)acetylene gas cylinder, (8)argon gas cylinder, (9)oxygen gas cylinder, (10) power supply
(1) Inner electrode
(3) Outer electrode (2) Dielectric barrier
(4) Perforated silicone (5) Glass capillary
(6) Glass petri dish
O2 C2H2
Fig. 3-2-2 Detail structure of CAPPLAT; (1)inner electrode, (2)outer electrode, (3)dielectric barrier, (4)perforated silicone stopper, (5)capillary tube, (6)glass petri dish
OES probe
30mm
5mm
Quartz petri dish
Fig. 3-2-3 Detail structure of OES measurement setup.